カテゴリ: お金(マネー)の話

ボクシングに興味を持った80年代から、もう40年以上の歳月が流れてしまいました .

数えきれないほどの個性豊かなファイターに魅了されてきました。

その中でも、フロイド・メイウェザーは「人気」とは何かに一定の答えを示してくれた「最高のビジネスマンでマーケッター」(Forbes誌)でした。

人気商売にとって最悪は無視されること、最高は人気者になることではなく、軽蔑されて「負ければいいのに」と憎まれることーーーメイウェザーは軽蔑されれば、されるほど〝人気〟が高まることを発見した稀代の天才でした。

軽蔑されるには①面白い試合は禁物、そして「負ければいいのに」という思いを爆発させるには②勝ち続けることが不可欠。

①と②は相反するどころか、全く同じベクトルにあることを見出したのです。

面白い試合はできないけど負けないアンドレ・ウォードは、軽蔑されるための下劣な振る舞いが出来ませんでした。もちろん、本人は「自分を貶めてまで金儲けしたくない」と考えてのことでしょうが。

亀田興毅は、軽蔑されることを散々やり尽くしたのに、メイやウォードのような「強さ」とは、呆れ果てるほど全く無縁の不思議ちゃんで終わってしまいました。

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前置きが長くなってしまいました。泣き虫メイの話です。
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歌舞伎や能などは、究極のコネ・世襲で成り立っています。

この芸能を家柄や国籍も超えて完全開放すると〝競技レベル〟は格段に上がり、芸や舞台の幅も飛躍的に広がるのは間違いありません。

しかし、最も大切にすべきファンのほとんど全てが、歌舞伎などを愛している一番の理由は家柄や伝統であることを考えると「こんなのギルドだ」と無理やり解放すべきではないでしょう。

ただ、大相撲も含めて、莫大な税金で援助する必要は全くないと思います。

サッカーや野球ではデフォルトのホーム&アウエーは、ボクシングになるとAサイドとBサイドという真逆の構図に置き換えられます。

没落する米国ボクシングでは、人気クラスのライト級でもデビン・ヘイニーが2戦連続で敵地オーストラリアのリングに引っ張り込まれるなど、そこに横たわっているのは非常に分かりやすい経済力学です。



話は一旦横道に逸れて、前回「絶対にそうすべき」と書いた、莫大なカネや巨額の利益につながるコネを使った大学への〝裏口入学〟です。

〝裏口入学〟という表現がおかしく〝特別優待入学〟と公表して構いません。

この部分がグレーなままだから、日本の大学は優秀であっても貧窮する理由の一つになっています。

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歌舞伎座の屋根瓦。

前回のコメントで下記のような意見が寄せられました。

「偽物を一つ押し込めば、本物が一つ押し出される。10押し込めば10失われる。充実した設備とは比べ物にならない損失です。そして過半数がそうなればすべてが崩壊します。だからこういうことは寸分も肯定的なことを言うべきではないと思います。」

まず、大学は小さなミカン箱ではない、ということです。さらに、特別優待枠ですから〝彼ら〟の入学によって本来合格してきた受験生が割を食うこともありません。

もっというと、早稲田大学などは言うに及ばず、東大ですら100億円はおろか10億円の寄付でも過半数の受験生から集められることなどあり得ません。

10億円規模の特別枠で10人入学してくれたなら、一つの研究棟を刷新することが出来ます。

世界的に優秀な教授や研究者を招聘することもできるでしょう。

政府が年数百億円を支援する「国際卓越研究大学」のような取り組みは、選考過程がそれこそ不透明です。透明性のある特別枠ではない、コネクションだけで見返りが中〝裏口入学〟と同じことになりかねません。

私は大学相手のお仕事もしていて、中には「特別枠は反対」という人もいますが、その理由は「どこまで公表するのか?」「個人が特定されると莫大なカネを提供しながら、理不尽な社会的攻撃に晒されかねない」「あり得ないけど個人が特定できない体制を構築しても、あらぬ風評を流すバカも出てくる」…というものです。

ここでいう特別枠は、個人名はもちろん公表しませんが、何人入れて合計いくらの資金が提供されたかは明らかにする、というものです。

そして、親がこっそり手を回して子供は一般入試で合格したと思っているようなこともありません。

となると、子供の方が嫌がる、そんな秘密を背負って入学したくない、自分から告白して変な目に晒されるのも嫌だと後ろ向きになるかもしれません。

あるいは、著名人や資産家の子息は一般入試で入っても、変な目で見られるかもしれません。

ただ、カネで買えるものはカネで買ってもいいのです。

ファイティング原田は日本史上最高のファイターですが、もしあの2試合が敵地サンパウロでの連勝なら後世の評価はまた違った色を帯びていたはずです。

フィリピンが日本並みの富裕国で、マニー・パッキャオがマニラでしか戦ってなければ、やはり世界のボクシングファンの印象は違ったものになっていたはずです。

カネで買えるものもあれば、買えないものもあるーーー原田やパッキャオには他の選択肢がありませんでした。

しかし、カネで買えるものでも、カネで買うことに抵抗があるかどうか、つまり買わない選択をするのは個人の問題です。

目的駅に着いたので、この辺りで一旦お開き。

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フォーブスのアスリート長者番付(Highest-Paid Athletes )。

スポーツが投機対象になったことを改めて印象付けるトップ10になりました。

地球規模の圧倒的な人気を誇るサッカー。

富裕国でお金持ちが観戦も、自分でやることも楽しむゴルフ。

この二つのスポーツに中東のオイルマネーが流れ込み、アスリート長者番付の上位10人の合計報酬はコロナ前の2018年の記録(10億6000万ドル)を更新し、11億ドルを突破しました。

1億1000ドル(日本円で約150億円)を稼いでもトップ10に数えられない時代の幕開けです。

クリスチャーノ・ロナウドはサウジアラビアのクラブに所属、リオネル・メッシはやはりサウジアラビアの観光大使を務め、移籍の噂は絶えません。

キリアン・エムバペ が所属するパリ・サンジェルマンはフランスのクラブですが、カタールのファンド会社の子会社の所有物。

プロボクサーではカネロ・アルバレスが孤軍奮闘、5位に入りました。

ダスティン・ジョンソンとフィル・ニケルソン、二人のプロゴルファーの〝給与明細〟を見てください。かつてはOff-Field収入の多さが目を引いたこのスポーツで、その割合が5%を切っているのです。理由は簡単、サウジアラビアが規格外の賞金を用意したLIVゴルフトーナメントに出場したからです。

それにしても、ロジャー・フェデラーです。選手報酬が10万ドル、井上尚弥のファイトマネーよりも遥かに少ないのに、スポンサー収入が9500万ドル。毎年書いてますが、もはやアスリートではありません、テニスが得意なアイドルです。

そして、石油まみれになって必死で1億3000万ドル以上を稼いだメッシとロナウド、二人合わせても2018年のフロイド・メイウェザーの2億8500万ドルには届かないのだよ!まあ、油まみれになってせいぜい球遊びを楽しむがいい!

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1. Cristiano Ronaldo
On-Field: $46 million+Off-Field: $90 million=Total: $136 million 

2. Lionel Messi
On-Field: $65 million+Off-Field: $65 million=Total: $130 million 

3. Kylian Mbappé
On-Field: $100 million+Off-Field: $20 million=Total: $120 million 

4. LeBron James
On-Field: $44.5 million+Off-Field: $75 million=Total: $119.5 million

5. Canelo Álvarez
On-Field: $100 million+Off-Field: $10 million=Total: $110 million 

6. Dustin Johnson
On-Field: $102 million+Off-Field: $5 million=Total: $107 million 

7. Phil Mickelson
On-Field: $104 million+Off-Field: $2 million=Total: $106 million 

8. Stephen Curry
On-Field: $48.4 million+Off-Field: $52 million=Total: $100.4 million 

9. Roger Federer
On-Field: $0.1 million+Off-Field: $95 million=Total: $95.1 million 

10. Kevin Durant
On-Field: $44.1 million+Off-Field: $45 million=Total: $89.1 million 
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ボクシングが地上波から大きく舵を切って、完全にネット配信にシフトするまで、わずか数年しかかかりませんでした。

テレビ局の衰退により、より高いファイトマネーを保証できるネット配信にジム(興行主)と選手が一気に流れた構図です。

日本の場合、究極の現金ビジネスである「米国のPPV」とは違う、宣伝広告料を大量投下している「ネット配信企業」が支えているという危うさを孕んでいますが、その話はまた別に引き続きます。

この大きな転換は、プロスポーツ選手の報酬が世界的に高騰していることがアクセルの一つになったと考えられます。

そもそも、20世紀まで日本は世界最高レベルの豊かなスポーツ市場を抱えていました。

ファイティング原田は1960年代に、1試合で4000〜6000万円のファイトマネーを獲得していました。驚くべき金額です。当時のボクシング界で、軽量級では言うに及ばず、モハメド・アリを除くと全階級を通じても世界最高クラスだったはずです。

そりゃ、エデル・ジョフレでも誰でも呼べちゃいます。 

米国ではいまだに「マイケル・カルバハルvsウンベルト・ゴンサレス」のビッグファイトがジュニアフェザー級以下で歴史上最も注目を集め、最も高額のファイトマネーが保証された試合の一つですが、その10年前に活躍していた具志堅用高は全く羨ましいと思わなかったでしょう。

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1974年シーズンにベーブ・ルースの通算本塁打記録を更新したハンク・アーロンの年俸は、わずか20万ドル、当時の為替レート(1ドル300円)で換算すると日本円で6000万円。10年も昔にファイティング原田のわずか1試合で稼いだファイトマネーに過ぎませんでした。

それどころか、1974年の王貞治の年俸(5220万円)と比べてもほとんど変わりません。当時は他の選手の年俸を抑えるため、長嶋茂雄や王貞治らの年俸は過小に発表されていましたから、王がアーロンの年俸を遥かに上回っていたのは確実と見られています。

後年、落合博満が野球選手で史上初の年俸1億円を手にしたとき、野村克也は「落合が初めてじゃない。俺ももらってたし、長島や王はもっともらってた」と自慢げに語りましたが、あれは非常に浅ましい姿でした。

そのときに、他の選手の待遇改善のためにオーナーと交渉するなんてありえなかったかもしれませんが(それならカッコ良すぎますが)、後から「俺が先」というのは卑しいにも程があります。

また、1992年に開幕したJリーグが世界最高の報酬が得られるリーグであったことはよく知られています。



いま、大谷翔平が今オフFA権を行使、7億ドル以上のプロスポーツ史上最高契約を大幅更新してビッグクラブに移籍すると見られています。

しかし、大谷の価値がカネなどで測れるわけもなく、7億ドルなんてどうでもいいと見えてしまうのが大谷の凄さ。実際、二刀流を認めない球団には1京円提示されたとしても、彼は行かないでしょう。


黒田博樹の広島復帰を振り返るまでもなく、カネなんてどうでもいいことです。

もらったカネの額ではなく、何をやってのけたか、何を見せてくれたのか、それだけが全てです。



…なんて綺麗事をまず踏まえながら、どうして日本スポーツは世界に追い抜かれたのか、ネットストリームの風がどこに吹いているのか、という大きなテーマから、ロベイシ・ラミレスにいくら積んだのかという小さな興味まで、カネの亡者となって追いかけてゆきます。
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井岡一翔とジョシュア・フランコの再戦がABEMAのPPVでライブ配信されることになりました。

将来的には、多くの人が関心を寄せる、いわゆる〝ユニバーサル・アクセス権〟的な試合になれば、地上波テレビに帰ってくることもありうるでしょうが、そんなレア・ケースを排除して考えると、長らく井岡をサポートしてきたTBSの退場によってこのスポーツは生中継の地上波テレビから撤退したことになります。



具志堅用高が国民栄誉賞を取れなかった理由に「老若男女の誰からも愛されるスポーツではない」と挙げられたように、このスポーツは野球やサッカー、テニスなどとは一線を画し、マニア化の運命とは避けられない性格を帯びていました。

そして、その傾向は「ネット配信でしか見ることが出来ない」時代の到来で、加速的に進行するのは間違いありません。

そして、サッカーのW杯予選で噴出した「地上波で放送しなければならない!」という議論も、ボクシングには関係ないでしょう。

理想論を語ってしまうとどうしても、地上波テレビ生中継されるようなスポーツにならなければならない、と考えがちです。

野球やサッカーと同じステージでマイナースポーツの陸上競技なら、その方向を見失ってはいけないと思いますが、ボクシングはその競技性から同じステージではありません。

私も「地上波テレビから離れると、米国と同じようにボクシングは完全マイナースポーツに没落してしまう」と考えていましたが、もしかしたらボクシングは社会の成熟によってマイナースポーツに落ち着く遺伝子を

ファイティング原田の時代は、野球も相撲もスポーツ観戦は男性が中心でした。

社会が成熟、もっと性格な言葉で表現するなら、社会が進歩する中で、女性や子供も含めて多くの人が共感できるスポーツと、そうではないスポーツの色分けがハッキリしてきました。

同じ格闘技でも、女性ファンも獲得しているプロレスが「おっさんが喜ぶ暴力性」の色を薄くして「万人受けする演技性、運動能力、肉体美」を追求する色彩に大きく舵を切ってきたのは、ビジネス面では大正解です。

もちろん、ボクシングでそれは不可能です。

だとしたら、不可避のマイナー化・マニア化の中で、どこまでこのスポーツの存在価値を維持できるか、あるいは高めることができるか、が大きなテーマになります。

このブログでも繰り返していますが、欧米で全く関心が払われない軽量級、たとえば井上尚弥のような才能は「大谷翔平」に憧れるのではなく、「藤井聡太」を目指すべきなのです。

藤井聡太はビッグネームですが、将棋はボクシング以上にマイナーです。将棋の対局をずっと観戦して楽しんでいるファンは、ボクシングのファン以上に少ないでしょう。

将棋の特異性は、多くの日本人から尊敬されているという点に尽きます。そこには「井上なんて米国では全く無名」なんてチャチャが入り込む余地はありません。


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もちろん、ヘビー級やミドル級、ウェルター級なら話が根本から変わってきます。

ネット配信の長所は①日本全国どこでも見ることができる、②イベントを丸々見ることができるケースも多く、マッチメイカーの意図なども楽しめる、③テレビのある自室にいる必要がない、などボクシングファン個人としてはメリットだらけです。

ネットストリームの風はどこに向かって吹いているのか〜。まだまだ続きます。
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5月20日、ラスベガスはMGMグランドガーデンアリーナ。

中谷潤人がアンドリュー・モロニーと空位のWBOジュニアバンタム級王座を争うイベントのメインカードは、ライト級のUndisputed championship。

王者デビン・ヘイニーにウクライナのハイテク、ワシル・ロマチェンコが挑む非常に興味深いカードです。

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それなのに、です。

ヘイニーは無敗のAfricana-Americanですが、オーストラリア人のジョージ・カンボソスに2試合連続でメルボルンに引っ張り込まれたように、米国にファンベースを築くだけの人気がありません。

対するロマチェンコは伝説的なアマチュアキャリアを持つ超絶のテクニシャンながら、米国では異邦人、やはり人気がありません。

オッズは25歳のヘイニーが4/9(1.44倍)、35歳のロマチェンコが9/4(3.25倍)と、10歳の年齢差を反映した数字になっています。

このイベント、ESPNはPPVでの生中継を予定していますが、その価格は格安になる見通しです。

4月22日にやはりラスベガス、MGMグランドよりも大きなT-Mobileアリーナで開催されるガーボンタ・デービスvsライアン・ガルシアのノンタイトル136ポンド契約12回戦は単価84.99ドルですが、ヘイニーとロマのライト級(135ポンド)のUndisputed championship は59.99ドルに落ち着きそうだというのです。

リング誌も含めて5つのタイトルが賭けられる世界戦よりも、一つのタイトルもステイクされないキャッチウエイトの試合が、はるかに大きな注目を浴び、大きな興行になってしまうのです。

プロスポーツは人気商売。大谷翔平がMLB史上最高の報酬を稼いだ、その内容は選手としての報酬が3000万ドル、フィールド外が3500万ドルと破格のスポンサー収入に支えられています。

フィールド外収入2位はヤンキースのアーロン・ジャッジですが、その金額は〝わずか〟450万ドルに過ぎません。

MLBプレイヤーでフィールド外収入の方が多いというのは歴史上、大谷だけでしょう。

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大谷の場合はスポンサー収入が多い、つまり企業人気が非常に高いのはもちろん、選手報酬が低すぎるという、何が何だかわからない矛盾をいくつも抱えているプロアスリートですが…。

プロスポーツは人気商売、それはスポンサー収入に現れます…そうであるべきです…いいえ、そうでなければなりません。

しかし、プロボクシングの世界は人気が選手報酬に生々しいまでに反映されます。

テニスの優勝賞金は、人気選手でも無名選手でも変わりませんが、ボクシングでは違うのです。

バンタム級とヘビー級では同じ世界タイトルマッチでもファイトマネーは全く違います。

また、同じウェルター級でもフロイド・メイウェザーとテレンス・クロフォードは時代もファイトマネーも逆説的に大きく違います。

不条理が当たり前のプロボクシング。「デービスvsガルシア」と「ヘイニーvsロマチェンコ」の格差くらいは可愛いものかもしれません。
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4月22日、ネバダ州ラスベガス、T-Mobile arena。

136ポンドのキャッチウェイトでガーボンタ・デービスと、ライアン・ガルシアが激突します。

英国ヘビー級のメガファイトには及ばないものの、米国で実現できる最大のピッグファイトになります。

タンク・デービスは「試合が待ちきれない。スーパーボウルのハーフタイムショーのような興奮を届けたい」と息巻いていますが、スーパーボウルは地上波生中継、SHOWTIMEの PPVでは全米を揺るがす興奮は不可能です。

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それでも、タンクは「PPVで200万件以上売れるんじゃないか」と、期待を膨らませています。

PPVの販売件数で200万件というと記録的な大成功です。

過去に200万の大台をクリアした正真正銘のメガファイトは2007年5月5日(HBO:オスカー・デラホーヤvsフロイド・メイウェザー)240万件、2013年9月14日(SHOWTIME:メイウェザーvsカネロ・アルバレス)220万件、2015年5月2日(HBO+SHOWTIME:メイウェザーvsマニー・パッキャオ)460万件、2017年8月26日(SHOWTIME:メイウェザーvsコナー・マクレガー)430万件の4試合だけ。

米国ボクシング市場は永遠に続く下り坂を転がり落ちていますから、メイウェザーやパッキャオが今やったとしても同じ売り上げ規模にならないかもしれません。

タンクvsキングライ、100万セールスに届けは大成功と評価して差し支えないはずです。

さて、どんな数字になりますやら?


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How (and Why) Athletes Go Broke

どういう過程で、どういう理由で、トップアスリートが破産してしまうのか?

スポーツイラストレイテッド誌やESPNなど様々なメディアで問題提起された事案です。

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これが、ディエゴ・マラドーナやマイク・タイソンのような、一部の破天荒な人物が破産するのなら理解出来ます。

しかし…。

引退5年以内にNBA選では60%、NFLでは引退2年以内で78%もの選手が破産、MLBやNHLでもこれに準ずる数字に達しているのです。

米国の4大スポーツは統括団体による引退後の年金など福祉制度も充実、短い期間で過半数の選手が生活に行き詰まるというのですから衝撃的です。

一生贅沢に遊んで暮らせる大金を手にしながら、どうして彼らは破産してしまうのでしょうか?

よく言われる4つの要因は、①現役時代からの浪費癖が抜けない、②短期間に生涯報酬のほとんどを手にする、③教育レベルが低く人生設計が出来ない、④取り巻き連中らの投資話に騙される…。

これが、日本人なら③④のリスクはかなり軽減されるのでしょうが、タイソンやフロイド・メイウェザーは③④も重くのしかかる典型です。

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そして、4大スポーツで見るとその年俸と現役生活の平均値はNBAで550万ドル/4.8年、MLBで340万ドル/5.6年、NHLで240万ドル/5.5年、NFLで190万ドル/3.5年。

今更ですが、ボクサーと比べると選手寿命の短さにあらためて驚いてしまいます。

アスリートの報酬というと、大谷翔平が昨季550万ドルから今季は1年契約3000万ドルへ。

来期以降は複数年契約が確実、10年7億ドル以上との報道も見られます。これにロジャー・フェデラー並みと言われる世界最高レベルのスポンサー収入が上乗せされるわけですから、大橋秀行の大嘘とは違う、本物の「天文学的数字」に膨らみそうです。

カネロ・アルバレスとフロイド・メイウェザ史上最も稼いだボクサーと並べても、来季以降で大谷が一気に引き離す公算大。

日本での社会的ステイタスやMLB年金なども含めた将来の安定性でも、ユニコーンと比較するのはカネロとマネーが可哀想になります。

冗談抜きに米国での認知度は、とっくの昔に大谷>>>メイウェザーかもしれません。

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フロイド・メイウェザーが日本時間の今日26日、ロンドンで総合格闘家のアーロン・チャルマーズとエキシビションを行いました。

今回は、リング誌もESPNも〝本誌〟では扱いませんでした。

2018年に那須川天心、2021年にローガン・ポール、2022年にはドン・ムーア、朝倉未来、デジ・オラトゥンジと、茶番劇はこれで6試合目(ネバダ州アスレティック・コミッションが公認したコナー・マクレガー戦も数えると7試合目)。

日本で開催した2試合を除くと、世界的な注目度は過去最低でした。

メイウェザーのエキシビション商法は、このままジリ貧を辿ると思われます。




タイソン・フューリーと、フランシス・ガヌーのオープンフィンガーグローブによるボクシングマッチならマクレガー戦だけでなく、マニー・パッキャオ戦も上回る格闘技史上最大の興行になる可能性もあります。

エキシビション商法が廃れたというよりも、メイウェザーブランドに錆がついてきたという方が正確かもしれません。

ただ、いずれにしてもこのビジネスは〝焼畑農業〟です。

メイウェザーはエキシビションのリングでは、1ミクロンのレガシーも積み上げていません。貯金を取り崩していくような行為ですから、注目度がジリ貧になるのは当たり前。

「フューリーvsガヌー」 も、ボクシングと総合格闘技の最強階級の巨人が 撃墜する、つまり2人の看板を燃やして灰にする作業です。

ボクシングファンの1人としては、メイウェザーはメイウェザーのままで幸せに暮らして欲しいと願っていますが…。 
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昨年のカタールW杯。放送権の高騰で地上波テレビの手が届かなくなった中で、ABEMAが全64試合を無料配信しました。

この大会で日本代表が予選突破を決めた豪州戦は地上波での放送は無し、DAZNの独占中継に。

観戦スポーツはビジネスであり、経済原理で動いているのは当然です。

しかし、ABEMAやDAZNの積極的な攻勢が利益につながっているか、というと誰もそうとは考えていません。

このブログで何度も繰り返してきましたが、彼らは採算を無視して実験を行っているだけです。

ABEMAは10〜12月期の連結決算で93億円の赤字、次回のW杯への取り組みについては方針を明らかにしていないことからも、実験が成功だったとは考えていないでしょう。

また、DAZNも豪州戦が昨年配信したスポーツの中で飛び抜けた視聴者数を記録したとしながらも、昨年2月に月額視聴料を1925円から3000円に、今年2月にはさらに3700円と、あり得ない値上げを繰り返しています。

日本サッカー協会の田嶋幸三会長は豪州戦のあとに「残念なのは、子どもたちがパッとテレビをつけて代表選手を応援したいと思っても見られないこと」「誰もが見られるような環境にしなければならない」と発言しました(読売新聞)。

英国の放送法では、公共性の高い人気スポーツ(サッカー・競馬・テニス・ラグビーなどのピッグイベント)を指定し有料放送局による独占中継を禁止、地上波無料放送されるユニバーサル・アクセス権を認めています。

田嶋会長は「サッカーだけが特別ではなく五輪とか、相撲とか日本の文化としてのスポーツをしっかり守っていかなければならない」とも語っています。

では、公共性の高い人気スポーツではないボクシングでは、有料放送局による独占中継はやむなしなのでしょうか?

私はそうとは考えません。

彼らがやっている実験は、放映権料をいたずらに釣り上げ、市場を混乱させているだけです。芳しくない実験結果が積み重なると、市場から撤退という選択を取るのは明らかです。

そうなると、放映権料は下がるでしょうが、マニアを囲い込む実験によってファンの裾野は無惨にえぐられ、削り取られているでしょう。

彼らの実験は、競技の発展を妨げる危険因子の可能性を孕んでいるのです。

スポーツや文化の場合、短期的なビジネス視点だけでなく、競技振興につながる未来を俯瞰した視点が欠かせません。

米国ボクシングが凋落した原因は、世界タイトルと階級の大量生産だけではありません。一般のスポーツファンが興味を示す可能性のあるビッグファイトをPPVという視聴料がバカ高い小さな箱に閉じ込めてきたからです。

〝格安(あるいは無料)の小さな箱〟の井上尚弥の場合、高額のファイトマネーを支えているのは実需ではなく、完全な実験によるものです。

DAZNは、カネロ・アルバレスとの総額3億6500万ドルの契約を反故にしました。

井上を支えるNTTグループやAmazonプライムが、いつ実験を終了するのか誰にもわかりません。

現段階での井上への投資は、W杯ほどではないものの赤字であることは、間違いありません。

そして、ボクシングの地上波離れはますます加速しています…。
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