リング誌3月号は、恒例の「前年度の各賞特集」です。

最も名誉ある Fighter Of The Year はカネロ・アルバレス。

赤毛のメキシカンが強く逞しく成長したのは認めるしかありませんが、この29歳はいつになったら「旬の強豪」とスクエアで戦うのでしょうか? 

「村田諒太と東京ドーム」も口にしていますが、100%キャッチウェイトです。もう、思いっきり陰謀まみれのジャッジと採点で、これまでのカネロの悪行をシッペ返ししてやりたい気分です。

カネロ、東京に来い!
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リング誌でも「2013年にキャリア唯一の敗北(vsフロイド・メイウェザー)から10戦負けなし(9勝5KO1分)で2019年を迎えた。2014年から2018年の5年間、 ミドル級のLineal Champion に就き、ジュニアミドル最強を証明し、スーパーミドル級まで制覇した」とその実績を評価しながらも「それでも、カネロが Fighter Of The Year の有力候補に挙がることはなかった」と、その実績の外面と内実の乖離が年間最高選手に選ぶことを躊躇させていたと指摘。

実質負けていたエリスランディ・ララ戦、2016年に激突が期待されながらもゲンナディ・ゴロフキンを回避したこと、155ポンドの〝カネロウェイト〟を突きつけて温室に篭っていたこと。さらに、2018年のクレンブテロール(筋肉増強剤)スキャンダル…。

マネーに敗れてからのカネロは、Aサイドボクサーの醜悪さを増幅させていきました。多くのメディアやファンがカネロを素直に認めることができないのはそのためです。

しかし、リング誌は「2019年に証明したことはFighter Of The Year に十分だった」と今回の選出を説明。

さらに「今年のFighter Of The Year 候補は団体統一王者がトレンドだった」とし、井上尚弥とエロール・スペンスJr.、ジョシュ・テイラー、ホセ・ラミレスの名前も挙げています。

「ミドル級リング誌2位のダニエル・ジェイコブスを破ってミドル級王座を3団体統一。やはりライトヘビー級リング誌2位のセルゲイ・コバレフを圧倒的な形でストップした。選考委員にとってFighter Of The Year に誰を選ぶかを議論する必要はなかった」。
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過去5年のリング誌 Fighter Of The Year。2015年はコバレフでした。このときのコバレフを倒したのなら誰も文句は言わないんですがねぇ〜。2016年タイソン・フューリー、2017年カール・フランプトン、2018年オレクサンダー・ウシク、そしてカネロ。

プロ15年、始めてFighter Of The Yearに輝いたカネロは「抑えきれない喜び、評価への感謝、そして誇らしさ、私とチームが認められたことには、いろんな感情がわいてきて一言では表現できない。これからも厳しい戦いに挑戦する励みになる」と通訳をとおして語ったそうです。

米国でさんざん稼ぎまくってるんだから、そろそろ英語しゃべれよ!(野茂やイチローには甘いけどカネロには辛辣なんです、私)。

カネロ以外で、Fighter Of The Year にノミネートされたのは井上、テイラー、スペンス、マニー・パッキャオの4人。

そして、もう聞き飽きた、読み飽きたかもしれませんが Fight Of The Year です。「井上vsノニト・ドネア」!!!

日本人の Fighter Of The Year 受賞は、八重樫東のESPN(2011年:ポンサワン・ポープラムック戦)、三浦隆司のBWAAとリング誌など(2015年:フランシスコ・バルガス戦)に続く史上3人目の快挙。

八重樫も三浦も面白い試合を何度も見せてくれましたが「三浦vsバルガス」はUSAトゥデイやスポーツイラストレイテッドなどもFighter Of The Year に選出した激闘、まさにこれぞ名勝負でした。

「どうしてそこまで頑張るんだ?!」っていう感動が一番大きかった試合に贈られるのが Fighter Of The Year です!!
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試合終了の瞬間、健闘を讃えあって抱き合う両者。ボクシングではよく見られる風景ですが、この試合はまた特別でした。2人の頭しか写ってない抱擁シーン、2人の表情や会話を想像してしまう、いい写真です!

その意味でも「井上vsドネア」、2人とも頑張りました、剥き出しの勇気を見せてくれました。

井上を単独で表紙に起用しながらも内容は薄っぺらだったリング誌でしたが、今回は見開き4ページでしっかり試合をレポートしてくれています!


******モンスターとフィリピーノフラッシュ。その渾名は伊達じゃない。

一撃必倒のパンチャー、そんな破格の火力を持つ2人に限って、恐れを知らないことが多い。それは井上とドネアにも全く当てはまる。

ドネアは七転八倒、紆余曲折を経て118ポンドに戻ってきた。偉大なキャリアの最終ページをどうやって閉じるか、それを思い巡らす36歳のグレートにとって、リングの上に怖いものなどあるはずがなかった。

前の月に26歳になったばかりの井上は、彼に縮こまってしまうソフトな相手とばかり戦ってきた。プロキャリア18戦で苦戦と呼べる試合は1試合もなかった。彼の仕事は逃げ腰の相手を狩ることだった。

確かにドネアにはかつてのスピードはなかった。全盛期のドネアがスピード負けするなんて、想像もできなかったが、井上はもちろん、ステフォン・ヤングの速さ(遅さ?)にすら戸惑っていた。

ロイ・ジョーンズJr.をして「同じ匂いがする」と親近感を寄せたドネアの身体能力だったが、井上と対峙したときには絶望的なオッズが裏付ける通り、全てが失われていた。

ドネアが最後まで失わなかった武器はパワーと勇気だけだった。

そして、怯えた相手をどうやって仕留めるかを追求してきた井上にとって、衰えても最後の輝き、フラッシュを追い求めているドネアはまさかのジョーカーだったのだ。

4階級(5階級制覇といってるのは日本だけです)で世界王者になったドネアが拠点のラスベガスから5500kmも離れた日本のリングにやって来た理由は、井上相手に軽量級ではありえない大金を稼げるから、というのは二の次で、彼はまだ栄光を渇望していたのだ。

その意味で井上は願ってもない相手だったのだ。


Like All Great Fights , This One contained Dramatic  Ebb and Flow.

歴史に残る偉大なファイトがそうだったように、井上vsドネアにも寄せては返す波のようなドラマが詰め込まれていた。


ウェルター級はもちろん、ヘビー級にも絶対絡めない、マイナークラスへの取り組みに特化したWBSSが「モハメド・アリ杯」を用意したのは、彼らなりの意地であり抵抗だったのかもしれない。

しかし「井上vsドネア」はバンタム級だったにもかかわらず、全くもってモハメド・アリ杯にふさわしい戦いだった。

自分を恐れずに立ち向かってくるスラッガーを初体験した井上は、おそらくキャリアで初めて相手のプレッシャーに逃げのバックステップを踏んでしまう。

「(井上をトラブルに陥らせるには)もっとラウンドを重ねなければならないと覚悟していた」ドネアだったが、そのシチュエーションを試合開始5分で手に入れた。

井上は「左フックだけはもらわない」と最大かつ唯一の警戒を敷いていたパンチを早々にもらってしまったのだ。しかも、眼窩底骨折という重大な荷物まで背負って残りの10ラウンドを戦うことになってしまう。

井上が素晴らしいボクサーだと証明したのは「ダブルビジョンで正確で強いパンチが打てないから、ポイントを稼ぐ(判定狙い)」とBプランへスムースに移行したからではない。

井上は重傷を負った2ラウンド以降も、明らかにKOパンチを織り交ぜてドネアの攻撃を押し返し、チャンスがあればKOの機会を伺っていた。

もし、井上が本当に判定狙いでバックペダルを踏むだけなら、ドネアは簡単に試合を終わらせていただろう。

そう、井上やドネアがこれまで狩ってきた萎縮した相手のように。

しかし、井上は最後まで信号を送り続けた。

「調子に乗って攻め込んだら大怪我しますよ」という26歳の日本人が放つ赤信号に、ドネアは「最終ラウンドまで総攻撃を仕掛けられなかった。結果論だが遅かった」。

〝The Monster〟became 〝Skillster〟...
手負いの「モンスター」は「臨機応変のテクニシャン」に早変わりした。


素晴らしい試合だった。


そして、この試合を水曜日の早朝未明に見た幸運なマニアはとっくの昔に気づいているだろうが、日本は特別な場所だ。

埼玉のザ・スーパーアリーナは軽量級がメインの試合で2万人以上の有料観戦者を集めた。そして、1億2000万人が住む日本でテレビ視聴率は15%を記録した。

2019年の Event Of The Year はさすがに「アンディ・ルイスJr. vs アンソニー・ジョシュア2」の〝砂漠の決闘〟だったが、サウジアラビアで行われたあの特殊な試合がなければ「ザ・スーパーアリーナ」が文句無しだった(次点でした)。 

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リング誌は、ポストに入ってた日はワクワクしてしまう、大好きな雑誌です。

しかし、今回のアウォードで Trainer Of The Year だけは理解できませんでした。

エディ・レイノソ(カネロやライアン・ガルシア、最近だとルイス・ネリらを指導)が受賞するのは文句無しです。

しかし、去年ノミネートされた井上真吾が今年は外れるのはおかしいです。彼は2018年よりも2019年の方が、はるかに大きな成果を挙げたはずです。

「拓真のタイトル奪取は2018年12月30日で2019年じゃない」とか御託はいいんです。じゃあ「12月30日の業績はどこでカウントするの?」って話です。

「12月30日はホリデイ期間だから翌年に繰り越し」が当たり前の対応でしょう。

それを許容しても、尚弥の2試合だけでも十分ノミネートでしょう。

ここ数年はアナトリー・ロマチェンコやらレイノソやら、トレーナー実績は一人か二人のトレーナーばかりです。 真吾がノミネートすらされないのは納得できません。