米国で頭抜けて影響力のあるスポーツメディア、ESPNがボクシングからMMAに軸足を移し(といってもMMAもけしてメジャースポーツではありません)てから、もう10年以上になるでしょうか。

長年、経営不振に苦しんできたリング誌もついに廃刊、米国のボクシングメディアはネットニュースだけになってしまいました。

そんなサイトの一つに、更新も頻繁で情報量も多いBOXING NEWS24(24)があります。英国の週刊誌BOXING NEWSとは一切関係がありません。

24の特徴は人気階級の報道に重心を置いていること。人気階級を中心に報道、人気のない軽量級の情報が少ないのは、どのメディアにも共通していますが、ここはそれが特に顕著です。

さらに、井上尚弥や井岡一翔ら日本のスター選手への風当たりが強いスタンスも目立っています。

今朝アップされた記事では、井上とサム・グッドマンのタイトルマッチが12月24日、東京で決定したと伝える一方で下記のように報じています。


Fans believe Inoue is just milking his undisputed super bantamweight crown against the weak opposition in the barren-of-talent 122-lb division. 

ファンは井上がレベルの低い階級で弱い相手に圧勝しているだけなのを知っている。



They believe that Inoue knows he’s got a good thing going for himself in this dead division, so he’s milking it for all it’s worth.

井上もまた、この死んだ階級が、自分の価値を高め見栄えの良い成績を上げるのに都合が良いことを知っている。


If Inoue moves up to the featherweight weight class, which is loaded with talent, things would be much different for him.

しかし、もし才能豊かな選手がひしめくフェザー級に上がるなら、事態は全く異なってくる。


Inoue would lose repeatedly, and his star would dim rapidly, even in his native Japan.

フェザー級では井上は無様に敗北を繰り返すだろう。そして、日本ですらスターの地位は失墜する。


As such, Inoue stays rooted to the spot at the weak 122-lb division, taking the easy fights against lesser fighters like Goodman, 37-year-old TJ Doheny, Luis Nery, Marlon Tapales, and the light-hitting  Stephen Fulton.

だからこそ、井上は雑魚だらけの122ポンドにしがみつき、グッドマンやドヘニー、ネリ、タパレス、そして非力極まるフルトンのような相手ばかりを選ぶのだ。



*****相変わらず、無茶苦茶な記事です。

ただ、ほとんど無視する空気扱いのESPNなどよりはましともいえます。最も屈辱的なのは批判や非難ではなく、無関心です。



まずジュニアフェザー級とフェザー級の間に、そこまで決定的なレベル差はありません。どちらも欧米では人気のない軽量級です。

井上が行く先々のクラスが、ちょうどレベルが下がったタイミングなのは確かで、やはり今のフェザー級もタレントが枯渇している時期ではあります。。

いずれにしても慎重に階級を上げてきた井上は、フェザー級でもトップレベルで戦えると思います。敗北を繰り返すことはないでしょう。

気になるのは、年齢的・肉体的・精神的・キャリア的にも消耗と劣化に蝕まれる下り坂にはいっていてもおかしくない、という点です。

すでにシュガー・レイ・ロビンソン賞を獲得している井上は、殿堂入りも確実。リングの上で証明することは多くは残されていません。

マイク・タイソンのように「結局、強い相手には誰にも勝てなかったね」ということになりそうなのが気になりますが。

タイソンの場合はイベンダー・ホリフィールドやレノックス・ルイスなど自分より年長の相手にもKO負けしてしまってるので、どうしようもありませんが、井上については強い相手がいなかった、あるいはすれ違いが重なってしましました。

残された時間を考えると、現役PFPファイター、文句なしの旬の強豪との対決は中谷潤人が最初で最後になるかもしれません。

5歳若く、ジュニアライト級など人気階級に近づく可能性のある中谷と違って、不人気階級で対戦相手に恵まれないまま骨を埋めるであろう井上は、中谷を逃してはいけません、絶対に。