カテゴリ: ボクシング界はいつだって魑魅魍魎

2026年05月23日 (土)〜24日(日)
「SAIKOULUSH Vol.5」
会場: キルギス・ビシュケク市 
Gazprom Sports Complex
media:YouTubeチャンネル
SAIKOULUSH OFFICIAL


23日に7試合、24日に8試合の2日間計15試合のイベント。

ABEMAをスポンサーに迎えて亀田興毅の興行も安定。

キルギスでのゲート収入や放映権料がほぼゼロと収入が見えにくいにもかかわらず、認定団体へのタイトル認定料、管轄するProfessional Boxing Commission of China (もう一つのPBC…) への認定料支払い、会場費、選手・スタッフ、ジャッジ・インスペクター・リングドクターなどの渡航費・宿泊費・支払いが心配になりますが、ABEMAだけでなくキルギス政府からも支援を受けているのでしょう。

キルギスで軽量級のタイトルマッチを行うーーーそれは、地理的にも階級的にも中央ボクシング界からは二重の死角〝治外法権〟です。

認定団体にとって、タイトルマッチをおこなうたびにメディアやファンから(彼らの見方では)イチャモンをつけられる渦中で「ロシアと中国と親密なキルギスで亀田と中国プロボクシング・コミッションと手を組んで暫定タイトルマッチ」は、それこそ最高(3150)のパラダイスに違いありません。

他の認定団体は「WBAはずるい!羨ましい!」と歯軋りさせて悔しがってるでしょう。

そういえば中国って共産主義だと聞いていた気がするのですが、堂々と「Professional Boxing」を謳ったコミッションを立ち上げるなんて…。

というわけで、バム・ロドリゲスが制圧しているジュニアバンタムと、井上尚弥が視界に入れるフェザー級で二つの暫定タイトルマッチをセットしました。

ジュニアバンタム級では佐野遥渉が、暫定王者デビッド・ヒメネスに挑戦。

フェザー級では亀田京之介がルイス・ヌネスと暫定王座決定戦を行います。






キルギス〜にゆけば〜どんな夢もか〜なうと〜いうよ〜。


ちなみに、キルギスは非常に貧しい国です。




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井上尚弥vs中谷潤人の興行規模30億円以上!?史上最大を「上回っています」

…興行規模の明確な定義はありませんが、利益ではなく「売上高」と考えて良いでしょう。

ゲート収入(チケット販売)、PPVやライブビューイング収入、スポンサー料、放映権料が大きな柱。ここから、選手のファイトマネーや会場費、人件費など諸経費が引かれるわけです。

何かがおかしいですよね?

井上尚弥のキャリアで今回が最大のイベントになるのは誰の目にも明らかなのに、ファイトマネーは一体いくらになっちゃうの?ということです。


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T−モバイル・アリーナの興行事故のような大惨事とは全く違い、大きな黒字興行になるのは間違いありませんが、井上のファイトマネーが30億円ということは考えられません。

グッズ販売も含めたゲート収入を@5万円で見積もると✖️5万人で25億円になりますが…。

PPVの売り上げは今回も詳細の発表はないでしょうが、@6,000円で計算すると5万件販売して3億円。10万件くらいは売れるのでしょうか…?

ライブビューイングの@8,200円は「高い」と言われてますが、前回書いたようにこれでも赤字確定です、非常に良心的な価格設定です。

…よくわかりません。



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【ご報告】
この度、大橋ボクシングジムを離れることになりました。
大橋会長と話し合いの上での決断です。
大橋ジムには長い間お世話になりました。
会長をはじめ、トレーナーの皆さん、スタッフの皆さん、そして同門の仲間たち。ここで過ごした時間が、今の自分を作ってくれました。
本当に感謝しております。
現時点で次の所属先は決まっていません。
ただ、ひとつだけ変わらないことがあります。
これからも世界と戦い続けます。
まだまだ自分には伸びしろがあると思っていますし、必ずベルトを巻きます。
これからも応援していただけたら嬉しいです。
お仕事やコラボレーション等のご相談はマネージャーアカウント( @andyjustice_manager )のDMまでお気軽にご連絡ください。
2026年3月29日
平岡アンディ


*****自由に移籍ができる。高額の契約金で縛られていない限り、当然の権利です。10年間お世話になってきた、選手とプロモーターの関係を超越した情もあったかもしれないジムを離れるのですから、それなりの理由があったと思います。

この発表を受けて大橋秀行会長は昨日、取材に応じ「(大切な世界初挑戦の試合前に)ビザの問題や、いろんな大変なことがあった。これからは自分で好きなように自由にやっていい。彼は実力的には世界王者になれるし、これからも協力する」と語りました.

大橋会長は開口一番、先月21日にWBA王者ゲイリー・アントゥアン・ラッセルに挑戦した際の「ビザの問題」に触れました。

世界初挑戦でビザ発給が遅れ、ラスベガス到着が試合2日前の午後までズレ込んだときに、大橋会長は「万全を期して試合10日前の現地入りを希望していたが、主催者や米国政府の事務手続きに時間がかかってしまった」と説明しましたが、国際情勢が荒れている状況でジム手続きが遅れる可能性は最初からわかりきっていたことです。

普通の民間会社は、事務手続きの遅れや空港で足止めされることも想定して準備と対応を進めています。時差や天候で大きな差がある米国西海岸への「10日前」の現地入りが万全かどうかは別にしても、穿った見方をすると大橋ジム側が手続き上の小さなミスを重ねてしまったのかもしれません。

もちろん、井上尚弥のように大きなスポンサーが付いているわけではなく「予算の範囲内」でやりくりしなければならない事情もあったでしょう。

90億円を超えるという井上尚の収入が事実なら、これを全額ファイトマネーとして井上尚だけで33.3%の30億円超が大橋ジムに入っているはずで、ある程度の予算は用意できるはずなのですが…。

別のジムなら、人気階級で世界に挑戦するアンディをもっと上手に世間に売り込んで、アントゥアンなら日本に呼べていたかもしれません。そもそも、海外遠征慣れしているような別のジムなら現状の国際情勢で事務手続きの遅れをアクシデントのように説明することはないかもしれません。

「現時点で次の所属先は決まっていません」とのことですが、軽量級とは違い米国で需要のあるクラスなので亀海喜寛や、石田順裕らのキャリアも一つのビジネスモデルでしょう。

もちろん、米国で需要のある人気階級とはいえアンディも亀海や石田と同じように〝村田諒太〟ではありません。米国のイベントに都合よく組み込まれ、対戦相手も選べません。

亀海も石田も大健闘はしましたが、大活躍したか?旋風を巻き起こしたか?となるとそうではありません。


>これからも世界と戦い続けます。
まだまだ自分には伸びしろがあると思っていますし、必ずベルトを巻きます。

これからも非常に難しいキャリアになりますが、応援しています!

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世の中、おかしなことだらけです。

先月24日にルーベン・カスティージョが、白血球の中のリンパ球が癌化するホジキンリンパ腫で亡くなりました。享年68歳。

3月19日に葬儀、その前夜には通夜も執り行われました。

1975年にプロデビュー、1997年に引退したカスティージョを知る人はよほどのボクシングマニアです。

その余程のマニアは1980年1月にアレクシス・アルゲリョ(フェザー級)、同年4月にサルバドール・サンチェス(フェザー級)、1983年2月にファン・ラポルテ(フェザー級)、1985年4月にフリオ・セサール・チャベス(ジュニアライト級)のWBCタイトルに挑戦していずれも敗れた挑戦者の名前を記憶していたということになります。

タイトルに4度アタックしましたが、いずれも失敗に終わったWBCの元世界ランカーを記憶している人は普通はいません。

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リング誌の1976年アワードで ⬆︎Progress Award of the Year に輝いていますが…


“He may not have won his title fights, but Ruben was always recognized and respected by the WBC and his peers.”


しかし、ボクシング記者のミッシェル・チョンは「世界タイトルには届かなかったが、ルーベンはいつもWBCと仲間たちから評価され、尊敬されていた」そうです。

そして、このカスティージョの葬儀費用は、WBCが全額負担したというのです。

ただでさえ存在意義がわからない承認団体がランキングだけでなく、葬儀費用まで独自の解釈でデタラメに支出してるのって…まともな感覚なら、JBCはWBCの認可取り消しです。人からわけのわからない承認料を徴取して、勝手に何に使ってるんだということです。

もちろん、WBCが「今後はランキング経験のあるボクサー全員の葬儀費用を負担します」というなら話は別です。


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最も更新の頻度が高いボクシング専門メディアの一つ、BOXING NEWS24が、テレンス・クロフォードがいまだにWBCへの不満を垂れ流し続けていることについて批判の矢を放ちました。

昨年9月に行われたスーパーミドル級王者カネロ・アルバレスとのメガファイト。

試合前の予想とオッズは「カネロがやや有利」。クロフォードはマイルドアップセット(ちょっとした番狂せ)で勝利を収め、4団体時代で初めて3階級にわたってUndisputed Championに就きました。

カネロもクロフォードもサウジアラビア勢力に取り込まれたファイターで、特に人気の無さに悩み続けていたクロフォードは早々にズッファ・ボクシングからのサポート契約を結んでいました。

対立してきたリング誌も買収したサウジ勢力に「不要」の烙印を押された四つの承認団体は、このメガファイトを戦々恐々としながら承認します。

「承認団体なんて害虫。承認料なんて取るな」と睨まれると、通常3%の認定料をWBCが0.6%まで下げるなど、大幅にディスカウントしました。これは、日本のジムやボクサーは、同じ睨みを送って、怒り狂ううべきなのですが…。

クロフォードはこの承認量について“modern-day extortion” (現代の恐喝行為)と批判し続けているのです。

承認料への否定的な意見は珍しいことではありません。モハメド・アリ、シュガー・レイ・レナード、オスカー・デラホーヤ、フロイド・メイウェザー、マニー・パッキャオ、カネロ…立場の強いスーパースターは承認団体への否定的な立場を特に明確にしてきました。

承認団体なんて存在自体が間違っているのですから、当然のことです。百歩譲って「盗人にも三分の理」としても、21世紀になってから拍車がかかるデタラメなランキングとタイトルマッチは許容範囲を超えてしまっています。

しかし、BOXING NEWS24はクロフォードについて「承認料を払っていないのだから終わった話なのにしつこい」というだけでなく、「そもそもWBCのベルトをリングに上げて記念撮影、Undisputed Championになってから支払いを拒否したのはおかしい」と正論を展開したのです。

「長年にわたって承認料について大きく深い不満を募らせて支払いを拒否したのだから、最初からWBCのタイトルを放棄すべきだった」「承認料は恐喝と同じと非難したのはWBC以外の承認団体にも向けられたものだから、クロフォードの言いなりになって承認料を大幅値下げした他の3団体のベルトも返上すべき」というのも筋が通っています。

承認ビジネスをそこまで嫌悪しているなら、どうしてこのシステムに参加して、Undisputed Championになってから文句を言うのか?ということです。

もし、クロフォードが承認団体を否定する立場を試合前から一貫して認定料の支払いを拒否していたなら、どの団体も承認せずにUndisputed (議論する余地のない=他の誰にも王者を名乗らせない)Championにはなれず、ベルトの存在しないLineal(正統)Champion と、承認料の死は対義務のないリング誌Champion、二つの王座を獲得していただけになります。

当たり前ですが、最も価値があるのはLineal、その次がまともなランキングとチャンピオンシップ制度に立脚したThe Ring のタイトルです。

クロフォードが勝者のコールを受けて「正統な王者でリング誌王者であることで全てが証明される。だから、何の価値もないガラクタベルトは要らない」とリング誌ベルトだけを腰に巻けばカッコよかったのですが…。


さらに、クロフォードは試合に勝った途端に引退宣言。試合前には再戦条項にサインして「3階級でUndisputed Champion になる」と承認料を値下げまでさせていたのです。

From the outside, it can look like he entered a system, accepted it where it worked for him, rejected it where it didn’t, and is still coming back to the one piece that didn’t go his way.

彼は卑しくも承認団体のシステムに入り込み、都合の良いことは受け入れ、そうでないものは拒み、自分を批判したWBCにいまだに粘着して非難を繰り返しているだけだ。

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典型的な勝ち逃げに走ったクロフォードですが、その評価はカネロに勝利した直後がピーク。結果論ではなく、試合前から多くの人が指摘していた「完全劣化版のカネロ」に勝っただけで、もうすでにジリ貧状態です。
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米国下院が、ムハマド・アリ・アメリカン・ボクシング復活法案(MAABRA:H.R.4624)を上院本会議への送付を圧倒的多数で可決しました。

この審議がほとんど抵抗なく進んだことは、ズッファ・ボクシングの背景に強力な組織が存在することをあらてめて示しました。

アリ法復活法はズッファ・ボクシングの傘下に収めるUFC/TKOグループが掲げる「腐り切ったボクシング界を正常にするための方策」の一つです。

TKOの責任者であるダナ・ホワイトが、トランプ大統領、共和党議員たちと長年にわたって築き上げたコネクションを使った働きかけに対抗するには、現状の没落した米国ボクシング界はあまりにも脆弱すぎました。

2000年に制定されたモハメド・アリ法は連邦法(州をまたぐ法律)で、契約条件の開示や選手の医療保障の強化などを決めたものですが、復活法ではUFCやWWEのように選手を一元管理しようとするものです。

UFC方式が採用されると「選手の権利が奪われる」「メジャースポーツのスター選手にも負けないカネを稼ぐボクサーがいなくなる」という見方もありますが、大間違い。

既存のボクシング界の人々は、この法案が「最低保証賃金の引き上げ、健康保険、医療安全基準の強化など、選手の保護を大幅に強化する内容」となっていることは、口が裂けても言いません。

「選手の権利が…」と語るのは「ボクシングの階級が超細分化されてるのは階級の壁が分厚いからで意味がある」「WBAやWBCは迷走しているがIBFとWBOはちゃんとしてる」「ランキングは正しく、指名挑戦者は強い」と思い込んでる思考停止の一部ボクシングファンの妄言にすぎません。

UFCスタイルは、現行の腐敗を極めたボクシング界よりもはるかにマシです。

「選手の権利」については、マネジメントが一元管理されるのですから、非常にわかりやすい労使関係が成立するはずです。メジャースポーツのような選手組合を作ることが出来たら、現状よりも素晴らしい世界が創出されるでしょう。

「ボクシングはマイナースポーツでも一握りの選手はメジャースポーツ並みの大金を稼ぐ」。これだからダメなんです。報酬がピラミッド型でないのが問題です。スターの系譜がカネロ・アルバレスで途絶えたことは、ボクシングの没落だけでなく、前向きに捉えると新しい時代の幕開けです。

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既存勢力はあちこちで、バラバラに反論めいたことを唱えていますが、どれもこれも他人任せ。

So why aren’t large sections of the media covering any of it?〜どうしてほとんどのメディアがこの件に関してきちんと報道しないのか?

And why hasn’t anyone formed a powerful and influential coalition within boxing to do anything about it?〜この侵略行為に対して、なぜ既存のボクシング勢力は協力して連合して抵抗しないのか?

Everyone seems to be looking at one another and shrugging.〜既存のボクシング勢力の誰もが互いの顔を見て肩をすくめているだけに見える。


侵略者は、自分たちが束になってかかっても勝ち目のないカネとコネを持っている…それだけでなく、議論しても、あっちが正論。だから、戦うだけ無駄、ということでしょう。

「ボブ・アラムが30歳若ければ、侵略者の好き放題はさせていない」なんて声もありますが、そもそもボクシング界を腐らせ続けた張本人の一人がアラムです。今は老害、昔は若害、いつでもアラムはボクシング界を蝕むタチの悪い害虫でした。

ホワイトは「(既存のボクシング勢力からの)反発?反発なんて全くない。赤ん坊を殴るようなもので、彼らには何も出来ない。彼らは互いに『間違ってるのはお前だ』と歪み続けてきたから、正論の前では団結すらできない」と笑い飛ばしました。

この法案が、正式な法律となるには上院本会議の通過と、ドナルド・トランプ米大統領の承認が必要ですが、大きな障害はないと見られています。

トップランクの弁護士パトリック・イングリッシュや、反トランプの民主党議員であるジョー・コートニーやイルハン・オマルはUFCがファイトマネーを抑えていた裁判などから「選手が搾取される」と訴えていますが、アラムらを弁護するのに「選手が搾取される」というのは、天に唾を吐きながらヤブを突っついて蛇を出し、巨大ブーメランを投げるような所業です。

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DAZNとトップランクが複数年契約の締結を発表しました。

昨年、ESPNから見放されたトップランクにようやく救いの手が延ばされた形です。

トップランクはモハメド・アリ、シュガー・レイ・レナード、オスカー・デラホーヤ、フロイド・メイウェザー、マニー・パッキャオ…米国史上最大のスターをプロモートし続けた歴史がありますが、メイウェザーもパッキャオにも見限られ、10年以上も〝脇役〟のファイターしか傘下に収めることができないままです。

ビジネスとして難しい井上尚弥や中谷潤人ら米国市場で全く人気がない超軽量級を中心にリストラを行いましたが、それでも現在のラインナップはキーショーン・デービス、ザンダー・ザヤス、アブドラ・メイソン、エマヌエル・ナバレッテ、レイモンド・ムラタラ、オシャーキー・フォスター、ブルース・カリントン…人気階級に届かないスター未満しか見当たりません。

財政難のトップランクを率いる94歳のボブ・アラムに、これから人気階級の大物獲得に本腰をいれる余力は残されていません。

DAZNがスターになる見込みのないライト級周辺の選手しか抱えていないトップランクを〝救済〟したのは、品揃えの一環です。

現在、マッチルームとクイーンズベリーの英国(世界)2大勢力に加えて、トップランクほどではないものの没落著しいゴールデンボーイ・プロモーションズとも提携しているDAZNはボクシング最大のプラットフォームになりました。

マッチルームやクイーンズベリーのヘビー級など人気階級のメガイベントの前座に、トップランクの軽量級をあてがう…そんな風景が見られるかもしれません。

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トップランクが2015年、それまでも良好な関係を続けてきたESPNと8年間の業務提携契約を結んだことに多くの人が驚きました。

スポーツ界最大のメディアが衰退一方のボクシング、それを象徴する没落プロモーターと長期契約を結んだのですから、ESPN内部からも「メジャースポーツやこれから発展するスポーツに投資すべき」という意見が噴出していたほど。

そして、ウエットな話ですがESPNは長年親交があったボブ・アラムが亡くなればトップランクを切るとみられていたからです。

当時、アラムは86歳。8年契約は、様々な意味で長すぎると見られていました。

その契約も昨年で終了、ESPNは当然のように更新せず。他のプラットフォームもトップランクに興味を示さないまま、年が変わってもう4月になろうとしているのです。

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どっこい生きてる?


半年以上、買い手のつかなかったトップランクに救いの手を差し伸べたのがDAZN。

DAZNは先日のエマヌエル・ナバレッテのイベントを配信したように、トップランクと契約交渉を進めていました。

明日のニューヨークでの正式発表では「DAZNが資金援助」「PPVを含めて年間10〜12試合」「契約年数」などが明らかになるでしょうが、どこからも救済の手があがらなかったトップランクが大幅な譲歩を強いられたのは間違いありません。

その意味での発表はされないでしょうが、DAZNのプロモーター部門として〝子会社化〟され、中期的には解体されるというのが契約の実態かもしれません。

その露頭に迷うトップランクが、真っ先に手放したのが井上尚弥や中谷潤人ら。ビジネスが縮小しているトップランクですら一定の儲けが期待できない…これもまた米国市場でのアジア軽量級の実情です。



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日本ボクシング界で最も重要な季節は年末ですが、北米市場では5月上旬のシンコ・デ・コマ。

今年の注目は2日にT−モバイル・アリーナで開催されるWBA /WBOクルーザー級タイトルマッチ。王者ヒルベルト・ラミレスにデビッド・ベナビデスが挑戦するメキシカン対決です。


2団体のストラップを賭けた一戦に、横槍が入ったのは今週のこと。WBCがラミレスとベナビデスをメキシコシチーに招待、この試合の勝者に特別ベルト “Tollan Tlatequi”を贈呈すると式典を開催したのです。

ベナビデスはWBCのライトヘビー級王者ですが、この試合にWBCは何も関わっていません。WBCクルーザー級王者はファンベースを持たないアルメニア人のノエル・ミカエリアンです。

この動きにWBAとWBOはすぐにトップ階段を開き、ラミレスvsベナビデスをプロモートするゴールデンボーイ・プロモーションズ、プレミア・ボクシング・チャンピオンズに対して「WBCの特別ベルトを認めるなら、この試合を承認しない」と通達しました。

WBCは承認料を支払わなかったという理由でテレンス・クロフォードのスーパーミドル級、シャクール・スティーブンソンのライト級タイトルを剥奪してきました。

また、IBFは先日行われたズッファ・ボクシングのクルーザー級タイトルマッチ(©︎ジャイ・オペタイアvsブランドン・グラントン)の試合を承認せず(オペタイアのタイトル剥奪はまだ発表されていません)。

サウジアラビア勢力から「百害あって一利なし」という厳然たる事実、ド正論を突きつけられた承認団体は、他社の介入へのアレルギー反応がますます過激になっています。

この存亡の危機に「承認料ファースト」の絶対哲学を共有する同業者と協力して外圧に対抗することはしないのですから、なにもかも腐っています。

かつて、マニー・パッキャオvsミゲール・コットのWBOウエルター級タイトルマッチにダイアモンドベルトを用意して介入したのが、WBCの特別ベルト商法の始まりでした。このときは「どうして無関係のWBCに5万ドルものベルト代を支払う意味があるのか」とパッキャオが拒否、WBCは無償で渡したといわれています。

今回は、そんなことが起きないように2人をメキシコに招いて華やかな式典を開催、まずファイターに承認してもらったという図式です。





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ボクシングシーンから。


*****

Jai Opetaia and the battle between wealth and legacy 
ジャイ・オペタイア〜金と名誉のはざまで



昨夜のラスベガス。誰もが認めるクルーザー最強のファイター、ジャイ・オペタイアは予定通りの勝利を収めて、3つのベルトを身にまとっていた。

右肩にアルファベット団体のIBF、左肩に階級最強を証明するリング誌、そしてベルトが本来あるべき位置、腰にはズッファの初代クルーザー級王者のベルト。これは彼自身が腰に巻いたのではない。試合終了後に、静かに背後から近づいたダナ・ホワイトがIBFやリング誌よりも先に装着したのだ。

ズッファと契約したコメンテーターのマックス・ケラーマンは「あなたは史上初のズッファ王者になった」と祝福し、初防衛戦について聞くと、30歳のサウスポーは「ベルトを持っている相手と戦いたい」とUndisputed championへの意欲を改めて示した。

しかし、これはズッファ側が期待していた回答ではない。

満点解答は「最強の称号であるズッファのベルトを手に入れた。初防衛戦はズッファが用意した最強の挑戦者と戦うことになる」だった。

時間の問題と見られるヘビー級への転向についても、オペタイアは「まず、クルーザー球でUndisputed(議論の余地のない=他の誰にも王者を名乗らせない)存在になりたい」。

オペタイアには、マッチルームと比較しても十分な条件で迎えてくれたズッファへの感謝はある。そして、不要階級の廃止と世界で一人だけの王者というサウジアラビアが支援するズッファの姿勢は100%正しい。

しかし、ズッファが掌握しているファイターはほんの一部で、階級No.1はオペタイアだけ。現時点で、見慣れないズッファのベルトを「最強の称号」と考える人はどこにもいないだろう。

モハメド・アリがズッファのベルトを腰に巻いていたか?

イベンダー・ホリフィールドやオレクサンデル・ウシクは多くのベルトを上半身にぶら下げていたが、その中にズッファのベルトはあったか?

現時点でズッファのベルトはオペタイアに金をもたらしてくれるだけで、スポンサーのロレックスから贈られる記念品と同じかそれ以下の意味しか持たない。

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「承認団体はいますぐ消えてなくなれ」と、高額契約したズッファの操り人形になった暗愚なテレンス・クロフォードと違い「今の段階ではズッファのタイトルは最強の証明にならない。承認団体のタイトルホルダーは取るに足らない弱いボクサーとは言い切れない」という態度を明白にしたオペタイアは素晴らしいです。

デビッド・ベナビデスやヒルベルト・ラミレスを傘下に収めるのにはもう少し時間がかかるでしょうが、カネロ・アルバレスでも動かされたのです。

「私はサウジの思う通りにならない。金で動く人間ではない」とカッコいいこと言ってたカネロがそうだったように、やはり金の問題だけでしょう。



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