カテゴリ: プロボクシングが好きなのである。

2022年にボクシング・マガジンとThe Ring magazie が相次いで廃刊。

デジタル化の波に紙媒体が飲み込まれるという図式はボクシング専門誌だけのことではありませんが、ボクマガもリング誌もそもそもの問題として販売不振に喘いでおり、リング誌に至っては1989年の1年間も休刊を余儀なくされていました。

さて、デジタルバージョンの維持も危ぶまれていたリング誌ですが、サウジアラビア資本の注入で息を吹き返すかもしれません。

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11月9日、静かな土曜日の白昼に振り返るのは The Ring Magazine 2014 December 。

ちょうど10年前の今頃に、The Ring magazine の青封筒に入ったコイツが我が家のポストに投函されてたはずです。

表紙はバーナード・ホプキンス。

ミドル級で絶対王政を敷いたThe Executioner(死刑執行人)は40歳過ぎどころか50歳を過ぎてもライトヘビー級のタイトルホルダーとして第一線で戦い続け、The Alien(地球外生物)に昇華しました。

51歳まで世界トップクラスでリングに上がり続けたB-HOPを人気と報酬で大きく凌いでいたのが、マニー・パッキャオ。15ページにわたってクリス・アルジェリとのメガファイトが特集されています。

劣化が顕著でアルジェリの大番狂せの予想もありましたが、結果はパッキャオの圧勝。

現在は鋭い分析と予想で人気の専門家となったアルジェリですが、先日も「パッキャオと戦うことで満足してはいけないのはわかっていたが、それほど偉大な存在だった。あの日から私は人生が変わった。パッキャオと戦った男になったんだ」と振り返っていました。

この号でも予想を寄せている「パッキャオにしか負けなかった男」ティモシー・ブラッドリーも「パッキャオ戦が決まるとロードワークで声をかけられることが激増した。戦う前に人生が変わった」。

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アルジェリ戦のプロモーション、ドジャースタジアムで始球式をつとめるパッキャオ。もちろん左投げです。サンフランシスコ・ジャイアンツの始球式もつとめるなど、ベースボールパークに招かれることの多かったパッキャオは「(バスケなら得意だが)小さいボールは苦手」と言いながらも、なかなかサマになっていました。

WBCフライ級王者から人気階級にのし上がり、冒険にもほどがあるマッチメイクを二つ返事で受け「自殺行為」と嘲笑されながらも大番狂せを何度も起こしたパックマン。米国では軽蔑の対象になりやすい「小さなアジア人」でも、大冒険を勝ち抜くとファンが付いてくることをリングの中で証明して見せました。

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試合結果・内容を伝えるRINGSIDE REPORTSの筆頭はPFPランキング急上昇中のローマン・ゴンサレスと、激闘王・八重樫東の魂の一戦。

10年ひと昔。

ホプキンスもパッキャオも、激闘王もリングを去ってしまいましたが、チョコラティトはまだジュニアバンタム級のトップ戦線で踏ん張っています。

ホプキンスやパッキャオのように、チョコラティトにも時計の針を逆に動かす特殊能力があるはずです。

老人狩りと弱いものイジメが専門のバムを攻め落として欲しいですね、ぜひ。

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THE RING MAGAZINE は、私にとって最も特別な雑誌でした。

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全く需要がない、誰も読んでない雑誌にもかかわらず、高校の図書室は「スポーツ・イラストライテッド」や「リング誌」を定期購読していました。

今では考えられない、全く無意味な無駄遣い〝昭和の予算感覚〟の典型でしたが、私はその恩恵を思い切り享受していました。

しかし、卒業してまもなく、全ての定期購読が廃止され(生徒へのアンケートでも反対意見は一人もいなかったそうです)、それどころか利用者の少ない図書室まで縮小されてしまいました。

卒業した私には関係のないことでしたが、そのことを知らせてくれたのは元担任の先生で「雑誌のバックナンバーも含めて廃棄処分になるが欲しい雑誌があるなら取っておく」と連絡がありました。

今なら「仕事を休んですぐにそこに行くから何も捨てずにそのままにしておいて」と飛んでいくところですが、当時は東京での大学生活が忙しく、楽しく、高校時代の思い出がどれほど貴重なものなのか、愚かなまでにわかっていませんでした。

「必要ないので大丈夫です」と、先生に伝えてしまいました。

バックナンバーといっても1960年代半ば頃から1980年代半ばまでの約20年間、合計250冊全後、大きな書架に並べると一段に十分収まる量でした。

社会人になってからもほとんど抜けることなく定期購読していましたが、引っ越しなどのタイミングで実家に送ったり、処分してしまい、手元にあるのは2010年〜の新しいものだけです。

雑誌は貸出不可、校外への持ち出し禁止でしたが、ちょっと拝借して映画館のロビーなどで開演前の時間に貪り読んだらしていました。

ちょうど創刊100周年の節目を迎えた2022年に廃刊してしまい、デジタル版で生き残ってきたリング誌ですが、デジタル版の大幅リニューアルに向けて現在「工事中」。

ボクシング専門ネットメディアの中でも存在感がどんどん希薄化していたリング誌ですが、ブランドとしてのThe Ring は世界中のマニアが認めるところです。

ブランド価値が高い、といってもボクシングシーンやボクシングニュース24などと比較してというゴミ比較ですが。

さて、続報を待ちましょう。





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ボクシングファンには、即答できない質問があります。

一番のお気に入りのファイターを1人だけ教えて下さい。


私は熱狂的なパッキャオマニアです。

しかし、最初に知った世界チャンピオンは具志堅用高で、しかも何度目かの防衛中のカンムリワシでした。

マービン・ハグラーを中核にしたミドル級ウォーズ、そこにシュガー・レイ・レナードとトーマス・ハーンズ、ロベルト・デュランが合流する化学反応は、「ボクシングはヘビー級(最強)とそれ以外」とオールドファンから笑われても、そこでマーケティングされたPFPやクローズドマーケットの成熟による「興行規模ではヘビー級を超えた」という詭弁術に、非常に面白い仕掛けだと感動し、あまりにも鮮烈で心揺さぶられる戦いに「詭弁だからダメ」「ヘビー級でなきゃダメ」ではなく、面白ければそれでいいと納得していました。

ハグラーはチャンピオンでないのか?レナードは見せかけか?デュランが弱いか?ハーンズの強打に戦慄したのは錯覚か?ーーーーー全てNO!です。

ハグラーとレナード、どちらが好きか?と聞かれて即答できるボクシングファンはいません。

そんなことを質されたら、めんどくせえな、という顔を一応しながら「話が長くなるぜ」と笑いを堪えるのです。






進学して上京した頃、ボクシングは日本でも米国でも、ここまで没落していませんでした。

日本のスポーツファンにとって「国際試合」といえば、サッカーW杯でもなく、もちろんMLBのワールドシリーズでもありませんでした。

国際試合といえば、ボクシングでした。その地位は徐々に液状化していた時代でしたが、世界タイトルが日本でバーゲンセールされているほどの軽薄さはありませんでした。

そんな時代、マイク・タイソンは現在のリオネル・メッシよりもはるかに人間離れした超人の扱いだったのです。

人間離れした超人というと大谷翔平の方がはるかに上でしょうが、The baddest man on the planet という表現はタイソンやソニー・リストンなどほんの一部のファイターだけに許された〝称号〟です。

大谷がどんなに頑張ってもThe baddest man on the planet と呼ばれることはありません(呼ばれたくもないか?)。

東京ドームの柿落とし。

〝アイアン〟マイク・タイソン。

トヨタ自動車にサントリー。ドームに隣接した当時日本最大の展示会場プリズムホールが外国人記者に解放された、正真正銘の世界タイトルマッチ。

井上尚弥とルイス・ネリの試合で海外から何人の記者が来日したのでしょうか?もしかしたらゼロかもしれません。

WBSSの決勝戦、井上vsノニト・ドネアでは来日した当時リング誌のトム・グレイ記者が「米欧から来たメディアは私1人だけだった」と誇らしく語っていたことからも、人気階級とそうではない階級の米欧での注目度は比較してはいけません。

そこにフォーカスしてしまうと、軽量級の面白さ、つまりボクシングの面白さから離れてしまい、ただの金持ち自慢になってしまいます。


日本でもいまなお人気のあるタイソンの中で、最も有名な日本人ボクサーは誰でしょうか?

言わされてる感満載で、いまだにまともに発音できていない井上尚弥でしょうか?

どのテレビ局が仕掛けた日本人の世界チャンピオンの取材や、滞在ホテルの公開を頑なに拒否したタイソン陣営の一月限りの要塞・ホテルニューオータニの客室上階を貸し切ったワンフロア。

そこに通されたのは、白井義男ではありませんでした。スイートルームの寝室にピン留めされたブロマイドは具志堅用高ではありませんでした。

日本での最初の試合が決まったタイソンは、この極東の国がどこにあるのか地理的な位置は知りませんでしたがJAPANというアジアの国があることは、たった1人だけ知るジャパニーズの存在からわかっていました。

彼は、プローモーターの日本人の名前をしっかり覚える気はありませんでしたが、キャッツキルの薄暗い応接室で繰り返し勉強した教科書(ビデオ)にひとりの日本人も躍動していたのでした。

一般教養の欠如したタイソンが日本を知っていることに驚いた記者に、The baddest man on the planet はたった1人だけ知っている日本人の名前を挙げました。

記者は「彼が訪ねてきてくれるかもしれないぞ」というと、タイソンは「まだ生きているのか」と驚いたといいます。

タイソンの中では、ファイティング原田はモノクロビデオの中で「黄金のバンタム」を攻略する伝説そのものだったのです。

ところが、当の日本ではタイソンが超過大評価、原田は超過小評価、非常に面白い構図です。

ボクシングファンの中には「名トレーナーを1人挙げて」と聞かれて「ケビン・ルーニー」と胸を張る人までいそうです。

それどころか歴代PFP1位はタイソンと譲らない人もいそうです。もちろん、PFPは妄想なのでどうでもいいのですが、それが世界の主流の意見と思い込んでそうなのが、不思議というかどうしてそうなってしまったのかが、わかりません。

ESPNでもリング誌でもそんなランキングはないはずなのですが。。。



さて、

一番のお気に入りのファイターを1人だけ教えて下さい。


そう聞かれて1人だけ教えることはできませんが、マイク・タイソンはその中の1人です。




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週刊 英国ボクシングニューズ誌、10月24日号です。

もう11月7日。ロンドンから極東の島国に住む酔っ払いんちのポストに辿り着くまで、2週間近くかかるのです。

もちろん、デジタル版では10月24日に読めますが、紙バージョンは2週間後。

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今夜は「やっぱり紙はええなぁ〜」という、老兵の泣き言ではなく、この表紙です。

英国ボクシングが大好きというマニアではなく、ボクシングファンとしてこの2人のファイターが誰なのかをすぐにわかった人は、かなりのボクシングマニアです。

https://fushiananome.superknova.org/archives/cat_376282.html


ボクシング最大の魅力は、二つの拳、それもナックルパートのみで戦うことが許された、武器面積が世界一狭くて小さい格闘技にもかかわらず、途轍もなく繊細で複雑で高等で、ありえないことですが、ときには上品さすら見せてくれるスペクタクルです。

そして、そんな競技の側面だけでなく、長い歴史や、その土地で育まれた文化、「テロワール」とも呼ぶべき遺伝子の躍動です。

この表紙のファイター2人は、英国以外の国で大きく取り上げられることはありえませんが、ムスリムと黒人の英国人ファイターには物語を避けては通れません。

話は飛んで、さまざまなスタイルで戦う日本人ボクサーのテロワールは、フォームでもメカニクスでもなく大和魂でしょう。

堤聖也のような火の玉ファイターはもちろん、那須川天心のような転校生ですら、誰から受け継がれたものでもなく、その遺伝子をしっかり持っているのです。

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流行語大賞は1984年から始まり、1991年からは年間大賞(複数)も創設されましたが、振り返ってあらためて驚くことは、プロ野球からの選出が異常に多いこと。

この国の事実上の国技が何なのかを、如実に物語るリストになっています。

流行語大賞の始まりが1984年ではなく1954年であったなら、1970年代まではプロボクサー関係の流行語が野球を圧倒していたはずです。

そうだとしても、1976年の「カンムリワシ」(具志堅用高)を最後に、ボクシングはこのリスト上では絶滅ですが。

これからも、マイナースポーツに転落したボクシングから流行語大賞が生まれることはまず、ありえません。

例外として考えられるのは、本物の人気階級でビッグネームのスター選手を撃破する日本人が登場するならーーーその会場になるかもしれない「ラスベガスのザ・スフィア」や「ロンドンのウェンブリースタジアム」、そのファイターのフニッシュブローが大賞に選ばれるかもしれませんが…。



しかし、メジャーかマイナーかを決めるのは多数決ではなく、個人の感覚です。

というわけで、ボクシングの社会的ステイタスが没落した1984年以降の〝幻の流行語大賞〟を独断と偏見で選んでゆきます。


とりあえず、今年2024年は「バンタム級4団体独占」でしょうか。

日本版FOUR KINGS として大きな話題を呼び、この話題はスポーツニュースだけでなく一般ニュースや情報番組でも「きょうのFOUR KINGS 」として連日報道されるのでした。



2023年は井上尚弥の「SUGAR RAY ROBINSON AWARD」で決まり。

シュガー・レイ・ロビンソンの伝記が日本でも翻訳され、ベストセラーになるなど大ブームを巻き起こします。

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2022年はなんだかんだで「ボクマガとリング誌のW廃刊」か。

ボクマガはもちろん、リング誌の最終号は、日本の書店でも平積みされるほど大きな関心を集め、記録的な販売部数をマーク。両誌は廃刊を取りやめるどころか週刊誌として再出発。


ーーーさて、まだまだ続きます。
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ホテルグランドパレス九段下。

靖国神社にほど近く、つまり直ぐそこにある日本武道館で行われるようなボクシングのビッグファイトは、この大きなホテルで記者会見などが開かれていました。

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メキシコ製のグローブは「肉(ナックル部分のパッド)がうすい」のですが「軽い」というのは間違い。当時の軽量級は6オンス共通でした。


もちろん、日本武道館で激闘を繰り広げた世界バンタム級タイトルマッチ、俺たちにとって永遠の Fight Of The Year 「ホセ・メンドーサvs矢吹丈」の記者会見も、ここホテルグランドパレス九段下で行われました。

ホセが宿泊したのも、間違いなくホテルグランドパレス九段下だったはずです。

しかし、コロナ禍による経営不振から2021年に営業終了、取り壊されてしまいました。

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今では解体が進み、往時を偲ぶことは出来ません。

営業終了前の駆け込みでホテルの鮨を旧友2人とつまんだのは、もう3年も前のこと。

思い入れのある、古き良き日本の高級ホテルでした。

この広い跡地には、おしゃれなお店がたくさんテナントする商業施設になって、ホセが泊まったことなど知りもしない奴らがウヨウヨ集まって来るのでしょう。

私が三菱地所の権力者なら、日本武道館サブアリーナを作って地域タイトルレベルの試合の聖地にしてやるのですが…そんなことしたらすぐに経営不振に陥ってまた解体されそうです。


https://www.grandpalace.co.jp/pdf/hgp0930.pdf


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今朝も盛り上がりまくりのMLBポストシーズン。

「もう一つも負けられない、追い込まれましたね」と聞かれたメッツのカルロス・メンドーサ監督は、落ち着き払って、こう答えました。

This is who we are. We don't have tomorrow, but this is not the first time. So there's nothing new.

NHKのアナウンサーさんは「メンドーサ監督は、私たちには明日(あした)はないと言いました」と、訳しました。

えー!!!

ここは「俺たちに明日(あす)はない」しかないでしょ!!!と反射的に思いましたが、よくよく考えてみると、このアナウンサーが映画「俺たちに明日はない」を観ていない、あるいは知らない可能性があることに気づきました。

私の中での絶対常識が世間と大きく乖離しているということはよくあることで、私の常識であるカネロ・アルバレスを知らない、知ってても井上尚弥と井上直哉どちらが正しいかわからない、そもそも井上尚弥を知らない、TJドヘニーって人名かどうかすらわからない人も当たり前に大勢います。というか、そっちの方が圧倒的大多数でしょう。



原題「
Bonnie and Clyde」(1967年ワーナーブラザーズ)の邦題が「俺たちに明日はない」。

初めて見たのは高校時代、学校に馴染めず世間のハミ出し者の自覚を強烈に抱いていた青い私の真っ芯を撃ち抜く映画でした。

ワーナーは当初、B級映画、駄作とみなしていました。

プロデューサーと主演をつとめたウォーレン・ベイティは提示されたあまりにも低い報酬に怒りを覚えながらもサインします。

そして、その代わりに収益の40%を支払う契約を結ばせたのでした。ベイティは大富豪になりました。

「俺たちに明日はない」もまた、痛快極まるパックマンです。

This is who we are. We don't have tomorrow, but this is not the first time. So there's nothing new.

これが俺たちの俺たちである所以だ。ここから逆襲が始まるのさ。俺たちに明日はない。だが、こんなことは慣れっこだ。俺たちは全くいつも通りに逆転してみせるさ。

 
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もう昨夜の出来事になってしまいましたが、基本的に自分が応援する日本のファイターを「おそらく惨敗するだろう」と予想することがあります。

「応援」と「予想」は全く別物です。当たり前ですが。

IBFジュニアフライ級王者シベナティ・ノンティンガ に挑戦した矢吹正道もまた「応援すれどもおそらく惨敗」と考えていました。

矢吹に勝機があるとしたら、序盤で一気に主導権を握って押し出す展開しかないと考えていました。

ところが、序盤の矢吹は慎重な立ち上がり。スピードは予想通りノンティンガが上でしたが、圧倒的な差ではなく、パワーパンチは互角以上。

前半の第6ラウンドまでは決定的な場面はなく、矢吹が前に出てノンティンガがロープに詰まる場面もあり「矢吹のパワーは予想以上」と見た王者サイドが、どのタイミングで流れを変えるBプランを発動するのかと見ていましたが…。

後半に入って、王者は前に出る圧力を強めたようにも見えましたが、敵地で劣勢という状況を押し返すほどの気迫は全く見えず。あとから思えば、もう前半で矢吹のプレッシャーがかかっていたのでしょう。

第8ラウンドに右の打ち下ろしで最初のダウンを奪うと、続く第9ラウンドにも2度のダウンを追加してフィニッシュ。

正直、逆のパターンが私の予想でした。

これ、自分の予想通りに試合が進み終わるよりも、はるかに気持ちの良い形です。

「矢吹正道!疑ってすまなかった!」。

潔く自分の間違いを認めます。そして、素晴らしい勝者にお詫び。

最高です。

マニー・パッキャオには、こんな爽やかな気持ちに何度もさせていただきました。パッキャオを思い出すような、番狂せと呼ぶにはあまりにも安定した勝ちっぷり。




PFPファイターの寺地拳四朗と、階級最強王者ノンティンガをKOしてタイトルを強奪した矢吹、最高に素敵な男だぜ、おめでとうございます。



矢吹は勝利者インタビューで「国歌斉唱のとき、家族が(会場の大画面に)抜かれたとき、ジーンときた」と話しましたが、私は「あんな小さな、それでも完全に物心ついている可愛い娘さんをこんな危険な試合に呼ぶか?」と、その神経を疑いました。

さすがです。私みたいな中途半端に生きてる男とは違います。

家族で史上最高の幸せな夜を堪能してください。

さらに「自分は打たれ弱いので。デメリットは知っている。そこは十分警戒していた」という言葉も、私の勝手な心配も全く杞憂な心構え。

これでPFPに入るわけもありませんが、タイトル返上でフライ級でもアルファベットのピースを拾えば、十分に可能性があります。

この週末、ボクシングだけでもキーファイトが溢れてて、野球は日米で大盛り上がり、なかなかゆっくり「近い将来、日本人がPFPの過半(5人以上)を間違いなく占める」というお話をさまざまな角度と根拠から進めようと思ってましたが、時間がありません、またどこかで。


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Surpassing Expectations. As Expected.

MLBがロスアンゼルス市内で展開している大谷翔平の広告に添えられた言葉です。

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「ヤツはいつだって期待を超えたことをやらかす。そう、期待通りに。」と素直に訳すのがベストですかね、これは。



Pugilist とボクシングに特化するつもりでしたが、すでに脱線…。



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あな 2024/09/29 04:40


フシ穴の眼
結局のところ
ローカルコミッションがいくつもの 認定団体を
認めてた理由って何でしょうか

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今回はプロボクシングを堕落させた認定団体、Sanctioning bodies です。

多くのボクシングファンが勘違いしていますが、WBAなどは統括団体、Governing bodyではありません。

Sanctioning bodiesは世界タイトルを認定するだけの機関で、チャンピオンベルト販売を含む認定料で成り立っています。

他のスポーツではSanctioning bodiesなど、存在しません。それはGoverning bodiesの仕事の一部、というよりも、わざわざ認定しなくともチャンピオンが決まるシステムがしっかり確立されているからです。

プロボクシングの場合はSanctioning bodiesが作ったデタラメランキングにそってタイトルマッチが行われますから、どうしてあんな選手が王者になるのか?いやそれ以前になぜタイトルに挑戦できるのか?という摩訶不思議なタパレス現象があちこちで起きています。

「(世界王者に返り咲けたのは)スライマン会長のおかげ。何度も何度もチャンスをくれた」(辰吉丈一郎)、「(他団体王者との試合について)WBCには恩義がある」(長谷川穂積のマネジメントを手がける山下正人)なんて発言がテレビカメラの前で堂々と発せられ、まだ試合前というのにヒルベルト・メンドサWBA会長が「息子さんには是非タイトルを取って欲しい」と亀田史郎にミニチュアベルトを贈呈して〝予祝〟を行うのですから、こんなものスポーツではありません。

認定団体にとって貧困ビジネスである軽量級ですが、日本のスター選手は別格。日本人ボクサーをランキングを始めあらゆる面で優遇するのは当然です。

北口榛花はパリ五輪で獲得した金メダルに1円も支払っていませんが、井上尚弥は4つのベルトをそれぞれ40万円前後で購入し、その他にもファイトマネーの3%に相当する認定料を各団体に徴収されているのです。

ファイトマネーが100万円なら3万円*4団体=12万円。WBOは統一戦に限り1%割引制度(何なの割引制度って???)があるので、合計11万円になります。消費税を上回る結構なパーセンテージです。

認定団体がカネロや井上に指名試合を強要しない理由はたった一つだけです。もし、ドヘニーごときにタイトルが渡ったら、認定団体は速攻で剥奪工作に乗り出すでしょう。

認定団体はオレクサンデル・ウシクに早く負けて欲しいのです。できればアンソニー・ジョシュアが統一王者になって、ロンドンやリヤドで巨額の認定料が稼げるメガファイトを繰り返して欲しいのです。

同じ世界タイトルマッチでもストロー級のペドロ・タデュランと、スーパーミドル級のカネロ・アルバレスが支払う認定料は全く違う別次元の金額になるのですから、当然です。

引退後のアンドレ・ウォードが「こんな狂ったスポーツはない」と認定団体を罵倒したのも当然です。

ちなみにリング誌ベルトは無料。「王者に勝った者が王者」というチャンピオンシップ制度の原理原則にしたがっているので、認定する必要もありません。

そして、日本でボクサーのファイトマネーが公表されない原因はいくつもありますが、その理由の一つがこの認定料です。

対外的には興行やボクサーの存在を示したいから大きな金額を見せたい。その一方で、認定料はなるべく少なく抑えたいということです。

「井上尚弥の今回のファイトマネーは4億6827万円」なんて、ネバダ州アスレティック協会式に発表したら、認定団体が「おいおい、大橋会長から口頭で伝えられてたのと随分違うぞ」と色めき立つだけです。

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井上尚弥も選出された最高名誉「シュガー・レイ・ロビンソン トロフィー」は無料で贈呈されます。それが当たり前ですが


Q:結局のところ ローカルコミッションがいくつもの 認定団体を認めてた理由って何でしょうか?


A:試合前に「JBCはこの試合をWBA世界バンタム級タイトルマッチと認定する」というコミッショナー宣言を聞いたことがあるはずです。

そうです。認定料はコミッショナーにも支払われるのです。コミッショナーが認めて、初めて公式戦となります。

この認定料も徴収率によって決まりますから、興行規模が大きいほどコミッションも潤うわけですから、多くの団体を認めるのが得策です。もちろん、そこにはタイトルの価値が下がり、一つ一つの興行規模が縮小する薄利多売のデフレスパイラルにはまりこんでいく、ボクシングの社会的ステイタスが下落するという最悪の事態が待ち受けているのですが…。

JBCが長らくIBFとWBOを認めなかった表向きの理由は「タイトルの価値が下がるから」でしたが、既存権益を守ろうとするWBAとWBCからの働きかけもあったでしょう。



話は脇道にそれますが「タイソン・フューリーvsフランシス・ガヌー」と「那須川天心vsフロイド・メイウェザー」は全く同じ種類の茶番劇ですが、前者は公式戦で後者はエキシビションでした。

前者はBritish Boxing Board of Control(英国ボクシング管理委員会)が認定したからです。そして、後者はJBCが認定しなかったから。その一点だけの違いです。

興行的にはメガファイトになること間違いなしの天心vsメイウェザーを認めるどころか「ボクシングという名前を使うな」と嫌悪感をあらわにしたJBCを正義と潔癖の団体と勘違いしてはいけないことは、ここで語る必要はないでしょう。





さあ、ユニコーンが三冠王へ。絶対不可能の戦いが始まります!

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