カテゴリ: 井上尚弥

4月25日、ネバダ州ラスベガス、マンダレイベイ・リゾート&カジノ。

井上尚弥のトップランクデビューが1月31日、正式発表されました。対戦相手は大方の予想通り、世界バンタム級WBOバージョンのベルトを巻くジョンリール・カシメロ。

その同じ1月31日に、東京地裁が「亀田裁判」でJBCが敗訴する判決を下しました。

「デビューした頃の日本ボクシング界が本当に嫌いだった」と穴王者・決定戦狙いの〝亀田の流儀〟を批判、「リアルを求める」井上と、「プロだから稼いでナンボ、目立ってナンボ」 「井上君はもっと稼いでもっと注目されていい」と言い放つ亀田興毅。

対照的に見える二人ですが「世間の耳目を集めるのがプロ」なら亀田もまたリアルです。 

どちらもリアル。その流儀が違うだけです。

井上が階級最強を証明することにつながらない世界戦を忌み嫌うのと同じように、国内で億を超えるファイトマネーを稼ぐ亀田にとって報酬も注目度も低い米国に世界的な評価を求めてわざわざ出向くハイリスクローリターンは理解できないでしょう。

この流儀の違いは、極めて局地的な日本のプロボクサーにだけ当てはまる「奇妙な分離」です。

世界中のほとんど全ての国のボクサーにとって、カネも栄光も海外で略奪するしかありません。カネと栄光は離れることなく、いつも一致しているのです。

そんな海賊の気質を持つボクサーの世界一の輸出国がフィリピンです。

彼らには国内の人気によりかかって大金を享受する選択肢はありません。カネと注目が欲しければ、豊かな外国で強奪するしかないのです。

そこには日本のように「二つのリアル」などありません。

そんな飢えた海賊の血を持つフィリピーナの典型がジョン・リールカシメロです。
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TA-TA TETE 、 HELLO CASIMERO
さよならゾラニ・テテ、こんにちはカシメロ。

1982年2月13日生まれのカシメロは、井上と拳を交えるときには31歳となっています。93年4月10日生まれの井上も一つ年齢を重ねた27歳でフィリピンの野生を迎え撃つことになります。

カシメロの身長/リーチともに163㎝に対して、モンスターは165㎝/172㎝。井上に身長で2㎝、リーチではなんと9㎝のアドバンテージがあります。

しかし、175㎝/183㎝のテテを攻め落としたカシメロにフレームへの不安は皆無でしょう。

プロ14年目を迎える29勝20KO4敗1分のカシメロがどんなボクサーなのかは、直近の勝利と敗北が象徴的に教えてくれます。

直近の勝利は去年11月にWBO王者ゾラニ・テテを3ラウンドに2度倒してストップした番狂わせ。

2ラウンドまではテテの右ジャブが、カシメロの野生を封印しているように見えた展開でした…しかし3ラウンド、カシメロの荒い攻撃を不用意なダッキングでかわそうとした南アフリカ人のテンプルにカシメロの右フックが汚い角度でヒット。

立ち上がったテテの不安定な足元を見るまでは、この妙なパンチがどれほど効いているのかわかりませんでした。

井上が「ラフファイトという怖さ、頭から突っ込んでくるし、かつ恐れず入ってくる」と警戒する野生は教科書には載っていません。

ペドロ・ゲバラ、アムナット・ムエンロン、チャーリー・エドワーズ、リカルド・フランコからも勝利を収めており、その攻撃力、実力の高さは証明済みでしたが、テテ戦でさらに裏書きされました。

次に、4つの敗北を振り返ります。

15戦目で初黒星を喫したローマン・ガルシア・ヒラレス戦(2010年7月:SDでWBO暫定ジュニアフライ級タイトルを失う)、2011年3月のモルティ・ムザラネ戦(2011年3月:5ラウンドTKO負け:IBFフライ級挑戦に失敗)の2連敗。

2015年6月にはアムナットに幻惑されてIBF暫定フライ級王座を奪われ3敗目(11ヶ月後のリマッチで雪辱=4ラウンドKO)。

そして、直近のジョナス・サルタン戦(2017年9月)。IBFジュニアバンタム級王者ジェルウィン・アンカハスへの挑戦権を賭けた一戦、下馬評は圧倒的有利だったものの判定負け。

「減量がきつくて練習が計画通りにこなせなかった」と認めるような動きの悪さ、重さでした。

集中できている試合では野生のパフォーマンスが爆発する一方で、自己管理は甘く安定感は欠如しています。

昨年からMPプロモーション傘下に入り、マネジメントもモーリス・イーストに代わりました。

平仲明信をKOした、あのモーリス・イーストです。イーストはトレーナーとしてもマニラとラスベガスを往復する多忙の身。ベガスではエディ・ムスタファ・ムハンマド(ロブ・ブラントもコーチ)のアシスタント・トレーナーも務めています。

カシメロのムラっ気のある性格に、ゴタゴタの多いプロモート面…それもまたフィリピンの野生の特徴です。

真摯にボクシングに取り組む井上と、気まぐれな野生派カシメロ。対照的な二人の激突。

カシメロが万全の心身でリングインすることが条件ですが、非常に面白い試合になりそうです。
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リング誌3月号は、恒例の「前年度の各賞特集」です。

最も名誉ある Fighter Of The Year はカネロ・アルバレス。

赤毛のメキシカンが強く逞しく成長したのは認めるしかありませんが、この29歳はいつになったら「旬の強豪」とスクエアで戦うのでしょうか? 

「村田諒太と東京ドーム」も口にしていますが、100%キャッチウェイトです。もう、思いっきり陰謀まみれのジャッジと採点で、これまでのカネロの悪行をシッペ返ししてやりたい気分です。

カネロ、東京に来い!
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リング誌でも「2013年にキャリア唯一の敗北(vsフロイド・メイウェザー)から10戦負けなし(9勝5KO1分)で2019年を迎えた。2014年から2018年の5年間、 ミドル級のLineal Champion に就き、ジュニアミドル最強を証明し、スーパーミドル級まで制覇した」とその実績を評価しながらも「それでも、カネロが Fighter Of The Year の有力候補に挙がることはなかった」と、その実績の外面と内実の乖離が年間最高選手に選ぶことを躊躇させていたと指摘。

実質負けていたエリスランディ・ララ戦、2016年に激突が期待されながらもゲンナディ・ゴロフキンを回避したこと、155ポンドの〝カネロウェイト〟を突きつけて温室に篭っていたこと。さらに、2018年のクレンブテロール(筋肉増強剤)スキャンダル…。

マネーに敗れてからのカネロは、Aサイドボクサーの醜悪さを増幅させていきました。多くのメディアやファンがカネロを素直に認めることができないのはそのためです。

しかし、リング誌は「2019年に証明したことはFighter Of The Year に十分だった」と今回の選出を説明。

さらに「今年のFighter Of The Year 候補は団体統一王者がトレンドだった」とし、井上尚弥とエロール・スペンスJr.、ジョシュ・テイラー、ホセ・ラミレスの名前も挙げています。

「ミドル級リング誌2位のダニエル・ジェイコブスを破ってミドル級王座を3団体統一。やはりライトヘビー級リング誌2位のセルゲイ・コバレフを圧倒的な形でストップした。選考委員にとってFighter Of The Year に誰を選ぶかを議論する必要はなかった」。
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過去5年のリング誌 Fighter Of The Year。2015年はコバレフでした。このときのコバレフを倒したのなら誰も文句は言わないんですがねぇ〜。2016年タイソン・フューリー、2017年カール・フランプトン、2018年オレクサンダー・ウシク、そしてカネロ。

プロ15年、始めてFighter Of The Yearに輝いたカネロは「抑えきれない喜び、評価への感謝、そして誇らしさ、私とチームが認められたことには、いろんな感情がわいてきて一言では表現できない。これからも厳しい戦いに挑戦する励みになる」と通訳をとおして語ったそうです。

米国でさんざん稼ぎまくってるんだから、そろそろ英語しゃべれよ!(野茂やイチローには甘いけどカネロには辛辣なんです、私)。

カネロ以外で、Fighter Of The Year にノミネートされたのは井上、テイラー、スペンス、マニー・パッキャオの4人。

そして、もう聞き飽きた、読み飽きたかもしれませんが Fight Of The Year です。「井上vsノニト・ドネア」!!!

日本人の Fighter Of The Year 受賞は、八重樫東のESPN(2011年:ポンサワン・ポープラムック戦)、三浦隆司のBWAAとリング誌など(2015年:フランシスコ・バルガス戦)に続く史上3人目の快挙。

八重樫も三浦も面白い試合を何度も見せてくれましたが「三浦vsバルガス」はUSAトゥデイやスポーツイラストレイテッドなどもFighter Of The Year に選出した激闘、まさにこれぞ名勝負でした。

「どうしてそこまで頑張るんだ?!」っていう感動が一番大きかった試合に贈られるのが Fighter Of The Year です!!
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試合終了の瞬間、健闘を讃えあって抱き合う両者。ボクシングではよく見られる風景ですが、この試合はまた特別でした。2人の頭しか写ってない抱擁シーン、2人の表情や会話を想像してしまう、いい写真です!

その意味でも「井上vsドネア」、2人とも頑張りました、剥き出しの勇気を見せてくれました。

井上を単独で表紙に起用しながらも内容は薄っぺらだったリング誌でしたが、今回は見開き4ページでしっかり試合をレポートしてくれています!


******モンスターとフィリピーノフラッシュ。その渾名は伊達じゃない。

一撃必倒のパンチャー、そんな破格の火力を持つ2人に限って、恐れを知らないことが多い。それは井上とドネアにも全く当てはまる。

ドネアは七転八倒、紆余曲折を経て118ポンドに戻ってきた。偉大なキャリアの最終ページをどうやって閉じるか、それを思い巡らす36歳のグレートにとって、リングの上に怖いものなどあるはずがなかった。

前の月に26歳になったばかりの井上は、彼に縮こまってしまうソフトな相手とばかり戦ってきた。プロキャリア18戦で苦戦と呼べる試合は1試合もなかった。彼の仕事は逃げ腰の相手を狩ることだった。

確かにドネアにはかつてのスピードはなかった。全盛期のドネアがスピード負けするなんて、想像もできなかったが、井上はもちろん、ステフォン・ヤングの速さ(遅さ?)にすら戸惑っていた。

ロイ・ジョーンズJr.をして「同じ匂いがする」と親近感を寄せたドネアの身体能力だったが、井上と対峙したときには絶望的なオッズが裏付ける通り、全てが失われていた。

ドネアが最後まで失わなかった武器はパワーと勇気だけだった。

そして、怯えた相手をどうやって仕留めるかを追求してきた井上にとって、衰えても最後の輝き、フラッシュを追い求めているドネアはまさかのジョーカーだったのだ。

4階級(5階級制覇といってるのは日本だけです)で世界王者になったドネアが拠点のラスベガスから5500kmも離れた日本のリングにやって来た理由は、井上相手に軽量級ではありえない大金を稼げるから、というのは二の次で、彼はまだ栄光を渇望していたのだ。

その意味で井上は願ってもない相手だったのだ。


Like All Great Fights , This One contained Dramatic  Ebb and Flow.

歴史に残る偉大なファイトがそうだったように、井上vsドネアにも寄せては返す波のようなドラマが詰め込まれていた。


ウェルター級はもちろん、ヘビー級にも絶対絡めない、マイナークラスへの取り組みに特化したWBSSが「モハメド・アリ杯」を用意したのは、彼らなりの意地であり抵抗だったのかもしれない。

しかし「井上vsドネア」はバンタム級だったにもかかわらず、全くもってモハメド・アリ杯にふさわしい戦いだった。

自分を恐れずに立ち向かってくるスラッガーを初体験した井上は、おそらくキャリアで初めて相手のプレッシャーに逃げのバックステップを踏んでしまう。

「(井上をトラブルに陥らせるには)もっとラウンドを重ねなければならないと覚悟していた」ドネアだったが、そのシチュエーションを試合開始5分で手に入れた。

井上は「左フックだけはもらわない」と最大かつ唯一の警戒を敷いていたパンチを早々にもらってしまったのだ。しかも、眼窩底骨折という重大な荷物まで背負って残りの10ラウンドを戦うことになってしまう。

井上が素晴らしいボクサーだと証明したのは「ダブルビジョンで正確で強いパンチが打てないから、ポイントを稼ぐ(判定狙い)」とBプランへスムースに移行したからではない。

井上は重傷を負った2ラウンド以降も、明らかにKOパンチを織り交ぜてドネアの攻撃を押し返し、チャンスがあればKOの機会を伺っていた。

もし、井上が本当に判定狙いでバックペダルを踏むだけなら、ドネアは簡単に試合を終わらせていただろう。

そう、井上やドネアがこれまで狩ってきた萎縮した相手のように。

しかし、井上は最後まで信号を送り続けた。

「調子に乗って攻め込んだら大怪我しますよ」という26歳の日本人が放つ赤信号に、ドネアは「最終ラウンドまで総攻撃を仕掛けられなかった。結果論だが遅かった」。

〝The Monster〟became 〝Skillster〟...
手負いの「モンスター」は「臨機応変のテクニシャン」に早変わりした。


素晴らしい試合だった。


そして、この試合を水曜日の早朝未明に見た幸運なマニアはとっくの昔に気づいているだろうが、日本は特別な場所だ。

埼玉のザ・スーパーアリーナは軽量級がメインの試合で2万人以上の有料観戦者を集めた。そして、1億2000万人が住む日本でテレビ視聴率は15%を記録した。

2019年の Event Of The Year はさすがに「アンディ・ルイスJr. vs アンソニー・ジョシュア2」の〝砂漠の決闘〟だったが、サウジアラビアで行われたあの特殊な試合がなければ「ザ・スーパーアリーナ」が文句無しだった(次点でした)。 

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リング誌は、ポストに入ってた日はワクワクしてしまう、大好きな雑誌です。

しかし、今回のアウォードで Trainer Of The Year だけは理解できませんでした。

エディ・レイノソ(カネロやライアン・ガルシア、最近だとルイス・ネリらを指導)が受賞するのは文句無しです。

しかし、去年ノミネートされた井上真吾が今年は外れるのはおかしいです。彼は2018年よりも2019年の方が、はるかに大きな成果を挙げたはずです。

「拓真のタイトル奪取は2018年12月30日で2019年じゃない」とか御託はいいんです。じゃあ「12月30日の業績はどこでカウントするの?」って話です。

「12月30日はホリデイ期間だから翌年に繰り越し」が当たり前の対応でしょう。

それを許容しても、尚弥の2試合だけでも十分ノミネートでしょう。

ここ数年はアナトリー・ロマチェンコやらレイノソやら、トレーナー実績は一人か二人のトレーナーばかりです。 真吾がノミネートすらされないのは納得できません。 
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ESPNが「A wish for the new year: 20 fights we want to see in 2020 今年見たい20試合」の1つに「井上尚弥vsジョンリール・カシメロ」を挙げました。

****** WBAとIBFのバンタム級タイトルを保持する井上はトップランクと契約、今年は米国で1〜2試合を戦うことになっている。

カシメロは世界王座に3度就いた強打者で、ゾラニ・テテをノックアウトしてWBO王座を強奪した。カシメロは7つの国で勝利を収めてきた生粋のロードウォリアー。井上と戦う場所がどこであろうが喜んでリングに上がるだろう。
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攻撃に関しては十分な才能を見せてきた井上だが、ドネア戦で防御面でいくつかの欠陥を露呈した。井上が有利だが、カシメロの攻撃には一瞬たりとも気が抜けない。

井上が特にクロスレンジの防御に欠点があるのは以前から指摘されていたことですが、ドネア戦では得意の中間距離でも被弾が目立ちました。

海外メディアでも「目を負傷した中でよく戦った」という好意的な評価が大勢ですが、個人的にはどうかなと思います。クリーンヒットを受けてのカットと骨折は不運ではなく、実力です。

ドネアがリゴンドー戦で片目をグローブで隠して戦ったことも「とっさの機転」のように美談的に語られていますが、当時はあからさまに目をかばうポーズに非難囂々、WOWOWでも批判される始末でした。

まあ、今は井上に追い風しか吹かせない傾向が強いので、手の平が返らないよう明白な勝利が求められます。

強烈なジャブでカシメロの侵攻を波打ち際で食い止めながら、攻撃のチャンスを待ちたいところです。
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英国の公共放送BBCでボクシングの解説や独自採点でお馴染みのマイク・コステロとスティーブ・ブルースが Boxing review of 2019をテーマに今年のボクシング界を振り返りました。

最初にお断りしておきます…BBCは〝自称・ボクシングの聖書〟リング誌はもちろん、ESPNも足元にも及ばない「権威」ですが、これはBBCのボクシング担当の二人が音声であれこれ振り返るコーナーで、リング誌やESPNの年間表彰とは全く次元が異なります。

英国スポーツのステイタスをBBCのスポーツコーナーで測ると「フットボール」「 F1」「クリケット」「ラグビー」「テニス」「ゴルフ」「陸上競技」「自転車」までがメジャーで、ボクシングは「その他スポーツ」の一つです。

ヨーロッパなのでフットボールと自転車は当然にしてもクリケットも人気があるんです、米国ですらもそうですね。

「クリケットなんて野球に進化して滅びたスポーツ」と思ってたら大学時代に米国からの留学生に「世界的には野球の方がマイナー」と説明され、野球がマイナーなのは知ってましたがクリケットがメジャーだなんて全く思いもしなかったのでカルチャーショックでした。

というわけで、ボクシングのコーナーは深いところにあります。

一方で、先進国ではどこでもメジャーなゴルフ。私は民度の低い人間ですが、嫌いじゃありません、でも典型的な下手の横好きです。

もー、ゴルフと言えば、今年はもう渋野日向子ですね、なにしろ全英女子オープン優勝。BBCが日本人アスリートを取り上げた物量では、シブコはおそらく史上最強です。

一方のボクシング。アンソニー・ジョシュアが国民的英雄であるのは間違いなく、ボクシングファンの感覚ではもっとステイタスが高いと思いますが…日本のような価値観が狭い国民性には理解しにくいところです。

それでも、ボクシングファンとして、BBCに日本人のボクサーの名前を見つけることは、これは結構な喜びです。

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ヘッドラインは「Joshua, Ruiz, Wilder, Inoue and Taylor light up year(ジョシュア、ルイス、ワイルダー、井上、そしてテイラーが脚光を浴びた一年だった」。

ちなみに他の「賞」をご紹介すると「An 'ultimate' round of the year」(究極の年間最高ラウンド)は「エロール・スペンスJr.×ショーン・ポーターの第4ラウンド」。

「Fight of the year - home and away」(年間最高試合−英国と外国)でも「井上×ドネア」が外国部門で選ばれました。
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面白いのは「The 'lost' disappointments of 2019」(2019年、最大の幻滅)というのも選んでいます。これには「カネロ×GGGの決着戦が行われなかったこと」。

さらに「'After timer' of the year - when we got it wrong...」(結果論だが、過大評価だった)。これはジェームズ・デゲイルとアンディ・ルイスJr.。デゲイルはクリス・ユーバンクJr.に、ルイスはジョシュアに対してもっと健闘、あるいは勝利するとも思われたが…。

さらに、混乱するのが「Fighter of the yearは井上」と決めた直後に、「The best in the world after 2019」(それで、結局誰が一番?)でコステロは「1位はロマチェンコ、2位カネロ、3位井上、4位アーサー・ベテルビエフ、5位テレンス・クロフォード」と言い出します。

ブルースも「俺もロマチェンコが1位だけど、2位は井上にしよう。3位はベテルビエフ、4位はデオンティ・ワイルダー、5位はテオフィモ・ロペスだ!」。

聞けば聞くほど、いい加減な感じが伝わって来る、二人のおっさんの世間話…。

それでも、BBCでシブコではない日本人の名前が何度も連呼されたり、記事で読むのは楽しいものです。

ましてや、それがボクサーであるのですから、ボクシングファンにとっては最高です。
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「ケガが完治する2020年3月までに米国での興行に出場する」(ボブ・アラム)。

アラムの言葉を真に受けるボクシングファンは、世界中のどこを探してもいません。

そして、WBSSに振り回されたこの2年間で私たちはますます疑い深くなっています。

実際に契約成立、スケジュールが確定したことを意味する黄色にハッチングされたBoxRecを目にするまでは信用できません。

WBA/IBF王者の井上尚弥がトップランクデビューで迎え撃つ相手は「相思相愛の」ジョンリール・カシメロになるのか?


今日更新されたリング誌電子版のバンタム級ランキングは、チャンピオンの井上を頂点に1位ノニト・ドネア、2位ノルディーヌ・ウーバーリ、3位カシメロ、4位エマヌエル・ロドリゲス、5位ゾラニ・テテ、6位ジェイソン・マロニー、7位カルロス・クアドラス、8位ジョシュア・グリーア、9位井上拓真、10位ジョシュア・フランコとなっています。

直近の試合で明白な敗北を喫しているドネア、ロドリゲス、テテがトップ5に残っていることが層の薄いバンタム級の現状を如実に表しています。

トップ10の誰が相手でも井上の圧倒的有利は動かないでしょう。

ドネア戦でこれまで隠されてきた欠点をいくつか露呈しましたが、それを言うとリング誌ランカー10人ともに井上以上に深刻な欠陥を、井上以上に数多く抱えています。


となると、月並みですが井上尚弥の敵は井上尚弥です。

周囲から持ち上げられても、世界的な高評価を得ても、井上がそれに溺れることはないでしょう。

今も座間に住み計量後にはコンビニ前でカップヌードルをすする26歳に、マイク・タイソンが悲劇的に内包していたような意味での「自分の敵は自分」という死角は見当たりません。

ドネア戦で見せた未熟な防御、まっすぐ下がる癖、接近戦での精度の低さなどの欠点も、そこを的確に突いて勝利まで手繰り寄せる能力を持つ118パウンダーはいません。


あの試合で見せた「ドネアの打たれ強さ」には二つの背景がありました。

一つ目はもちろん、ドネアが本質的に打たれ強いボクサーだということです。これが井上の壁になることは十分予想できました。

ただ、ロドリゲスを転がしたような左フックやファン・カルロス・パヤノを失神させたジャブクロスがドネアに炸裂していたらフィリピーノフラッシュもその瞬間消灯していたはずです。

ドネアが井上のパンチに耐えられたもう一つの背景、それは井上自身が初めて体験する強打者を前にして冷静にパンチを打ち込めなかったからです。

井上の最大のストロングポイントについて長谷川穂積は「誰でも100で打ちたいけどカウンターが怖いから80か70でしか打てないが、井上は練習のように100で打てる」と喝破しています。
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きっちり体重を乗せて思い切りパンチを打つ。

それを早い段階で見せることで相手の警戒レベルをマックスまで引き上げる。「攻撃は最大の防御」の見本です。

相手は硬くなり、自身は「何かが降りてくる」ほどまでに冷静に戦える状態。

この〝井上ゾーン〟を初めて破ったのがドネアでした。

初体験のパワーボクサーに後退を余儀なくされ、バックペダルに常に足を乗せた井上は「100で打つ」態勢を完全に失ってしまいます。

2ラウンドに「それだけを警戒している」と語っていたドネアの左をクリーンヒットされて負傷した右目の影響はもちろんあったでしょう。

しかし、あれほど警戒していたはずの左を序盤でもらってしまったのは油断であるはずがありません。以前から指摘されていたディフェンスの隙です。

「100」でない井上のパンチは特別ではありません。

そして、後ろ重心でドネアの強打を警戒する井上の頭の中は赤信号が消えることなく、冷静とは真逆の状態、ミスブローも目立ち「何かが降りてくる」余裕もありませんでした。

来年の米国で迎えるプロ20戦目は、ある意味〝復帰戦〟になります。

そのリングに立っているのが、ドネア戦で見失ったゾーンを取り戻した「18戦目までの井上尚弥」なのか。

それとも。井上にとって19戦目が重大な節目になってしまうのか。

カシメロはそのリトマス紙として格好の素材かもしれません。 
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貧乏暇無し、タクシーで帰ってポストに英国ボクシングニューズ誌が届いていたのが、ちょっとした幸せな午前2時。

録画した「プロフェッショナル 仕事の流儀」を見ました。まー、井上尚弥は真っ直ぐに育った好青年ですねぇ。

彼のことはボクシングの試合と、わずかなバラエティ番組やこういうドキュメンタリーでしか知らないのですが。

メイウェザーの反吐が出る卑屈や、マニー・パッキャオの不条理な狂気の欠片とは無縁の、隣のお兄ちゃんが父親と一緒に一心不乱に走り続けた優しい風景に癒されました。

「プロ入りした当時のボクシング界は嫌いだった」「勝てる相手を選んで世界チャンピオンっておかしいでしょう?」「井上家では『世界チャンピオン』なんて軽々しくは絶対に言えなかった」…興味深い言葉です。

明らかに、どこかの一家への反発、アンチテーゼです。笑っちゃうほど、あからさまです。

面白いですね。「どこかの一家」については、もしかしたら悪口しか書いてないかもしれませんが(多分、好意的な話も書いてるはず)嫌いじゃないです。

「どこかの一家」も試合やテレビでしか知らないのですが、「井上一家」と比較しながら、ぐしぐし掘り下げて考えてみたいですね。もちろん、どっちが良くてどっちがダメなんてことじゃなく。

ああ、面白いかも。「一家」と呼べないけど「井岡一家」も入れた「三都物語」ならぬ「三家物語」とか。三家の総当たりトーナメント、見てみたいですね〜。一人しかいない井岡家が圧倒的不利ですが。

どんどん脇道に逸れそうなので、話を戻して。。。。


タクシーでタブレット見てると BOXING NEWS 24.com がまた井上の悪口を書いてたので信者の方々に拙訳・ご報告。

信者の方々はこんな場末のブログは見てないかもしれませんが…。

一応、信者様の定義…教祖様が絶対。ラスベガスやニューヨークにありもしない楽園の幻覚を見る。教祖寄りならフェイクニュースも大歓迎。間違った情報でも鵜呑みにしてしまう素直な人々。ボクシングだけではなく、あらゆる業界においてその発展に間違いなく害悪にしかならない癌細胞です。

「フェイクニュースを平気で鵜呑みにして教祖が負けると霧散する」のが信者。「事実をかき集めていつまでもこんなスポーツ?に耽溺してるバカ」がマニアですね。どっちもどっちか?

いや、自覚症状がある分、マニアの方が重症です。
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しょっぱなから悪意のあるショット↑です。怒れ!信者様!

***ここからは、BOXING NEWS 24.com のマーク・アイズナーの言いたい放題を拙訳したものです****


井上尚弥は三階級も制覇しながら強豪、ビッグパンチャーとは一度も戦ってこなかった。

There was never a situation where Inoue fought the best, and that kept him from being tested.

強豪との対戦を避けることで、井上の試験はずっと先延ばしにされてきた。

 When Inoue finally did get tested by 36-year-old Donaire, he almost lost. 

やっと試されたのは36歳のドネアが相手。そして井上は、ほとんど「負けていた」。

血まみれになった井上が11ラウンドにダウンを奪う前の9ラウンド。井上はノックアウト寸前で、ドネアの作戦ミスに救われた。

「あそこで一発で決めようとカウンターのチャンスを待ったのが間違いだった。井上は完全に効いていてカウンターを打つタイミングじゃなかったから、一気に攻め落とすべきだった」(ドネア)。

さらに、2ラウンドのパンチで井上のカットは深刻な状態だった。何度かドクターチェックを入れるべきだったが、どうしてそれがなかったのだろうか?

それがあれば、展開が変わっていたばかりか、9ラウンドでレフェリーが試合を止めたかもしれない。

If Donaire had a little bit more in the tank, he might have knocked out out Inoue. 

ドネアにもう少しだけ力が残っていたら、井上をノックアウトしていただろう。

井上は幸運な勝利を手に入れたが、この〝敗北〟がきっかけで、さらに脆弱化するかもしれない。

The cut over Inoue’s right eye only required 5 stitches to close, but obviously the fractured orbital bone is the one that they’re more concerned with. Some fighters are never the same after suffering fractured orbital bones.

わずか5針で済んだというが、眼窩底骨折を負ったボクサーが、それがきっかけで弱化してしまうことはままある。

これから井上の右目を誰もが狙う。そして井上はそれを意識する。

何よりも、井上の最大の武器左ボディは11ラウンドでやっとヒットしたが、それまで封じられていたのはボディを打とうとすると、そこにドネアが合わせてきたからだ。

井上は強打者相手には、踏み込んでパンチが打てない。当たり前。ドネアは打たれ強いが、それだけではない。井上にとって初めて戦う強打者。

1ラウンドのパンチの交換から、井上は後ろ重心になってしまった。これではいつもの威嚇射撃が撃てない。ドネアにヒットしたパンチの多くは上半身だけで打つ体重の乗っていないパンチだから耐えられたのだ。

トップランクは井上をプロテクトしてやらせないだろうが、ナバレッテとやればブルドーザーに轢かれるように負けるだろう。

長らくまともな相手に勝ちきれなかった36歳のドネアが、この試合で急に覚醒したわけではない。ドネアの劣化は、前の試合からも進んでいる。

実際に10年前はスピード自慢だったドネアが鈍重に見えたのは井上が相手だったからではない。ヤングもバーネットもドネアより速かった。

井上は幸運だった。カットを一度もチェックされなかったこと。そして、ドネアが36歳だったこと。

この試合は117−111で井上勝利とスコアした。しかし、我々が「期待していた井上」は「負けた」。

ディフェンスに大きな欠陥がある井上はバンタムにとどまるべきだ。ドネアよりはるかに速く、はるかにパワーのあるジュニアフェザー級の選手と戦うのは得策では無い。


**********

BOXING NEWS 24.com は井上に厳しい記事が多いサイトなので、そういう記者コメントや記事が紹介されることは少ないのですが、この試合は井上勝利で問題ないとはしています。さすがに、そりゃそうですね。

また、リング誌は「井上は大きな試練を乗り越えた」とPFPランキングを上げることも示唆しています。

個人的には井上よりもはるかに評価の高かった全盛期のドネアやローマン・ゴンザレスでもお呼びじゃなかった単独カバーも、もうやめてほしい気持ちもありますし、PFPも下げて欲しいと思うのですが…。っそれって、おかしい感覚でしょうか。

現役続行のドネアが次戦で惨敗したら「全盛期に戻った井上戦で燃え尽きた」となるんでしょうか?それならそれで、めっちゃ面白いんですが。

「プロフェッショナル」で語ってた「辰吉さんや畑山さんの熱狂の時代を取り戻したい」というのも、どうなんですかね、ファンの期待とは少しズレてきてるような気もします…確かにその心構えならドネア戦は大満足だったのかもしれませんが。

「米国でスターになるには最低でもフェザー」という現実を識っている井上にとって、このドネア戦は口にこそ出さないものの〝決定的な敗北〟だったとしたら…すこし悲しい気持ちになります。 
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井上vsドネア戦から1日経ちました。

こんな「便所の落書き」みたいなブログでも、それなりに反響いただきましてありがとうございます。

いつの間にかコメントが大量にたまっていて、これまで「コメントをいただいた方には返事を書く」よう心がけてきましたが、これまでももしかしたら返事が出来ていないものもあるやもしれません。

最初に失礼をお詫びするとともに、今回についてはここでお返事させて頂きます。

まず、大前提としてこれは個人ブログです。政府広報ではありません。

ただ、異論反論は大歓迎ですので、この「お返事」も誤解なきようお受け止めください。

コメントの「いいね」も「連投制限」はしていません。好きなようにお使いいただいて結構です。
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▶︎「ハイ」さんのご指摘…「あくまで勘違いを正すのが本分で、自分の考えを押し付けるのは公平な情報の提供者として分が過ぎてる様に感じる」。

自分の考えを押し付ける気は全くないのですが、「公平な情報の提供者」という認識は全くありませんし、その必要もないはずです。

「公平な情報の提供者」など、世界中探したってそもそも存在しません、いわんやこんな馬鹿ブログにおいては。

読んでいただければ、一読瞭然。どのお話でも、ひとつ残らず、私は「不公平極まる情報の提供者」です。



▶︎「あ」さんのご指摘…「簡単に今のドネアをあの試合のドネアを昔以下とするのはいただけない」。

もちろん、異論はあると思います。ただ、今日のリング誌でも「昔のドネアなら井上をKOしていた」と書いています。

異論は大歓迎ですが、それはあくまで「あ」さん個人のご意見です。それは私についても同じです。

「異論は一切認めない」「自分の考えが正解」という姿勢だとしたら、それこそご自身のブログで展開するのがよろしいと思います。

He’s got now could beat Inoue, maybe stop him late.



▶︎「ベニカナメ三十郎」さんのご指摘…「あんな凄い試合の余韻に浸っている中で、井上はモンスターじゃないとかフェザーでは通用しないとか言われたら文句の一つでも言いたくなるだろ」。

繰り返します。これは個人のブログです。

あなたなら個人のブログでない一般メディアの記事でも、文句をら言いたくなってることばかりでしょうが、普通ならそんなこといちいち気にならないはずですが…。

もしかしたら、ご自身の深層心理の痛いところに触れられたからでしょう。

ベニカナメ三十郎さんは隅々までご丁寧にお読みいただいていて、感謝しています。

「沢木耕太郎にそっくりだよ。」

褒め殺しですか?

すみません、そんなわけないので、この言葉だけはありがたく受け止めて、返上させていただきます。



▶︎「タカハ」さん…「ボクシングというスポーツの魅力が詰まった試合」。

同感です。まさか、こういう形で「それ」が届けられるとは予想だにしませんでした。ESPNや英国ボクシングニューズ誌など欧米メディアは「年間最高試合」賞の最右翼の一つと最高評価です。

井上の「年間最高選手」賞の芽もあるかもしれません。個人的にはありえない、と思いますが…こういう書き方が「井上ラバー」さんを刺激してしまうのかもしれませんが、井上を嫌ってるわけじゃないのはわかってくださいね、むしろ真逆です。


▶︎「サーシャ」さん…「強豪に差し支えない相手2人倒してるのにテストされてないとはどういう意味ですか?」。

そのあとに『以前「疑問はない!」と断言してしまいましたが…。』まで引用して欲しかったですね〜。

後から考え直すとエマもパヤノもオーダーメイドでした。そうですね、エマは一戦ごとに評価を落として井上戦を迎え、パヤノは本当に硬かった。

もちろん、ズルい後出しです。ただ、後出し厳禁なら、ロイとタイソンは歴代PFPの1位、2位です。


▶︎「サーシャ」さんからもう一つ(もっとありましたっけ?)

「11ラウンドのダウンがなければ今夜の試合はスプリットデジション。あのダウンがなければ、最後の2ラウンドの展開が変わっていたとしたら2−1でドネアの目もありました。あり得ませんよ114-113が1人いましたが〇〇のレベルだと思います

これは「117−109」 の裏返しですね。「117−109はない」というメディアもありましたが、微妙な序盤を井上につければありえます。

「11ラウンドのロングカウント」と「井上のカットに一度もドクターチェックが入らなかった」という、試合を決定付けたかもしれない、もう一つの〝事件〟と並んで、どちらか一方が忖度されたわけではない、非常に興味深いジャッジでした。

いずれにしても、もし井上が負けていれば大きな議論を呼んでいたのは間違いありません。勝利は明白でした。


▶︎「ぜぜ」さん…「試合終了後のテンパった状態でコメントしたら何を口走ってしまうかわからないので、一晩クールダウンしようかと思った」。

さすがですねぇ。私はテンパった状態で何が出るかが楽しい性分なので、こんなことになってますw

 

▶︎「山田」さん…「レフェリーが井上の追撃を止めてから、カウントがはじまるまで長かった。ただ、あそこでストップやカウントアウトしなかったお陰でドネアを応援していた私は試合を更に 、、、。」

この試合はスコアから主審のジャッジまで、開始ゴングから試合終了まで何か熱病にうなされているような試合でした。

ジャッジや主審も異様な空気を吸い込んでしまったのでしょう。井上の出血でドクターチェックが入っていたら、それが重なれば…その後の展開にどの程度の影響があったでしょうか?

11ラウンドのボディ、主審がカウントアウトしていたら、今もまだ火照るこの残照はあったでしょうか?

大激戦でした。そして不思議な余韻も残る名勝負でした。



▶︎「僕さーはボクサ」さん…「本当に感動した、ボクシングが好きで良かったです。」

日本中のボクシングファンが同じ思いでしょう。

一方で、この種の感動させるボクシングとは対極であった井上が激闘したことで が、今後の彼をどこに導くのか…「感動」路線なのか、それとも「怪物」に回帰できるのか、かつて辰吉丈一郎が立った帰路に差し掛かっているのかもしれません。

そして、その分かれ道は自分で選ぶことは出来ません。



▶︎「おやじーたん」さん…「会場リングサイドで観てきた」。

ずっと以前から出張が決まってて先方の予定も押さえてしまっていたのでどうしようもありませんでしたが、インフルエンザにでもかかったことにして行くべきでした。



▶︎「マナッサ」さん…『「ドネアが2人に見えた」とあったので、実は井上はまだまだ底を見せておらず』。

ドネアがリゴンドー戦で全く同じピンチに陥りました。井上はそれを思い出してグローブをかざして視界をわざと塞いだそうです。

あの試合からドネアは下り坂を転がり始めました。

そう考えると嫌な予感もしてしまいますが、大きな違いはドネアは敗れて、井上は勝ち抜けたということです。



▶︎「づらん」さん…「現地でドネアの応援をしていました。」

こうなるとわかっていなかった戦前は、ドネアに肩入れしてしまいますよね。ああ、会場で見れた方が羨ましいです。これからボクシングファンになる人たちに、将来「俺は見たんだよ」と言えるんですから。



▶︎「さとうれいこ」さん…「米国での2戦は誰が相手でしょう?」

普通に考えて強豪相手じゃないでしょう。少なくとも初戦は。




▶︎「yuin」さん…「やはり世間の楽勝期待ムードの時は危険です。」

そうなんです。そうなんですが、この試合でそれはないと思いましたが…でもそういうことですよね。



▶︎「県中人」さん…「負けていたら大変なところでした。」
 
ですね。ガウンを脱いだとか悠長な話じゃありません。ただ、どうなんですかね、リゴンドーあたりにダメージのない完敗とかは、いい授業になるんですかね。カネvsマネー(どっちもカネ)みたいに。 

良い敗北はボクシングには基本的に無い、と考えています。



▶︎GGGさん… 「両者にありがとうと言いたいです。」

井上は勝者でドネアは敗者…とは単純に言い難い素晴らしい激闘でした。ベタベタですがファンが勝者です。 



▶︎Barreraさん…「モンスターは、まだ完全ではない。 今後の井上がさらに楽しみになりました」

課題がいくつも見つかったのは収穫でした。

これが他のスポーツなら「100%素晴らしい授業を受けた」ということなのですが…。何はともあれ、楽しみです。


*******もしかしたら、全員の方にお返事できてないかもしれませんが、またの機会に。

それにしても、みなさん、井上尚弥が大好きなんですね。愛情の方向やエネルギーの種類は違いますが、これからも応援していきましょう!

おやすみなさいませ!
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11月7日、木曜日。さいたまスーパーアリーナ。

軽量級をメインイベントで2万超の席がフルハウス 、ラスベガスやニューヨークでは逆立ちしてもありえません。

※パンチョ・ビラvsジミー・ワイルド(1923年:ニューヨーク ポログラウンズ) は2万3000人を飲み込みましたが、当時は世界タイトルマッチともなるとフライ級でも大注目の時代ですから、例外。
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どうして平日にやるのか理解に苦しみますが…今更言っても始まりません。

何が悲しゅうて、大阪のホテルで見ることになるとは勤め人の悲哀でごんす。

それでも、この日は全ての誘いをシャットアウト。部屋にこもるでごんす。

なるべく大きなテレビ、をリクエスト。「8Kは置いていない」ということでNHKは断念、関テレでの観戦になりそうです。 

ドネアは前に出るでしょうね。井上が下がっていなす。ロドリゲス戦の拡張版のような立ち上がりを予想します。

今日ドネアが語った「I’ve proven I’m a wall that needs to be climbed, and it’s not an easy wall to climb.  私は井上にとって大きな壁になる。簡単には越えさせないよ」という言葉は、現実にならないと思いますが…はたして?



リング誌電子版の予想は25人中23人が井上勝利を支持。

ドネア勝利の二人の見立てを紹介します。

▶︎▶︎▶︎サム・ガルシア:ドネアのKO勝ち。17歳の時から知っているが、ドネアの才能は尋常じゃない。怪物を狩る武器を間違いなく持っている。あの左フックが当たっても、井上が終わらないと思うか?

井上の戦い方は決まっている、幅はない。ドネアがジャブを使っていなしながら、左フックのタイミングを計る展開になるだろう。

…ちなみにガルシアはフィリピンのトレーナーでマネージャーです。



▶︎▶︎▶︎アンソン・ウェインライト:井上はトーナメントの事実上の第一シード。ドネアは最後のワイルドカード。奇しくも決勝は、最強と最弱の対決になった。

ただ、それは机上の話だ。きっとドネアの大番狂わせを予想するのは私だけだろうが、この予想は正気だ。

That’s why, after a quiet start, I’m picking Donaire to blast Inoue with a picture-book left hook and cause the sensational upset in six rounds.

閃光と怪物が激突するにもかかわらず、静かなスタートになるだろう。その静寂を破るのは絵に描いたようなドネアの左フックだ。(ドネアがタイミングを見切った)6ラウンドで試合は終わる。
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11月7日 さいたまスーパーアリーナ WBSSバンタム級トーナメント決勝

IBF王者 井上尚弥vsWBA王者ノニト・ドネア


欧米メディアがこの後に及んでも取り上げないのは単純に興味がないからです。日本で戦前予想が少ないのは勝敗への興味が低いからです。

この8年間、まともな相手から勝利を収めていないドネアは16日には37歳の誕生日を迎えてしまいます。

マニー・パッキャオのように狡猾なボクサーの顔を持たないドネアは「左フックをどう当てるか」という引き出ししか持たない純情ファイターです。

右顔面にグローブを密着させた西岡利晃は右で倒しましたが、あれは〝引き出し〟なんかじゃありません。

26歳、今がまさにプライムタイムのモンスターに、ドネアが大番狂わせを起こす可能性は限りなくゼロです。

とにかく引いて引いて井上を前に出してカウンター狙い。大きなダメージを負うことなく中盤から終盤を迎えて、どこかで一か八かの勝負に出る。 

あるいはエマニュエル・ロドリゲス戦で硬さが目立った井上の立ち上がりに総攻撃を仕掛ける、これも結局は一か八かです。

下がって戦うのが大の苦手であることを考えると後者しかない気もしますが…。 

8年間もまともな相手に勝てなかった(ライアン・バーネットは除く)ドネアが、PFPファイターから大金星を挙げるーー考えられない奇跡です。ドネアが未知のボクサーならまだ怖さもありますが…。

というわけで、井上のポストWBSSです。 そんな先のことを考えてると村田諒太やアンソニー・ジョシュアのように足元をすくわれる、そんな心配も今回ばかりはないはずです。


CASE① Stay Bantam〜118ポンドにとどまる場合

このケースは拓真がWBC王者ノルディン・オーバアリに敗れることが大前提でしょう。

IBF/WBA王者の井上は、あと二つのベルトをコレクションして日本史上初の4団体完全統一王者Undisputed Champion をめざすことになります。

WBCのオーバアリはエリートアマからプロ転向、頑健でタフなサウスポー。暫定王者・拓真にとってこの団体統一戦は厳しい戦いになるでしょう。

尚弥にとってのドネアと同じく、拓真から見てオーバアリは10歳年上ですが、33歳のモロッコ系フランス人は今が全盛期。

WBO王者はトーナメント離脱からも「肩は完治した」という切れ味鋭いカウンターパンチャーのゾラニ・テテ。今月30日には、6度目の防衛戦のリングにジョン・リエル・カシメロを迎えます。

どちらも井上にとってはキャリア最強の相手ですが、WBCではルイス・ネリが指名挑戦者のポジションを獲得しており、オーバアリvs拓真の勝者と戦う目が濃厚です。

いずれにせよ、バンタムにとどまるなら〝WBSS〟でやり残した仕事、完全統一を目指すことになります。


CASE②Beyond Bantam〜122ポンドに上げる場合

尚弥は現在26歳。選手寿命の短い軽量級とはいえ、十分な時間が残されています。

本人も自覚している「(米国で注目されるには)最低でもフェザー」に上がるのに性急になる必要はありません。もちろん、126ポンド・フェザー級がゴールなら、ですが。

となると、とりあえずは122ポンド、ジュニアフェザー級です。

フェザー級ですらPFPファイターは見当たりませんし、ジュニアフェザーも目立った強豪は居ません。122ポンドでも井上が飛び抜けて評価の高いボクサーです。

とはいえ、完全に穴階級と化しているバンタムよりは興味深いボクサーが並んでいます。

リング誌王者は不在、アルファベット王者はWBA/IBFがダニエル・ローマン。日本でもお馴染みのダニーは決定力のない2団体統一王者。

WBCがレイ・バルガス。7月13日に亀田和毅とのつまらない試合を制した28歳の試合巧者。世界レベルではグダグダの試合を繰り返しながら、タイトルは手放さないしぶとさは持っています。

WBOはエマニュエル・ナバレッテ。推定階級最強のアイザック・ドグボエを2度にわたって撃破。ナバレッテが現在の推定階級最強です。

この「強打のVaquero(カウボーイ)」を倒せば、軽量級シーンに大きなインパクトを残すことが出来ます。

井上戦にも関心を示していますが、井上よりも若い24歳、これからさらに強くなる可能性を秘めた非常に危険な相手です。

タイトルこそ持っていないものの、ギレルモ・リゴンドーは人気がないビッグネーム。もし、井上がキューバのジャッカルを失神ノックアウトするようなことがあれば、軽量級を超えたニュースです。

現在39歳のジャッカルは直近のフリオ・セハ戦を見るまでもなく、魅せるボクシングにこだわり、死に場所を探しています。危険な相手ですが、井上にとっては評価のリターンが最大の果実でもあります。

そして、フェザー級進出を示唆している亀田和毅です。フェザー進出ならすれ違いになりますが、亀田一家を苦悶させる呪縛を解く、一番手っ取り早い方法は井上に勝つことです。

変な相手に変な勝ち方をして「どんなもんじゃい!」と言われても、こっちが恥ずかしくなるだけです。「5階級制覇したら文句ないんやろ!」と開き直られても、弱い相手ばかりを選ぶなと言ってるのに論点がズレすぎです。

和毅は勝たなくとも善戦したら、亀田一家の最終兵器と認められるでしょう。


CASE③Beyond Minor-division〜マイナー階級を翔び超えて…パッキャオが見た風景へ

「パッキャオが見た風景を見たい」。かつて井上が口にした、その言葉の真意はわかりませんが、それが多くのファンが想像することと一致するなら…。
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ついにあと1週間を切りました。

井上尚弥vsノニト・ドネア!

軽量級の枠を超えて全17階級で最もスペクタクルなKOシーンをデリバリーするモンスターと、8年前はPFP3位だったとはいえ劣化著しいフィリピーノ・フラッシュの対決。

月曜日のWOWOWエキサイトマッチで放映された二人のWBSSでの戦いぶりを見ると、井上を応援している立場なのにドネアが心配になってくる有様です。

日本では一般メディアの盛り上がりはいま一つですが、専門誌は井上vsドネアで沸騰しています。ボクシングファンなら誰でも知ってるドネアが日本初見参、しかも井上との団体統一戦ですから当然です。
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しかし、当たり前ですが欧米では寂しい扱いです。

英国ボクシングニューズ誌の目にはこのビッグファイトが見えないようです。

今年に入って井上を3度も表紙カバー、うち二つは単独カバーしてくれたリング誌も12月号では「ほぼ」スルー。「カネロ・アルバレスvsセルゲイ・コバレフ」の特集でバンタムとかWBSSにはページが割けないということでしょう。

まだ、英国のケースはわかります。当然です。日本のマガジンやビートもヘビー級やスーパーミドル級、ライトヘビー級、クルーザー級で一色になる号はありません。

米国のリング誌も、カネロのメガファイトに大きく傾斜するのは納得です。しかし、表紙は「パックマンvsプリンス」……このタイミングでパッキャオとハメドの特集なんて、どうでもええっちゅうねん!

単独カバーなのに中身は浅くて薄いのは許すけど、少しくらいは特集してもいいんじゃないかッ!?

 「ほぼ」スルー、と書いたのは写真無し、半ページのベタ記事で宮田有理子が熱く書いてくれているからです。

ボクマガでいつだったか忘れてしまいましたが、宮田女史の「誰もがパックマンを愛してる」というヘッドラインに素晴らしいセンスだと感銘しました。

「チケットは発売数週間で完売」「井上は日本のゴールデンタイムのバラエティ番組に引っ張りだこ」「信じられないほど単純で基本的な練習を毎日継続しているのは、超一流のバレリーナのよう」「ボクシングの指導書用で撮影に臨んだ井上を見たが、ありえないことにテイク2(撮り直し)無しで一発採用だった」 …小さなスペースに熱く書き込んでくれています。


話もどって、月曜日のWOWOWは録画して今みたのですが、重ね重ねドネアが心配です。ステフォン・ヤングのパンチをあんなにもらうなんて、あの試合を見たときも大丈夫か?と思いましたが、井上の試合と比べるように見せられると、この試合を誰もミスマッチと呼ばないのが不思議でなりません。

ドネアは打たれ強いだけに、我慢して我慢して…の凄惨な展開は勘弁してほしいところです。。。。 
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