歌舞伎や能などは、究極のコネ・世襲で成り立っています。

この芸能を家柄や国籍も超えて完全開放すると〝競技レベル〟は格段に上がり、芸や舞台の幅も飛躍的に広がるのは間違いありません。

しかし、最も大切にすべきファンのほとんど全てが、歌舞伎などを愛している一番の理由は家柄や伝統であることを考えると「こんなのギルドだ」と無理やり解放すべきではないでしょう。

ただ、大相撲も含めて、莫大な税金で援助する必要は全くないと思います。

サッカーや野球ではデフォルトのホーム&アウエーは、ボクシングになるとAサイドとBサイドという真逆の構図に置き換えられます。

没落する米国ボクシングでは、人気クラスのライト級でもデビン・ヘイニーが2戦連続で敵地オーストラリアのリングに引っ張り込まれるなど、そこに横たわっているのは非常に分かりやすい経済力学です。



話は一旦横道に逸れて、前回「絶対にそうすべき」と書いた、莫大なカネや巨額の利益につながるコネを使った大学への〝裏口入学〟です。

〝裏口入学〟という表現がおかしく〝特別優待入学〟と公表して構いません。

この部分がグレーなままだから、日本の大学は優秀であっても貧窮する理由の一つになっています。

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歌舞伎座の屋根瓦。

前回のコメントで下記のような意見が寄せられました。

「偽物を一つ押し込めば、本物が一つ押し出される。10押し込めば10失われる。充実した設備とは比べ物にならない損失です。そして過半数がそうなればすべてが崩壊します。だからこういうことは寸分も肯定的なことを言うべきではないと思います。」

まず、大学は小さなミカン箱ではない、ということです。さらに、特別優待枠ですから〝彼ら〟の入学によって本来合格してきた受験生が割を食うこともありません。

もっというと、早稲田大学などは言うに及ばず、東大ですら100億円はおろか10億円の寄付でも過半数の受験生から集められることなどあり得ません。

10億円規模の特別枠で10人入学してくれたなら、一つの研究棟を刷新することが出来ます。

世界的に優秀な教授や研究者を招聘することもできるでしょう。

政府が年数百億円を支援する「国際卓越研究大学」のような取り組みは、選考過程がそれこそ不透明です。透明性のある特別枠ではない、コネクションだけで見返りが中〝裏口入学〟と同じことになりかねません。

私は大学相手のお仕事もしていて、中には「特別枠は反対」という人もいますが、その理由は「どこまで公表するのか?」「個人が特定されると莫大なカネを提供しながら、理不尽な社会的攻撃に晒されかねない」「あり得ないけど個人が特定できない体制を構築しても、あらぬ風評を流すバカも出てくる」…というものです。

ここでいう特別枠は、個人名はもちろん公表しませんが、何人入れて合計いくらの資金が提供されたかは明らかにする、というものです。

そして、親がこっそり手を回して子供は一般入試で合格したと思っているようなこともありません。

となると、子供の方が嫌がる、そんな秘密を背負って入学したくない、自分から告白して変な目に晒されるのも嫌だと後ろ向きになるかもしれません。

あるいは、著名人や資産家の子息は一般入試で入っても、変な目で見られるかもしれません。

ただ、カネで買えるものはカネで買ってもいいのです。

ファイティング原田は日本史上最高のファイターですが、もしあの2試合が敵地サンパウロでの連勝なら後世の評価はまた違った色を帯びていたはずです。

フィリピンが日本並みの富裕国で、マニー・パッキャオがマニラでしか戦ってなければ、やはり世界のボクシングファンの印象は違ったものになっていたはずです。

カネで買えるものもあれば、買えないものもあるーーー原田やパッキャオには他の選択肢がありませんでした。

しかし、カネで買えるものでも、カネで買うことに抵抗があるかどうか、つまり買わない選択をするのは個人の問題です。

目的駅に着いたので、この辺りで一旦お開き。