カテゴリ: 日本でも馴染深い拳闘家達の生き様

昨年7月25日、有明アリーナで井上尚弥に破壊されたスティーブン・フルトンがフェザー級のゲートキーパー、ロニー・リオスと復帰戦を行います。

有明アリーナでは、日本のスラッガーが放つ強烈な艦砲射撃に対抗するにはあまりにも非力で、弱気なフルトンは、惨めに敗れ去りました。

「フルトンは顔面を打たれるのを極端に怖がっていた」という井上の発言が、米国人ファイター全般に向けられた挑発に受け止められたこともありましたが、フルトンのジュニアフェザー級ですら誰も倒せない非力さでは、8ラウンドまで試合を長引かせる方法はあれしかありませんでした。

このブログでも、井上が初めて迎えるプライムタイムの強豪として詳しく取り上げようとしましたが、本当に材料が少ない、少なすぎて、米国ボクシングシーンでも全く需要がないことが改めてよくわかりました。

また、各種スタッツから浮かび上がったのは驚くほどの非力さだけではなく、被弾の多さ。体格を生かしきれない、喜劇のように非力で防御に欠陥を抱える、少しタフで幸運な2団体統一王者というフルトン像でした。

対するリオスはロビンソン・カスティリャノス、レイ・バルガス、アザト・ホバニシャン、ムロジョン・アフマダリエフにきっちり敗北している〝世界未満〟の34歳。

A loss for Fulton against Rios would surely signal the end of his career because there would be no coming back from a defeat against a fighter at this level.

フルトンはモンスターに倒されたのが唯一の敗北ですが「リオスのようなレベルに負けるようなら、そのキャリアが終わる明らかな兆候」「もし負けたならフルトンが生き残る道はジュニアフェザーに戻る、あるいは思い切ってバンタムまで落とすことだが、それも難しいだろう」(米国ボクシングニューズ24)という見方も頷けます。

四つの敗北のうちKOを免れたのはバルガス戦だけという装甲にも不安を抱えるリオスですが〝水鉄砲ボクサー〟フルトンでは倒せないでしょう。試合は判定にもつれるのが濃厚。

この試合は、PBCのPPV無しイベントでケイレブ・プラントvsトレバー・マッカンビーのセミファイナルに組み込まれる予定です。

私にとって、知れば知るほど幻滅が肥大化していったフルトン。

それでも、ここで負けてほしくはありません。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

Saturday 6, July 2024
  
Toyota Arena, Ontario, California
commission:California State Athletic Commission
promoter:Oscar De La Hoya
matchmaker:Devon De La Hoya
        Eric Gomez,
        Javier Razo
media:DAZN



今日は井岡一翔のマスト・ウィン・ファイト。我々の注目もこの試合にフォーカスされています。

海外ではチキンの極みシャクール・スティーブンソンがアルテム・ハルチュニアンを迎えるWBCライト級戦の他にも、ウィリアム・セペダとジョバンニ・カブレラのやはりライト級戦線の注目カードが行われます。

トヨタ・アリーナで行われるセペダのイベント、セミファイナルにアンヘル・アコスタが登場します。

16戦全勝オールKO勝ちのパーフェクトレコードを引っ提げて、田中恒成のWBOジュニアフライ級タイトルに挑戦したのが2017年5月20日のことでしたから、もう7年も前になります。

恒成が返上した空位の王座に就いたアコスタはカルロス・ブイトラゴ、ガニガン・ロペスといったやはり日本のファンにも馴染み深いファイターを撃破、フライ級に上げて2階級制覇を狙いますが、そこに立ち塞がったのはWBO王者の中谷潤人。相手が悪すぎました。

完璧な戦績は24勝4敗になりましたが、24勝のうちKOは22。破格の強打は健在です。

しかし、WBCシルバーのフライ級ストラップを争うリカルド〝エルニーニョ(神の子)〟サンドバルに対して、アコスタは完全Bサイド。

ウィリアム・ヒルの掛け率はエルニーニョの勝利が1/4(1.25倍)、アコスタ3/1(4倍)。

真っ正直なプエルトリカンが豪快な番狂せを起こすことを期待しています。

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

スティーブン・バトラーが村田諒太のWBAミドル級のストラップに挑戦したとき(2019年12月23日)の戦績は28勝24KO1敗1分。

アルファベットのランキングはWBAで8位、WBOでは1位。

コレクションした地域タイトルは「NABF20歳以下ジュニアミドル級」「IBFユース・ジュニアミドル級」「IBF北米ジュニアミドル級」「NABAジュニアミドル級」「IBOインターナショナル。ジュニアミドル級」「WBCフランス語圏ミドル級」「WBCインターナショナル・ミドル級」…BoxRecで確認できるだけで6つのベルトを腰に巻いてきました。

このどうでも良い事実が意味することーーーつまりアルファベット団体がバトラーにストラップを献上したがる理由は「興行規模が大きい=認定料が高い」ということでした。

同じ「バトラー」でもバンタム級のポールの方は、逃げ回って情けない試合に終始したと非難されて「軽量級は職業として成り立たないのに、考えられない報酬(日本円で約5000万円)を手にした私は勝者だ」と言い放ちましたが、人気階級のスティーブンはそんな言い訳は出来ません。

もちろん、村田への挑戦を地元カナダではなく、完全アウエーの有明アリーナに引っ張り上げられたのは、高額の報酬があってこそでしょう。

有明に散った24歳のカナディアンは28歳になり、地元モントリオールでキャリア5敗目を喫しました。

かつて、自らが保持していたWBCフランス語圏ミドル級王者決定戦。

相手は同じカナダ人のパトライス・ボルニー。ここまで19勝13KO1敗、唯一の敗北はエスキバ・ファルカン…ボルニーにもまた、村田諒太がアヤになって絡んでいます。

そんな二人のカナダ人が「カネロ・アルバレスへの挑戦」を夢見て激突…ここで勝っても、そんな大舞台など用意されるべくもありませんが、カナダはカナダで能天気です。

試合は、ぐだぐだの泥試合。

第9ラウンド、削られ消耗したバトラーが揉み合いの中で連打を浴びたところでアライアン・ビラヌエバ主審が試合をストップ。


バトラーは主審を突き飛ばして不満をあらわにしましたが…。


カナダで一定の人気を持つバトラーはまだ28歳。

それでも、ディフェンスに大きな欠点を抱え、攻撃のバリエーションも少ない不器用で決定力もないカナダ人がミドル級の世界タイトルをつかむ、そんな日がやって来るとは思えません。

それでも彼はリングに上がり続けるのでしょう。

カネのためでも、名誉のためでもなく。







このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

スティーブン・バトラー。

彼が、WBAミドル級王者・村田諒太の拳に沈められたのは、2019年12月23日の横浜アリーナの特設リングでした。

当時24歳、村田よりも九つ年下の真っ正直なパンチャーでした。

あれから4年と3ヶ月が経ちますが、村田戦のあとホセ・マシアスに番狂せで敗れて2連敗。

そこから4連勝して、昨年5月には世界タイトル再挑戦のチャンスを掴むも、WBOミドル級王者ジャニベク・アリムハヌリに2ラウンドKO負け。

この時点でまだ27歳とはいえ、世界王者への夢をあきらめて別の道に進むには悪いタイミングではないように思えました。

厳しい言い方になりますが、例え4団体17階級時代でもバトラーではアルファベットタイトルの一つも拾えない…ということです。

ただ、このバトラーはカナダの人気者、需要があるのでしょう。

そして、バンタム級のポールとは違う、名前通りのバトラー、往生際の悪い生粋のファイターです。

現地時間の3月7日、カナダはモントリオール・カジノでバトラーはこれ以上は負けられない土俵際の一戦を迎えます。

相手は同じカナダ人のスティーブ・ロールズ。こいつも恐れを知らないファイター。

2019年6月8日に、カネロ・アルバレスとの再戦に敗れたゲンナジー・ゴロフキンの復帰戦相手に選ばれますが4ラウンドでノックアウトされてしまいます。 

村田諒太にKOされたバトラーと、GGGにKOされたロールズ、カナダ人同士の激突です。

肩入れしたくなるのは、やはりバトラー。

村田戦のあと、ショックで記者会見に出席することが出来ず、翌日になってようやくSNSで日本への感謝を伝えた純情。

しかし、そのボクシングは応援するものを恐怖のどん底に陥れるヒヤヒヤの連続。

ところが、昨夜は勝手が違いました。

第1ラウンド、互いに左を突き合う静かな立ち上がりでしたが、バトラーの右をまともに受けたロールズに、28歳のバトラーはこれぞバン!バン!と大きな左フックを乱打。

39歳のロールズはロープに腰掛ける形でダウンすることができず、追撃のパンチをモロに受けてしまいます。慌てた主審がノーカウントで試合を止めました。

これが8度目の初回KOのバトラー。対戦相手の質を考えると、キャリア最高の勝利です。

この一戦で「バトラー覚醒」とは言えませんが、まあ生き残りました。

北米での人気を考えると、3度目の世界挑戦もありそうです。

一方のロールズはGGG戦から7戦3勝4敗。この4試合では1勝3敗。年齢的にも潮時です。


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

Wednesday 17, April 2024
  
Korakuen Hall, Tokyo, Japan
commission:Japan Boxing Commission
promoter:Kazutaka Yoshino (Shisei Promotions)

Hayato Tsutsumi vs Anselmo Moreno



堤駿斗のプロ5戦目の対戦相手に38歳のアンセルモ・モレノが選ばれました。

今月5日にOPBFフェザー級王座を返上、世界戦への〝GOサイン〟が出たところに、モレノです。

全盛期には、リング誌など多くのメディアで「最も過小評価されているボクサー」と評されたチェミート(幽霊)。

2008年5月31日にウラジミル・シドレンコを判定で下して獲得したWBAバンタム級タイトルを、2014年9月26日にファン・カルロス・パヤノに敗れて手放すまで6年4ヶ月も保持、12連続防衛を果たしました。

本人も熱望したWBC/WBO王者ノニト・ドネアとの対戦はマニア垂涎の一戦でしたが、実現には至らず。

PFPランキングにも長らく名前を連ねたモレノは、注目度の低い軽量級、米国市場にファンベースを持たないパナマ人、見映えのしない玄人受けのテクニシャン…過小評価されるのは当然でした。

2012年にはバンタム級タイトルを保持しながら、WBCジュニアフェザー級王者アブネル・マレスに挑戦。やっと巡ってきたビッグファイトでしたが、4回戦時代に喫して以来の敗北を味わいます。

当時、米国で権勢を誇っていたゴールデンボーイ・プロモーション初の生え抜き世界王者で、メキシカンのマレスが圧倒的Aサイド。どんな無理難題をパナマ人に強いたのか、容易に想像がつきます。

モレノ14位

それでも「he's still seen as one of the best boxers in the sport (マレスに負けてもなおボクシング界で最高の選手の一人)」と高い評価をキープ。

「日本で5000万人の視聴者を集めるメガスター」として注目されていたWBAセカンド王者・亀田興毅との統一戦も交渉のテーブルに乗ったと報じられていましたが、日本では音無し。何も具体化しませんでした。

結局、圧倒的有利と予想されたパヤノを迎えた13度目の防衛戦では、かつての滑らかな動きは影を潜め、反射も鈍りプロ3敗目を喫してしまいます。

「モレノの動きが鈍すぎただけでパヤノは穴王者。一度も防衛できない」というリング誌の予想は外れて、パヤノは負けでもおかしくないSDで初防衛に成功します。それでも2度目の防衛戦で陥落。



一方のモレノはパヤノに敗れてすぐにWBC王者・山中慎介に挑戦するもSDで敗れて2連敗。しかし「日本でなければモレノの勝ち。往年の動きが戻りつつある」と、パヤノ戦で失墜した評価を戻していました。

しかし、山中との再戦では「日本ではKOしなければ勝てない」と〝幽霊〟スタイルを捨てて果敢に打ち合い、7ラウンドで玉砕。続くフリオ・セハ戦でもKO負け。

誰もが「モレノは終わった」と見切りをつけていましたが、WBAフェザー級のフェデレーションタイトルを獲るなど7連勝で、日本行きの切符を掴み取りました。

普通に考えれば、老雄をホームに迎える24歳の日本人の勝ち方が問われる試合です。

堤は変な試合は出来ません。文句なしのKOでチェミートを介錯してあげましょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

井上尚弥が3階級制覇に成功した(ジェイミー・マクドネルから奪取したWBAタイトルはセカンドタイトル)元IBFバンタム級王者エマヌエル・ロドリゲスが、そのストラップを取り戻すべく、8月13日(日本時間)にリングに上がります。

井上が返上して空位になったタイトルの王者決定戦。舞台はメリーランド州、MGMナショナルハーバー、相手はニカラグアのメルビン・ロペス。







ご存知のロドリゲスは、階級最強と目されていたライアン・バーネットが対戦を回避した、プロスペクトでした。

井上がWBSSトーナメント準決勝で、このロドリゲスと当たったときも「事実上の決勝戦」と言われました。

しかし、井上戦の前にポール・バトラーを仕留めきれず、ジェイソン・モロニーには分の悪いSDの薄氷勝利と、その評価は液状化。

さらに、その井上戦では、弱気な態度にタオルを投げなかったトレーナーを解雇。Bサイドで臨んだルイス・ネリ戦では1ポンドの体重超過を受け入れずに試合中止…ヘタレエピソードを撒き散らしながら株価を暴落させてゆきます。

そんなロドリゲスにとって、昨年10月のゲイリー・アントニオ・ラッセルを相手に大番狂せを起こしたのは、キャリア最高の勝利でした。

31歳のロドリゲスと、空位の王座を争う25歳のロペスは、IBFのランキングこそ3位ですが、TBRBやESPN、リング誌などのまともなランキングには入っていない世界基準以下の実力しかないと見られているファイターです。

ホセ・ベラスケスにノックアウトされたのが唯一の黒星ですが、ベラスケスを除くとまともな相手との対戦はありません。

ベラスケスは2021年にIBF/WBAジュニアフェザー級王者ムロジョン・アフマダリエフに挑戦、3-0の完敗。来月3日には岡山で和氣真吾との試合が決まっている34歳。



世界戦になると輝きを失うロドリゲスと、ゲートキーパーに跳ね返されたロペス。

オッズはロドリゲス1/8(1.16倍)、ロペス5/1(5倍)。ロドリゲスが世界戦で初めてKOをマークするのか?それとも、いつもの消化不良か?あるいはロペスが番狂せを起こすのか?

ロドリゲスにとってはオッズの通りの明白な勝利が求められますが…。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

キューバの至宝アンディ・クルスのプロデビューの相手に抜擢されたファン・カルロス・ブルゴス。

結果は二人のジャッジが100−90、残る一人が98−92と採点する完敗。内容もジャッジの通りでした。クルス、すごいテクニシャンです。

これで戦績は35勝21KO8敗2分に。

そして、やはり今回もストップされませんでした。

「噛ませ犬」「踏み台」が用意されるスター選手やスター候補に期待されているのは、鮮やかな勝利、衝撃的なKO劇です。

マイキー・ガルシアもデビン・ヘイニーもキーショーン・デービスも、そしてアンディ・クルスも、ブルゴスを相手にして〝それ〟が出来ませんでした。

今回も「噛ませ犬」「踏み台」としてリングに上がりながら、期待された役割を果たすことは断固拒否してリングを降りたブルゴス。



その一点においては、ブルゴスは〝敗者〟ではありません。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

ファン・カルロス・ブルゴス。

35歳のメキシカンは2004年のデビューですから、そのキャリアは19年にもなります。16歳で プロのリングに上がって、45試合を戦い35勝21KO7敗3分。

カネロ・アルバレスとは違い、実力もコネクションもない不遇のメキシカンです。

2010年に長谷川穂積の2階級制覇をかけたWBCフェザー級王者決定戦に抜擢されたように、その実力が早い段階から低く見積もられた都合の良い〝噛ませ犬〟。

ただ、ファンもプロモーターもブルゴスがここまでタフなファイターだとは想像できませんでした。

ブルゴスが喫した7つの敗北。その相手は長谷川穂積、マイキー・ガルシア、デビン・ヘイニー、エクトール・タナハラ、サビエル・マルチネス、スターリング・カスティージョ、キーショーン・デービス。

長谷川以外は、全員無敗で将来を嘱望された実力者たちでしたが、まだ誰にもストップされていないのです。

ここまで長く踏み台を勤めながら、一度もKOされていないというのは異例の噛ませ犬と言えるでしょう。

そして明日は、東京五輪2020のライト級(63kg)決勝でキーション・デービスを下して金メダル、世界選手権でも金メダルを3つも獲得しているエリートアマのアンディ・クルスのプロデビュー戦の相手をつとめます。

最近のブルゴスと対戦するエリートたちが口にするのは「ブルゴスに初めてKO負けを味合わせる」という同じ台詞。27歳のクルスも「みんな失敗してるけど私は特別」とタフなメキシカンを倒しに行きます。

クルスのデビュー戦がいきなりのタイトルマッチ(IBFインターナショナル・ライト級王者決定戦)。星の数ほど転がっている〝キューバの至宝〟ですが、5月にマッチルーム・スポーツUSAと契約したクルスの評価は至宝の中でも上位クラス。

ライト級でキャリアをスタート、3階級制覇で米国のホットゾーン、ウエルター級に到達する野望を抱いています。

今日の前日計量はクルスが 134.6ポンド、ブルゴス 134.2ポンド。

オッズはキューバ人が1/33(1.03倍)、メキシカンが12/1(13倍)。数字上の勝ち目はありません。



女子ジュニアライト級のUndisputed championアリシア・バウムガードナーがキャリアで唯一の黒星をつけられたクリスティーナ・リナルダトゥへのリベンジマッチがメインカードにセットされた興行タイトルは「Redemption」。

クルスも日本に縁のあるファイターですが、ブルゴスが33−1のオッズをひっくり返す大番狂せを期待します。ブルゴスは7年以上も遠ざかっているKO勝ちを狙うくらいでないと、番狂せは難しいでしょうが
…。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

米国ボクシングはメキシコの時代です。だからといって、メキシカンなら誰でも恩恵を受けることはできません。

「ファン・フランシスコ・エストラーダは軽すぎる」 「ハイメ・ムンギアには華がない」…好き勝手言うファンは阪神ファンだけではありません。

それでもエストラーダはPFPの常連で、ムンギアは人気階級の実力者。「スター」と呼んで差し支えないでしょう。

しかし、メキシカンでも不遇のファイターは珍しくありません。

「また日本で戦いたい」と願い続けるファン・カルロス・ブルゴスも、スターになれない〝星屑ファイター〟の一人です。

2004年12月10日のプロデビューから足掛け19年、積み重ねてきた勝星と黒星、引分は45戦35勝25KO7敗3分。

7敗の相手は、空位のWBCフェザー級を争った長谷川穂積、WBOジュニアライト級王者マイキー・ガルシア、空位のIBF北米ライト級を争ったデビン・ヘイニー、無敗のホープだったエクトール・タナハラやハビエル・マルティネス、スターリング・カスティージョ、東京五輪銀メダルのキーショーン・デービス。

いずれもアンダードッグ、スターの試し斬り、ホープの踏み台として喫した敗北でした。しかし、KO負けは一度もありません。7敗のいずれの試合でも最終ラウンド終了のゴングを鳴らせているのです。

そんな、ブルゴスの次戦は7月15日(日本時間16日)。

なんと〝キューバの至宝〟アンディ・クルスのデビュー戦に起用されました。クルスは、キーショーンを下して東京五輪ライト級金メダルを獲得した、問答無用のエリートアマです。

デビュー戦にもかかわらず、27歳クルスの勝利は1/33(1.03倍)!35歳のブルゴスは12/1(13倍)。ミスマッチの掛け率。

ブルゴス、世界基準では心身ともにタフであること以外は何の取り柄もありません。パンチ力はありますが「タイミングが悪いから怖さがない」(ドローでWBOタイトルを辛くも守ったローマン・マルティネス)と対戦相手から指摘される始末。

ロベイシ・ラミレスの例もあります。キューバの至宝が、プロでの第一歩で躓く可能性はゼロではありません。

これだけ踏み台の役回りを背負い続けてきたブルゴスに、思いがけないシンデレラストーリーが用意されていたら面白いのですが…。

それにしても「キューバの至宝」は一体全体いくつあるんでしょうか?もしかしたら「至宝」の枕詞が「キューバの」?


https://fushiananome.superknova.org/archives/32018968.html 
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

▪️WBOバンタム級王者決定戦▪️

ジェイソン・モロニーvsビンセント・アストロラビオ

予想通りのクロスファイト。運動量と経験で上回るモロニーがマジョリティデジション(116−112/115−113/114−114)でバンタム級のWBOストラップを掴み取りました。

WBAの決定戦で勝利した井上拓真、そしてWBO新王者のモロニー、二人とも世界基準の実力の持ち主ですが、決定力を欠き、紛うことなき穴王者。

残るWBCとIBFもノニト・ドネアやエマヌエル・ロドリゲスら井上尚弥が食い散らかしたleftover -fighter(残飯)たちが争うと見られ、めぼしい新鋭も見当たりません。

しばらく、低レベルな群雄割拠が続きそうですが、ここに複数の日本人ファイターも絡んできそうです。



▪️WBOミドル級タイトルマッチ▪️

©️ジャニベク・アリムハヌリvsスティーブン・バトラー


ミドル級のWBO戦も予想通りの展開と結末。

バトラーの目には、アリムハヌリの左アッパーが全く見えていませんでした。

偵察戦となった第1ラウンドが終わると、第2ラウンドにバトラーは3度倒されてジ・エンド。
スクリーンショット 2023-05-14 12.45.28


悪いのはデタラメなランキングを勝手にでっち上げる認定団体ですが、せめてバトラーみたいな、ど素人でも世界ランカーに数えないボクサーを排除する最低限の常識はあって欲しいのですが…。

今回もアリムハヌリがどこまで強いのか、何もわからないまま終わりました。
 
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ