カテゴリ: 井上尚弥

階級の壁。

17にも細分化されたプロボクシング。昔日と比べると、複数階級制覇は劇的に安易になりました。

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もし、ファイティング原田の時代が17階級だったなら、〝狂った風車〟はストローからライト級までの9階級でアルファベット王者になっていたかもしれません。

しかし、現代でも階級の壁は厳然と存在します。そいつは、何階級か制覇したところで突然現れるのです。

112(フライ級)と115(ジュニアバンタム級)で圧倒的に強かったビッグ・ダルチニアンは118(バンタム級)でも最強候補でしたが、その強打はほとんど通用しませんでした。

112ポンドでダルチニアンを倒して世界に狼煙を上げたノニト・ドネアは122ポンド(ジュニアフェザー級)では破壊力が激減、126ポンド(フェザー級)では凄惨なKO負けを喫してしまいます。

ローマン・ゴンサレスは105(ストロー級)で王座に就くと、112でリング誌PFPキングに推されますが、115ではシーサケット・ソールンビサイに2連敗。

軽量級の場合、階級を上げると層が厚くなる傾向が強く、単なる体重だけの問題ではありません。

ドネアやチョコラティトでも苦しんだ〝10ポンドの壁〟。105スタート、115でも安定的な強さを見せつけている井岡一翔は特異なサンプルと言えるでしょう。

さて、108ポンド(ジュニアフライ級)から世界タイトルを獲った井上尚弥は〝10ポンドの壁〟となるはずの118ポンド(バンタム級)でキャリア最強の輝きを放っています。

しかし、最初の108ポンドが、将来的な複数階級制覇を意識して、かなり無理な減量をしたことを考慮すると、井上の適正なスタート階級は112ポンドだったのかもしれません。

そう考えると、井上が迎える鬼門は122ポンド、ジュニアフェザー級になる可能性があります、

バンタム級であれほどの強さを発揮しているのに、ジュニアフェザーで通用しないわけがない。

…というのは十分あり得る仮説ですが、ダルチニアンもドネアもチョコラティトも、たった1階級で別人になった事実を思い出せば、モンスターの快進撃ロードがジュニアフェザーで頓挫する心配は拭いきれません。

もちろん、それはそれで楽しみです。

井上はピンチに弱いタイプじゃありません。

スティーブン・フルトンやムロジョン・アフマダリエフのような旬の強豪と激闘を繰り広げるモンスター。

是非、前のめりになって見たいものです。


次は、米国の軽量級というプアなマーケットで、少しは注目されるファイターが122ポンドにいるのか?

勝てば井上が有名になるような名前を持つファイターがいるのか?
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誰に勝ったのか?

マニー・パッキャオはマルコ・アントニオ・バレラ、エリック・モラレス、ファン・マヌエル・マルケスのいずれも一発殿堂の超強豪と合計9試合の激闘を繰り広げました。

あの凄まじさと比べると、老いたオスカー・デラホーヤに勝利したTHE DREAM MATCHや、Fighter of the yearに輝いたリッキー・ハットン、PFP上位を5年以上も闊歩したミゲール・コットらとのファイトマネーだけがバカ高い人気階級でのメガファイトなど完全に色褪せて見えます。

そのデラホーヤもフリオ・セサール・チャベスからスターとトーチを受け取り、フェルナンド・バルガス、アイク・クオーティ、そしてフェリックス・トリニダードとの激闘。

パッキャオに敗れて引退というキャリアも、スターのトーチを史上最も美しくリレーしたグレートとして記憶されるでしょう。

シュガー・レイ・レナードはウィルフレド・ベニテス、ロベルト・デュラン、トーマス・ハーンズ、マービン・ハグラーと拳を交えました。やはり全員が一発殿堂です。

アユブ・カルレやドニー・ラロンデを撃ち落として複数階級制覇に成功しましたが、FOUR KINGSの総当たり戦のスペクタクルを見てしまうと、どうでも良い話です。


モハメド・アリはソニー・リストンとジョージ・フォアマンという史上最強と恐れられたファイターを、圧倒的不利予想を覆してKOしました。

ボクシングがメジャースポーツだった時代背景があるにせよ、ジョー・フレージャーとの3連戦は歴史の一部です。


フェザー級やジュニアライト級という人気階級一歩手前でありながら、メキシカンの超人気スターが3人で包囲してくれる奇跡の幸運に浴したパッキャオ。

何よりも人気階級を侵略してビッグネーム狩りを繰り返したことで、軽量級時代の偉業が再評価されました。

そして、デラホーヤやレナード、アリは掛け値無しの人気階級のスター。
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そんなグレートと、バンタム級の井上尚弥を比較するのは、井上に対しても失礼千万にあたるかもしれません。

それでも…そのキャリアで拳を交えた殿堂クラスの大物は、晩年のノニト・ドネアだけ。

現役のPFPファイターとの対戦ですらゼロ、過去のPFPファイターまで遡ってもドネアだけ。

もちろん、リング誌電子版に代表されるPFPのような猫の目ランキングは、一週間前の5位は?半年前の1位は?と聞かれても誰も自信を持って答えられない軽薄極まるモノです。

ドネアを例に取るとFighter of the year選手との対戦はカール・フランプトン(大差判定負け)、現役PFPファイターとはビック・ダルチニアンとフェルナンド・モンティエルと戦っていますが、モンティエルは長谷川に勝っただけでランクインした〝なんちゃって〟PFP。現役PFPに勝ったのは、実質フライ級時代のダルチニアンだけです。

オレクサンダー・ウシクは誰に勝ったのか?テレンス・クロフォードは誰に勝ったというのか?

「誰に勝ったか?」なんてアリやレナード、パッキャオだけがまともに答えられる最上級の難問じゃないか?!



そして、井上が現在PFPファイターと戦う現実性を考えると、リング誌なら6位のライト級ワシル・ロマチェンコが最軽量です。

今のロマチェンコを井上が倒しても、パッキャオvsデラホーヤの衝撃には遠く及びません。



…軽量級のモンスターは「最高の相手がドネア」でキャリアを閉じてしまうのでしょうか…?
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録画していた今週月曜日放送のエキマを観ました。

軽量級、特にバンタム級のレベルが決して高くない状況とはいえ、このクラスなら井上尚弥はどこに出しても怖くない超強豪チャンピオンです。

ちょっと怖い相手がいて欲しい、です。

ジョンリール・カシメロの脱落・自滅は返す返すも残念です。

井上と真吾トレーナーの「ドネア2振り返り」 も面白かった。

第1ラウンド、開始早々のドネアの左フックは「骨折した右目下に当たった」というのものの、浅いし届いていないように見えました。

残り10秒、右ショートで奪ったダウンは変なタイミングの右カウンターだったな、と思っていましたが、やっと謎が解けました。

「あれはワンツー。ジャブ(ワン)を出さなかっただけ」。

確かに体の動きは、最も得意とするワンツー。 

あれで、試合は終わりました。普通の効き方ではありません。

ドネアはしばらく回復のラウンドを作らなければなりませんが、この正直なファイターにそんな引き出しはありません。

比較してはいけないのかもしれませんが、マニー・パッキャオがアントニオ・マルガリート戦の第6ラウンド、完全にボディを効かされ逃げ回るしかなかったにもかかわらず、見事なアウトボクシングでティファナの竜巻をコントロール、1人のジャッジと多くのメディアがパッキャオの10-9と見た試合がありました。

ドネアは下がったらジ・エンドの、引き出しゼロ、Aプランでしか戦えないマイク・タイソン型。さらに、タイソンよりもディフェンスが甘い。

第2ラウンドも、とどめを刺しに迫る井上の攻撃を真っ正直に迎え撃とうとします。

愛用のエバーラストは最後まで不発のまま。第2ラウンド、井上のレイジェスに一気に攻め落とされたドネアを救ったのはマイケル・グリフィン主審でした。

井上本人も解説の西岡利晃や多くの専門家も「ドネアはリバウンドを抑えて軽く仕上げてきた。スピード重視の戦略か」と、ドネアの肉体が初戦よりも萎んでいたと見ていましたが、実際の体重はほとんど変わっていませんでした。



初戦から変わっていたのは、ドネア陣営のピリピリムード。あれだけ友好的だったドネアがグローブ問題(未開封新品を使用するルールなのに井上のグローブが開封済みだった)では If You Fuck With Me I Will Fuck With You=なめるなよ、さっさと死にやがれ!=と悪態ををつき、「米国でやるのが公平だが、軽量級の井上も私も米国では価値がない。だからと言って、井上が日本でやりたい放題するのはおかしいだろ!」と怒りをブチ撒けていました。

ドネアの怒りはもっともな気もしますが、大きく間違っています。

ボクシングには平等な対戦もありますが、AサイドとBサイドが明白に存在する〝カースト〟スポーツです。

ドネアが「米国でしかやらない」と譲らなければ、ラスベガスかどっかの小さな会場でショボい興行ができたはずです。井上も「じゃあ、米国に行く」と日本にこだわらなかったでしょう。

公平な舞台ではなく、カネを選んだのはドネアです。

そして、この手の問題が起きるとき、騒ぎ立てるのはいつもAサイド。マルコス・マイダナ戦での〝グローブゲート〟で、フロイド・メイウェザーが吠えた言葉が真実です。

「(マイダナ陣営が調達した)このグローブは全部取り替えろ。嫌なら試合は中止」。

マイダナ陣営はすぐに別のグローブを取り寄せました。

米国でもどこでも居場所のない不人気ドネアの分際で、井上が圧倒的Aサイドの日本で何を言い出すのか?

ドネアは自分の立場が分かってないのでしょうか?

カーストをぶっ壊したければ、簡単な話です。

不人気階級でウジウジせずに、パッキャオのように最も人気のあるウェルター級までノシ上がってビッグネーム狩りをすればいいだけです。

そこまで行けば、ドネアがAサイドです。

わざわざ日本に来て、嫌な思いをすることもありません。

オスカル・バルデス戦に恐怖して、ボブ・アラムに契約解除を泣きついたドネアにそんな勇気は1ミリもないでしょうが。

そして、体重は変わってないのにしぼんだ肉体、精神的な不安定…その理由をこの試合に向けていつもの〝栄養補給〟ができなかったからだと考えるのは、穿った見方でしょうか?

井上のせいでドーピングが封じられて、グローブでズルまでしやがって!

もしそうだとしたら、ドネアが頼りにするドーピング・グル、ビクター・コンテが「僕、もう1回捕まったら人生終わりなんだよ」と躊躇うほどの検査を要求した陣営のファインプレーです。
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井上尚弥がリング誌PFPランキングでトップに立ちました。

日本人では初めて、バンタム級でのキングはローマン・ゴンザレスのフライ〜ジュニアバンタム級に次ぐ2番目の軽量です。

この評価で、リング誌の今年のFighter of the year=年間最高選手賞の可能性が一気に膨らみました。

リング誌Fighter of the year受賞なら、日本人初だけでなくアジアでもマニー・パッキャオ以来、史上2人目。

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有楽町のタマアジサイも祝福してるぜ!

年内にバンタム級完全統一なら、リング誌のFighter of the yearは間違いでしょう。

テレンス・クロフォードvsエロール・スペンスJr.戦で、どちらかが圧勝すると、井上はW受賞になるかもしれませんが、その目は少ないと見ます。

ファイティング原田も獲れなかった賞です。

リング誌の記者も投票する、最も権威のあるBWAAのFighter of the year、シュガー・レイ・ロビンソン賞も十分あり得ます。

BWAAのFighter of the yearならマニー・パッキャオ、ノニト・ドネア以来のアジア史上3人目の快挙。

井上はボクシングシーンなどでPFP1位や年間最高選手に選ばれていますが、かなり個性的な見方をするメディアでした。

「リングの外で起きたことは重要じゃない」と、ずっと書いてきた私ですが、正直、嬉しい。

PFPは形に残りませんが、リング誌の年間最高選手賞はベルトとwinnerとして記録に残ります。

BWAAならニューヨークのルーズベルトホテルなどでの表彰式とトロフィー授与が待っています。

来年の表彰式、日メディアが大挙してニューヨークを訪れる、なんてことになったら最高です!
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ノニト・ドネアとの再戦を「ドラマにさせない」という公約通りに圧勝した井上尚弥。

現在、17階級で最も傑出した強さを見せているモンスターが、これから誰を倒すべきかを【世界評価】と【興行・商業規模】【THE DREAM MATCH】の三つの視点から独断と偏見と思い付きで垂れ流します。
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【世界評価】年間最高選手賞へのノミネート・獲得や、PFPでのランクアップ。将来的には殿堂入りを決定づけるレガシーにつながる相手。

現実路線として年内にWBO王者ポール・バトラーとのバンタム級完全統一戦に勝利、4団体時代で日本初のUndisputed Champion になることが、世界評価を刺激します。

バトラー自体は井上尚弥が戦う価値のない底の割れたボクサーです。しかし、ドネアを撃沈して王手をかけたのです。コレクションを完成させない手はありません。

思えば、現在掌握した3つのベルトのうち、WBAとWBCの2つはドネアから奪ったもの(ジェイミー・マクドネルのWBAはセカンドタイトル)。

完全統一の暁には、4つのベルトのミニチュアレプリカセットをドネアに贈るのもオツなものかもしれません。

ああ、そう考えると、ドネアの引退式を日本で開催するのも悪くありません。



Undisputed Champion になれば、もうバンタム級に忘れ物はありません。

ジュニアフェザー級はWBO/WBC王者スティーブン・フルトンと、WBA/IBF王者ムロジョン・アフマダリエフがタイトルを二分割。

来年、井上が乗り込むときには2人のうちどちらかがUndisputed Champion として待ち構えているという、最高の舞台がセットされている可能性があります。

バンタム級では世界的なパンデミックという天災に、WBSSの杜撰な運営という人災のダブルパンチ。

2018年5月にマクドネルを破壊してから、3つのベルトを集めるのに4年1ヶ月、8試合もかかりました。

年内にバトラーからWBOのストラップを強奪するとして、完全統一に4年7ヶ月、9試合を要することになります。

しかし、神様はちゃんと見ています。

ジュニアフェザー級の完全統一は36分間、1試合という短い時間で完遂するかもしれません。

36分間というのは判定決着を想定したもので、もっと短い時間になる可能性も大。

調整試合無しでの世界挑戦なら、バトラー戦から数えて2試合で2階級を完全統一することになります。

〝レナード法式〟など無茶苦茶なことをしない限り、更新不可能の記録を打ち建てる計算です。

4団体時代では誰も成し遂げていない、Undisputed Champion 2階級制覇。

これを来年達成すると、日本人初の全米ボクシング記者協会(BWAA)選出のFighter Of The Yearを完全に射程に捉えます。


心配材料はたった一つだけ。テレンス・クロフォードとエロール・スペンスJr.のウェルター級Undisputed Champion 決定戦が実現、クロフォードが勝つケースです。

すでにジュニアウェルター級でUndisputed Champion になっているクロフォードもUndisputed Champion 2階級制覇となるのです。

そうなるとW受賞の目もありますが、やっぱり単独受賞して欲しいところです。

井上がバトラーはもちろん、フルトンかアフマダリエフも衝撃的に破壊、クロフォードがグダグダの判定なら……うむ!この目はあります!十分に!
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昨夜の試合のパンチスタッツを出す意味がどこまであるか、わかりませんが…。

PUNCHESINOUEDONAIRE
Total landed4216
Total thrown8571
Percent49%23%
Jabs landed50
Jabs thrown3029
Percent17%0%
Power landed3716
Power thrown5542
Percent67%38%

井上尚弥は第1ラウンドにドネアの左をもらったと言ってましたから、ジャブ(スタッツ上は左パンチ)のヒットがゼロは間違い、見落としです。


ESPNのマイク・コッピンガー記者は、この勝利でPFP1位だと明言していますが、全く異論はありません。

PFPの基準を「当該階級での支配度・傑出度」と考えると、オレクサンダー・ウシクやテレンス・クロフォードは明らかに井上に劣ります。ウシクなんて論外です。

ただ、あの破壊的な4分24秒は、米国時間で月曜日早朝の放送、die-hard of boxing fans しか見ることがなかった、というのも事実です。

先日の「ジョージ・カンボソスJr.vsデビン・ヘイニー」のように米国ゴールデンタイムに合わせるほどのアトラクションになる、あるいは米国の土曜日ゴールデンタイムで大会場のメインを張るには、ライト級で戦うか、格好のライバルが絶対的に必要になります。

マニー・パッキャオがもし、アントニオ・マルコ・バレラやエリック・モラレス、ファン・マヌエル・マルケスに恵まれなかったら、米国でのcasual boxing fanの人気は全く無かったでしょう。

現状のジュニアフェザーからフェザーでビッグネームのメキシカンとなると、ブランドン・フィゲロアとレオ・サンタクルス、少し落ちてエマヌエル・ナバレッテくらいしか思い当たりません。

Pacquiao reached superstardom in the States, and while it's nearly impossible to reach that level, Inoue can surely carve out a name for himself on a level below.


この辺りの人気者を撃破すると「パッキャオのレベルは不可能にしても、その下のレベルのスターになれる可能性を秘めている」というのも異論はありません。

つまり、米国で行き場のなかったドネアよりはずっと大きなスターということですが、井上の日本で手にしている報酬と名声を米国で補完できるわけがありません。

サンタクルスやフィゲロア、ナバレッテと同じくらいの70万ドル前後の報酬にとどまります。

彼らと戦うために米国に行く意味は大きくありません。

ガーボンタ・デービスまで辿り着けばPPVファイターの目もありますが…井上の考えや残り時間からライト級はあり得ません。

ないものねだりですが、名前が広まる強烈なライバルが欲しいです。

パッキャオのような歴史的な人気者3人とは言わないから、ちょっと小粒でも、1人でもいいからメキシカンの人気者が欲しい…。
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「もう苦戦は許されない相手」との対戦でした。

ノニト・ドネアとの再戦を満点回答でクリアした井上尚弥。

「せっかくだから4団体統一したい」というのは、ファンも100%支持します。

これまで言動が揺れていた(揺れて当たり前)井上が「パッキャオ・ロード」などもはや頭の隅からも掃き出して、石橋を叩いて最も輝ける自分を追求する「リカロペ・ロード」に全集中するのは、アスリートの価値観の問題で、そもそも「パッキャオ・ロード」など極貧国のボクサーが成り上がる定石です。

日本の井上が何が悲しくて、圧倒的不利予想を立てられた中を、シャクール・スティーブンソンやガーボンタ・デービス、ワシル・ロマチェンコらを撃破して、エロール・スペンスJr.やテレンス・クロフォードを目指さなきゃいけないのか?

過酷な減量さえ我慢したら、軽量級でも破格の報酬と評価が得られるのに、階級を無視して絶体絶命のリングに上がる必要なんてありえません。

もし、パッキャオが日本人なら100%、ウェルター級なんかに進出してません。

井上の不幸はライバル不在です。これまで戦った価値ある相手がロートルのドネアと、最低のチキンぶりで侮蔑されるオマール・ナルバエスでは、悲しすぎます。

エマヌエル・ロドリゲスやゾラニ・テテが頼りなさすぎたのが恨めしいです。
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もちろん、これは運です。パッキャオがジュニアフェザー級で米国上陸を果たしたとき、フェザー級にはマルコ・アントニオ・バレラ、エリック・モラレス、ファン・マヌエル・マルケスという一発殿堂のPFPファイターが〝待機〟してくれていました。

しかも、揃いも揃ってメキシカンの人気者。

井上のライバルの貧弱さは、悲劇を通り越して、ロドリゲスなんて喜劇です。もちろん、井上には一片の責任もありません。

井上は完璧なメキシカンスタイルです。ただ、それを披露するのに、非メキシカンや無名のメキシカン相手では注目度が全く違ってきます。

人気階級進出はもう不可能の井上ですが、すでに口にしているように「メキシカン、メキシコの強豪は欲しいです」というのは、まさにその通りです。

日本に引っ張り込めないメキシコの人気者、です。そうなれば、おのずと「本物のラスベガス」が待っています。

バンタム級の最後のピースもポール・バトラー。今日も「これからが気になる」という村田諒太が「WBOは物足りないよな」というように「完全統一のためのピースを持ってるから」という以外の戦う理由がない相手です。

ドネアの場合は「ピースを持っている」だけではなく「初戦の激闘への贖罪」という、強烈な動機がありました。

ただ、王手をかけてるのですから、もう獲っちゃいましょう、です。

「(年内に完全統一戦が成立しなければ)階級を上げる」という、ジュニアフェザーもスティーブン・フルトンやムロジョン・アフマダリエフという地味ボクサーがストラップを二分しています。

井上が行くところ、人気者のメキシカンは絶対にいない!という不毛が続いています。

ブランドン・フィゲロアがフルトンを粉砕してくれてたら…世界的には盛り上がるのですが…。

ルイス・ネリが強かったら…日本ではスーパーファイトですが…。

そんなことも全部わかった上で、井上は「井岡とのビッグファイト」を口にしたのかもしれません。

だとするなら、122ポンド進出は世界挑戦者決定戦で亀田和毅とのメガファイトも十分ありです。早くしないと、和毅がアフマダリエフとまたグズグズの試合で敗退、商品価値が今以上に下落してしまいます。

井上は井岡にフラれましたが、和毅からは熱烈ラブコールを受けています。

これ、絶対に応えるべきです。

122ポンド進出に慎重な井上にとっても技術は世界レベルの平均点で、パンチ力は女子と揶揄されている和毅は最高の試し斬りだと思うのですが…。
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▶︎Naoya Inoue Destroys Nonito Donaire, Stops Him In Second Round Of Rematch.井上尚弥はノニト・ドネアを2ラウンドで破壊、リマッチに完全決着をつけた。=Boxingscene.com




▶︎Naoya Inoue stops Nonito Donaire in Round 2 to unify three bantamweight world titles. ドネアをストップしてバンタム級の3つのタイトルを統一。=ESPN

※それにしても ESPN、古い写真使って記事もアップしてないし、やる気あんのか!?





▶︎Naoya Inoue Stops Nonito Donaire!井上がドネアをTKO!=Boxingニューズ24 




▶︎“What’s that coming over the hill?” “Yes, it is a “Monster.”  「なんじゃこりゃあ!?」「はい、これが井上尚弥です」。=リング誌

素晴らしい表現ですが、リング誌も古い写真を使うなっちゅうねん! 
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2010年4月25日〜5月3日。アゼルバイジャンはバクーで開催された第2回ユース選手権。

この大会でベスト8に入ると、同年8月にシンガポールで開催される第1回ユース五輪への出場権が手に入る〝エリートへの道〟の第一歩です。

しかし、この遠征は最初から波乱含み。

4月中旬からアイスランド・エイヤフィヤトラヨークトルで火山の噴火が相次ぎ、航空運行が大混乱。日本から5人が派遣された選手団は、中継地のトルコや現地でも足止めを食らってしまいます。
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2日遅れで始まった大会で、日本代表の5人のうち4人は残念ながら初戦敗退。

2回戦を突破して、勝てばベスト4の3回戦に進出したのはライトフライ級の井上尚弥(新磯高校=現・相模原弥栄高校=2年)、ただ一人。

日本代表の最年少、井上はアジア・ユース選手権の銅メダリストでしたが、3回戦の相手は大国キューバのベイタ・ソト。0−11の完封負けでユース五輪への夢が断たれます。

このソトを準決勝で破ったのが、プロでWBSSに出場したライアン・バーネット。そのバーネットは地元のサルマン・アリザダに敗れて銀メダル。

当時の井上は世界的には「あと一歩」だったものの、高校生という若さで代表チームの常連。

国内では井岡一翔に勝って勢いの乗る林田太郎がライトフライ級の一番手でしたが、井上にも2年後のロンドン2012の出場が期待されるなど、その潜在能力は高く評価されていました。
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同じ月に「フル代表」のメンバーは中国貴州で開催された世界大会「第1回中国オープン」に参戦。

ライトフライ級の林田、バンタム級の須佐勝明、ライトウェルター級の川内将嗣ら6人が出場。表彰台に上がったのはミドル級の村田諒太(銅メダル)でした。

この大会でMVPに輝いたのがゾウ・シミン。

ロンドン五輪に向けて、井上は林田超えを目指し、村田は重戦車のアクセルをゆっくり踏み込んでいた12年前の春、でした。



あれから12回目の春がやって来ました。

二人は期待のそのままにプロでも花を咲かせました。

予想できなかったのは、この忌々しいパンデミックだけです…。
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モンスターよ、教えてくれ。

150年に一度の天才よ、教えてくれ。 

「強い相手としか戦わない」と言ったのは、嘘だったのか?

それは「世界王者になるまで」の、期間限定の戯言だったのか?


「具志堅用高の防衛記録を目指す」と口にしたこともあった。

「パッキャオが見た風景を見たい」とも憧れた。



もちろん、一貫してブレない生き方なんて、誰にもできない。ましてや、こんな腐ったスポーツで。




それでも「強い相手としか戦わない」を額面通りに受け止めると、今のバンタム級に「減量が苦しい」と、何度も呻きながら留まっているなんて、どう考えてもおかしくないか?


ああ、そうか。なるほど。「階級を上げてつぶされたら意味がない」と明言したことを考えると…。

「強い相手としか戦わない」とは「(自分が勝てる相手の中でなるべく)強い相手としか戦わない」ということなのか?

それなら筋が通ってる。


150年に一人の天才は「逃げた相手」のことは楽しそうに口にするが、断ったオファーについては一切語らない。

もしかしたら、井上はオファーはいっぱい出すけど、オファーは全く舞い込まないのか?俺みたいな全くモテない情けない男、逆パッキャオ、逆カネロ、みたいな可哀想な存在だったのか…。

それとも、敬虔な信者の方々が思い込んでいるように、「強いやつやビッグネーム」は井上から逃亡して、手を挙げてくれるのは「無名の勇気ある挑戦者」だけなのか?



もちろん、オファーは断られたら「逃げた」、オファーを断ったら「沈黙」は、プロとして当然。自分の価値を落とすようなことを、正直に話す必要なんてない。

パッキャオからのオファーを断ったと、引退してから話したセレス小林は、至極正しい。現役時代にそんなことをバラしたら、ファンは幻滅するだけ。

「パッキャオから逃げた」ことが〝武勇伝〟として語れる、そんな頃合いに、後日談でそれを話すのはファンも楽しめる。



「強い相手としか戦わない」。 

モンスターさんの言葉は、もはや、禅問答の領域に突入。

♬とんちんかんちんとんちんかんちん…気にしない…。
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