カテゴリ: ボクシング界はいつだって魑魅魍魎

スティーブン・フルトンにまさかの2連敗。特に、第2戦での無策ぶり、覇気のなさは、浜田剛史に「どうしちゃったんでしょうかな」と呆れられるほどで、ブランドン・フィゲロアの評価は地に堕ちました。

ニック・ボールにも安牌と見られて、リバプールのリングに引っ張り上げられます。

キャリア初の完全アンダードッグ、完全敵地での試合。フルトンとの第2戦のような「勝ち方が問われる」重圧はありません。失うものも無い、29歳のテキサンはふっきれた心理状態でアウエーのリングを楽しめたのでしょう。

軽量級では十分なファンベースを持つテキサスのハートブレイカーに、サウジアラビア総合娯楽庁のトゥルキ・アル=シャイフ長官も早速、興味を示しています。

「ブランドンは敵地に乗り込む勇気と、KOするしかないアウエーの雰囲気の中で最終回にドラマを見せてくれた。彼のキャラクターがどれほど魅力的かをはっきりと示した。9月12日のリヤドのリングを用意している。世界一のスーパースター、カネロ・アルバレスの復帰戦をメインとする Mexico vs. The World(メキシコvs全世界)の、現在のボクシング界がセットできる最高で最大のメガイベントだ」。

メキシコの血脈を持つフィゲロアも「(ずっと米国でしか戦ってこなかったが)リバプールの次はリヤドってのも悪くはない、いや最高だ。フルトンとの再戦に負けたときはメディアからこき下ろされたが、英国で彼らが間違っていたことを証明できたのは最高の気分。マニー・パッキャオやカネロの大きなイベントでアンダーカードに出場したことがあるが、舞台がリヤドというのはまた最高」と、ご機嫌。



リヤドでお祭りを楽しんだあとは「フェザー級を統一したい」。

地味なフェザー級シーンにカラフルな男が帰ってきました。




このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック


Saturday 7, February 2026

Echo Arena, Liverpool, Merseyside, United Kingdom
⬆︎BoxRecではEcho Arenaとなっていますが、現在はM&S Bank Arena。どうでも良いことですが。


commission:British Boxing Board of Control
promoter:Frank Warren (Queensberry Promotions)
matchmaker:Lee Eaton
 view on DAZN 


WBAフェザー級©︎ニック・ボール vs ブランドン・フィゲロア


スタンディングでキャパ1万人。シートで約7000人。横浜アリーナの半分程度の会場になりますが、なんだかゴージャスです。


ここで明日、井上尚弥とからんだかもしれない2人のファイターが激突します。

ニック・ボールは一昨年、井上との対戦が内定していました。しかし、Aサイドの日本人がルイス・ネリ戦でダウンを喫するなど不安要素が噴出したことで、フェザー級進出は回避。

一方のフィゲロアは、WBCジュニアフェザー級王者時代にWBO王者スティーブン・フルトンとの統一戦に惜敗、井上と対戦するプラチナチケットを逃しました。


現時点の英国ボクシングシーンでPFPキングと目される〝'The Wrecking〟ボールはこれが4度目の防衛戦。



ウィリアム・ヒルの見立ては28歳の王者が2/7(1.29倍)、29歳の挑戦者が11/4(3.75倍)。生まれも育ちもリバプール、完全ホームのボール有利は動きません。

老いさらばえたTJドヘニーに蹴りを加えてもお咎めなしだったように、リバプールはボールが何をやっても許される特権エリアです。

フィゲロアはニックのキックだけでなく、微妙なラウンドは全部持っていかれることも覚悟しなければなりません。

井上よりも、キックルールで天心との試合が見たい?それなら、過保護の英国人は1ラウンドも持たないでしょうが。




このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

日本時間2月1日、英国ニューキャッスルで行われたIBFジュニアミドル級タイトルマッチ。

挑戦者のジョシュ・ケリーが王者バカラン・ムルタザリエフを2-0のマジョリティ・デジション(115−111/114−113/113−113)で破りました。

115−111/114−113/113−113。この3つのスコアは、何事もなければマークされる数字ではありません。

115−113(取ったラウンド数で7-5)、114−114(6-6)、113-115(7-5)なら見慣れた数字なのですが…。



31歳の挑戦者が第4ラウンドにダウンを奪い、3者とも10−8とスコア。前半戦を優位に戦ったケリーでしたが、第9ラウンドに王者にダウンを奪い返され、このラウンドは3者とも8−10で王者。

最終ラウンドの前、11ラウンドまで積み上げた採点はジョン・バーサイルが105−102でケリーを支持。最終ラウンドをケリーが取ると115-111、ムルタザリエフに取られても114-112。ダウンを無視すると 7-5。違和感を覚えるスコアではありません。

ちなみにバーサイルは12ラウンドを挑戦者に振って115−111。

そして、残る2人、ペイウェイ・カーディニとスティーブ・グレイは104−103と同じスコアで挑戦者を支持。KOやダウンシーンを演出できなければ、ムルタザリエフに勝ちはない数字でしたが、10−9で取るとドローに持ち込めて王者の防衛。

カーディニはその通りに最終回を10−9で王者に振り、113−113のドローと見ました。6-6の114-114から一度ずつダウンを反映したスコアです。

そして、最後の1人、グレイが議論を呼ぶスコアリングをするのです。王者に振ればカーディニと同じく113-113でドロー。この採点ならカーディニとグレイがドローで防衛成功でした。しかし、挑戦者を支持すると114-112、0-2で王座陥落です。

ところが、グレイはそのどちらでもない10-10とスコアしたのです。

カーディニは王者、バーサイルは挑戦者と割れます。さらに、グレイが、10-10を付けたのですから、このラウンドは三者三様、それぞれのジャッジがそれぞれ違う印象を持ったということです。

バーサイルはケリーのスタイルを評価しているので、この10-9もあり得なくはありません。

グレイが10-10をつけるのも理解できますが…。

josh-kelly-Bakhram-Murtazaliev


ムルタザリエフの代理人はIBFに判定に関して6ページにわたる詳細な要請書を提出しました。

その内容を要約すると「明らかに動きの激しいタイトルマッチの流れの中、最終回で10-10と採点するのはあり得ない」というもの。

このラウンド、個人的には王者の方が優勢。また、試合全般を通しても地元英国の人気者ケリーに偏ったレフェリングにも見えました。33歳のロシア人王者とその陣営が疑心暗鬼になるのは理解できます。



さて、試合を分けたグレイの10-10です。

試合を決する場面で10-10と採点したことが悪い意味で目を引いたのです。

もし、グレイが最終回を10--10ではなく、10-9で挑戦者に振っていたなら、114-112で挑戦者のユナニマス・デジション、3-0勝利となっていました。

もし、そうなっていてもムルタザリエフ陣営は抗議の声を挙げていたでしょうか…?



IMG_2619
 電車で帰るのはめんどくさいな…(本文とは関係ありません)




ボクシングファンの中にも10ポイントマストシステムを「必ず10-9をつけなければならないルール」と間違った思い込みをしている人がいますが、そうではありません。

以下、JBCの「採点方法」からの抜粋です。

***** 各ラウンドの採点はですが、互角の場合は10対10、一方が勝っている場合は10対9、一度のダウンやこれに近いグロッギー状態(パンチを受 けてふらふら)のときは10対8、2度のダウンやKO寸前の場合は10対7、3度のダウンは10-6となります。

それ以上の差が開いた場合はレフェリーが試合を止めるの で、10対5という採点はありません。

 また、10ポイント・マスト・システムというルールがありますが、これは勝っている方に必ず10点を付け、9対9、9対8などという採点はし ないということです。反則による減点は合計点から引きます。 *****



ジャッジが10−10を忌避するから、10−9の振れ幅が限度を超えて大きくなるのです。また、メディアも10ポイント・マスト・システムを「10−9マストシステム」と誤解してしまうようなミスリードをしているのも大きな問題です。


「これは難しいラウンドですな。それでもどちらかに振らんといけませんから、ここは10-9で…」なんてバカなこと言ってはいけません。



このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

日本人だけでなく、人類の肉体が徐々に成長していることを踏まえると、100年以上も前にリミットを設定した現行の階級制が上方修正を迫られていると考えるのは自然なことかもしれません。

リカルド・ロペスのストロー級、具志堅用高のジュニアフライ級、渡辺二郎のジュニアバンタム級、井上尚弥のジュニアフェザー級…軽量級を愛するボクシングファンにとって水増し階級には単なる〝悪〟とは言い難い魅力がありました。

いつの日か、オリジナル8を除く9階級が廃止されてしまうと、彼らの実績は〝参考記録〟扱いになってしまうのでしょうか?

そして、それだけではありません。

IMG_3553
⬆︎ボクシングとUFCの体重リミット。右端の赤字は体重差。


もし、最軽量のフライ級をUFCの125ポンドにそのまま当てはまると、それは現行ボクシングのフェザー級よりも1ボンド軽いだけ。

そのフェザー級は145ポンド、ボクシングのウエルター級に2ポンド軽いだけ。

ボクシングに1団体8階級が復活すると、穴王者や雑魚挑戦者は激減するばかりか、最軽量で125ポンドは日本人にとって高いハードルになります。

しかし、サウジ側が1団体8階級への復古は本気にしても、UFCの規格をそのまんま当てはまるでしょうか?

同じ格闘技とはいえ競技の違いから、UFCとボクシングの階級リミットを同列に考えるべきではないという意見もあります。

ストロー級からジュニアフェザー級にわたる六つの超軽量級は、欧米からは死角のクラス、それゆえにアジア屈指の富裕国、日本が得意とするゾーンです。

この豊穣な漁場をみすみす逃すようなことをするでしょうか?

少なくとも、UFCでは日本人選手を優遇したいという意図がはっきり見て取れます。

米国市場で人気のない軽量級のイベントが大きく打てる日本は、UFCの世界戦略の意味からも非常に重要なマーケットと位置付けているのは間違いありません。

朝倉海が日本人初のUFCチャンピオンになっていたなら、この島国にもUFCのブームが起きていたかもしれません。

一方で、サウジアラビアは採算度外視でボクシング界に参入しています。

トゥルキ・アル=シャイフ長官と良好な関係を築いているダナ・ホワイトでも、彼らがハシゴを外す可能性をゼロとは考えていないはず。

8階級を明言していることから、リミットはある程度引き上げられるはずですが、それがどの程度になるのか?そして、そのタイミングはいつになるのか?


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

1団体8階級の時代から、団体と階級がいたずらに増殖、いまや4団体17階級時代という、よほどのボクシングマニアでも王者が何人いるのか、正確に把握できません。

もうそれだけでもまともなスポーツとは呼べない状況が出来上がってしまいるのです。

4団体時代は、階級が「17」に増え、団体が「4」に、タイトルホルダーが68人に膨れ上がったというだけではありません。

一つの階級に4人の世界王者を名乗るだけでも狂乱ですが、同一団体の同一階級でも上位タイトルやらレギュラーやら暫定やら…。

さらに、スポーツとして重要なチャンピオンシップ制度を支えるランキングが、とにかくデタラメだということ。

認定料を稼ぎたい団体は、20世紀では考えられない数の地域タイトルを続々と作ります。そして、自分たちの地域タイトルに認定料を支払うファイターを優遇してランキングしています。

認定団体は、ファンやメディアの公平な目線から大きく逸脱したデタラメ(彼らにとって都合が良いという規格ではデタラメではありません)ランキングが、性懲りも無く毎月発表されているのです。

IMG_1353

オリジナル8の時代が〝清く正しい〟スポーツだったわけではありません。それでも、いまの惨状と比べると全くマシです。


これを「階級が細かいのは、それだけ階級の壁が大きいから」というアホな意見を聞くと、愕然としてしまいます。

サウジアラビア総合娯楽庁とダナ・ホワイトが掲げる「既存のボクシング界をぶっ壊す」という旗印は正論です。

ズッファボクシングを核とした彼らの野望は、どの程度まで進んでいるのでしょうか。

また、この野望はどういう状況をゴールとしているのでしょうか。

長い歴史に刻まれた偉大なファイターたちの記憶は、プロボクシングの大きな魅力の一つです。

彼らがほのめかす「UFCの規格」はオリジナル8に戻すだけでなく、ボクシングよりも現代にマッチした〝重い〟階級制に変革することまで含んでいるのでしょうか。

もし、そうなればフライ級は現在の112ポンドから125ポンドになり、ボクシングのジュニアフェザー級(122ポンド)よりも重くなります。

そんなの無茶苦茶…とも思えますが、20世紀初頭にオリジナル8が形成される過程において、ヘビー級を除く階級リミットは揺れていました。

プロボクシング発展のための100年に一度レベルの変革期だと考えると、歴史的な時代を目撃していると喜べますが、ボクシングが衰退して異業種に喰い散らかされている感も否めません。

ダナ・ホワイトは本気でしょうが、サウジアラビアはどこまで商売無視の散財を続けるつもりなのか、全く見えません

一つだけわかっていることは、サウジアラビアは赤字を撒き散らしながらプロボクシングにカネを注ぎ込んでいるということです。








このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

もう随分前から、ダナ・ホワイトはボクシング界再編への野望を隠そうとはしませんでした。

本格的にその欲望をあらわにしたのは2017年、フロイド・メイウェザーとコナー・マクレガーの茶番劇をプロモートしたときのことです。

ボクシング界を「腐敗したシステム」と呼び、デタラメランキングによるデタラメ王者が溢れている惨状を非難。

不要な階級を排除した正常なランキングに立脚したまともな王者を擁するチャンピオンシップを目指すその先には、プロモーターを超えた統括団体の設立まで見据えていることは明らかでした。

スクリーンショット 2025-02-23 12.31.50

しかし、ボクシング界はUFCの最高責任者に激しいアレルギー反応を見せ、彼の参入を妨害します。提携しているテレビ局や、会場となるMGMグループにも根を回してUFCの興行への嫌がらせをするようにもなります。

米国ボクシングが沈み込む沼の底は見えないまま、ボクシングは総合格闘技に続くプロ格闘技2位に転落。2位と言えば聞こえは良いものの、この二つがプロ格闘技の世界において、2位とは最下位のことでした。

しかし、ついに昨年、ホワイトはサウジアラビアの総合娯楽庁からのサポートを受けてTKOグループホールディングス(UFCの親会社)とセラ・スポーツ(サウジアラビアのエンタテイメント企業)が業務提携、Zuffa Boxing を立ち上げました。

UFCのプロモーションモデルをボクシングに適用したのが Zuffa Boxing です。 

リング誌のランキングを導入、大手メディアとも手を組み、パラマウント+での配信と一部注目試合はCBSでも同時放映する体制を構築しました。

ファンの熱望するカードはプロモーターやテレビ局の壁に阻まれて来ましたが、サウジアラビアのオイルマネーによって、続々と実現されています。

プロモーターが異なるスター選手同士の対決は収益の分配や、どちらのテレビ局で放映するのかが大きな問題となりますーーーしかし、全てはカネの問題。

サウジアラビアが提示する破格の収益を盛り込んだ契約書を見せると、不倶戴天の敵だったプロモーターは互いを抱きしめ、ファイターたちも対戦に積極的になりました。

サウジアラビアの気が変わらないうちに。


「腐敗を極めるボクシング界を刷新する」と現れたサウジアラビアとダナ・ホワイトはホワイト・ナイトなのでしょうか?


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

スクリーンショット 2026-01-25 11.29.12


井上尚弥が大歓声を背にマディソン・スクエア・ガーデンの花道を進む。史上最高の日本人ファイターであるファイティング原田と、海老原博幸が両脇を固め、父親と拓真、興毅、そして八重樫東とアシスタントトレーナーの岡部の姿も。

スクリーンショット 2026-01-25 11.53.45


「権威あるリング誌が井上尚弥とウィリー・ペップの仮想対決の記事の中でとんでもないことを書いてるんですよ〜。井上尚弥の入場になぜか亀田興毅が紛れ込んでるんですよ〜。井上兄弟と亀田兄弟がごっちゃになってるんですよ〜権威があるのに〜」


「な〜にぃ〜!?やっちまったな!!!」


「男は黙って、」


「亀田トレイン!!!」


「男は黙って、」


「亀田トレイン!!!」


「あらら〜井上なのに亀田トレインかよ〜。」




ーーーヒューマンエラーやケアレスミスじゃないですね…。軽量級やアジアのボクシングに対する勉強不足というか興味もないのでしょうが、はたびたびありますし、専門家でもこの程度の認識かと思うと残念です。

「ファイティング原田=史上最高の日本人ファイター」というのも、彼らの頭の中でこびりついてしまって更新不可能かもしれません。



このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

IMG_2956 (1)


かつてドジャースを買収すると大風呂敷を広げていたオスカー・デラホーヤですが、最近は裁判所通いが忙しくて、それどころじゃないようです。

バージル・オルティスはプロデビューからゴールデンボーイ・プロモーション傘下、2024年5月から2027年4月まで契約を延長していました。

しかし、ジャロン・エニスとのビッグファイトが破談したことで「責任はデラホーヤにある」と、ネバダ州の連邦地方裁判所に提訴しました。

デラホーヤだけではありませんが、ゴールデンボーイはカネロ・アルバレス、ライアン・ガルシアともゴタゴタが絶えませんでした。


スターはスターと折り合いが悪い…というわけではなく、デラホーヤに経営者の才覚が欠けているのはもはや明らかです。




このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック


RYO


2026/01/14 14:15


韓国ボクシングの全盛期は頑丈な身体と「日本人には絶対負けない」心を武器に、ストローからSミドルまで満遍なく、韓国選手は日本選手の高い壁として立ちふさがり、強い韓国選手の「雑魚狩り」扱いでしたね。


全盛期でもSミドル級以上の選手はほとんど居なかったと記憶しているし、韓国伝統のJrフライがゼロて・・・韓国の小柄な人はボクサーを目指す人が少なくなったのか、過度な減量をしなくなったのかな❔
いずれにしろ寂しい事です。


元記事:日本vs韓国から何を読むか。〜恩讐の彼方に① (編集)

1986. IBF
 ⬆︎1986年1月のIBFランキング


韓国ボクシングの瓦解、その原因は「ファンが愛想をつかした」という一点に帰結します。

1983年にWBAから分離独立したIBFは、アジアで最初に加盟してくれた韓国をあからさまに優遇します。

新興団体はいつもそうですが「権威を獲得するためのビッグネーム」と「承認料の高い富裕国のファイター」を優遇します。

上の画像でいうと「権威を獲得するためのビッグネーム」はドナルド・カリーやマービン・ハグラー、マイケル・スピンクス(ラリー・ホームズ)。

IBFのアジア戦略、「承認料の高い富裕国」は、軽量級では破格の認定料の期待できる日本を本命としていましたが、JBCが加盟を渋ったことで韓国に軸足を移します。

そして、その韓国で何が起きたのか。

日本が加盟していないこと(IBF日本は存在しましたが主要なジムは無視)から最も盛り上がる日韓対決が提供できないことよりも、IBFタイトル戦での八百長疑惑に替え玉挑戦者、怪しい実力の韓国人王者…逮捕者まで出るスキャンダルもあり、韓国のボクシングファンの信頼を一気に失ってしまいます。

そして、この不信感はIBFだけでなくボクシング界全体に広がります。

当然、タイトルマッチをスポンサードしていた企業は撤退、市場は急速に萎んでしまいました。

もし、日本が1980年代中盤にIBFに加盟していたら…韓国と同じ混乱を招いた可能性は否定できません。


しかし…最近の日本人によるバンタム級独占など、当たり前に〝世界〟王者が乱立する現状に、スポーツファンはどう感じているでしょうか?

「日本はボクシングが強い!」でしょうか?

〝世界〟タイトルマッチが毎月のように行われる違和感に幻滅までいかなくとも戸惑っているひとも多いかもしれません。



それにしても、韓国ボクシングが空中分解してしまったことは本当に残念です。

もし、日韓対決、あのザラザラしてるのに粘着質なライバル対決の連鎖が断ち切れていなければ…私たちはどんなエキサイティングな光景を、どれほど目にすることが出来たでしょうか。


ジュニアフライ級で張正九や柳明佑の薫陶を受けたコリアンファイターに、井上尚弥や寺地拳四朗が時代を超えたリベンジを果たす、そしてまたやり返される…。


そんな素晴らしい、ザラザラしてるのに粘着質なライバル対決が復活してほしい…お前らが弱いと俺らがつまらねぇんだよ! 新シリーズの開幕です。





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

JBCがIBFとWBOに加盟し、4団体時代へと〝開国〟したのが2013年。

井岡一翔のプロデビューが2009年ですから、日本はまだ4団体時代ではありませんでした。

しかし、井岡一翔は典型的な4団体時代のファイターと言えます。

WBOが発足した1988年時点では、タイトルの数は4団体*17=68から大きく膨らむことはありませんでした。

しかし、21世紀に入ると、同一階級に世界タイトルが4つあるというだけでなく、同一団体でも上位や正規、暫定などのタイトルが乱立するデタラメ時代になってしまいます。

タイトル過剰、返上や計量オーバーによる剥奪などタイトルが不安定になったことで、挑戦チャンスは激増、安易な複数階級制覇が横行します。

ファイティング原田の2階級制覇と、亀田興毅の3階級制覇を真剣に比較する人は皆無でしょうが、あの二つは全く別物です。

そんな4団体時代の成熟(正確には腐敗)と歩調を合わせるようにキャリアを積み重ねてきたのが井岡一翔でした。

また、インターネットの浸透、ボクシング専門のネットメディアが大量に現れたことで、従来は陽の目を見ることが少なかった軽量級にも光が当てられらるようになります。

2012年にはノニト・ドネアがFighter Of The Year を歴史上、最軽量のジュニアフェザー級で獲得。

ローマン・ゴンサレスはESPNやリング誌などのPFPキングとして2年以上も君臨しました。

4団体時代の波に乗って、井岡は統一王者、4階級制覇と進撃、獲得タイトルの数だけ見ると、1980年代前半までならグレート中のグレートなんですが…。

IMG_5413

さて、井岡に勝ったアムナット・ルエンロンはボクシング・シーンのFighter Of The Year に輝き、ドニー・ニエテスはPFP入り。

そして、井岡は田中恒成に勝ってPFP入り。あの試合、逆の結果なら恒成がPFP入りしていたことは間違いありません。

4団体時代とはいえ、これは井岡の高い評価を物語っています。

もし、ルエンロンとニエテス初戦に勝利していたなら、井岡の評価がさらにブーストしていたのは間違いありません。



さて…しかし…。

このひねくれ者ボクサーは、もっと大きなチャンスとニアミスしています。

2人のPFPキング、チョコラティトとモンスターです。

残念ながら二つのスーパーファイトは、井岡側が回避する形で実現しませんでした。


スクリーンショット 2022-01-24 23.02.37

以前使った画像⬆︎で恐縮ですが、井上尚弥はこのあと「122」も完全制圧しています。

ロマゴンと、井上尚弥と、もし戦っていたなら…防御と打たれ強さに定評のある井岡とはきえ、まだ誰にも見せていない崩落の姿を曝け出していたかもしれません。

また…大番狂せの逆目も出ていたかもしれませんでしたが、井岡がその巨大なサイコロを振ることはありませんでした。

しかし、それでも、運が良いことに、またまたまた大きなサイコロが井岡の足元に転がって来る気配がします。

バム・ロドリゲスが、来年にもバンタム級に上がるはずです。

バムのPFPランキングは多くのメディアで現状3位前後、もし勝てば…。


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ