スティーブン・バトラーが村田諒太のWBAミドル級のストラップに挑戦したとき(2019年12月23日)の戦績は28勝24KO1敗1分。

アルファベットのランキングはWBAで8位、WBOでは1位。

コレクションした地域タイトルは「NABF20歳以下ジュニアミドル級」「IBFユース・ジュニアミドル級」「IBF北米ジュニアミドル級」「NABAジュニアミドル級」「IBOインターナショナル。ジュニアミドル級」「WBCフランス語圏ミドル級」「WBCインターナショナル・ミドル級」…BoxRecで確認できるだけで6つのベルトを腰に巻いてきました。

このどうでも良い事実が意味することーーーつまりアルファベット団体がバトラーにストラップを献上したがる理由は「興行規模が大きい=認定料が高い」ということでした。

同じ「バトラー」でもバンタム級のポールの方は、逃げ回って情けない試合に終始したと非難されて「軽量級は職業として成り立たないのに、考えられない報酬(日本円で約5000万円)を手にした私は勝者だ」と言い放ちましたが、人気階級のスティーブンはそんな言い訳は出来ません。

もちろん、村田への挑戦を地元カナダではなく、完全アウエーの有明アリーナに引っ張り上げられたのは、高額の報酬があってこそでしょう。

有明に散った24歳のカナディアンは28歳になり、地元モントリオールでキャリア5敗目を喫しました。

かつて、自らが保持していたWBCフランス語圏ミドル級王者決定戦。

相手は同じカナダ人のパトライス・ボルニー。ここまで19勝13KO1敗、唯一の敗北はエスキバ・ファルカン…ボルニーにもまた、村田諒太がアヤになって絡んでいます。

そんな二人のカナダ人が「カネロ・アルバレスへの挑戦」を夢見て激突…ここで勝っても、そんな大舞台など用意されるべくもありませんが、カナダはカナダで能天気です。

試合は、ぐだぐだの泥試合。

第9ラウンド、削られ消耗したバトラーが揉み合いの中で連打を浴びたところでアライアン・ビラヌエバ主審が試合をストップ。


バトラーは主審を突き飛ばして不満をあらわにしましたが…。


カナダで一定の人気を持つバトラーはまだ28歳。

それでも、ディフェンスに大きな欠点を抱え、攻撃のバリエーションも少ない不器用で決定力もないカナダ人がミドル級の世界タイトルをつかむ、そんな日がやって来るとは思えません。

それでも彼はリングに上がり続けるのでしょう。

カネのためでも、名誉のためでもなく。