日本ボクシング界で最も重要な季節は年末ですが、北米市場では5月上旬のシンコ・デ・コマ。

今年の注目は2日にT−モバイル・アリーナで開催されるWBA /WBOクルーザー級タイトルマッチ。王者ヒルベルト・ラミレスにデビッド・ベナビデスが挑戦するメキシカン対決です。


2団体のストラップを賭けた一戦に、横槍が入ったのは今週のこと。WBCがラミレスとベナビデスをメキシコシチーに招待、この試合の勝者に特別ベルト “Tollan Tlatequi”を贈呈すると式典を開催したのです。

ベナビデスはWBCのライトヘビー級王者ですが、この試合にWBCは何も関わっていません。WBCクルーザー級王者はファンベースを持たないアルメニア人のノエル・ミカエリアンです。

この動きにWBAとWBOはすぐにトップ階段を開き、ラミレスvsベナビデスをプロモートするゴールデンボーイ・プロモーションズ、プレミア・ボクシング・チャンピオンズに対して「WBCの特別ベルトを認めるなら、この試合を承認しない」と通達しました。

WBCは承認料を支払わなかったという理由でテレンス・クロフォードのスーパーミドル級、シャクール・スティーブンソンのライト級タイトルを剥奪してきました。

また、IBFは先日行われたズッファ・ボクシングのクルーザー級タイトルマッチ(©︎ジャイ・オペタイアvsブランドン・グラントン)の試合を承認せず(オペタイアのタイトル剥奪はまだ発表されていません)。

サウジアラビア勢力から「百害あって一利なし」という厳然たる事実、ド正論を突きつけられた承認団体は、他社の介入へのアレルギー反応がますます過激になっています。

この存亡の危機に「承認料ファースト」の絶対哲学を共有する同業者と協力して外圧に対抗することはしないのですから、なにもかも腐っています。

かつて、マニー・パッキャオvsミゲール・コットのWBOウエルター級タイトルマッチにダイアモンドベルトを用意して介入したのが、WBCの特別ベルト商法の始まりでした。このときは「どうして無関係のWBCに5万ドルものベルト代を支払う意味があるのか」とパッキャオが拒否、WBCは無償で渡したといわれています。

今回は、そんなことが起きないように2人をメキシコに招いて華やかな式典を開催、まずファイターに承認してもらったという図式です。