日本人だけでなく、人類の肉体が徐々に成長していることを踏まえると、100年以上も前にリミットを設定した現行の階級制が上方修正を迫られていると考えるのは自然なことかもしれません。

リカルド・ロペスのストロー級、具志堅用高のジュニアフライ級、渡辺二郎のジュニアバンタム級、井上尚弥のジュニアフェザー級…軽量級を愛するボクシングファンにとって水増し階級には単なる〝悪〟とは言い難い魅力がありました。

いつの日か、オリジナル8を除く9階級が廃止されてしまうと、彼らの実績は〝参考記録〟扱いになってしまうのでしょうか?

そして、それだけではありません。

IMG_3553
⬆︎ボクシングとUFCの体重リミット。右端の赤字は体重差。


もし、最軽量のフライ級をUFCの125ポンドにそのまま当てはまると、それは現行ボクシングのフェザー級よりも1ボンド軽いだけ。

そのフェザー級は145ポンド、ボクシングのウエルター級に2ポンド軽いだけ。

ボクシングに1団体8階級が復活すると、穴王者や雑魚挑戦者は激減するばかりか、最軽量で125ポンドは日本人にとって高いハードルになります。

しかし、サウジ側が1団体8階級への復古は本気にしても、UFCの規格をそのまんま当てはまるでしょうか?

同じ格闘技とはいえ競技の違いから、UFCとボクシングの階級リミットを同列に考えるべきではないという意見もあります。

ストロー級からジュニアフェザー級にわたる六つの超軽量級は、欧米からは死角のクラス、それゆえにアジア屈指の富裕国、日本が得意とするゾーンです。

この豊穣な漁場をみすみす逃すようなことをするでしょうか?

少なくとも、UFCでは日本人選手を優遇したいという意図がはっきり見て取れます。

米国市場で人気のない軽量級のイベントが大きく打てる日本は、UFCの世界戦略の意味からも非常に重要なマーケットと位置付けているのは間違いありません。

朝倉海が日本人初のUFCチャンピオンになっていたなら、この島国にもUFCのブームが起きていたかもしれません。

一方で、サウジアラビアは採算度外視でボクシング界に参入しています。

トゥルキ・アル=シャイフ長官と良好な関係を築いているダナ・ホワイトでも、彼らがハシゴを外す可能性をゼロとは考えていないはず。

8階級を明言していることから、リミットはある程度引き上げられるはずですが、それがどの程度になるのか?そして、そのタイミングはいつになるのか?