カテゴリ: 村田諒太

これ以下はない低俗な話題がアマチュアボクシング界で噴出している最中に、村田諒太の次戦が複雑な様相を呈しています。

まず、トップランクと帝拳は、10月20日にジェイソン・クイグリーとラスベガスで防衛戦を行うべく調整に入っています。

この試合は村田vsクイグリーをメインにした興行で、トップランクと新たに7年契約を更新したばかりのESPNが「ESPN+」で配信することまで決まっています。

クイグリーは、El Animal(野獣)の異名を持つ14戦全勝11KOと無敗のアイルランド人。 

2014年7月12日の デビュー戦から全14戦を、現在住んでいるカリフォルニアを中心に米国で戦っているゴールデンボーイプロモーションズ傘下の27歳です。

トレーナーは、あのブレンダン・イングルの息子ドミニク・イングル。アマチュア経験も豊富で、2013年にはヨーロッパ選手権やU23ヨーロッパ選手権で金メダル、世界選手権でも銀メダルを獲得、鳴り物入りでGBPに迎えられました。

そのデビュー戦(2014年7月12日)がMGMグランドのグランドガーデンアリーナでカネロ・アルバレス対エリスランディ・ララのビッグファイトの前座にセットされ、昨年は落ち目のホープ、グレン・タピアを下して空位の 北米ミドル級王座(NABFバージョン)を手に入れるなど、GBPの庇護のもと温室路線をひた走っている真っ最中です。
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かつてのホープ、タピアを3−0の判定で下してNABF北米ミドル級王者となったクイグリー。

体格は身長・リーチともに183㎝と、183㎝・184㎝の村田とほとんど同じサイズです。戦績も村田は1敗してるものの、14勝11KOで奇しくも同じ。

もし実現したら、「東洋vs西洋」のアマエリート対決(格は五輪金の村田がかなり上ですが)、トップランクとGBPの温室栽培対決になります。

ファンとしては「GGGと東京ドーム」という巨大な夢がぶら下がった状況では「なんだクイグリーかよ〜、寄り道して欲しくないなぁ」と思わずボヤいてしまいますが、ここに来て8月1日にWBAが指名挑戦者ロブ・ブラントとの試合を競争入札すると発表、事態はややこしくなっています。

競札は20万ドルからスタートするといいますが「それでも村田陣営がクイグリー戦を強行するなら、ブラントをプロモートするグレグ・コーエンと指名試合延期の交渉を行わなければならない」(ESPN)状況です。

WBA2位のブラントは、出身地ミネソタ州を拠点に戦う24歳。23勝16KO1敗と綺麗に星を並べています。

唯一の黒星は、昨年10月に敵地ドイツに乗り込んでユルゲン・ブリーマーに判定で敗れたものです。この試合はスーパーミドル契約で、文句無しの強豪とはいえブリーマーは39歳、ライトヘビー級の世界王座(WBAバージョン)を6度も守った実績がありますが、〝底の知れた〟ボクサーです。

ブリーマーに負けたブラントよりも無敗の新鋭クイグリーの方が、ファンとしては楽しめそうです。あくまで消去法ですが。

それにしても、どうなることやら…。 
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GGG,CAFE といってもTriple Gが副業で経営しているお店ではありません。もちろん店内にSeven Nation Armyが流れてるなんてこともありませんでした。本文と関係なくてすみません、先日羽田空港で見かけたもので…。

「報酬の配分を巡って交渉決裂」と言われたゲンナディ・ゴロフキンvsカネロ・アルバレスの再戦交渉が息を吹き返しました。

ボクシングはリングの上はもちろん、リングの外でも何が起きるかわかりません。

ゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)のエリック・ゴメス代表は今日、「水曜日午後12時を期限に9月15日の再戦を受諾するよう最終提案した」とESPNに語ったそうです。

ゴメスが示した提案内容はGBPが「最大譲歩した」という60:40の配分を、GGGが固執している50:50にさらに歩み寄せるもので、57.5:42.5というスプリットです。

いやぁ、刻みましたねえ。

ゴメスは、これでもGGGが拒否するなら「すでに交渉を始めているダニエル・ジェイコブスとの試合を正式決定する 」としています。

このあたりの駆け引きは、GBPの方に焦りが見て取れますね。GGGは今年あと2試合を戦うと見られていますが、セルゲイ・デレビャンチェンコやジャーマル・チャーロら強豪と戦うと負ける可能性もあると恐れているのでしょう。

昨年、17連続KO防衛を止められたジェイコブス戦では、ミラクルマンとの体格差に戸惑い、カネロ戦でも押し気味に進めながらも決定打を打ち込むことが出来ませんでした。36歳のカザフスタン人が、キャリアの下り坂に入っているのは明らかです。

誰もがミドル級最強と認めるゴロフキンに最初に土をつけることの意味は、非常に大きなものがあります。

2年前まで、GGGの峻厳な頂点をミドル級のコンテンダーたちは「どこから登頂できるのか」と遠巻きに眺めるだけでしたが、今や我先に征服せんと堰が切られた状態です。

長年かけてカネロをプロテクトし続け、初戦で「簡単に倒される危険な相手ではない」と大きな手応えを感じたGBPが、この熟しきった巨大な果実を他のボクサーにもぎ取られてたまるかと、ギリギリの妥協と宣言したはずの60−40から小出しに譲歩してきたわけです。

GGGをマネジメントするトム・ロフラーは「GGGは(スポンサーのウブロ時計からゲスト招待された)サッカーW杯のオープニングセレモニーに参加するためにモスクワにいる。すぐに彼の意思を確かめることは出来ないし、メールは送ったが米国時間の水曜12時にGGGの返答を得られるかどうかはわからない」と語っていますが、そんなの電話一本で済まないのでしょうか?

そもそも、ゴロフキンもGBPからの再提案を知ってるでしょう。

ロフラーがGGGから感触を得ている数字は55−45といいますから、GBPが提示した57.5:42.5は本当に微妙な配分です。まあ、これぞ駆け引きなんですが。

より注目が上がっている再戦では、双方の報酬の分母が100億円近いと見られていますから、2.5%違うと2億5000万円とデオンティ・ワイルダーの報酬以上、スーパーフライ興行なら余裕で2回打てる金額ですから少しでも有利な数字で妥結したいのは当然です。
 
ゴメスは「これで断るならゴロフキンはこんな大金の報酬を拝むことは一生出来ないだろう。あとはご自由にどうぞ、だ。彼の未来に幸運を祈るよ」と、バーネス・マーティロシュヤン戦で100万ドルしか稼げなかったGGGを挑発しています。

GGGvsカネロの再戦が急転直下妥結されると、ジェイコブスはデレビャンチェンコとのIBF王者決定戦のリングに上がる予定です。

そして、もしこの〝最終交渉〟も決裂すると、ジェイコブスはデレビャンチェンコとの世界戦を反故にしてカネロとのビッグファイトに臨むでしょう。

そして、ゴロフキンはまたイチから対戦相手を探さなくてはなりません。カネロと戦えば4000万ドル以上というファイトマネーも、40分の1以下の100万ドルレベルです。

ただ、東京ドームに来たら話は変わります。

そして、我らが村田諒太はWBAの指示から3位のロバート・ブラントとの防衛戦に向かう可能性が出てきましたが、Triple Gと戦えるのであれば、WBAのベルトは放棄するでしょう。

そうなるときっとWBAは承認料欲しさに、村田vsGGGの団体統一戦を優先して認めるでしょうけど。
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一時は9月15日に内定と伝えられたゲンナディ・ゴロフキンとカネロ・アルバレスの再戦ですが、報酬の取り分を巡って交渉が決裂してしまいました。

カネロをプロモートするオスカー・デラホーヤは「初戦の配分は70−30だったが、ファンが待ち望んでいる試合だから60−40まで妥協して交渉を続けてきた。それでも、Triple G は50−50を頑なに主張して、首を縦に振らなかった。プロモーション期間を考えると締め切りは、今月中旬。これ以上は譲歩できないし時間もない」と、決裂の責任はゴロフキンにあると語っています。

 "If GGG ever comes to his senses we can fight next year if he wants for Cinco de Mayo. I tell you one thing -- the money he would make for Canelo he now has to fight five or six opponents to make that kind of money. We've moved on."  「もしGGGが来年の5月にカネロと戦いたいなら、一つだけ覚えておくといい。カネロ戦の報酬を稼ぐにはお前は5、6試合をこなさなければならないのはわかってるか?私たちは、お前なんか相手にしないで前へ進むさ。 〜オスカー・デラホーヤ
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GGGvsカネロの再戦を特集予定だった幻のリング誌のカバー「第13ラウンド」。まさか、延期された9月の対決も消滅するなんて…。

そして、ゴールデンボーイ・プロモーションズのマッチメイカー、エリック・ゴメスは今日、マッチルームのエディ・ハーンと接触、9月15日ラスベガス・T~Mobileアリーナでダニエル・ジェイコブスとの正式交渉がスタートした模様で、ハーンも「嬉しい提案だ。ジェイコブスはカネロを倒すだろう。とんでもない試合になるよ。そんなに時間はかけない。すぐに交渉をまとめる」と乗り気です。

一方、GGGをプロモートするK2プロモーションズのトム・ロフラーは「月曜日の夜にエリックと話したばかりで、交渉成立の道は残されていると思っていた。報酬の取り分についてはGGGにもカネロにも言い分があるだろうし、私とエリックの仕事は、試合を成立させること。今の私に言えることは、カネロもジェイコブスも結局はGGGに負けたボクサーだということだ」と少し戸惑い気味です。

ゴロフキンは、カネロのドーピングが発覚、試合延期が決まってから赤毛のメキシカンへ激しい口撃を続けています。

「意図的にドーピングしたのは明らか」「初戦でもドーピングしてた」…GGGからしたら5月5日の試合が消滅したことで被った損失について、損害賠償でも起こしたいくらいの気持ちでしょう。

さらに自分が王者であるにもかかわらず、初戦の取り分30−70に大きなわだかまりを感じていたことも、その発言の端々から見て取れました。

しかし、サッカーや野球など他のプロスポーツとは違い、ボクシングの報酬は実力ではなく人気で決められるのです。井上尚弥の報酬は亀田興毅の半分以下、カネロとゴロフキンの格差はさらに悲惨です。

ゴロフキンは2015年に念願のPPVデビュー。相手は北米きっての人気者デビッド・レミューでしたが、売り上げはわずか15万世帯。

HBOは「ラストチャンス」と昨年のジェイコブス戦もPPVを企画しましたが、16万3000世帯と散々な結果に終わりました。これで「GGGは(PPVで売るだけの)人気はない」という烙印がハッキリと押されてしまいました。

一方のカネロはGGGとの対戦を回避して非難轟々の中で挙行した米国では無名のリーアム・スミス戦ですら30万世帯、昨年のフリオ・セサール・チャベス戦はノンタイトルにもかかわらず100万世帯を売り上げました。

カネロvsゴロフキン初戦は130万世帯の大ヒット作となりましたが、それはカネロ人気によるものです。 GGGの報酬は30%でしたが、PPV売上への貢献だけを考えたら破格の数字です。「5%でも文句を言う資格はない」という見方もありました。

カネロは単体でもPPVのビッグファイトが打てるが、GGGはカネロと絡む以外にはPPVを打つだけの人気は無い。これが否定のしようが無い、絶対の事実です。

ゴロフキンがテニスプレーヤーなら、メジャーリーガーなら、彼がおっしゃることは尤もです。しかし、カザフスタンの強打者はプロボクサーです。50−50は、誰が考えてもありえません。身の程知らずにもほどがあります。40−60でも喜んで受け取るべきです。

「再戦」ではPPV売り上げはさらに伸びると見られ、GGGには1500万ドルが最低保証されると言われていました。先日のマーティロシュヤン戦が100万ドルですから、デラホーヤが言う「5〜6試合分」どころか15試合分です。

もちろん、カザフスタンの世界王者が納得できない気持ちは痛いほどわかります。

それでも、人気のないプロボクサーはリング外でプライドを傷つけられても甘んじて受けるしかないのです。王者の矜持は拳に込めて、リングの上で表現するしかないのです。

かつて「実績的にはメキシコのスーパースターと同じか上なのに報酬が低い。プライドが傷つかないか?」と聞かれたマニー・パッキャオは「彼らと戦わせてもらえるだけでありがたい。私のプライドはリングの中にしかないから、全く気にならないよ」と笑い飛ばしました。

そして、フィリピンの戦う誇りがオスカー・デラホーヤを粉砕したあの夜を境に、パッキャオがゆく道にはメキシコの超人気者を遥かに凌駕する人気とステイタス、破格の報酬が約束されたのです。

聡明なカザフスタンの英雄は、このスポーツの不条理を十分理解しているはずです。北米のファン以外は、世界中のボクシングファンがGGGの味方です。

条件交渉でカネロに勝とうなんて、考えても無駄です。リングの上で叩きのめして下さい。

ゴロフキンvsカネロⅡの破談…非常に残念なニュースですが、日本のボクシングファンにとっては瓢箪からとんでもなくデカイ駒が転がり落ちるかもしれません。

9月にカネロ戦がなくなったゴロフキンは誰と戦うのか…?

有力候補はIBFの指名挑戦者セルゲイ・デレビャンチェンコですが、東京ドームも有力なオプションです。

カネロ以外ではビッグマネーは期待できないGGGですが、村田諒太とやるとなれば、話は別です。
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ミドル級戦線、異常あり! です。

今月23日に予定されていたWBO世界戦。王者ビリー・ジョー・サンダースの怪我のため中止されました。

挑戦者マーティン・マレーは、ボヤいています。当然です。

「これで2度目だ。最初は拳で、今度はハムストリングだってさ。奴が、ゲンナディ・ゴロフキンとカネロ・アルバレスと交渉してるのは知っている。メガファイトの前に俺に負けるのが怖くなったんだろう。今は英国のボクシングファンに謝るしかない。高い旅費とチケットを買ってくれたのに」。



そして一方、米国西海岸のビッグマッチは5月と9月、メキシコのお祭りに合わせて行われます。

この9月は「ゴロフキンvsカネロ」のリマッチが内定と言われていましたが、報酬の分配をはじめ両陣営の駆け引きはエスカレート、待望の再戦が5月に続いて消滅する可能性も出てきました。

もしかしたら、マレーが二人のどちらかと9月に戦う交渉も進んでいるのかもしれません。



「主要四団体」「リング誌」「リネラル王者」。それにしても…ため息の出る話です。

…タイトル乱立に拍車がかかった90年代以降、全てを束ねるUndisputed Champion になることは本当に至難の技です。
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カザフスタンからヨーロッパ、アメリカを彷徨しながら快進撃を続けているゴロフキンは、安易にそのポジションに座ることが出来たカルロス・モンソンやマービン・ハグラーら歴代グレートよりも、世界評価獲得について、本来なら不要な負荷を背負ってしまっているのではないかと、同情してしまいます。

WBSSのような取り組みが全ての階級で作動したならファンにとって最高なのですが、そもそも乱立する承認団体が統一団体、統一王者を受け入れる方向に物事が進むことをヨシ!とするわけがありません。



ボクシング市場が縮小した米国市場でも人気のない階級に目を付けて、欧州主導で立ち上がったのがWBSSです。ウェルターやミドル、没落米国でもまだ関心の高い階級には欧州のプロモーターも手を伸ばせません。

そして!我らが村田諒太です。

商業的にはカネロに次ぐ大きな存在ですが、極東という地理的な不利に加えて、腰に巻いているのはWBAセカンドタイトル。

英国ファンの間でも「村田と戦えばビッグマネーが入るけど、村田のタイトルには価値がない。なにより日本は地元判定が酷い。サンダースは東京に行ってはならない」と以前から思われています。

サンダースとの交渉が超がいくつも付くタフなものになることは、日本のファンもとっくに承知です。

それにしても、ミドル級は日本人にとって、いろんな意味で重い、重い。重すぎます。
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THE WAITING GAME(紆余曲折)。初戦が実現するまでも焦らされました。さらに、リマッチもまともに成立しないなんて…責任の全ては、お坊ちゃまで無責任なカネロにあります。〜リング誌6月号から〜

村田諒太もキープレイヤーの一人に数えられる、ミドル級のトップ戦線。

ミドル級ウォーズの今後は、ゲンナディ・ゴロフキンとカネロ・アルバレスのリマッチがいつ行われるのかにかかっています。

9月15日のメキシコ独立記念日に、実施できるのか?

プロボクシングの世界で最も大きな影響力を持つのは実力ではありません。人気です。ボールは常にカネロが握っています。 

ドーピングによるペナルティで6ヶ月のライセンス停止処分を受けたカネロが、昨年9月15日の初戦から丸一年のブランク明けで、いきなりTripleG との再戦を避けて調整試合を挟むことも考えられます。

さらに、カネロは「VADAによる通年のランダムテストを受け入れた」 とTwitterに書き込みました。

五輪など他のスポーツと異なり、ランダムテストのドーピング検査は、ボクサーにとって義務ではありません。試合を統括する国や州のコミッションのルールに則って、試合の前後に採尿・採血するのは義務ですが。
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"We have received paperwork from Mr. Alvarez's representatives for year-round testing (24/7/365) through VADA," Dr. Margaret Goodman, president of VADA, said in an email to ESPN.
VADAの責任者 マーガレット・グッドマン博士は「アルバレスの代理人から通年のランダムテストの申し込み書類を受け取った」とESPNに対してメールで知らせた。 
VADA(The Voluntary Anti-Doping Association )は「Voluntary 」(任意)のドーピング検査団体です。

今回の一件も、カネロが自主的にVADAに一年365日/1日24時間のランダムテストを申し込んだというものです。 

五輪選手が強制的に管理下にに置かれるWADA(
The World Anti-Doping Agency )が、JADA(日本アンチドーピング機構)などの下部団体を抱える巨大組織であるのに対して、VADAはカリフォルニア州体育協会のリングドクターであったマーガレット女史が、厳格なドーピング検査が存在しない野放しなスポーツに対応できるよう設立した小さな組織です。
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あの奔放で唯我独尊なフロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオが受け入れたことからもわかるように、五輪選手を呪縛する問答無用のランダム検査ではありません。

もちろん、それでもやらないよりはマシです。プロボクサーが潔白を証明する手段は、任意でVADAの検査を受け入れるしかないのですから。

このままの流れで、9月のリマッチでは、ドーピングをしたカネロへの批判に晒されながらリングに上がることになりそうです。

しかし、来年5月のシンコデマヨまで引き延ばす時間を、ブランクを埋めるだけでなく、VADAの途中経過の潔白証明を公表することで、世間の風当たりを軽減できるとしたら一石二鳥です。

オスカー・デラホーヤは「リマッチが9月15日にセットされる可能性は75%」と弱気な数字を口にしており、Triple Gとの再戦の代替として、ゲイリー・オサリバン(バーネス・マーティロシュヤンが決定する前に浮上していたカネロの代打の一人)との一戦を示唆しています。

ゴロフキン本人は「カネロが最優先」と語っていますが、3G陣営からは〝圧倒的に巨大な果実〟であるカネロを刈り取る時期を先延ばししたいという思惑もチラチラ見え隠れしています。

「村田諒太はとてつもないスター。彼の国でメガファイトを戦うことは大きな意味がある」(トム・ロフラー)、「東京ドームで村田と戦うというオプションは十分ありうる」(アベル・サンチェス)と、ものすごく前のめりです。

スターパワーで見ると、カネロ>>>村田>ビリー・ジョー・サンダース>>GGG>>>その他の強豪、という構図は鮮明に浮かび上がっているのです。

プロボクシングの世界で最も大きな影響力を持つのは実力ではありません。人気です。

現時点の村田の実力評価は「ミドル級10傑」レベルですが、人気はカネロに次いで、他を圧倒します。

村田諒太というカードが、ミドル級ウォーズの中で強力な持ち札であることは間違いありません。GGGはもちろん、カネロ以外のミドル級なら、ビジネスだけを考えるなら東京に引っ張り込むべきでしょう。

村田vsブランダムラと、GGGvsマーティロシュヤン。村田が日本で傑出したスポーツセレブであることは誰にでもわかっていましたが、失礼な言い方になりますがGGGが、急ごしらえの試合だったとはいえ、ここまで人気がないとは…。

ミドル級を見渡すと、他の強豪も見事に地味なのが集まっています。全部、自分では輝けない月です。

太陽はカネロと村田だけです。大きな太陽がカネロ、小さな太陽が村田。

もちろん、GGGは月とはいえ、太陽よりもデカイ月ですし、ジャーマル・チャーロやセルゲイ・デレビャンチェンコ、デメトリアス・アンドラーデらも人気はないとはいえ、油断の出来ない月です。

小さな太陽が、大きな月を次々に飲み込んでいくスペクタクルを見たいですね…。

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Abel and Tom keep talking about Murata. If the Canelo rematch does not happen, they want Murata in Japan to get some cash. アベル(サンチェス)とトム(ロフラー)は、カネロとの再戦が頓挫した場合、報酬的に魅力のある村田戦を視野に入れている。
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1年前は夢物語と思われていた「東京ドーム」ですが、一連の〝カネロ騒動〟から「早ければ(カネロとの再戦が予定されていた)9月」とも言われています。

Undisputed Champion を追求し続けていたゲンナディ・ゴロフキンですが、アベル・サンチェスは「タイトルを統一することはないだろう」と諦めムードです。

ミドル級統一への最後のピース、WBOを持つビリー・ジョー・サンダースと戦うことはないだろうというのです。

理由は、サンダース が要求するでろう法外な報酬です。軽打のサウスポーがダニエル・ジェイコブスとの試合で700万ドルを要求、交渉が決裂したことはよく知られていますが、相手がTriple G となると〝アンソニー・ジョシュア級〟つまり1000万ドルを大きく超えるファイトマネーを求めてくるというのです。

村田諒太の最初のターゲットがこの英国人でしたが、このときも交渉が難航したことは周知の通りです。

さらに、IBFが指名挑戦者セルゲイ・デレビャンチェンコとの防衛戦を8月3日までに行わなければタイトルを剥奪すると通告していることから、Triple G がもしサンダースと戦うとしてもそのときには、IBFピースを失いWBAスーパーとWBCの二冠王者になってしまうというのです。

「Undisputed Champion になれないのなら、サンダースの法外な条件を飲んでまで戦う価値は無い」(サンチェス)というのも当然です。

そうなると、ゴロフキンは大方の予想通りに9月にカネロ・アルバレス戦のリングに上がることになりそうですが、ドーピング問題をひきずって交渉がまとまらなければ「9月の東京で村田戦」がオプションの一つとしてクローズアップされているのです。

サンチェスは「ゴロフキンは6月から次戦のキャンプに入る。サンダースが報酬面で常識的な譲歩をしないなら、米国で売れる道理のないサンダース戦はありえない。そしてカネロ戦も9月に出来ないのならデレビャンチェンコか村田か、どちらかと戦うことになるだろう」と、カネロ戦が消滅した場合は〝二択〟になると語っています。

村田は、すでに日本最高のスポーツセレブに登り詰めています。五輪金メダリストから、プロでも世界王者に。抜群のルックスと、哲学に踏み込んだ受け答えも出来る語り。それを世界有数の広告代理店がバックアップしているのですから、今のポジションは当然です。

しかし、リングの上ではアッサン・エンダムを倒した以外、村田は何一つ成し遂げていません。WBAのレギュラー王座を獲得したとはいえ、このタイトルはあくまでセカンド王者、リング誌など一部のメディアは認めていません。

WBAのタイトルホルダーはあくまでスーパー王者のゴロフキンなのです。その意味からUndisputed Championを名乗るのに、村田の持つセカンドタイトルまでコレクションする必要性は低いのです。

世界のボクシングファンの目からは、現時点の村田がゴロフキンに挑戦するのは、時期尚早です。

ただ…、私は世界のボクシングファンではありません。日本のボクシングファンです。
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私が、世界のプロボクシングに興味を持った1980年代中盤。

その舞台のど真ん中にはマービン・ハグラーが屹立していました。

「Undisputed Middle weight Champion of the world!」 。リングに上がったハグラーの、なんと猛々しかったことか、なんと格好良かったことか。

あの時、ボクシングはハグラーを中心に回っていました。

傑出した身体能力と、不断の努力によって具現化された、怪物的な黒人の強さに、私たちは戦慄するしかありませんでした。

そして、トレーナーのペトロネリ兄弟との〝仁義〟は「パッキャオとローチの18年」ですら陳腐に見えるほどの筋を通した、あれこそサムライの関係でした。

当時の日本にも優秀なミドル級のプロボクサーはいました。一つ下のジュニアミドルは世界王者を何人も輩出した、日本人にとっては身近な階級です。 

そして、日本人よりも大柄で頑健な肉体でミドル級の名選手を抱えていた韓国を代表する朴鐘八は当時、議論する余地のないアジア最強のミドルとして君臨していました。

その朴が世界ランカー、ベネズエラの怪人フリー・オベラに惨敗したとき、ハグラーが日本人には超えるどころか触ることも許されない壁であることを思い知らされました。

「アジア人じゃ、ダメだ。太刀打ち出来ない」

オベルは1981年5月から1982年8月までの1年3ヶ月で8戦全勝8KOと快進撃を続けます。その犠牲者の一人が朴だったのです。

オベルは1980年11月のジェイムズ・ワーレ戦までもデビューから30戦全勝27KO、未来の世界ミドル級王者を期待された強豪でした。

オベルが31連勝を阻まれた相手。復帰後の破竹の8連勝8KOを止められた相手。どちらも同じ相手でした。(※)

マーベラス・マービン・ハグラー。彼は戸籍上も「マーベラス」をつけたのですが、そんなもの嫌みたらしく付けなくても、マーベラスなのはわかってるっちゅうねん!とイラッとするほどの強さでした。

ミドル級の世界王者がどれだけ気高いか。どれほど強いのか。体の芯まで思い知らされました。

偉大な竹原慎二が、その王座を獲得した時ですら「日本人が勝てるミドル級王者は今夜のホルヘ・カストロ以外は歴史上一人もいない」「竹原は誰と防衛戦を戦っても相当な確率で必ず負ける」と、リング誌などに書かれても何も反論できませんでした。

セルヒオ・マルティネスがケリー・パブリックを下して「私はカルロス・モンソン以来のアルゼンチンの王者だ!」と雄たけびをあげたときも「おいおい、カストロは王者じゃなかったのか…」と悲しい気持ちで聞いていました。

リネラル王者、まともな世界王者、という物差しではカストロは王者では間違いなくありませんでした。WBAというアルファベットのピースを拾った「王者の一人」でした。

その意味では、村田諒太も「王者の一人」、a Champion に過ぎません。よりタイトルの価値が暴落している状況を考慮すると、カストロや竹原よりも現時点では下かもしれません。

ただ、世界のどのメディアもファンも「村田は誰とやっても負ける」とは考えていません。

アベル・サンチェスのように「村田はアッサン・エンダムを初めてストップしたが、GGGに勝てるかといえばノーだ。それでも…エンダムは激戦で劣化して強豪ではなくなっていた、という声も聞くが、村田戦の直前に無敗の強豪アルフォンソ・ブランコをKOして年間最高KO賞を受賞しているんだぞ。これは特別なことだ。全盛期のピーター・クイリンやデビッド・レミューにも恐れずに立ち向かったエンダムを一方的に下がらせた村田は、どう考えても(スレッキを持て余した)ジェイコブスよりも強い」と、米国では「プロテクトされている」「劣化エンダムにたまたま勝っただけ」というマニアの声も多い村田を高く評価しています。

まあ、ボクシング界は魑魅魍魎ですから、サンチェスも「村田のスターパワーはカネロ並み」とも語ってます。カネロ以外は人気のないボクサー揃いのミドル級で村田が別格であることに気づいて、カネの匂いを嗅ぎつけての発言かもしれませんが…。

いずれにしても「ゴロフキン戦」は、もはや驚くことではなくなっています。

贔屓目はもちろんありますが、十分勝ち目はあると思います。ジェイコブスを押し込めないGGGは、村田のプレッシャーを少なくとも前半はさばけないでしょう。

村田は東京ドームでGGGを倒したら「それで引退でもいい」なんて謙遜してますが、本心は違いますね。

もし、そのときが来たら村田諒太はマイクを取るはずです。

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「ホームでしか戦わない50戦無敗の銭ゲバの人!東京ドームにカネ落ちてますよ、引退やめて拾いに来ませんか?それともアウエーやミドル級が怖いからやめますか?キャッチウェイトの相談はいつでも受け付けますよ」


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「ミドルを取ったら9階級制覇、もう誰も近づけません、やりましょう。9階級制覇させるつもりはありませんが、アジア人同士で、どつき合いしましょう!もちろんキャッチウェイトでも構いません」


※ボクサーの戦績は本当にいい加減なところがあります。とくにアマチュア戦績は眉唾が多いですね。普通に考えたら、例えば陸上競技だと競技を始めたばかりは将来どんなグレートになろうが、普通に負けます。リゴンドーやロマチェンコの神がかり的なレコードは「競技を始めたばかり」の敗北は、自己申告してません。

ボクシングは世界的なスポーツで、草拳闘との境界線が曖昧な試合もあります。全ての戦績は拾えないので、自己申告が通用していまう世界です。

さらに映画や小説でも取りあげられる題材ですから〝誇大広告〟は当たり前です。朴鐘八は沢木耕太郎の名作「一瞬の夏」でも登場します。

空位の東洋太平洋ミドル級王座をカシアス内藤と争ったときの朴は11戦9勝8KO1敗(KO負け)でしたが、小説の中では「9戦9勝9KO」です。よくある話です。
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1990年と2018年。四半世紀以上も時を隔てているのですから、二つの時代は大きく異なります。

最大の違いはバブル最盛期の1990年と、デフレに景気が沈滞した2018年、という想像を絶する経済格差…ではありません。

インターネットの有無です。

1990年と2018年とでは、一般の生活者が得ることのできる情報量に天文学的な差があります。

1990年代、電通が旗振り役となってトヨタやサントリーなど日本を代表する企業から資金を集め、テレビを通して「タイソンがいかに凄いボクサーか」を広めた宣伝工作に疑義を唱えることはほとんど誰にもできませんでした。

インターネットのない時代、「ヘビー級が史上最も低迷している現代に、雑魚狩りで王者になったこれからのボクサー」「全盛期のモハメド・アリやラリー・ホームズの域にはまだまだ達していない」という評価は日本には届きません。

今となって振り返るなら10年のブランクを経てカムバックしたジョージ・フォアマンの対戦要求からことごとく逃亡したタイソンが本物の強さなど持っていたはずがないのですが、それは後世だから言える後出しジャンケンです。

大学図書館にあるスポーツイラストレイテッド誌など米国を代表するメディアも、タイソンの強さではなく、タイソンの人生を描くことに重きを置いていました。

リング誌のように冷静に状況を判断できるメディアは存在せず、当時の日本人にとってマイク・タイソンは「札付きの不良少年を名伯楽カス・ダマトが覚醒させた怪物」「 リング外の素行は乱れているが史上最強のボクサー」でした。
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タイソンが倒れた!ダグラスの長いジャブに翻弄され、その右強打は高性能ミサイルのようにタイソンが頭を振った方向に打ち出されました。タイソンが倒れた向こう側のポストにはバブルを伝える「renoma」の広告も見えます。

かつてのトレーナー、テディ・アトラスは「ナンバリングシステムに代表されるタイソンの練習には創造性が欠如している。研究されたらおしまいだ。タイソンを釘付けに出来る長いジャブを持っているコンテンダーなら誰にでもチャンスがある。ただ一つ、タイソンを意味なく恐れることだけは厳禁だ」と分析していました。

トニー・タッカーら長いジャブを持つボクサーでもタイソンを過剰に恐れたボクサーたちは善戦はしても完敗。逆に長いジャブを持たなくても、鋼の勝負根性を持つイベンダー・ホリフィールドはタイソンが恐怖でパニックになるまで追い詰めたことを考えると、タイソンの最大の弱点はやはりあまりにも脆弱な精神でした。


28年後の今、タイソンがヘビー級史上最強だと信じるファンは一部にはいても、そんな奇異な意見を語るメディアや専門家はほとんどいません。

1990年のタイソン。その時代で傑出した多くのボクサーがそうであるように、ブルックリン出身の〝キッド・ダイナマイト〟(初期の異名です、懐かしい響きです)もまた時代という絵の具に脚色されたスーパースターだったのです。

そう考えると、時代の絵の具に汚されずに、時を経てなお評価が天井知らずのシュガー・レイ・ロビンソンとモハメド・アリの偉大さには驚きと、オンタイムで見ることができなかった不運を嘆いてしまいます。
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一方で、ロビンソンの伝記を読んだのがボクシングに興味を持ったきっかけというゲンナディ・ゴロフキンです。

ミドル級という人気階級であることを考慮しても、米国人でもメキシコ人でも英国人でもプエルトリカンでもない、欧米を流浪しながら戦う〝外国人〟がリング誌の表紙を飾るのは異例のことです。

GGGが老舗専門誌The Ringを初めてカバーしたのが2013年11月号。あれから5年。偉大なミドル級王者は、まだ不人気との戦いを強いられています。

これも、考えてみるとマニー・パッキャオの偉大さと、物凄い対戦相手に恵まれた幸運にはあらためて驚かされます、もちろん、相手に恵まれた〝幸運〟は、衝撃的な勝利を収めることで完結する「自己責任の幸運」です。

GGGもキャリア最強と評価されたダニエル・ジェイコブスを粉砕していれば、カネロを取り逃さずに失神させていれば、その人気も評価も大きく変わっていたはずです。GGGとパッキャオの差は運だけではありません。

厳しい言い方になりますが「不人気王者だから弱い相手と防衛を重ねるしかなかった」ことと「圧倒的な連続KO防衛記録」はコインの裏表です。

この「GGGの実態」を隠すベールは、インターネットが存在しない1990年なら、剥がされることはなかったでしょう。

さらに3団体時代なら、すでにUndisputed Championとなって、人気者も実力者もゴロフキンを避けて通れない図式が出来上がっていたかもしれません。

いずれにしても、2018年の今、1990年のタイソンには出来た「神話(誇大広告)」は通用しません。

しかし、それでも、28年前と決定的に違うのは、リングに上がるのが最強王者と訳のわからない雑魚挑戦者ではないということです。

日本人が最強王者に挑戦するのです。


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カザフスタン人とアルメニア人の戦いを「メキシカン スタイル2」と言われましても、なんだかなぁ…。

ネバダ州体育協会がカネロ・アルバレスに下したドーピングによるペナルティは、陽性反応が出た2月17日から6ヶ月のライセンス停止処分。つまり、8月17日にはライセンスが再交付される見通しです。

違反薬物が体内から検出されたというのに、たった6ヶ月という大甘裁定。年間2試合しか戦わないカネロにとっては「1試合お休み」したに過ぎず、「せっかくの休暇を有効に使って前から気になっていた右膝遊離軟骨も除去しちゃおう」ということで手術まで終えました。

なんだか、もう笑うしかありません。

一番損したのは、メガファイトの報酬が吹っ飛んでしまったゲンナディ・ゴロフキンです。PPVの歩合収入も含めると1000万ドルレベルが手にできた可能性もあったのですが…。損害賠償を請求したい気持ちでしょう。

紆余曲折の末、対戦相手はバーネス・マーティロシュヤンに落ち着きました。2016年5月21日から2年もブランクを作ってるアルメニア人はそもそもがジュニアミドル級のボクサーです。

興行規模も悲しいほどシュリンクしてしまいました。

PPVがはずれて、通常のHBOの「World Championship Boxing」に格下げ(SUPER FLYなどの「Boxing After Dark」よりランクは上ですが)、会場もベガスの2万人収容のT-Mobile Arena から、半分以下のロサンゼルス郊外StubHub Centerへ、大きくスケールダウンです。
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オッズの立ち上がりも鈍いですね。ブックメーカーも興味を失っている状態です。ウィリアムヒルはまだ、オッズが出ていません。

極端なオッズを拾うと「100BET」「SportsPeso」というブッカーでGGG勝利1/100(1.01倍)、マーティロシュヤン勝利21/2(11.5倍)と完全に白けきっています。

ミドル級最強だけど人気の無いカザフスタン人と、さらに輪をかけて人気の無い引退状態のジュニアミドル級のアルメニア人が、メキシコの祝日シンコ・デ・マヨ週間で戦う…恐ろしいことが起きてしまいそうです。

アンダーカードも貧弱だと、空席の目立つスタハブでGGGが拳を振るうなんて悲しいシーンを見てしまいそうです。

ただ、ナイトメアの異名を持つアルメニア人は長いブランクを作ってしまったものの、ジュニアミドルの強豪です。万全の状態でリングに上がれば、大方の予想を裏切る健闘は見せてくれそうです。大番狂わせは無いでしょうが。

今更、こんなことを言っても仕方がないのですが、この試合を世界ミドル級タイトルマッチと認めるというWBAとWBC、IBOの神経には驚きます。もはや「承認料さえ頂ければ誰と戦おうが承認いたします」ってことですね。

それでも「マーティロシュヤンには挑戦資格がない」とタイトルマッチと認めないだけでなく「1位のセルゲイ・デレビャンチェンコとの指名試合を無視してマーティロシュアンと戦うならタイトルを剥奪する」とゴロフキン陣営に警告しているIBFの存在は救いです。

IBFのピースを失うと、GGGの悲願である Undisputed Champion が遠のいてしまいますが、 WBCのジャーマル・チャーロ、IBFのデレビャンチェンコ、この二人の指名挑戦者との対戦を敬遠するのは仕方がありません。

アマ350戦以上、プロ38戦、その400戦に達するキャリアを通して、純粋に強さだけを追求し続けてきたとはいえ、36歳のプロボクサーがビジネスとして最も旨味のあるカネロとの試合を最優先するのは当然です。


If Arum and Honda have their way, they would put on a Golovkin-Murata fight as soon as late 2018 in a pay-per-view fight at the Tokyo Dome, the famed stadium where Buster Douglas scored his historic upset of Mike Tyson in 1990.  アラムと本田の思惑通りに進めば、「ゴロフキンvs村田」が2018年末にも、全米にPPVで放映されるメガファイトが実現するかもしれない。舞台は1990年にダグラスがタイソンを倒して歴史的な番狂わせを起こしたことで有名な東京ドームだ。(ESPN)

その一方で、ボブ・アラムは「村田とゴロフキンが東京ドームで統一戦を争う」とぶち上げています。

しかし、キャリア終盤を迎えるGGGが、名誉と報酬のどちらの点を考えても、世界的な人気と評価を得ているメキシカンと、極東の母国に偏向した人気しか持たない日本人、どちらを優先するかは明らかです。

とはいえ、ボールを持っているのは膝軟骨除去手術を終えたばかりの赤毛のドーパーです。彼が、まだ騒動の余韻が生々しい9月のリングに上がるのを嫌って、再戦を来年5月まで引き延ばす可能性は十分考えられます。

37歳のカザフスタン人との戦いでは、時計はカネロの味方です。赤毛が時間稼ぎをするデメリットはほとんどありません。

一方のカザフスタン人にとっての集大成は、まだコレクション出来ていないリング誌ベルトを巻く赤毛と、WBOピースを持つ英国のソフトパンチャー、ビリー・ジョー・サンダースを倒して、タイトルをコンプリート、Undisputed Championになることです。

WBAのセカンドタイトルしか持たない日本人は、人気で赤毛、ベルトの格でソフトパンチャーに劣ります。

カネロが9月再戦を敬遠した場合、には、英国人と日本人、そしてIBFの指名挑戦者、セルゲイ・デレビャンチェンコ、WBC暫定王者に就くであろうジャーマル・チャーロと、4つのオプションがあります。

赤毛とのメガファイトの前に躓くわけにはいかないGGG陣営は、この四択の中で最もリスクが少ないと考える相手を選ぶはずです。おそらく、それは、未知の部分が多いとはいえ、世界的な評価は4人の中で最も低い村田諒太です。

しかも、村田がカネロに次ぐマネーパワーを持っているとしたら、村田を選ばない理由がありません。

アラムはもちろん、GGG陣営も「東京ドーム」には興味津々です。

確かに、アラムが「6万人収容の野球場がフルハウスになる」と広げた大風呂敷 には懐疑的な意見も多く聞かれます。

「村田の人気・存在感は当時のタイソンよりもずっと下」「そもそもゴロフキンなんて日本人は誰も知らない」「東京で日本人とカザフスタン人が戦うのを PPVで見る物好きが米国に何人いるか?」…しかし、それらは全て杞憂です。
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「村田諒太の東京ドーム」が膨らんで、冗漫な話になってしまいました。

2018年1月31日時点で「巨大スタジアムでのボクシング興行」のランキングの#1は、1993年2月20日に挙行された「 The Grand Slam of Boxing」です。

ところはメキシコシチー、アステカスタジアム。

WBC創立30周年記イベントとして、世界タイトルマッチ4試合が組まれました。

有料入場者数は13万2274人。 

このシリーズの⑤で取り上げた1926年の「ジャック・デンプシーvsジーン・タニー」で記録した12万757人 を67年ぶりに更新したのです。

 WBAスーパーミドル級(王者マイケル・ナンvsダニー・モーガン)、WBCジュニアミドル級 (テリー・ノリスvsモーリス・ブロッカー)、WBCジュニアライト級(アズマー・ネルソンvsガブリエル・ルーサス)を前座に従え、メインイベントに登場したのは、そのリングですでに「レジェンド」と紹介されたフリオ・セサール・チャベス。

グランドスラムは4試合とも王者が防衛に成功、チャベスはデビューから85連勝を記録しました。

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【パックマンとJCスーパースターの解説…何という贅沢な実況でしょうか!チャベスが「これ以上メキシコ人をいじめるな」と詰め寄ると、パッキャオは「あなたの時代なら間違い無く私の方がいじめられてます」。チャベスは引退しても強そうですね。】


チャベスは無敗記録を87まで伸ばし、 107勝(86KO)6敗2分でキャリアを終えます。

無敗で引退した(きっとまたカムバックします)フロイド・メイウェザーや、対戦相手の質に疑問符がつくロッキー・マルシアらを遥かに凌駕する、無敗のまま87連勝までテープを伸ばしたチャベスの記録はもっと評価されるべきです。

メイウェザーの無敗記録を語るときは、偉大なチャベスを思い出して欲しいですね。

メイの50勝無敗よりも、チャベスの87勝無敗の方が遥かに偉大です。 

米国メディアは同じことを、チャベスをシュガー・レイ・ロビンソンに置き換えて書き立てましたが、オンタイムでロビンソンを知らない世代にとってはチャベスですね。


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【アステカスタジアムで8度目の防衛戦に成功したサルディバル。階級も少なく1団体しかなかった時代、ランキングも今より遥かに公正だった時代、タイトルを8度も防衛するということが、今ならどれほどの偉業になるのか想像もできません。】

アステカスタジアムでボクシングが行われたのは26年振り。四半世紀前の1967年に、これぞ巨大スタジアムの特設リングに上がったのはビセンテ・サルバディルでした。

メキシコのアイドルに駆け上がった24歳のサルディバルは、ボクシングへのモチベーションを失っていました。その動きは重く、英国のテクニシャンにポイントをピックアップされるラウンドを重ねていきます。

そして迎えた12ラウンド。当時は15回戦、12ラウンドは逃げ切りの3分間ではなく、胸突き八丁、心臓破りの丘の入り口でした。

サルディバルの右フックで一瞬よろめく英国人。勝負を見極めたメキシカンに迷いはありません。乾坤一擲のラッシュを仕掛けて、劣勢のゲームを終わらせました。

アイドルの逆転勝ちに歓喜して泣く大観衆は、リング上でサルディバルが引退宣言して今度は悲哀の涙を流します。

柴田国明は、このメキシコのアイコンをぶっ倒したのです。しかも敵地ティファナで。

全く大げさではなく、それは日本人が王者チャベスをメキシコでKOしてタイトルを強奪するようなものだったのです。

柴田国明はすごい、すごい、すごいです。



🍀東京ドームに13万人はさすがに入りきりませんが、村田諒太にはフルハウスにしてもらって、チャベスのような圧勝劇を見せて欲しいですね。

サルディバルのように調整不足でリングに上がるのはNGですが、泣かせるような試合は大歓迎です。

東京ドーム、是非、是非、実現してもらいたいですね。

このシリーズは、これにておしまいです。 
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