「村田諒太の東京ドーム」が膨らんで、冗漫な話になってしまいました。

2018年1月31日時点で「巨大スタジアムでのボクシング興行」のランキングの#1は、1993年2月20日に挙行された「 The Grand Slam of Boxing」です。

ところはメキシコシチー、アステカスタジアム。

WBC創立30周年記イベントとして、世界タイトルマッチ4試合が組まれました。

有料入場者数は13万2274人。 

このシリーズの⑤で取り上げた1926年の「ジャック・デンプシーvsジーン・タニー」で記録した12万757人 を67年ぶりに更新したのです。

 WBAスーパーミドル級(王者マイケル・ナンvsダニー・モーガン)、WBCジュニアミドル級 (テリー・ノリスvsモーリス・ブロッカー)、WBCジュニアライト級(アズマー・ネルソンvsガブリエル・ルーサス)を前座に従え、メインイベントに登場したのは、そのリングですでに「レジェンド」と紹介されたフリオ・セサール・チャベス。

グランドスラムは4試合とも王者が防衛に成功、チャベスはデビューから85連勝を記録しました。

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【パックマンとJCスーパースターの解説…何という贅沢な実況でしょうか!チャベスが「これ以上メキシコ人をいじめるな」と詰め寄ると、パッキャオは「あなたの時代なら間違い無く私の方がいじめられてます」。チャベスは引退しても強そうですね。】


チャベスは無敗記録を87まで伸ばし、 107勝(86KO)6敗2分でキャリアを終えます。

無敗で引退した(きっとまたカムバックします)フロイド・メイウェザーや、対戦相手の質に疑問符がつくロッキー・マルシアらを遥かに凌駕する、無敗のまま87連勝までテープを伸ばしたチャベスの記録はもっと評価されるべきです。

メイウェザーの無敗記録を語るときは、偉大なチャベスを思い出して欲しいですね。

メイの50勝無敗よりも、チャベスの87勝無敗の方が遥かに偉大です。 

米国メディアは同じことを、チャベスをシュガー・レイ・ロビンソンに置き換えて書き立てましたが、オンタイムでロビンソンを知らない世代にとってはチャベスですね。


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【アステカスタジアムで8度目の防衛戦に成功したサルディバル。階級も少なく1団体しかなかった時代、ランキングも今より遥かに公正だった時代、タイトルを8度も防衛するということが、今ならどれほどの偉業になるのか想像もできません。】

アステカスタジアムでボクシングが行われたのは26年振り。四半世紀前の1967年に、これぞ巨大スタジアムの特設リングに上がったのはビセンテ・サルバディルでした。

メキシコのアイドルに駆け上がった24歳のサルディバルは、ボクシングへのモチベーションを失っていました。その動きは重く、英国のテクニシャンにポイントをピックアップされるラウンドを重ねていきます。

そして迎えた12ラウンド。当時は15回戦、12ラウンドは逃げ切りの3分間ではなく、胸突き八丁、心臓破りの丘の入り口でした。

サルディバルの右フックで一瞬よろめく英国人。勝負を見極めたメキシカンに迷いはありません。乾坤一擲のラッシュを仕掛けて、劣勢のゲームを終わらせました。

アイドルの逆転勝ちに歓喜して泣く大観衆は、リング上でサルディバルが引退宣言して今度は悲哀の涙を流します。

柴田国明は、このメキシコのアイコンをぶっ倒したのです。しかも敵地ティファナで。

全く大げさではなく、それは日本人が王者チャベスをメキシコでKOしてタイトルを強奪するようなものだったのです。

柴田国明はすごい、すごい、すごいです。



🍀東京ドームに13万人はさすがに入りきりませんが、村田諒太にはフルハウスにしてもらって、チャベスのような圧勝劇を見せて欲しいですね。

サルディバルのように調整不足でリングに上がるのはNGですが、泣かせるような試合は大歓迎です。

東京ドーム、是非、是非、実現してもらいたいですね。

このシリーズは、これにておしまいです。