カテゴリ: 世界のボクシング:階級/キャッチウエイト

米国ボクシングの凋落を象徴するような136ポンドのキャッチウエイト、メガファイト。

それにしても、メディアの取り上げ方がおとなしいことには拍子抜けというか、残念というか、これが沈みゆく斜陽スポーツの姿なのでしょう。

ボクシング市場の没落はメジャースポーツから完全に脱落した80年代から明らかで、もう40年以上も地盤沈下が止まりません。

それでも、10年前ならリング誌がおおきな特集を組み、ESPNでも専門ページをアップして、戦前からもっと盛り上げていました。

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↑かつてはESPNも凝った特別デザインでラウンドごとに瞬時詳報、WOWOWのテレビと一緒に見るのが楽しかった米国のメガファイトでした。

今はリング誌の廃刊で紙媒体は消滅、ESPNも今やボクシングにやる気無し。

日本時間では4月23日、午前9時からWOWOWが生配信してくれます。

「茶番劇ではない」というのが唯一の救いの、規律が欠落した豚とSNSアイドルの対決はどっちが勝っても小さなコップの中のさざなみ。

スポーツという観点からは「デビン・ヘイニーvsワシル・ロマチェンコ」のUndisputed championshipの方がずっと格上の試合です。

その意味で、ボクシングはもはやスポーツではありません。

それでもボクシングが大好きです。

病気の親を介護するように、この試合に寄り添っていきます。
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ジュニアフェザー級を語るとき、必ず向き合わなければならないのが「ウィルフレド・ゴメス」です。

よく言うと「今でもゴメス」、悪く言うと「いまだにゴメス」。

それほどゴメスが傑出して強かったということ、です。

そして下のバンタム級と上のフェザー級のビッグネームとの激しい戦い、つまり「誰と戦ったのか?」という命題がバズーカ・ゴメスの印象を極彩色にしているのです。

アンダードッグと見られながら、驚異のKOパンチャー、カルロス・サラテを迎えた防衛戦を番狂せで飾った母国プエルトリコのサンファンでの快勝。

逆にフェイバリットでサルバドール・サンチェスに挑戦、8ラウンドでストップされたシーザースパレス。

バンタム級屈指のピッグパンチャーを撃ち落とし、フェザー級史を代表する万能選手に跳ね返されたゴメスは、まさにジュニアフェザー級を象徴するファイターでした。

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そして、この階級ではアジアからも大きな花火がいくつも打ち上げられました。

南アフリカでアーノルド・テイラーを破ってWBAバンタム級王者になった洪秀煥は、またしても敵地パナマでエクトル・カラスキリャとのWBAジュニアフェザー級初代王者決定戦で2ラウンドに4度倒されながら、3ラウンドで大逆転KO勝利を収めます。

ファイティング原田に次ぐアジア史上2人目の2階級制覇は、韓国では「四転五起神話」と呼ばれるまさに伝説となっています。



タイでは「芸術」、日本では「貴公子」と呼ばれたサーマート・パヤクアルンもまた、122バウンドを鮮やかな色彩に染めたスター選手でした。

あのルペ・ピントールを5ラウンドでノックアウトしてWBCタイトルを獲得、23歳のサウスポーはこの時点で「日本には呼んではいけないファイター」「日本で見ることのできないファイター」になります。

しかし、サーマート(天からの授かりもの)の異名を持つハンサムな若者は享楽に流された生活を改善できません。

それでも初防衛戦に成功、2度目の防衛戦で元世界バンタム級王者のオージーを迎えます。

また世界王者とはいえ、当時はマイナーだったIBF、天才貴公子の敵ではないと考えられていましたが…このオージーはのちの一発殿堂、ジェフ・フェネックでした。

4ラウンドでKOされたサーマートは、この試合を最後に世界戦線から消えてしまいます。

この試合で、サーマートは〝パッキャオの先駆け〟フェネックからプロ初のダウンを奪いました。

その才能が〝サーマート〟であったことは、彼を少し見ただけでわかるでしょう。

とんでもない才能でした。



サーマートとは逆に元バンタム級王者の挑戦を一蹴したのが、WBA王者ファン・ホセ・エストラーダ。

エンドレス・ファイター六車卓也の2階級制覇の夢を11ラウンドで打ち砕きました。



ダニエル・サラゴサも元バンタム級王者のサラテと決定戦を争いWBC王者に。

一度タイトルを失った後、畑中清詞からタイトルを奪って返り咲き。

元バンタム級王者の辰吉丈一郎の挑戦を2度退けました。



元WBAバンタム級王者ウィルフレド・バスケスは元WBC王者でWBAジュニアフェザー級王者ラウル・ベレスから大番狂せでタイトル奪取。

IBF王座を16度防衛し、当時バンタム級史上最高の議論にもあがったオルランド・カニザレスの挑戦も阻みました。

バスケスはフェザー級も制覇しますが、37歳のときナジーム・ハメドの生贄に供されてしまいます。



キコ・マルチネスもジュニアフェザー級の壁として、バンタム級王者・長谷川穂積の負けに立ち塞がり、ノニト・ドネアは、本物のジュニアフェザー級ギレルモ・リゴンドーにボクシングのレッスンを受けさせられてしまいます。



バンタム級王者からスタートしたアブネル・マレスとレオ・サンタクルスの人気者メキシカンは出来レースでフェザー級まで制覇しますが、彼らのジュニアフェザー級時代のインパクトは希薄。



IBFとWBAのジュニアフェザー級のストラップを束ねたカール・フランプトンは、サンタクルスとニューヨークとラスベガスでフェザー級でビッグファイトを繰り広げ、Fighter Of The Yearにも輝きました。



軽量級は欧米の死角ですが、アジアでは注目され、個性的なファイターを生み出してきました。

世界的にもメキシカンのサンタクルスやマレス、米国にファンベースのあるアイルランドの人気者フランプトンが絡むと、人気階級の中途半端なボクサーの試合よりも大きな注目を集めます。




7月25日、日本で井上尚弥の挑戦を受けるのはスティーブン・フルトン。

メキシカンでもアイルランド人でも、プエルトリコ人でもない、米国で最も〝蔑視〟される軽量級の小さな黒人です。

フルトンが井上との試合を希求し続けていたのは、ポール・バトラーらのように「目当てはカネだけ」ではないでしょう。

2年前にアンジェロ・レオを破って世界王者になったときから、フルトンは「軽量級の注目度や待遇はひどい」と悩み、その〝突破口〟を探していました。

フルトンが思い出したのは、井上尚弥がマディソン・スクエア・ガーデンよりも大きな会場でメインを張り、フルハウスの大観衆から応援されている、米国では絶対にあり得ない光景でした。

You know I’m going to have to go to Japan to fight (Naoya) Inoue.

「(尊敬される王者になるためには)日本に行って井上尚弥に勝たなければならない」。

7月25日まで、あと101日。

122パウンドの歴史に残る名勝負を期待しましょう。

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1976年にWBAが創設、翌年にはWBCも続いたジュニアフェザー級の歴史は半世紀に迫ろうとしています。

一つ下のバンタム級ではこの15年ほどだけで長谷川穂積、亀田興毅、山中慎介、井上尚弥と長期安定王者を輩出してきましたが、このクラスでは西岡利晃の7度防衛を除くと、短命で終わってきました。

欧米では注目されることがまずない軽量級でも、ジュニアフェザー級以下の超軽量クラスは特に関心が向けられることのない〝空気階級〟です。

ボクシングそのものが没落一途を辿り、完全マイナースポーツに追いやられている米国で〝空気〟ってどういうことなの?と戸惑うかもしれませんが、要はそういうことです。

しかし、日本ではストロー級からジュニアフェザー級までがボクシングのホットゾーン、この17ポンドに渡る6階級がボクシングです。

その6階級の最重量ジュニアフェザー級の世界で何が起きてきたのか、も私たちはつぶさに目撃してきました。

122ポンド、ジュニアフェザー級、欧米の死角で繰り広げられた半世紀に及ぶスペクタクル、忘れ得ぬ個性的なチャンピオンたちを時系列で振り返ってゆきます。
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Lineal Champion。

「The Man Who Beat The Man…王者を倒したものだけが王者を名乗ることが出来る」。

それは、古き良き時代に主としてヘビー級で語られた王位継承の物語です。

ジョン・L・サリバンから続く「The Man Who Beat The Man…」の系譜、王者の名前をボクシングファンは当たり前に誦じていたと言われています。

ずっと昔むかし、人気スポーツの片隅に追いやられていたとはいえ、まだボクシングにメジャーの色が残っていた時代の話です。

そんな時代はモハメド・アリを最後に閉ざされてしまいましたが…。



団体分裂と階級増殖の中で、王者はすべからく
Lineal Championである、という常識は崩壊してしまいました。

ボクシングの没落と歩みを同じくして埋れていった
Lineal Champion。

17階級に渡るその現状を振り返ります。

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1999年10月から23年以上もLineal Championの座が空位のままのストロー級。

リカルド・ロペスがウィル・グリズビーを下してIBFジュニアフライ級王者になったことで、ストロー級王座を返上してから続く空位の歳月は17階級で最長、唯一20世紀から続いています。

この四半世紀に迫る大空位時代のあいだに、レオ・ガメス、ローマン・ゴンサレス、ドニー・ニエテス、井岡一翔というジュニアバンタムまで制圧した4階級制覇王者を生み出し、八重樫東、田中恒成とフライ級までの3階級を抑える王者も送りだしてきました。

最も層が薄い、すなわち最もレベルが低いと軽んじられがちのストロー級ですが、ここを起点に多くのPFPファイターが巣立っています。

「PFPファイターが多く産出される階級がレベルが高い」というロジックに従うと、近年ではこの〝ストロー級上がり〟の選手がひしめいたジュニアバンタム級が最もレベルが高いことになります。

しかし、PFPをそんな信頼できるモノサシだと考えている人は皆無でしょう。

「ストロー級を起点に世界王者になるのがPFPへの近道」というのが正解です。

逆に複数階級制覇の道が閉ざされているヘビー級や、複数階級制覇のために乗り越えなければならない体重差が大きいクルーザー級のファアターはPFPの門戸が非常に狭くなっています。

ボクシングの世界で冷遇される軽量級、その中でも底辺に澱んでいるのがストロー級です。

しかし、フィニートやチョコラティトは別格にしても、井岡や恒成、重岡銀次朗のボクシングを見て「レベルが低い」と感じる人はいないでしょう。

マニー・パッキャオやフロイド・メイウェザーを見るまでもなく、ボクシングにおける完成とは軽量級のボクシングをいかに上の階級に持ち込むか、に行き着きます。

もし、銀次朗のサイズがタイソン・フューリーと同じで、今と同じ動きをヘビーで再現できるのなら、とんでもないことが起きてしまいます。



さて、そんな最軽量のストロー級の世界タイトルマッチがこの日曜日に執り行われます。

重岡銀次朗と優大が挑むのはいずれも暫定王者決定戦。

腐敗極まる4団体時代では「ああ、またいつものやつか」と思われるかもしれませんが、いずれも〝正当な理由〟があることはご存知の通りです。

重岡兄弟が王座を分割してしまうと、Lineal Championの誕生はまた遠ざかってしまいますが、さて、どうなりますことやら。
 
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体格で圧倒的に有利だったはずのセバスチャン・フンドラは、どうして負けたのでしょうか?体格差は幻想でしかないのでしょうか?

56kg級で五輪銀メダルのシャクール・スティーブンソンは、ウェルター級(66.68kg)から圧縮された吉野修一郎とのライト級戦(61.23kg)でパワーでも圧倒したのでしょうか?

打撃系の格闘技、特にボクシングは距離を争うスポーツです。そして、多くのスポーツで最も厄介な相手は異質であることです。

そして、あらゆるスポーツで勝敗を決する要素は圧倒的な技術差です。

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 ◉ヘビー級以外の16階級における骨格(身長とリーチ)の問題。



体重が同じなら「長身」であることは「薄い」ということです。

「長い」リーチが有利に働くのは「距離」をとって戦うときだけです。

身長197㎝、リーチ203㎝と規格外の154パウンダー、フンドラはその骨格を利した戦い方が出来ないまま、破滅の日を迎えてしまいました。

長身でリーチの長い選手は、相手の射程距離に入らないことが基本です。

短躯のファイターは、相手の懐に入ることで 、短いリーチが圧倒的に有利になります。

フンドラもそれをよく理解して、距離を意識して戦う練習を繰り返してきましたが、染みついた癖があの瞬間に顔を覗かせてしまいました。

わざわざ自分の異質の長所を殺してまでクロスレンジの打撃戦を選択し、勝ち抜けるほどの技術を、フンドラは持ち合わせていませんでした。

「吉野修一郎vsシャクール・スティーブンソン」のセミをつとめたジャレッド・アンダーソンのような「相手を波打ち際で釘付けにする」のが、リーチのあるボクサーの理想です(ヘビー級の場合は「同じ体重でない」のが当たり前なので、また別の視点になりますが)。

小さく手の短いカール・フランプトンはレオ・サンタクルスやノニト・ドネアのバリアを破って、彼らの体格を短所にしてみせました。

そして…マニー・パッキャオの技術レベルになると、自分よりも大きく重い相手を翻弄してしまうのです。





◉技術と相性の問題。

吉野は身長175㎝、スティーブンソンは170㎝。リーチはともに173㎝でしたが、スピードと技術で劣る吉野は、スティーブンソンが動き回らないようにクロスレンジでの打撃戦に引き込みたかったのですが、全て見透かされていました。

吉野のコーナーから飛んだ「相打ちでいい!」という声が、断末魔の悲鳴のように聞こえたのは私だけではないでしょう。第2ラウンドで倒された吉野はずっと「相打ち」を狙っていたのに、それをさせてもらえなかったのです。

スティーブンソンはテオフィモ・ロペスではありませんでした。

かつて、マーロン・スターリング相手に優勢に試合を進めた尾崎富士雄は、同じアメリカ黒人のマーク・ブリーランドには何も出来ずに敗れ去りましたが、あのタイプのボクサー、技術だけでなく身体能力も見せつけてくるアメリカ黒人は日本人にとって鬼門です。
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井上尚弥が1月13日にバンタム級のタイトルをキャッチ&リリース、散逸したアルファベットタイトルをめぐって決定戦が相次いで実施されます。

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まずは今週末、WBAタイトルを争うのが井上拓真とリボリオ・ソリス。

普通に拓真が完勝を収めるはずです。手の内も知れた伸び代もないソリスに苦戦は許されません。おかゆ食べて下痢するようなもんです。



そして、WBOは5月13日にジェイソン・モロニーとビンセント・アストロラビオが決定戦。

これは、なかなか面白い試合になりそうです。KO決着濃厚。ギレルモ・リゴンドーに勝ったフィリピン人が優勢か?



IBFはエマヌエル・ロドリゲスとメルビン・ロペスの決定戦が競争入札に。

ゲイリー・アントニオ・ラッセルを大番狂せで下したロドリゲス、IBFバンタム級王座に返り咲きなるか。



そして、WBCはノニト・ドネアとアレハンドロ・サンティアゴが争います。

井上との再戦で壊滅的な敗北を喫した40歳のドネア。もし、また世界王者になると20代、30代、40代でタイトルホルダーになる偉業達成。
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3団体統一戦になるはずだった寺地拳四朗vsジョナサン・ゴンサレスでしたが、ゴンサレスのマイコプラズマ肺炎発症で消滅、代役に選ばれたのは1階級上のアンソニー・オラスクアガ。

帝拳の契約選手オラスクアガは、4月15日に韓国・仁川パラダイスシティで行われるトレジャーボクシング・プロモーションの興業で、元日本ユース・フライ級王者・白石聖と対戦予定でした。伊藤雅雪と帝拳との交渉でオラスクアガを急遽、4月8日の有明アリーナの世界戦に出場させることになったようです。

https://www.dailymotion.com/video/x7w4tob

心配なのは白石との8回戦が、114.5ポンド契約だったということ。

本来ならあと2週間たっぷりで114.5ポンドに落とすスケジュールで体重調整していたところを、1週間も前倒して、さらに108ポンドのジュニアフライ級まで削るのはかなり厳しい減量になりそうです。

いきなり降ってきた世界挑戦のチャンス、24歳のオラスクアガに断る理由はありません。

LA生まれのLA育ちのオラスクアガは、プロ5戦全勝3KO。デビュー2戦目で日本でもお馴染みのサウル・フアレスに判定勝ちしています。

かつて世界のトップ戦線で戦っていたフアレスも、2018年12月にWBC王者・寺地に挑戦、完敗してから7戦1勝6敗で5連敗中でした。

オラスクアガがKOできなかったもう一人の相手はヒルベルト・ペドロサ。寺地と矢吹正道にKOされているパナマ人です。

オラスクアガの輪郭が朧げながら見えてきます…。

寺地にとっては団体統一戦の大勝負から無名の挑戦者との防衛戦、そしてサウスポーのゴンサレスからオーソドックスのオラスクアガに対戦相手が変わります。

なかなかモチベーションを上げにくい状況ですが、ここは圧倒的な勝ち方をして、Undisputed Championへ仕切り直しです!

 
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久しぶりのシリーズ再開です。

まず、ボクシングの計量がいつ行われて来たか?のおさらいです。 

世界的には1980年代から実験され、1990年代から導入された前日計量を、JBCも1995年1月から導入しました。

計量から試合までの回復時間が短い当日軽量では、過酷な減量によってリング禍が相次ぎ、選手の生命と健康を守るために導入されたのが、減量のダメージからの回復時間を長く取る前日計量でした。

しかし、この回復時間の長さが深刻な不公平を引き起こし、選手の生命と健康がより甚大な危険に晒されているのです。

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そもそも、狂ってるのが「回復時間が必要」ということです。 

平等・公平を追求するなら試合直前の計量すれば良いのです。

なぜ、それが出来ないのか?なぜ、鍛え抜かれたアスリートが試合の前日を体力や脱水した肉体の回復時間に充てなければならないほど衰弱しているなんてどう考えても狂気の沙汰です。

井上尚弥や長谷川穂積らは、どうして試合中に足の痙攣にしょっちゅう悩まされるのか?

どうして、井上や井岡一翔は明らかに健康に悪い一晩で5〜6kgものリバウンドをするのか?

30年以上も議論を巻き起こしてきた「WEIGH-INS: DAY-BEFORE VS. SAME-DAY「前日計量か?それとも当日軽量か?」。

先に答えを言ってしまうとThe solution that most people will agree on is a return to same-day weigh-ins. (誰でもがわかりきっている解決策は当日計量に戻すこと)です。

もちろん、これをやってしまうと、例えばスティーブン・フルトンはジュニアフェザー級どころかフェザー級に削るのも難しいかもしれません。

多くの世界王者が現在の階級にとどまることが出来なくなってしまいます。

遡れば、井上がジュニアフライ級で世界王者になることもあり得なかったでしょう。


 
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現在の米国ボクシングシーンが提供できる最大規模の興行「ガーボンタ・デービスvsライアン・ガルシア」。

SHOWTIMEがPPVで生中継。70〜80万件のセールスをマークすると期待され、両者のファイトマネーも1000万ドルレベルになると見られています。

ジュニアフェザー級とライト級の2階級で世界王者になっているタンク・デービスは、現WBAライト級のセカンド王者。

28戦全勝26KOという戦績は立派ですが、誰に勝ったのか?となると微妙。PFP10傑に数えるメディアが少ないのも、対戦相手の質の低さに起因しています。

対するキングライ・ガルシアのキャリアは、23戦全勝19KOとやはり無敗ながらもタンク以上に空虚。

二人とも「誰が勝てるのか?」というレベルのファイターではありません。



このメガファイトは136ポンド、ライト級に1ポンド上乗せしたキャッチウェイトで行われます。

このウェイトは、直近2試合をジュニアウエルター級(140ポンド)で戦っているがルシアにとって不利と見られていますが、デービスの要求で契約には10ポンドのリバウンド制限も盛り込まれました。

これまでパワー勝ちしてきたデービスにとって、自分と同等かよりパンチがあるファイターとの手合わせはキャリア初。「最も難しい相手になる」と認めているように、少しでも相手を干からびさせた状態でリングに上げたいのでしょう。

なんだかセコいメガファイトです。



オッズはタンクの勝利が4/11(1.36倍)、ライアン2/1(3倍)。

タンク有利は間違いないでしょうが、どちらもディフェンスに欠陥を抱えたパンチャーで「先に当てた方が勝ち」になりそう。

ライアンの兄貴分という立場ながらカネロ・アルバレスも「ガーボンタは不注意なファイター。痛い目にあうだろう」と予想。

規律のないデブと、SNSアイドルの対決が、今の米国リングで最高のマッチアップ。考えてみると、両者にとってお似合いの相手です。

前日計量から注目の、別の意味で楽しみなメガファイトではあります。
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ボクシングの世界では「高い身長と長いリーチは有利」だと、言われています。

中谷潤人を見ると、それが正しいような気もしますが、カネロ・アルバレスやオレクサンダー・ウシクに目を移すと、それは間違いにも思えてきます。

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1980年8月2日、ミシガン州デトロイト、ジョー・ルイス アリーナ。

WBAウェルター級王者ピピノ・クエバス(身長173㎝/リーチ178㎝)は、挑戦者トーマス・ハーンズ(185㎝/198㎝)の前に成す術もなく2ラウンドで破壊されてしまいます。

クエバスのコーナーに付いていたルペ・サンチェスは「ボクシングは体重だけでなく身長、リーチでも階級分けしないと不公平だ」と嘆きました。

しかし、メキシコの名伯楽の言葉は負け惜しみとしか受けとめられず、体格でも階級を区分する議論が進展することはありませんでした。

そして、ハーンズのウェルター級としては異形の体格は、線の細さと無縁ではいられませんでした。

セバスチャン・フンドラは、現時点ではハーンズほどの細さと脆さは感じさせませんが、彼の戦い方に身長とリーチのアドバンテージはほとんど感じることが出来ません。

マイク・タイソンやナジーム・ハメドは身長・リーチこそ同一階級のライバルたちに劣りましたが、ハメドの場合は体重は126ポンドで同じ、タイソンに至っては相手よりも重いケースも珍しくありませんでした。

彼らはSmall but not Light, 小さかったが、けして軽くはなかったのです。

身長・リーチとも165㎝のカール・フランプトンは、レオ・サンタクルス(171㎝/175㎝)との初戦に競り勝ち、ノニト・ドネア(170㎝/174㎝)を翻弄しました。

身長166㎝/リーチ171㎝のガーボンタ・デービスはサンタクルスをパワーでねじ伏せ、175㎝−175㎝のウーゴ・ルイスを全く問題にしませんでした。

その階級の中で特別身長が高い、リーチが長いことは勝負事で最も大きなアドバンテージになる「異質」です。

ハーンズやフンドラを相手にするボクサーは、経験したことのない距離や角度に戸惑うことになります。

しかし、これは逆もまた然り。フランプトンやタンクと対峙したボクサーは見たことがない距離と角度、パンチの回転力に晒さられてしまうのです。

一方で〝異質な〟彼らは当該階級で平均的な体格の相手とのトレーニングに不自由することはありません。

プロ野球のスカウトが、全く同じ実力の左右の投手がいたとして、どちらに手を伸ばすかは明らかです。

しかし、体重で不利ではなかったタイソンやハメド、タンク、フランプトンらとは違い、体格でも体重でも圧倒的に劣ったオレクサンダー・ウシクの強さは、どう説明すれば良いのでしょうか?

「異質」のアドバンテージだけで対抗するには、ジョシュアはあまりにも大きな壁だったはずです。

また、ジュニアミドル級(154ポンド)の世界戦に、151ポンドのキャッチウェイトだったとはいえ、ウェルター級リミットを、3ボンドも下回る144ボンドで前日計量の秤を降りたマニー・パッキャオとは何者だったのでしょうか?

ウシクやパッキャオは、Small and Light, 小さくて軽いというのに。



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