カテゴリ: 減量とは何なのか?

日曜日に行こなわれる予定だったWBAフェザー級タイトルマッチは、前日計量で王者ブランドン・フィゲロアが体重超過のため王座剥奪。さらに体調不良を理由に挑戦者・亀田和毅との試合が当日中止となってしまいました。

全くお粗末な結果で、残り時間が少ない35歳の和毅には同情しかありません。

 WBAは「チャンピオンシップ委員会は10月19日に会議を開き、亀田の状況はランキング上位選手の権利と共に、最優先事項として審議される予定」とプレスリリースを出しましたが、会議の内容は21日現在、まだ発表されていません。そもそも会議を開いているのかどうかも疑わしい…。

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きょうの本題は和毅の発言(以下)と、減量の本質について、です。


「ここまで自分がやってきたこと、犠牲にしてきたこと、全てのトレーニングに、10キロ以上の減量。そういうものを僕らは抱えている。そもそもボクサーはみんな減量をすれば、体調は悪くなる。僕だって100%の状態じゃない」。


ーーー階級制の格闘技選手には付き物の減量ですが、対戦相手や自身のコンディションによって体重をデザインするヘビー級の選手は、過酷な減量とは無縁です。ヘビー級の選手は常に最強の自分を作り上げてリングに上がります。

リカルド・ロペスやフリオ・セサール・チャベス、フロイド・メイウェザー、日本でも内山高志のように、普段から厳しく節制して規定の体重から大きく逸脱せず、ナチュラルに近い体重で戦うファイターも存在します。

1日6〜8食・8,000kcal以上の食事を摂って人気階級のウエルター級の肉体を作り上げたマニー・パッキャオは極めて異例で、特にライト級以下のほぼ全てのファイターは減量で身を削ります。

減量は「より弱い相手と戦うために自分も弱体化する行為」に他なりません。

自分が弱体化すればするほど、より弱い相手と戦えるのです。あまりにも弱体化しすぎて前日計量で倒れて救急搬送される、減量の消耗で動きが鈍り負けてしまう、なんて本末転倒な喜劇はよく目にする光景です。

ほとんど全ての軽量級選手は、計量を済ますと病人食のような常温の水や暖かいスープを飲んで消耗した肉体を回復させます。

和毅が言うように、試合前日の計量前が最悪のコンディションーーーそれが、ボクシング軽量級の世界です。

多くのアスリートは体脂肪を削り筋肉量を増やして、肉体を鍛錬します。その結果、免疫力が落ちて感染症に弱くなるなど、けして健康的とは言えない側面もあります。

より軽い体重と強い血液を求めて、脂肪を限界まで削ぎ落とし、高校生でも鉄分注射まで使用することが最近まであった女子長距離選手は生理がなくなるなど、到底健康的とは言えません。

それはけして褒められたことではありませんが「より遅い相手を求めて自分も遅くなる」という倒錯的な行為ではなく、アスリートとして当然の「絶対的な速さ、最速の自分を求める」目的に迫るための手段です。

ところが、ボクシングの軽量級は違うのです。

より弱い相手を求めて、自分も弱体化するーーーそんな馬鹿げたことは、普通のアスリートならありえません。


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アントニオ・マルガリートとのジュニアミドル級タイトルマッチでは151ポンドのキャッチウエイトも作れず、ウエルター級リミット(147ポンド)も大きく下回る144.5ポンドで計量したパックマン。


もちろん「勝つ」自分が最強という見方もあります。パッキャオは理想ですが、ジュニアフライ級の選手が過酷な減量をやめてライト級の肉体を作り上げても相手が強すぎて負けてしまうなら、スポーツの目的である「勝つ」ことから離れてしまいます。

「俺も減量が苦しいけど、あいつも頑張ってる。負けてたまるか」(ファイティング原田)という思いは尊く聞こえます。原田をモデルに減量を描いた「あしたのジョー」の力石徹を「より弱い相手と戦うために自分も弱体化した」と単純に切り捨てることはできません。



とはいえ…。

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〝キックの神童〟那須川天心は58kg(武尊戦)前後、ボクシングならジュニアライト級(130ポンド)周辺で戦っていましたが、下半身に過剰な筋肉が要らないボクシングは122ポンドでデビュー。

プロ4戦目のジョナサン・ロドリゲス戦は120ポンド契約。か細くやつれて計量会場東京のエスカレーターで左右のベルトを弱々しく掴み「ああ、きつぅ…」と呻いた神童は、病人にしか見えませんでした。過酷な減量は〝骨肉〟を削るだけでなく声帯にまで大きなダメージを与え、声まで別人でした。

天心も「(ボクシングに転向してから試合のたびに体重を落としていって)今回は過去最軽量。ここから回復します」と、体調が最悪であると吐露していました。


過酷な減量は和毅と天心に限った話ではなく、日本の軽量級では当たり前の光景です。

より弱い相手と、弱体化した自分。その究極のバランスを求めるのが減量です。

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ストーブをガンガン焚いた部屋で分厚い毛布にくるまって、身体中から水分を搾り取る井上尚弥。カサカサの皮膚、コケた頬、尖った顎…見るからにやつれきった計量前のモンスターの〝作り方(レシピ)〟です。


井上尚弥はジュニアフライ級(108ポンド)でデビューしましたが、プロテストはジュニアフェザー級(122ポンド)。もちろん、でっぷり脇腹に脂肪をまとってリングに上がったわけではありません。

将来の複数階級制覇で一つでも多くのクラスでタイトルを獲ろうという目論見から「長居は出来ない」大前提で、過酷な減量に耐え自らを弱体化させたのでした。

その後の井上の活躍を見ても、ジュニアフライ級というゾーンは「より弱い相手」と「自分の弱体化」のバランスが良くなかったといえるでしょう。

では、井上の2012年デビューがジュニアフェザー級だったなら?

2012〜2014年頃のジュニアフェザー級はWBA /WBOでは「技術だけなら全階級でNo.1」と言われたPFPファイターのギレルモ・リゴンドーが最強候補と見られ、井上陣営が拙速にアタックしたとは考えられません。

また、WBCは軽量級では稀有な人気者、レオ・サンタクルスとアブネル・マレスのやはりPFPファイターがビッグファイトを繰り広げ、こちらはこちらで対戦に漕ぎ着けるのはリゴンドー以上に難しい2人でした。

最も障壁が低かったIBFでも英国が興行権を支配、フェザー級でサンタクルスとのビッグファイトを控えたカール・フランプトン(未来のPFPファイターでFighter Of The Year)がベルトを掴んでいました。

常識的に考えて、井上がタイトルアタックするのに当時のジュニアフェザー級は敗北リスクはもちろん、契約成立まで様々なコストがあまりにも大きすぎました。

しかし、本当に価値のある世界一ならコスパ最高なんてありえません。ところが、多くのケースで最高のコスパで選り取り見取りで相手を選べるのが日本にとってのボクシング軽量級なのです。

絶対的な強さの追求とナチュラルな強さを放棄。相対的な強さを希求して、ときには命を落とすほど健康を害して弱体化する。

健康を害するまで肉体を萎ませてたのに、計量が終わると一転。今度は明日の試合までにやはり不健康にリバウンドして対戦相手よりも大きな体になることを目指す…。

そんなの、アスリートではありません。本来なら階級制にすべき相撲では、どの力士も「最強の自分」を目指します。より弱い相手を求めようにも悲しいかな、そこには細分化された超軽量級がありません。

大相撲ジュニアフェザー級の横綱が大相撲PFPキング、なんてロジックがあれば良いのですが…。

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喉の渇きを感じる前に水分補給するーーーアスリートどころか、今では普通の人ですら理解している当たり前の常識からも逸脱してでも自分を弱体化させ、ときには命まで落とす危険に直面する、それが減量です。


もちろん、あらゆる減量を否定するわけではありません。

しかし、多くの減量が「より弱い相手を求めて自分も弱体化させる」行為であることは、誰1人として否定できないでしょう。


「(ファイティング原田らは)減量がきつい、きついなんて人前でべらべらしゃべったらアカン。減量なんて自慢にならんからね。そんなに辛かったら、ライト級でもウエルター級でも辛くない階級で戦ったらええねん。なんでそうせぇへんの?って話や」(渡辺二郎)。




別のシリーズでも書いていますが、回復の時間が長いがゆえに、より過酷な減量の余地が大きいだけでなく、当日体重で不公平な危険が生じる前日計量は深刻すぎる問題を孕んでいます。

硬膜下血腫を引き起こしやすいことが証明されている水抜き減量も、前日から当日にかけての回復時間が必要とされます。

「当日計量では減量による甚大な消耗から回復しないままリングに上がることになるから前日計量が導入されたが、どちらが危険かはもはや明らか」(VADA創始者 マーガレット・グッドマン)ーーーボクシングの計量も、前日一発ではなく、ハイドレーションテストの実施・当日計量での大幅な増量の禁止を含めた〝2段階認証〟〝3段階認証〟が必要でしょう。

もちろん、ローカル団体が統括するという歪な構造のプロボクシングでは「前日計量・尿比重検査・当日計量」の全てで超過しても試合決行することも無くなりません。

現代では計量の意味は無くなっているケースもあります。

それどころか、認定団体はオシャキー・フォスターvsスティーブン・フルトンのような「体重超過なら上のクラスのタイトルマッチに変更!」なんて〝犯罪行為〟にまで手を染めています。彼らが最も恐れるのは、メディアやファンの非難ではありません。認定料を取りっぱぐれることです。




和毅は「契約違反をしたんだから、世界共通の罰則や契約を守った選手への救済措置が必要」と、まるでボクシングがスポーツであるかのように訴えていますが、この競技には世界の統括団体は存在しません。

そして、スターシステムがこの世界の絶対法則なので、理不尽で不条理なことはいくらでも起き続けます。あなたのご家族がよくご存知のように。

その意味では「カネロの方が遥かに報酬が高いなんて契約は受け入れられない」と、正論を展開したゲンナジー・ゴロフキンも言いたかっただけで改善されるとは思っていなかったでしょうが、スターのご機嫌を損ねたのは大間違いでした。

欧米にファンベースがなく人気階級としては商品価値が低すぎるカザフスタン人のGGGが、フォーブスのスポーツ長者番付に名前が刻まれたのは、カネロと戦ったときだけなのですから…。


井上尚弥がルールを破って「相手陣営がいないのに試合用のグローブを開封した」と怒りをぶちまけたノニト・ドネアも大馬鹿者です。自分が完全Bサイドであることをわきまえているのでしょうか?

米国で全く人気がなくボブ・アラムに不良債権扱いされたドネアが大興行でメインを張れる、大勢の観客から応援されるなんて花舞台を経験できて、キャリア最高の報酬まで手に入るのは日本だけなのですから…。


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⬆︎これが長蛇の列に並んで買うほど美味いのかどうか?上野のポップアップショップは3時間待ち…もし、東京のデパ地下でも当たり前に買えたら新大阪の大行列は消えるのか?一方で、お土産にもかかわらず、地元民があまりにも普通に食べている…深すぎるテーマです。お!順番が来ました。(本文とは少しだけ関係があります)


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すでに、何度か書いてきたないようですが「減量」と「頭部への打撃」の悪影響について。


過酷な減量と頭部への打撃よって硬膜下血腫(衝撃で脳が頭蓋骨内で回旋することで脳と硬膜をつなぐ静脈が切れて、脳を覆う硬膜とくも膜の間に血が溜まる)が起きてしまいます。

減量によって脳も十分な水分が行き渡らないことで縮小、脳と硬膜を繋いでいる静脈が伸ばされた危険な状態に陥っているのです。そして、一気に体重を落とす「水抜き」の方が脳の縮小が激しいこともわかっています。

前日計量のあとの水分補給では間に合いません。健康体に戻すには体のすみずみまで水分が充足されるように少なくとも数日かける必要があります。

水抜きをしているかどうかは、1週間前計量や1ヶ月前計量などで推測することは出来ますが、WBCなどが行なっているこのような予備計量はあくまで自己申告。

ジョンリール・カシメロのように「これからサウナにこもって一気に落としまっせ〜!」とSNSに動画アップしてくれたら一発アウトですが、あの一件は英国ボクシング管理委員会(BBBofC)が水抜きを禁止していたから。

JBCは禁止していません。



そして「頭部への打撃」の悪影響について、昨夜、ボクシングシーンが慢性外傷性脳症(CTE =Chronic Traumatic Encephalopathy)をテーマに「脳損傷とボクシングに関する衝撃的な事実」という記事をアップしました。

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2026年3月に行われたリッキー・ハットンの死因究明審問で、CTEの証拠が報告された。

マンチェスター南部検視官裁判所でハットンの交際相手だったジェニファー・ドゥーリーが「記憶障害に苦しみ、自分でスケジュール管理が出来ない状態だった」と証言した。

CTEがMRIでは検出できず、死後の解剖時に顕微鏡で脳を検査することでしか確定診断できないことが、問題をさらに深刻にしている。CTEは、血液採取などではわからない。

ボクシングと同様にCTEが起きやすいNFLでは自殺した選手の多くのケースで、解剖時の検査でCTEが見つかている。

現時点では「ろれつが回らない」「物忘れがひどい」「動作が遅くなる」などから推測はできますが、それがCTEなのかどうかは確定できないのだ。

モハメド・アリがCTEだったのか、パーキンソン氏病だったのかは、今も議論されているままだ。

CTEから引き起こされる悲劇を防ぐためには選手や周囲が疑い、症状が改善されないならリングからさる決断も必要になる。

しかし、アリやハットンがそうであったように選手は非常に勇敢だ。ハットンも亡くなった年に復帰戦を予定していた。

世界中のほぼ全てのコミッションは、試合前に問診票を提出させている。「頭痛はあるか?」「神経系の痛みや違和感はないか?」「既往症は?」…問診票に「はい」と記入する試合前の選手はいない。

毎年、MRI検査を受けて表面上は隠れている症状を発見する、定年制の導入など様々な対策が考えられるが、1回で1500ドルかかるMRI検査の費用を誰が負担するのか、そしてそれも含めてボクシングには世界的な統括団体が存在しないから、定年制の導入も各国・各州コミッションの判断に委ねられてしまう。


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世界的な統括団体を持たないボクシングと違い、NFLは選手会の要望などから安全対策に惜しみない投資を続けています。

別の話でもふれている咬ませ犬の問題も含めて、ローカルコミッションの中には非常に無責任な団体も少なくありません。

選手の安全対策は、個々のコミッションの問題になってしまっているまま、未来永劫、改善されることはないのでしょう。世界の統括団体が設立されない限り。



そして、慢性外傷性脳症(CTE)を患ったボクシングやNFLの選手が〝自殺〟する多くのケースで、それは自殺ではなく病死と診断しても良いのかもしれません。



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昨日、東京ドームホテルで行われたPRIME VIDEO BOXING15の前日計量。高見亨介が体調不良によるドクターストップによって、アンヘル・アヤラとの試合が中止になりました。

体調不良の原因について、帝拳の浜田剛史代表は「水抜きをしてるわけじゃない。緊張感から来るのか、ちょっとわからないが、脱水症状というわけでもないが、体全体が急に悪くなった」と、減量失敗による体調不良ではないと説明しました。

おそらく昨日か今日には受ける医師の診断結果が「脱水症状など減量の影響」と見られると、1年間のライセンス停止と、階級変更が勧告されます。インフルエンザなどの急病や怪我など、減量由来ではない場合は、ライセンス停止は免れるのが過去の〝判例〟です。



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「弱い相手を求めて自分まで弱体化する減量ほど愚かな行為はない。自殺行為」〜マーガレット・グッドマン女史。



海外では試合直前での体調不良や体重超過は珍しくありませんが、その原因の多くは「水抜き減量」と「タイトルの価値の暴落」から。日本の場合、タイトルの価値はそこまで軽くなっていませんから、中止理由のほとんどが前者に絞られます。

今回は浜田代表の説明通り減量の影響ではなく、たまたま計量前日に体調不良に襲われたのでしょうが、もうそろそろ「水抜き減量」へのしっかりした対応をしなければなりません。

「水抜き」のメリットは二つあります。①減量で衰弱する期間が短いこと(ダメージが抜けきらない当日計量ではなく前日計量ならではのメリット)、②一気の水抜きと計量後の一気の補給でリバウンド幅が大きくなること。

そして、デメリットは急激に水分を失うことで重度の脱水状態に陥ることです。

英国ボクシング管理委員会(BBBofC)は減量失敗や重大なリング禍が起きる原因について「正確な究明は難しい」としながらも「水抜き減量が最も大きな原因と考えられる」と結論づけ、試合前のサウナ使用を禁止しています。

また、WBCなどが導入している30日前計量・7日前計量も「水抜き禁止」ルールが守られているかどうかの〝裏付け〟検査です。「1週間前にこの体重では水抜き以外では落とせないはず」という推定有罪の根拠になります。

ONEチャンピオンシップで導入しているハイドレーションテスト(尿比重を測定)も「水抜き禁止」ルールが守られているかどうかの〝裏付け〟検査です。

「サウナ使用禁止」は、しっかりと告知されていたとはいえません。ジョン・リールカシメロやクリス・ユーバンクJr.が「知らなかった」と言い訳したのは、盗人にも三分の理です。

JBCの場合は「水抜き禁止」をルール化することが急務です。ずっと見張っているわけにはいきませんから、現状では自己申告に頼らざるを得ないのも仕方がありません。

今回の高見の件にしても「水抜き失敗してライセンス停止を恐れて嘘の説明をした」というようなあらぬ疑惑を立てられないようにするためにも〝主犯〟はほぼ特定されているわけですから、ここに踏み込んでいくしかないのです。

このルールによって、多くの選手が階級の変更を強いられるのは仕方がありません。そもそもが、前日計量に目を付けたリスクの大きい減量なのです。「無理な減量はより弱い相手と戦うために自分も弱体化する愚かで無様な行為」せあることを認識すべきです。

どうして、ヘビー級では想像もできないほどの体重差で戦えるのか?どうしてリング禍や、前日計量で体調不良になるファイターが少ないのか?どうして試合中に足が痙攣したりしないのか?

当たり前の話です。ベストコンディションで体重計の乗って、最強の状態でリングに上がるからです。

「より弱い相手と戦うために自分も弱体化する」減量がなくなることはないでしょう。だからこそ、少しでも減らすために、JBCなどの統括団体がルールを策定するのが大切になります。



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バンコクで開催中のWBC総会でマウリシオ・スライマン会長は「試合までの過酷な減量と、前日計量から試合当日の急激な増量は、ボクサーの健康と生命を危険に晒す最も恐ろしい敵だ」と語りました。


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ファイターが安全かつ公正に計量を行うという問題、いつ計量するべきなのか?は、ますます喫緊のテーマとなっています。

WBC総会では、複数の医師が「計量から試合開始まで少なくとも24時間経過しなければならない」という現行のガイドラインの変更が議論されているのです。

歴史的にボクサーはリングに上がるわずか数時間前の当日に計量を行っていました。

リングで戦うときに最も公平な状態を考えると、それが最適解だったからです。

しかし、過酷な減量によってボクサーは体力を消耗し、ときには生命の危険にも晒されてきました。

回復のための1日を増やせば、その危険は軽減される、少なくとも当日計量よりもボクサーの健康と生命を守ることが出来るーーーそう考えられた前日計量は1980年代にWBCが導入、これが現代のスタンダードになりました。

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マウリシオ・スライマン会長は「(父親の)ホセがボクサーの安全のために考案したのが前日計量だった」と語り「医療委員会、医師による評価、そして研究結果をすり合わせている。総合的、前日に計量を行うことが安全性を測る上で最も効果的。選手はぐっすりと睡眠を取り、水分を補給し、翌日には抜け殻ではなく人間として試合に臨めるから」と、選手目線では前日が良いという見方を示しました。

しかし、WBCに所属する医師やコミッショナーの中には、どのボクサーにも公平で健全な水分補給が本当に可能かどうかには疑問の声があがっています。

私たちは、水分と栄養補給(リバウンド)によって優位に立つ選手と同じくらい、多くの抜け殻になった選手も目撃してきました。

前日計量で生み出された不公平すぎる試合は、新しい危険を突きつけています。

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「どのファイターも、より強くなれると信じて本来の体重より低い体重になりたがる」と、英国ボクシング管理委員会のロバート・スミス氏は警鐘を鳴らしています。

「しかし、過酷な減量と急激なリバウンドによって、減量していなかった場合よりも絶対的に強くなっているわけではない」。

より弱い相手を求めて自分も弱体化してゆくのは、相対的な強さへの幻想です。


英国の最高医療責任者であり、ボクシング界の主要イベントの舞台裏で信頼を集めるニール・スコット医師も、この意見に同意しています。

「急激に体重を増やすことは基本的に逆効果だ。ファイターは、少なくとも24時間は回復できると考えて、極度の脱水症状に陥るまで自分を追い込む。その後、まともな食事を1、2回摂り、大量の水分を摂取する。しかし、その水分は真の水分補給に必要な量まで届かないのだ」。

WBCではこうした悪影響を抑えるために減量期間でも体重測定が導入され、チャンピオンレベルのボクサーは、急激ではなく着実に体重を減らしていることを証明するようになっています。

WBCの現行ガイドラインでは、ボクサーは試合前30日以内に階級制限の10%以上、14日以内に5%以上、7日以内に3%以上の体重であってはならないとされています。

ただ、これはあくまで自己申告。

IBFでは、計量から試合当日の朝までの体重増加を10ポンド(約4.5kg)以下に制限。

英国では、トレーニングキャンプに定期的に検査員が派遣され、減量中の体重を監視し、前日計量前に水抜きなどで一気に体重を落とすことを禁止しています。

しかし、スコット医師は〝追加計量〟によってボクサーが短期間で「3~4回も減量」することになり、体の回復能力にさらなる悪影響を与える可能性があると指摘しています。

ボクサーを4回戦から世界レベルまでみているマネージャー兼トレーナーのジョー・ギャラガーは、長年にわたり計量を試合当日に戻すことを提唱し、体重チェックを危険な障害と見なしてきました。

「ボクサーは、特定の日に委員会の検査官が来ると分かると、計量に間に合うように急激に体重を減らします」とギャラガーは残念そうに笑います。

「IBFの場合は、試合当日に10ポンド(約4.5kg)の水分補給重量にするために、朝からトレーニングセッションを行うが、全く馬鹿げている。彼らは、体重をいくら減らしても、また増やすことができると繰り返し教え込まれている。やってることが無茶苦茶だ」。

「過去を振り返ると、ファイターが(それほど頻繁に)計量に間に合わなかった記憶はない」とギャラガーは回想します。

「試合当日に計量を実施することで、ファイターは本来の体重で試合に臨むようになるはず。よく聞く水分補給条項もなぜ、こんなものが必要なのか?過去にはそんな必要はなかったのに」。

カリフォルニア州のポール・ウォレス博士は「公平性こそが、階級制が存在する理由だ。システムを欺こうと、あるいは騙そうとして、体重を落とし、翌日には階級を一つではなく二つも三つも上げて試合をする。これは不公平で安全ではない」と断じています

「トレーニングキャンプで、選手に今日10ポンド(約4.5kg)減量して、明日は12ラウンドのスパーリングをしろなんて練習をさせるか?」とギャラガーは言う。

「当日計量に戻せば、このスポーツはずっと安全になる。選手たちは馬鹿げた重量をこなすために必死になっている。彼らはパンを焦がしすぎているのだ。その後、脳の細胞レベルまで水分を戻すことはできない。とにかく健康的ではない」。

スコット博士も「個人的には試合当日の計量に戻すべき」。

スライマン氏はその後、当日計量を再検討することを約束した。

「WBCの素晴らしい点は、誰もが意見を述べることができるオープンな議論の場です。私たちはあらゆる経過と結果を分析して、決して特定の考え方に固執することはない。医療委員会の勧告を信頼し、それを理事会に諮る。時にはパイロットテストを行って試してみる」。



ーーーもし、当日計量に戻すと、ほとんどの選手たちは現行から1、2階級上げて戦うことになります。

この〝階級移動〟はボクシング人気を興醒めさせるかもしれません。
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日本のリングに短い期間で事故が相次いでいる原因は、どこにあるのか?

人間の急所を狙って拳を打ち込む、対戦相手を脳震盪に陥らせる失神KO劇がスペクタルだと賞賛されるのですから、そもそも生命に危険が及ぶことを飲み込んだ競技です。

そこが、他のスポーツとは決定的に異なります。

脳震盪を起こしやすいアメフトやラグビー、サッカーはもちろん、激しい接触が少ない野球などのスポーツでも生命の危険に関わる脳震盪をいかにに防止するかについて防止策やルール変更まで、積極的に取り組んでいます。

つまり、常識的なスポーツではいかにして脳震盪を防ぐかが大きなテーマであり、脳震盪は「悪」でしかないのです。

コリジョン・ルールや危険球ルールによって「ホームベース上でランナーと捕手が激突するプレーが見れなくなった」「死球からの乱闘騒ぎも野球の見所の一つだったのに」と嘆くファンの声など、選手の生命を考えると無視されて当然です。

しかし、ボクシングは特異で、野球のヒットや三振などと同じように、対戦相手を脳震盪に陥らせることが、そもそもの競技の中に内包されているのです。

もっとわかりやすく言うと「誰も悪くはない…それなのに最悪の事故が起きてしまう」とは、「悪いのはボクシングという競技そのもの」に他なりません。

顔面を殴打し合うボクシングにおいては、戦闘時間が極端に短く、レフェリーストップも早いアマチュアですら、試合やスパーリングの翌日は頭痛や思考の遅さに悩まされ、呂律が回らなくなることも珍しくありません。

当たり前に、脳の回線回路に異常をきたすリスクがあるのがボクシングです。

Chronic traumatic encephalopathy(CTE:慢性外傷性脳症)という正式な病名よりも、「ボクサー型認知症」の方が通りが良いでしょう。

あるいは「パンチドランカーの方が遥かに一般的で認知度が高いという現実は、ボクシングファンとしては痛恨極まります。

これは、本当に事故なのか?事故として片付けて良いことなのか?

脳震盪を引き起こすことを狙って、アゴやコメカミに拳を叩きつけ合うボクシングのリングで起きた大惨事を事故として捉えるのは無理があるのではないか?

塁上での激突(コリジョン)が脳震盪や大怪我につながるなら、激突を禁止すれば良いーーーボクシングでそれをやると、この競技そのものが滅亡してしまいます。

…しかし、それが大前提です。

つまり、ボクシングは「頭部への打撃を禁止」にするルールを導入しない限り、抜本的な解決に向かうことはできませんが、そこには踏み込めないというのとです。

このスポーツは日本ボクシングコミッションが設立されてから70年以上、リング事故は何度も起き続けてきました。

では、この2年で事故が頻発していること、同一興業で別の試合に出場した2人の選手が事故に遭ってしまったことは、単なる偶然なのでしょうか?

もちろん、偶然の要素もあるでしょうが、起こるべくして起こったという側面も否定出来ません。

起こるべくして起こったなら、それは従前とは違う何かが、最近のボクシング界でトレンドになっていることがその原因でしょう。

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水抜きによって極度の脱水とミネラル不足で前日計量を済ませたマイク・アルバラード。もはや別人です。くぼんだ目、こけた頬、小刻みに震えて、記者の質問がよく理解できず、的外れな答えを弱々しく絞り出すだけ…。


世界的な趨勢にならって日本でも1995年に前日計量が導入されました。

すでに30年が経過しているので「前日計量が原因ならもっと早くから事故が多発していなければおかしい」と考えるのは早計です。

前日計量が定着す過程で、競技者たちはリングインする前に大きなアドバンテージが潜んでいることに気づきます。

安全・健康管理のために、厳しい減量からの回復時間を多く取るために導入された前日計量でしたが、この回復時間を見込んで、安全・健康を脅かす新たな問題が浮かび上がってきたのです。

①回復時間を見込んでより過酷な減量に臨む、②回復時間で大きくリバウンド、当日に有利な体重を作るーーーこの2点で、その方法論が洗練されてきた30年でした。

さらに、従来からあった計量前夜に入浴やサウナで一気に水分を絞り出す水抜き減量も広まりました。

水抜きのメリットは減量で衰弱する期間が短いこと、一気の水抜きと計量後の一気の補給でリバウンド幅が大きくなること。

そして、デメリットは急激に水分を失うことで重度の脱水状態に陥ることです。

脱水によって血管が切れやすくなることは、解明されています。脳と、脳を覆う硬膜をつなぐ静脈も切れやすくなります。外的衝撃で頭蓋骨内で脳が揺らされる(回旋)して、この静脈が切れてしまい、硬膜とくも膜の間に血が溜まるのが硬膜下血腫で、最近の事故はいずれも硬膜下血腫です。

英国ボクシング管理委員会(BBBofC)は事故が相次ぐと、すぐに検証委員会を設置。JBC同様に「正確な原因究明は難しい」としながらも、「トレンドとなっている水抜き減量が最も大きな原因と考えられる」と結論づけ、試合前のサウナ使用を禁止しています。

また、WBCなどが導入している30日前計量・7日前計量も「水抜き禁止」ルールが守られているかどうかの〝裏付け〟検査です。

BBBofCは日本のボクシングファンや格闘技ファンには馴染みがないかもしれませんが、ONEチャンピオンシップで導入しているハイドレーションテスト(尿比重を測定)も「水抜き禁止」ルールが守られているかどうかの〝裏付け〟検査です。

しかし、「サウナ使用禁止」「30日・7日前軽量」はいずれも自己申告。いくらでも不正を働くことが可能。ハイドレーションテストの数値も腎機能や試合前の練習量などで大きな個体差が出ることが知られています。

それでも、事故の〝主犯〟はほぼ特定されているわけですから、ここに踏み込んでいくしかありません。










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スパム

2025/08/10 23:22

当日計量で無謀な減量が後を絶たずで今の形になったと聞いたんですが前日計量の方が問題なんですね。


元記事: 誰も悪くはない…それなのに最悪の事故が起きてしまう。② (編集)
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>当日計量で無謀な減量が後を絶たずで今の形になった

その認識は、間違いではありません。

ただ「当日計量だから無謀な減量をする」わけではありませんでした。当日計量では減量のダメージを回復する時間が短すぎるから、十分な回復時間が与えられるという理由で前日計量に移行したのです。

「十分な回復時間が与えられる」という狙いは、当たり前のことながら効果的でしたが、ここで二つの深刻な問題が浮かび上がってしまいます。

一つは「十分な回復時間」を見込んで、より無謀な減量に追い込んでしまうこと。前日計量で半死状態でも、健康体に近い状態まで戻すための30時間以上の十分な回復時間があるわけです。

しかし、秤に乗る前は足元もおぼつかない状態だった選手が、30時間後には殴り合いのリングに上がることの危険は誰にでもわかるでしょう。

ジェイミー・マクドネルは井上尚弥との試合の前日計量で老人のような生気のない表情とカサカサの肌で秤に乗ってリミットをクリアしたあと、自力で上着を手に取って羽織れないほど衰弱していました。

そして、その時点で、マクドネルの宿泊したホテルの部屋は床がびしょびしょに濡れていたと伝えられました。

許容量を超える大量の利尿剤を使用したことは明らかでしたが、試合を許可したJBCは事故がおきたときどんな弁明を用意していたのでしょうか?

十分な回復時間があるから…それはあまりにも危険な余裕です。

もう一つは、長い回復時間によってもたらされるリバウンドがボクシングの階級制を冒涜するとんでもない体重差を生み出してしまうことです。

井上尚弥や井岡一翔が優秀なリバウンダーであることは、このブログでも何度かふれてきました。

大谷翔平がピッチロックなど新しい機器にたいして、MLBの関係者や審判が驚くほどの早い順応を見せたように、超一流選手は新しいルールをいち早く取り込んで自分のものにしてしまうものです。

そして、彼らは前日計量からの回復でどれだけリバウンドするのかが「大きな戦略の一つになる」(井上)ことも識っています。

選手の安全と健康のために施行した前日計量が、試合当日に大きな体重差を生み出す、より大きな危険を生み落としてしまったのです。

井上尚弥や井岡一翔だけでなく、ほとんど全ての試合は「ジュニアフェザー級」や「ジュニアバンタム級」とテロップで流れていても、実際には「ライト級」や「ジュニアウエルター級」での体重で行われているのです。

いや、正確には「フェザー級vsジュニアウエルター級」、あるいはそれ以上のハンデキャップマッチが当たり前に行われているのです。

https://fushiananome.superknova.org/archives/9580115.html

健康体で前日計量に臨み、健康体で翌日のリングに上がるヘビー級と、軽量級など過酷な減量が当たり前のクラスでは、リスクの大きさが違うだけでなく、リスクの性質が違います。

おそらく…暴論でもなんでもなく、階級性を廃止して無差別級だけにするなら、全てのボクサーが井上や中谷のように青白い肌とこけた頬で秤に乗ることなく、健康体で計量、健康体でリング・インすることができます。

そうなると、過酷な減量や水抜きなどというトリックも使わずに筋肉増強に励み、最強の井上は63〜64kg、中谷なら70kgちかくまでビルドアップするかもしれません。

事故の原因に減量があることは、もはや明らかです。

階級リミットに合わせる減量を禁止…つまり階級性を廃止すると、健康上の問題を抱えたファイターがリングに上がる可能性は排除できます。

それが現実的ではないのはわかりきっていますが、そこに極論があることを踏まえて考えていかなければなりません。

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誰も悪くはない…それなのに最悪の事故が起きてしまうーーーもしかしたら、この競技の本質、つまり私たちが愛してやまないボクシングのそもそもの魅力が、もはや時代にそぐわない、そんな段階の入り口にさしかかっているのかも知れません。

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JBCが打ち出した対策は「ラウンド数の短縮」。

従来、12回戦で行われていたOPBF戦などを10回戦に、世界戦以外の12回戦を認めない方針を打ち出しました。

事故の一因にダメージの蓄積があるのは明らかで、ラウンド数の削減は理に適った対策です。

しかし、優先順位はラウンド数にはありません。

すでに指摘されている、救急搬送の要請手続きの無意味な煩雑さから生じる遅れは大問題です。救急車の会場常駐は必要でしょう。起こりうる事故、症状は限定的なだけに、救急医療体制は比較的簡単に準備できるはずです。

この要請手続きに重大な問題があったことも、JBCは早急に事実と対策について説明すべきでしょう。

そして、多くの事故の原因が「水抜き減量」によって、極度な脱水状態に陥ることで硬膜下血腫を引き起こしやすくなていることは誰にでも想像できることです。

事故防止で先行する英国ボクシング管理委員会(BBBofC)は、ラウンド数ではなく救急医療体制の見直しと、水抜き減量の禁止(サウナ使用の禁止)を打ち出しています。

しかし、サウナ使用禁止で、水抜きを禁止できるのか?「俺、サウナを使用してしまいました」と自首して試合を棄権する選手などいるわけがありません。

カシメロのようにSNSに画像をアップしてくれるバカは、まずいません。


そして、水抜きに必要なのは「サウナや入浴」だけでなく「十分な回復時間」です。

「十分な回復時間」が与えられないと、ダメージの甚大な水抜きは有効ではありませんーーーつまり、当日計量に戻すことで、選手は水抜き減量に手を出しにくくなるでしょう。

現在のボクサーは前日計量、十分な回復時間を使った大幅なリバウンドを織り込んで、水抜き減量を選んでいます。

試合まで7時間前後の余裕しかない当日軽量に戻すと、極度の脱水状態の体で秤に乗る光景は減るでしょう。

また、リバウンドによる当日リングでの体重差も少なくなり、より公正な階級制の試合が実施されます。

あるいは、前日軽量と当日計量のW実施。現在IBFが行なっているような信じられないバカ・ルール「リバウンドはストロー級からクルーザー級まで一律のリバウンド10%以内」というのではない、階級ごとに定めたリバウンド制限に基づく、すでに柔道などで採用されている当日軽量の実施も有効です。

このシステムにすると、前日軽量を前提に階級を選んでいた多くのボクサーが階級を上げ、多少の混乱を招くことになるでしょう。

しかし、現在直面している大きな悲劇と比べたら。そんなものは「多少の混乱」に過ぎません。


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8月2日に後楽園ホールで行われたプロボクシングの興行で、それぞれ別の試合に出場した2人の選手が試合後に意識を失って都内の病院に救急搬送、一人が昨夜、帰らぬ人となってしまいました。


8月4日、日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内剛本部事務局長は「何が原因でという見極めが難しい両試合だった。原因を究明していくのが難しい事例になった。ただ、もう分からないから(何も対策を)やらないっていう場合じゃない」と語り、現在12回戦で行われている東洋太平洋王座戦を10回戦に短縮する方針を示し、主に12回戦で実施されているWBOアジア・パシフィック王座戦も10回戦に統一したいと意向を示しました。

JBCは東洋太平洋ボクシング連盟(OPBF)の本部国を務めており、萩原実JBCコミッショナーがOPBFの会長、安河内氏が事務局長を兼任、ルール改正に大きな障害はありません。

全国のジム会長らで組織する日本プロボクシング協会と話し合った上で、早急な変更を目指す方針です。


事故が起こりやすくなる原因の一つとして考えられている過度な水抜き減量を抑制するため、すべての試合で当日のリバウンド体重に制限をつけることも前向きに検討していく方針です。

過度な水抜きについては、やはり事故が重なったことから英国ボクシング管理委員会(BBBofC) が試合直前のサウナの使用を禁止しています。

3年前に当時のWBOバンタム級王者ジョンリール。カシメロが試合直前にサウナで「減量も順調!」と写真をSNSにアップしてしまい〝御用〟となりました。

ヘビー級を除く現代のボクサー、特に軽量級ではほとんどのボクサーは直前の水抜きで一気に体重を落としています。

このメリットは長期の減量で心身ともに消耗するのを回避できること、前日計量後のリバウンド幅が大きく、当日の試合で優位な体重でリングに上がることができることなどがあげられます。

デメリットは一気に水分を抜いて生じる極端な脱水症状は肉体に大きな負担をかけ、前日計量クリア後に極度の体調不良を訴えたり、軽量に臨めないというケースも珍しくありません。

リミット105ポンド(47.62kg)のストロー級選手が10ポンド(4.54kg)を大きく超えてリバウンドすることもあります。

わずかな時間で、水抜きをした極度の脱水状態の体内に体重の10%以上の水分と食事を摂るわけですから、医学的にもありえない非常に危険な行為です。

青白い顔とこけた頬で秤に乗ったボクサーが、翌日には血色の良い表情でリングに上がるーーー井上尚弥をはじめ多くのボクサーで見られる光景です。


JBCは2023年12月の日本バンタム級タイトルマッチで起きたリング禍から、事故検証委員会を設置、再発防止に取り組んできましたが、抜本的な解決に向かう道筋はまだ見えていません。

相次ぐリングの事故について、亀田史郎は「JBCもラウンド数を減らすとか、レフェリーが止めるにしても、どこで止めるべきか難しい。そこの問題じゃないと思う」とし「そこ(ルールの変更)はそれでいいが、大きなグローブを使うジムでのスパーリングでダメージが蓄積されている。大きなグローブは面積広くなるから、揺れるダメージも大きい。スパーリングでダウンはあまりないから、ダメージが全部、蓄積する」と話しています。


一方の選手が大きなダメージを負っていると判断したならストップですが、激しい打撃戦の末に両者が大きなダメージを負って互角の戦いを繰り広げていたら?…「早く止めないと最悪の事態になる」と判断して引き分けストップなんて出来ません。そこまでのラウンド計算で判定というのが現実的でしょうが、やはりストップの判断が非常に難しい。

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グローブの問題についてはこのブログでも度々取り上げていますが「10オンスよりも6オンスの方が危険、ナックル部分が薄いレイジェスが危険」というのは大間違いです。

安河内事務局長は「原因を究明していくのが難しい事例になった」と語り、JBCの朝本俊司オフィシャルドクターも「運営側の瑕疵はほぼないだけに、対策が難しい」としています。

これは、大筋でその通りだと思います。

一方で、何が原因で〝それ〟が起きたのかはわかりませんが、ほとんどの事故で〝それ〟が何なのかははっきりわかっています。

頭蓋内出血から引き起こされる「硬膜下血腫」です。

「そんなのわかってるわい」と思われる方も多いかもしれませんが頭蓋内出血・硬膜下血腫がどんなものなのかは知らない人が多いのではないでしょうか?

「衝撃で脳が頭蓋骨内で回旋することで脳と硬膜をつなぐ静脈が切れて、脳を覆う硬膜とくも膜の間に血が溜まる」のが、硬膜下血腫です。

そして、硬膜下血腫はダメージの蓄積ではなく、多くの場合でたった一つの打撃で起きてしまうというのです。

つまり、それまでの試合やスパーリングで蓄積されたダメージでリスクが増大するなら、事前検査で脳内血管が痛んで、脳の回旋が起きやすい等の事前検査で予見できますが、そうではないのです。

また、どんな打撃によって脳が回旋しやすいのか、そのメカニズムもわかっていません。

井上尚弥のファン・カルロス・パヤノ戦、マニー・パッキャオのリッキー・ハットン戦のような一撃で相手を失神させる、いわゆる「スイッチを切る」ようなKOパンチは比較的安全(安全なKOパンチというのもおかしな表現ですが)と見られています。

ほとんど素手に近い4オンスのオープンフィンガー・グローブを使うMMAでボクシングよりも事故が少ないことを考えると、グローブの大型化は事故に一定の影響があると考えて良いでしょう。

しかし…。

そもそもの問題として顎、テンプル、頭部の急所を狙うボクシングの競技性格を考えると、重大事故のリスクを排除することは不可能なのかもしれません。

そして…。

もし、そうだとすると、これは、もはや「事故」とは呼ぶべきではないのかもしれません。




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Saturday 10, May 2025
  
Pechanga Arena, San Diego, California
commission:California State Athletic Commission
promoter:Bob Arum (Top Rank)
matchmaker:Brad Goodman
timekeeper:Mike Millsap, Richard Urquidez
doctor:Bear Gamboa,
    Tariq Khan,
       Michael Ricciardi,
     Robert Ruelaz
inspector:Mark Relyea
 
view on ESPN Knock Out ,
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Panama RPC Channel 4


昨年5月にライト級へのアタックを敢行、WBO王者デニス・ベリンチクに敗れてジュニアライト級に戻ったエマヌエル・ナバレッテの防衛戦。

前日計量。ナバレッテの最初の表示は130.4ポンド。トランクス1枚で秤に乗って、わずか180gオーバー。トランクスを脱いだ全裸で乗った2度目のトライは130.3ポンド、トランクスの重さは0.1gしかなかったようです。

2時間の猶予の間に130ポンドまで落とせなければ、WBOジュニアライト級王座は剥奪、タイトルは挑戦者チャーリー・スアレスがのみに賭けられ、スアレスが勝てば新王者、負ければ空位となります。



3度目のトライでなんとか130ポンドまで肉体を削り、王者としてリングに上がることが出来たナバレッテですが消耗は明らか。

指名挑戦者のスアレスは129.9ポンドで1発クリア。無敗のフィリピン人は、明日が世界初挑戦。

オッズはナバレッテ2/7(1.29倍)、スアレス11/4(3.75倍)と4階級で実績を残しているナバレッテが明白に有利とみられています。

叩き上げのメキシカン、ナバレッテがアイザック・ドグボエを大番狂せで下しでWBOジュニアファザー級王者になったのはもう7年も前のこと。

ドグボエを倒して価値のある対戦者がいなくなったナバレッテは1階級下の井上尚弥との対戦を熱望するも「縁がなかった」と相手にされませんでした。

まだ30歳のナバレッテですが度重なる激闘と減量苦で、体全体から消耗と疲弊が滲み出ています。




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きょう、日本武道館で行われる柔道全日本選手権。

先行して行われた女子では角田夏実が自分よりも重い相手に勝って話題になりましたが、男子の注目もやはり軽量級の選手が重量級にどう立ち向かっていくのか。

https://fushiananome.superknova.org/archives/36370471.html




66kg級(ボクシングでいうとウエルター級:147ポンド=66.68kgがほとんど同じ)で五輪2連覇中の阿部一二三が出場、1回戦で81kg級の佐藤佑治郎と対戦します。

自分よりもはるかに重い相手を撃破、3回戦魔で進撃した角田は、肉体へのダメージ、疲労度が全く違うと語りました。

「1回戦が終わった後から疲労度が普通の試合と全然違くて。海で遊びきった後のようなだるさがあって…。(もちろん大きい相手に練習するなど対策は施してきたが)試合になるとパワーが全然違いました。1回戦、2回戦と試合をするごとにだんだんもう(手が)握れなくなったり…。ところどころあざだらけになってたりして、本当に強度の高い試合だと感じました」。

さて、井上尚弥と親交のある阿部一二三(フルネームで呼びたくなる名前です)です。高校2年時に全国選手権兵庫県予選の団体戦決勝が体重無差別の試合に出場して以来、約10年ぶりの〝柔よく剛を制す〟畳の上に立ちます。

国際ルールでは4分の試合時間は5分(決勝8分)。延長戦なしの旗判定は、攻勢が評価され、国際ルールで反則の足取りもOK。国際ルールとは違うルールについては「軽量級に有利に働くのでは」と考えています。

井上について話をふられると「尚弥君(5歳も年上なのに「君付け」ってちょっと面白い関係です)の場合、階級を上げたり4団体統一して、モチベーションを維持できる部分もあるかも。僕も五輪4連覇と言い続けることでモチベーションを保っているが、この目標がないと続けられていない」と、トップに立ってなおモチベーションを持ち続ける難しさを口にしました。



ボクシングでもOPEN WEIGHTの大会があれば面白そうですが、ダメージが握力の低下やいつもと違う打撲レベルで済まない危険が大きく、やってはいけません。

まあ、トップ選手が当たり前にキャッチウエイトを振り回すパワハラが認められる(スポーツの最高の特徴は公正さですが、これを否定する行為が認められている点でもスポーツと呼んでいいものなのか?)ボクシングでは、そもそもやるわけありません…そういえば、ウシクが一人でOPEN WEIGHTの大会をやってるか。

ボクシングは論外としても、競技的に類似性があるレスリングでも〝全日本選手権〟は存在しません。

これは柔道が日本の格闘技だからでしょう。

さて、日本武道館。9時開場です。

地上波NHKは午後4時から(延長あり)。YouTubeでも。
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