もう昨夜の出来事になってしまいましたが、基本的に自分が応援する日本のファイターを「おそらく惨敗するだろう」と予想することがあります。

「応援」と「予想」は全く別物です。当たり前ですが。

IBFジュニアフライ級王者シベナティ・ノンティンガ に挑戦した矢吹正道もまた「応援すれどもおそらく惨敗」と考えていました。

矢吹に勝機があるとしたら、序盤で一気に主導権を握って押し出す展開しかないと考えていました。

ところが、序盤の矢吹は慎重な立ち上がり。スピードは予想通りノンティンガが上でしたが、圧倒的な差ではなく、パワーパンチは互角以上。

前半の第6ラウンドまでは決定的な場面はなく、矢吹が前に出てノンティンガがロープに詰まる場面もあり「矢吹のパワーは予想以上」と見た王者サイドが、どのタイミングで流れを変えるBプランを発動するのかと見ていましたが…。

後半に入って、王者は前に出る圧力を強めたようにも見えましたが、敵地で劣勢という状況を押し返すほどの気迫は全く見えず。あとから思えば、もう前半で矢吹のプレッシャーがかかっていたのでしょう。

第8ラウンドに右の打ち下ろしで最初のダウンを奪うと、続く第9ラウンドにも2度のダウンを追加してフィニッシュ。

正直、逆のパターンが私の予想でした。

これ、自分の予想通りに試合が進み終わるよりも、はるかに気持ちの良い形です。

「矢吹正道!疑ってすまなかった!」。

潔く自分の間違いを認めます。そして、素晴らしい勝者にお詫び。

最高です。

マニー・パッキャオには、こんな爽やかな気持ちに何度もさせていただきました。パッキャオを思い出すような、番狂せと呼ぶにはあまりにも安定した勝ちっぷり。




PFPファイターの寺地拳四朗と、階級最強王者ノンティンガをKOしてタイトルを強奪した矢吹、最高に素敵な男だぜ、おめでとうございます。



矢吹は勝利者インタビューで「国歌斉唱のとき、家族が(会場の大画面に)抜かれたとき、ジーンときた」と話しましたが、私は「あんな小さな、それでも完全に物心ついている可愛い娘さんをこんな危険な試合に呼ぶか?」と、その神経を疑いました。

さすがです。私みたいな中途半端に生きてる男とは違います。

家族で史上最高の幸せな夜を堪能してください。

さらに「自分は打たれ弱いので。デメリットは知っている。そこは十分警戒していた」という言葉も、私の勝手な心配も全く杞憂な心構え。

これでPFPに入るわけもありませんが、タイトル返上でフライ級でもアルファベットのピースを拾えば、十分に可能性があります。

この週末、ボクシングだけでもキーファイトが溢れてて、野球は日米で大盛り上がり、なかなかゆっくり「近い将来、日本人がPFPの過半(5人以上)を間違いなく占める」というお話をさまざまな角度と根拠から進めようと思ってましたが、時間がありません、またどこかで。