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ラスベガス最高のアリーナはどこか?

先日も書いたようにザ・スフィアです。まだ、ボクシングの興業は未踏のアリーナ。最初に特設リングに上がるのは誰になるのでしょうか?

ーーーーーでは。

最高がザ・スフィアなら、最大は?

現状はアレジアント・スタジアムです。NFLのラスベガス・レイダースが本拠地とする、半透明の美しい屋根(開閉できない…)を持つ、キャパ6万5000人、ボクシングの試合ではフィールドなどにも席を追加、7万5000人近いシートがセットアップできます。

アレスタでボクシングの興行が行われたことはなく、今回が初めてとなります。




2028年からラスベガスに移転する〝オークランド〟アスレティックス(今季は様々な球場をサーカスするためMLB公式HPなどでは「オークランド」の地名は外されています)の新スタジアムも、まだ3年待たねばなりませんが、今から楽しみです。

マンダレイ・ベイに隣接、左中間の向こうにはMGMグランドガーデンも見えています。

このボールパークやアレジアント・スタジアムで試合ができる人気を持つファイターは、世界中探してもカネロだけですが、いつかメジャー(人気階級)で大活躍する日本人が現れて、ここに乗り込む日が来るでしょうか?

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私が米国プロボクシングに惹き込まれたのは、1980年代。

1970年代まで、メガファイトの代表的な舞台であったヤンキースタジアムやドジャースタジアムなど、巨大スタジアムでのイベントは完全に消滅してしまっていました。

それが無性に残念に思えたものです。

60年代〜70年代に世界最高のプロスポーツ選手として君臨したザ・グレーテストは米国のNYのヤンキースタジアム、ヒューストンのアストロドーム、ニューオーリンズのスーパードームの特設リングに上がり、海外でも英国アーセナル・フットボールスタジアム、ドイツ・フランクフルトのウォルフガング・サッカースタジアム、インドネシア・ジャカルタのゲロラ・ブン・カルノ・スタジアム、フィリピンのアラネタ・コロシアムなどでも試合を行いました。

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アリよりも一つ前の時代、40〜50年代にコアなファンや専門家から絶大な評価を集めたシュガー・レイ・ロビンソンはヤンキースタジアムやシカゴスタジアムはもちろんポログラウンズという、その名を目にしただけで私は実際に見たこともないくせに激しい郷愁と憧憬が掻き立てられてしまうスタジアムの特設リングにも上がりました。

「ポロスタジアム」でもなく「ポログラウンド」でもなく、「ポログラウンズ」という音もなんともソソられてしまいます。

私はポロ・ラルフローレンのマークにもある「馬に乗ってやるホッケー」の競技場だと思って、さらに意味不明の郷愁に焦悶え焦がれたものでしたが、馬でやるホッケーとは関係のない野球場だとわかったときは少しだけがっかりしました。

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それでも、ジャック・デンプシーやジョー・ルイス、フロイド・パターソンといった伝説もポログラウンズの特設リングに上がったのです。

そして、フライ級の神話パンチョ・ビラがジミー・ワイルドからタイトルを奪い、アジア初の世界王者となったのもフルハウスに客席が膨れ上がったポログラウンズでした。

地球上に世界チャンピオンが8人しかいなかった当時の文献からは、フライ級でも大きな尊敬が払われていたことが窺えます。

8人しかいないのですから、たとえ軽量級でも人気階級のオマケ的アンダーカードが指定席とか、有明アリーナで二日で6つの〝世界戦〟なんてバーゲンセールはあり得ません。

世界タイトルの叩き売りが日本でもサウジでも米国でも英国でも、あちこちで見ることができる、今の時代はもしかしたら〝店じまい〟閉店セールの時代なのかもしれません…。




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1987年4月6日、シーザースパレス屋外特設アリーナ。

実質5年2ヶ月ものブランクを空けたシュガー・レイ・レナードが、当時の絶対的PFPキングでミドル級のUndisputed champion マービン・ハグラーに挑んだThe Super Fight。

1984年に「やらない方がマシだった」ケビン・ハワード戦は挟んでいるものの、実質5年以上のブランクがあるレナードはウエルター級から「2階級ジャンプして絶対不可能の挑戦」のリングに上がります。

レナード30歳、ハグラー32歳という2歳差の年齢に、12ラウンド制の導入や広いリングの採用などAサイドはレナード。

一方で、クロフォードは37歳でカネロは35歳、同じ2歳差でも「挑戦者が年上」。そして、どちらがAサイドかは今更説明する話でもありません。

もちろん、リヤドのキングダムアリーナでのジャッジはオレクサンデル・ウシクの競り勝ちを見るまでもなくかなり公正ですが、この試合はラスベガス開催日に落ち着くでしょう。

カネロの試合はゲート収入も米国のゴールデンタイムに合わせるPPVの売り上げもラスベガスでやる方が圧倒的に大きくなるのです。

クロフォードの相手は、ウズベキスタン人のイスライル・マドリモフではありません。カネロはまともなポイント計算で勝負できる相手ではありません。

微妙なラウンドは全てカネロに振られる覚悟でリングに上がらなければならないでしょう。



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2008年12月6日、MGMグランドガーデンアリーナ。リーマンショックから世界が大不況に喘ぐ中でゴングが打ち鳴らされた、THE DREAM MATCH。

この年、3月にLineal/リング誌/WBCジュニアライト級王者ファン・マヌエル・マルケスを競り落とし、6月にWBC王者デビッド・ディアスを切り刻んで沈めたマニー・パッキャオは、すでに内定していたリッキー・ハットン戦を待機料を払って延期させ、オスカー・デラホーヤからのオファーを優先させます。

誰もの目にも「2階級ジャンプの絶対不可能の挑戦」と映りましたが…。

Aサイドはもちろんデラホーヤでしたが、パッキャオ陣営は1日6〜8食・8000〜10000kcalを摂取する〝過酷な〟増量を順調に進めていました。

メガファイト恒例のプロモーションビデオ(HBO “24/7”)の映像でデラホーヤの減量状況をチェックする余裕までありました。

減量苦がピークを迎える試合1ヶ月を切ったタイミングでニューヨークのカーネギー・デリ(高カロリーな食事を提供することで有名)から12ポンドのチーズケーキをデラホーヤのキャンプ地に贈って挑発。デラホーヤはビッグベアの道路にケーキを叩きつけて苛立ちました。



NYのカーネギー・デリは2016年に閉店、それがニュースに扱われるほどの有名店でした。

このときのパッキャオが29歳、デラホーヤは35歳。やはり、クロフォード(37歳)vsカネロ(35歳)とは全く違う構図です。

エロール・スペンスJr.以外は旬の強豪と呼べる相手とは戦っていないながらも11連続KOの進撃を凡庸なマドリモフに止められてしまった雑魚専クロフォードと、一発殿堂クラスの強豪やPFPファイターをことごとく撃破してきたパッキャオを比較するのは、さすがに無理があります。

さらに同じ35歳でもあの当時のデラホーヤと、いまのカネロも全く違います。

早くもポテンシャルオッズでは1−5レベルでクロフォードがアンダードッグ。終盤のKO負けが最も予想される結末。

カネロvsアミール・カーン、GGGvsケル・ブルックの再現VTRを見るような試合になりそうです。

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サウジアラビアの総合娯楽庁長官トゥルキ・アラルシクが、カネロ・アルバレスと4試合の契約に合意、この4試合の中にテレンス・クロフォード戦が含まれていると発表しました。


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カネロは言わずと知れた、現代アメリカボクシングで唯一無二のスーパースター。

2005年15歳でプロデビューしたときから、大きな声援を浴びる人気者でした(デビュー当時の動画から「これだけ人気があるということはもっと以前にデビューしていたのでは?」という疑問も持ち上がっていますが、「どこからが公式戦?」なメキシコではそれを深く考える必要はないでしょう)。

「メキシコの時代」の追い風を存分に受けながら、つまり過剰なプロテクトを受けながら、WBCジュニアミドル級、Lineal/リング誌/WBA/WBCミドル級、WBOライトヘビー級/Undisputed スーパーミドル級と人気クラスを4階級制覇。

そのキャリアは、①全盛期のゲンナジー・ゴロフキン、ジャモール・チャーロ、アルツール・ベテルビエフを敬遠するなどハードパンチャートの対戦は徹底的に回避、②エリスランディ・ララ、フロイド・メイウェザー、ドミトリー・ビボルらテクニシャンとは戦ったものの議論を呼ぶ判定が続いたことからアンチ、ヘイターも少なくありません。

「嫌い嫌いも好きのうち」で、カネロが現代のボクシング界では飛び抜けた人気者であることは誰もが認めるしかありません。


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対するクロフォードは、2008年のプロデビュー時はクラブファイター。誰も知らない存在でしたが、キャリア6年目の23戦目でWBOライト級王者リッキー・バーンズを敵地で攻略すると、ジュニアウエルター級とウエルター級でUndisputed championに。

昨年8月にはWBAジュニアミドル級王者イスライル・マドリモフを振り切って、ライト級スタートで人気クラス4階級制覇に成功しますが、人気クラスで無双してもクロフォードは不人気のまま。

ウエルター級で無敵の王者にもかかわらず、寒気がするほど人気のない原因は、華々しい実績のないアマチュア時代、地味なプロデビューでプロモーションが不十分、さらにトップランクの没落もあいまってファンの関心を集めるマッチメイクも出来なかったから…というだけではありません。

スターのオーラが全くないのです。

ロープスキッピングだけで強烈なフェロモンを発散させたモハメド・アリやシュガー・レイ・レナード、リングの中で剥き出しの勇気を披露したマニー・パッキャオ、リングの内外で人の神経を逆撫でしたフロイド・メイウェザー…彼らと比較するのは可哀想ですが、それにしてもファンを惹きつける磁力が全くないのです。

ジュニアミドル級王者からスーパーミドル級でプライムタイムを迎えている34歳のカネロと、ライト級からジュニアミドル級に辿り着いた37歳のクロフォード。

〝この期に及んで〟2階級ジャンプして超強豪王者に挑戦するクロフォードに勝機はあるのか?

2階級を飛び越えての圧倒的不利な挑戦ーーー過去、酷似したケースは1987年と2008年の2試合だけ思い出されます。


さて。

クロフォードはシュガー・レイ・レナードや、マニー・パッキャオになれるのか?




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日本時間の今日未明に、今年の International Boxing Hall of Famers 殿堂入りファイターが発表されました。

マニー・パッキャオの一発殿堂は誰もが予想出来ましたが、残る二人は意外といえば意外、まあ相応しいと言えば相応しい、マイケル〝セカンド・トゥー(天下無双)〟ナンと、ビニー・パジェンサ。

「この瞬間を長い間待ち続けていた。殿堂入りはボクサーが成しうる最高の名誉。神と投票者に感謝したい」(ナン)。

「オウサム(こいつはヤバい、ヤバすぎる)!これまでも嬉しい電話は何度も取ったが、文句なしに人生最高の知らせだった」(パチエンザ)。

「いつか〝ネクスト〟モハメド・アリがドアをノックしてくれると大きな夢を描いて、ワイルドカード・ボクシングクラブをオーブンした。その夢は2001年に現実となった。122ポンドのモハメド・アリが私のジムを訪ねてきたんだ!」(フレディ・ローチ)。

パッキャオもまた、米国を拠点に活躍することを夢見て多くのジムを訪れましたが、元フライ級王者など誰も知らず、軽量級のアジア人は相手にされませんでした。


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「パッキャオの人生はまるでおとぎ話のよう」(FOX SPORTSのボクシングキャスターをつとめるケイト・エイブドゥ)。

さて、酔っ払いのように同じことを何度もぐだぐだ語っていますが、この機会にまた、おとぎ話を始めましょうか。





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米国で頭抜けて影響力のあるスポーツメディア、ESPNがボクシングからMMAに軸足を移し(といってもMMAもけしてメジャースポーツではありません)てから、もう10年以上になるでしょうか。

長年、経営不振に苦しんできたリング誌もついに廃刊、米国のボクシングメディアはネットニュースだけになってしまいました。

そんなサイトの一つに、更新も頻繁で情報量も多いBOXING NEWS24(24)があります。英国の週刊誌BOXING NEWSとは一切関係がありません。

24の特徴は人気階級の報道に重心を置いていること。人気階級を中心に報道、人気のない軽量級の情報が少ないのは、どのメディアにも共通していますが、ここはそれが特に顕著です。

さらに、井上尚弥や井岡一翔ら日本のスター選手への風当たりが強いスタンスも目立っています。

今朝アップされた記事では、井上とサム・グッドマンのタイトルマッチが12月24日、東京で決定したと伝える一方で下記のように報じています。


Fans believe Inoue is just milking his undisputed super bantamweight crown against the weak opposition in the barren-of-talent 122-lb division. 

ファンは井上がレベルの低い階級で弱い相手に圧勝しているだけなのを知っている。



They believe that Inoue knows he’s got a good thing going for himself in this dead division, so he’s milking it for all it’s worth.

井上もまた、この死んだ階級が、自分の価値を高め見栄えの良い成績を上げるのに都合が良いことを知っている。


If Inoue moves up to the featherweight weight class, which is loaded with talent, things would be much different for him.

しかし、もし才能豊かな選手がひしめくフェザー級に上がるなら、事態は全く異なってくる。


Inoue would lose repeatedly, and his star would dim rapidly, even in his native Japan.

フェザー級では井上は無様に敗北を繰り返すだろう。そして、日本ですらスターの地位は失墜する。


As such, Inoue stays rooted to the spot at the weak 122-lb division, taking the easy fights against lesser fighters like Goodman, 37-year-old TJ Doheny, Luis Nery, Marlon Tapales, and the light-hitting  Stephen Fulton.

だからこそ、井上は雑魚だらけの122ポンドにしがみつき、グッドマンやドヘニー、ネリ、タパレス、そして非力極まるフルトンのような相手ばかりを選ぶのだ。



*****相変わらず、無茶苦茶な記事です。

ただ、ほとんど無視する空気扱いのESPNなどよりはましともいえます。最も屈辱的なのは批判や非難ではなく、無関心です。



まずジュニアフェザー級とフェザー級の間に、そこまで決定的なレベル差はありません。どちらも欧米では人気のない軽量級です。

井上が行く先々のクラスが、ちょうどレベルが下がったタイミングなのは確かで、やはり今のフェザー級もタレントが枯渇している時期ではあります。。

いずれにしても慎重に階級を上げてきた井上は、フェザー級でもトップレベルで戦えると思います。敗北を繰り返すことはないでしょう。

気になるのは、年齢的・肉体的・精神的・キャリア的にも消耗と劣化に蝕まれる下り坂にはいっていてもおかしくない、という点です。

すでにシュガー・レイ・ロビンソン賞を獲得している井上は、殿堂入りも確実。リングの上で証明することは多くは残されていません。

マイク・タイソンのように「結局、強い相手には誰にも勝てなかったね」ということになりそうなのが気になりますが。

タイソンの場合はイベンダー・ホリフィールドやレノックス・ルイスなど自分より年長の相手にもKO負けしてしまってるので、どうしようもありませんが、井上については強い相手がいなかった、あるいはすれ違いが重なってしましました。

残された時間を考えると、現役PFPファイター、文句なしの旬の強豪との対決は中谷潤人が最初で最後になるかもしれません。

5歳若く、ジュニアライト級など人気階級に近づく可能性のある中谷と違って、不人気階級で対戦相手に恵まれないまま骨を埋めるであろう井上は、中谷を逃してはいけません、絶対に。






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ブルース〝シュシュ〟キャリントンは1997年4月17日ミューヨーク生まれというから、現在27歳だ。

ニューヨーク州といってもバカ広い。14万1,299 km²と聞いてもピンとこないかもしれないが、東京都の64倍といえばよく伝わるだろう。ちなみに「東京ドーム何個分」かはわからない。

ニューヨークの広さは単純な面積だけじゃ語れない。

ボクシング名誉の殿堂があるカナストータも、大谷翔平が見ぐるみ剥がれたユニフォームからスパイク、レガースなどなどが展示されるクーパーズタウンのベースボール名誉の殿堂も、全部ニューヨークにあるが、地下鉄に乗って気軽に行ける距離ではない。

みんなが知ってるニューヨーク市の中心部は、まさに複雑怪奇だ。タイムズスクエアやセントラルパーク、観光客が訪れるスポットとは異なる危険地帯もある。

ブルックリン区ブラウンズビルなんて、その最たるエリアだ。

たった1.6k㎡の狭いエリアに、この世のあらゆる悪が詰まっているんだ。「ニューヨークの治安は改善された」なんて思ってる人は、夜中にここを歩いてみるがいい。俺はあなたが戻って来ない方に賭ける。

地下鉄の落書きがなくなったのと、治安が改善したのとは全く違うお話ってことさ。

そんな危険な場所に誰が住んでるんだって?

あんたがボクシングファンならマイク・タイソン、ザブ・ジュダー、シャノン・ブリッグス、ダニエル・ジェイコブスをよく知っているはずだ。

これで、とんでもないエリアだってよくわかっただろう。

ただ、シュシュは違うんだ。あいつは喧嘩っぱやくても、ボクシングに真面目だった、

津波のように押し寄せてくる犯罪の誘いや、酒もドラッグも銃も近づけなかった。あいつはブラウンズビルの奇跡だ。

2020年、東京五輪の代表選考会で優勝したが、コロナ禍で大会は翌年に延期、プロ転向を決断した。アマチュア時代の戦績は255勝31敗、素晴らしい成績じゃねえか!(事実確認できる主要試合では45勝24敗でエリートアマという表現は微妙)

キャリントンはフェザー級でWBA1位、WBC2位、IBF8位、WBO2位。どの認定団体でもタイトルマッチが射程圏内に入っている。

そして、東海岸のプロボクサーの誰もが憧れる舞台、マディソン・スクエア・ガーデン(MSG)には9月27日のトップランク=ESPNの興行で3試合連続の登場だ。

MSGはみんなが思い浮かべる2万人キャパのスポーツアリーナではなく、狭くて天井が低い5000人収容のシアターで、アンダーカードを濁すだけだが。

そりゃ、フェザー級でMSGなんて土台無理な相談だが、頭の良いシュシュはそれも理解している。

シュシュは「世界王者になってMSGの大きなアリーナか、ニューヨークのもう一つの大会場バークレイズセンターでメインを張りたい。(人気のない)フェザー級では無理かもしれないが、いつかライト級まで上げて究極の夢を実現したい」と、大舞台を目指している。

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There’s also the prospect of a certain Japanese boxer moving up yet another weight division to join the party. 

それでも、軽量級としては破格のファイトマネーが稼げる日本で、ある一人のボクサーがフェザー級に乗り込んでくることが期待されている。

井上尚弥だ。

シュシュはロベイシ・ラミレスや井上の名前を口にすることはあるが「To be honest, there’s not really anyone that I’m really focused on, 本当のことを言ってしまうと、誰かを特別にみるなんてことはしていない」と、タイトルマッチにつながる目の前の試合に集中している。

27日の金曜日に拳を交えるのはスライマン・セガワ、33歳のウガンダ人だ。

ここで負けるわけにはいかない。

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そして、ここで着丼。※本文とは関係ありません。




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ESPNが9月に行われるビッグファイトと注目選手の動向をチェック。

Naoya Inoue's biggest fight?(井上尚弥にとって最大の試合とは?)のパートを拙訳。

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*****世界最高のPFPファイターの一人、ジュニアフェザー級の完全統一王者・井上尚弥が火曜日の早朝(東部時間で午前5時45分)にTJ・ドヘニーと防衛戦を行う。

井上は5月に東京ドームで4万4000人以上を集めてルイス・ネリを破壊したが、もし中谷潤人との日本人決戦が実現るとそれを上回る大興行になるだろう。

井上が米国のリングに上がらない理由はカネの問題。軽量級に大きな需要のある日本で、WBCバンタム級王者の中谷との試合は、井上のキャリアで最大のものになるだけでなく、最強の相手を迎えることになる。

この試合は来年にも実現する可能性があり、東京ドームは簡単にフルハウスになるはずだ。

Inoue is also now at the point he could probably sell out arenas around the world, including Madison Square Garden in New York. 

しかし、現時点の井上にはニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンを含む世界中のアリーナでチケットを売り切る可能性もある。

もし、ガーボンタ・デービスと戦うならラスベガスの大会場が舞台になり、PPVビジネスが成立するはずだ。(日本からのスポンサー収入を考えると)日本で中谷と戦った場合の収益を上回るかもしれない。


 It's likely nothing more than a fantasy fight. A matchup with Nakatani, though, appears on the horizon.

だが、タンクvsモンスターの最大の障壁は体重。

3階級上のタンクとの試合は空想の域を出ないが、中谷との試合は非常に現実的だ。*****

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マニー・パッキャオのように〝空想の域〟に足を踏み入れて欲しい気もしますが、そこは富裕国に生まれた宿命。井上はずっとAサイドで戦ってキャリアを終えるのでしょう。

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ESPN恒例の2024年上半期の非公式アワード。






Men's fighter of the half year: Oleksandr Usyk

上半期のFighter Of The Yearはオレクサンデル・ウシク。

タイソン・フューリーとの大勝負にダウンを奪った末の勝利を収めて、クルーザー級に続いてヘビー級でもUndisputed championに。

軽量級では歯牙にもかけられませんが、この2階級制覇はエグい。

マニー・パッキャオはフライ級の体重のままで、ジュニアミドル級のタイトルを獲得したわけではありません。

しかし、ウクライナのグレートは前日軽量で約40ポンドも重いテクニシャンの巨人を技術で押さえ込んだのですから、もう何も文句はありません。

PFPの文字通りの概念「体重同一時なら」という妄想すらも許さない、リアルPFPウシクの高潔さよ。

12月21日の予定されている世紀の再戦でも勝利するようなら、Fighter Of The Yearは確実。

しかし…。もし負けるようなことがあると、PFP1位は井上尚弥かテレンス・クロフォードが繰り上げ。

あるいは、バム・ロドリゲスが年内にフェルナンド・マルチネスに圧勝するようならPFP1位はもちろん、Fighter Of The Yearも小さな115パウンダーがかっさらっていくかもしれません。





Women's fighter of the half year: Seniesa 'Super Bad' Estrada

女子の上半期最高選手賞はセニエサ〝Super Bad(ヤバすぎる)〟エストラーダ。

The lighter weight classes get less attention in boxing, but Estrada deserves recognition for becoming the first undisputed champion in the lightest weight class in the history of women's boxing.

軽量級は女子でも関心が払われないが、女子で史上初の完全統一王者になったエストラーダは注目するに値する。


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選手層が薄いだけでなく、専業ボクサー(プライドの高い)選手も少ない軽量級。

それでも稀に出現する才能は、ライバルに恵まれることもあります。

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21世紀以降で見ても、ナジーム・ハメド、マルコ・アントニオ・バレラ、エリック・モラレス、ファン・マヌエル・マルケス、マニー・パッキャオの殿堂入り&PFP上位の入れ喰い状態だった2000年代中盤は歴史的にも例外だったので比較してはいけませんが、2000年代後半には小粒で人気はなくてもビック・ダルチニアン、ノニト・ドネア、ギレルモ・リゴンドーのPFPファイターが覇を競いました。

2010年代になると、軽量級としては破格の人気者でPFPファイターでもあるレオ・サンタクルス、アブネル・マレス、カール・フランプトンが、ラスベガスとニューヨークの大会場でビッグファイトを繰り広げました。

2010年代末から現在では、PFPキングに井上の約50倍の期間に当たる2年間も君臨したローマン・ゴンサレス、ファン・フランシスコ・エストラーダ、シーサケット・ソールンビサイ、カルロス・クアドラス、ドニー・ニエテス、井岡一翔、中谷潤人、ジェシー・ロドリゲスらが雪崩をうってPFPランキングに突入しています。


しかし。

それなのに。

悲しい哉!

それが全く当てはまらないのが、悲運極まるジュニアフェザー級のUndisputed champion 井上尚弥なのです。

絶望的に人気がなく、実力(PFPファイター)までない選手たちがアルファベット団体の王者に就き、ジュニアフェザー級の3試合でもスティーブン・フルトン、マーロン・タパレス、ルイス・ネリという、軽量級だから仕方がないにしても、あまりにもお粗末な相手。

井上が戦った殿堂クラスのファイターは完全劣化版ドネアだけ。旬のPFPファイターは1人もいません。〝元〟でも8年前にPFPに数えられたドネア1人だけ…。

最高の旬の強豪、PFPにも接近したのはキャリア4戦目で戦った日本王者バージョンの田口良一ですが、そこから10年以上も更新されていないのです。

この運の無さは、まさに逆パッキャオです。

もちろん、運の無さが第一ですが、パッキャオの目の前に次から次へと歴史的な強豪や、超人気者が現れてくれたのは、あの冒険好きのフィリピン人が本物の栄光を求めて「絶対無理」と周囲が呆れ果てるほど性急に階級を駆け上がっていったからです。

パッキャオは運を掴み取りにいったのです。つまり、パッキャオの拳には運も逃げることができませんでした。

井上の場合は自分のペースで階級を上げて「実力と人気を兼ね備えたメキシカンがいたらいいな」という意識レベルですから、運任せになってしまっているのです。

井上は、運が悪い。まさにその通りです。

そして、パッキャオは運がいい、というのは間違いです。


もちろん、井上の母国は富裕国、パッキャオは世界有数の貧困国という〝出自〟の違いが、冒険と保守に現れるのは仕方がありません。

井上がフィリピン人なら、パッキャオと同じ道を目指したでしょう。そして、パッキャオが日本人なら井上と同じように冒険などに手を出さず、世界的には人気のないフェザー級か、それ以下でキャリアを閉じていたはずです。

さて、そんな日本人のモンスターにもようやく、幸運の風が吹くかもしれません。




Friday 21, June 2024
  
Fontainebleau Las Vegas, Las Vegas, Nevada
commission:Nevada Athletic Commission
promoter:Bob Arum (Top Rank)
matchmaker:Brad Goodman


昨年12月に、井上の最強の相手と期待されたWBOフェザー級王者ロベイシ・ラミレスを破って、日本のファンをガッカリさせた張本人・ラファエル・エスピノサの初防衛戦です。

30歳のEl Divino(聖なる)エスピノサは24戦全勝20KOと素晴らしい戦績を誇っています。

しかし、ラミレス戦は痛烈なダウンを奪われるなどシーソーゲーム。再選したらオッズも予想も互角かラミレス有利という激戦をものにした内容でした。



会場は昨年末に紆余曲折の末にオープンしたラスベガスで最も高い客室ホテルでカジノ&リゾート、フォンテインブロー。

身長185㎝、異形のフェザー級王者が迎えるのは、1つ年下で同じメキシカンのセルヒオ・サンチェス。

メキシカンらしい叩き上げの2人ですが、掛け率は王者が1/8(1.13倍)、挑戦者5/1(6倍)。

サンチェスの勝利よりも「6ラウンドまでにエスピノサがKO勝ち」のオッズ(5倍)が低いという、王者にとって勝ち方が問われる相手です。

El Divino、豪快に倒せ!そして、東の空に向かって大声でコールするのだ、井上尚弥を!!!

ちょうど中間の124ポンドのキャッチウエイトでメガファイトなんていいです、最高です!!!!!


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Saturday 15, June 2024
  
MGM Grand, Grand Garden Arena, Las Vegas, Nevada, USA
commission:Nevada Athletic Commission
promoter:Tom Brown (TGB Promotions),
           Sampson Lewkowicz (Sampson Boxing)

matchmaker:Tom Brown

media:Amazon Prime Video PPV
WBC暫定ジュニアウエルター級12回戦




140ポンドの無敗対決ですが、17戦全勝オールKOのラッセルが1/6(1.67倍)で優勢、22戦全勝10KOのコロンビア人プエジョが4/1(5倍)でアンダードッグ。

サウスポー対決、A -ラッセルのオールKO記録が止まるか?連勝までも止まるのか?

前日計量はプエジョ139.8ポンド、ラッセル138.2ポンド。

しかし、リングの内外にもインタバルでも(水原一平がギャンブル依存症になったきっかけと言われている)ドラフトキングスの広告が目立ちます。

距離を潰しにかかるラッセルに、引いて応戦するプエジョ。予想通りの展開。

ロープぎわに追い込まれると、うまくクリンチして体勢を入れ替えるドミニカ人。

フラストレーションをたまらせるラッセルでしたが、第9ラウンドにプエジョがホールディングで減点1。ここからアクションが多い展開に。

オールノックアウトとはいえ、アルツール・ベテルビエフのような一発のないラッセルは、クリンチをしにくくなったプエジョが攻撃になると持て余し気味に。

SDで軍配はプエジョ。115-112 /114-113/109~118。

この試合は大きく割れたのも仕方がない。難しいスコアリングでした。

ベテルビエフに次ぐ、現役二人目の全戦全勝オールKOの王者誕生はなりませんでした。

とはいえ、元々決定力に欠けるラッセル、これから世界基準の相手と戦う中で判定も増えていくでしょう。


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