カテゴリ: 英国ボクシングニューズ誌

英国ボクシングニューズ誌から「The Beltline: British title fights represent a utopia for boxing fans」をまとめてお伝え。


It’s true. On the whole a British title fight tends to be more competitive than fights with lesser-known international belts at stake. 

This is because the fights are usually ordered by the British Boxing Board of Control – therefore taking them out of the hands and plans of promoters – and also because domestic bragging rights remain arguably the most potent ingredient added to any fight. 


間違いない事実として、英国タイトル戦は、「世界」と名の付いた変なベルトがステイクされる試合よりも面白い激戦になることが多い。

ランキングや試合を英国ボクシング管理委員会(BBBofC)が取り仕切っていることで、プロモーターの思惑が入り込む余地がないからだ。



これは日本タイトルマッチでも同じことが言えます。たった一つのタイトル、そしてたった一つのランキング、アルファベット団体の世界戦とは比較すべくもなく公正に運営されています。

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日本タイトルよりも英国タイトルの方がグレードが上に思えてしまうのは、後者の方が多くの国と地域を巻き込んだ様々な意味で層が厚いこと。

そして、BBBofC には伝統のThe Lonsdale beltが存在するということでしょうか。

いずれにしても、世界タイトルマッチがアルファベット団体のデタラメランキングに沿って行われている現状だけでもプロボクシングの世界は狂っています。






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ものすごい暴風雨で電車が立ち往生…。というわけでざざっとボクシングニューズ誌の記事から短観。


Boxing breaking new territory

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ボクシングのプロモーターたちは、いつの時代も新しい市場を探してきた。

最も有名なサンプルはRumble in the Jungle、1974年にザイール(現・コンゴ)の首都キンシャサで行われた世界ヘビー級タイトルマッチだ。

国際社会からの孤立を懸念した独裁政権がカネの力で有名なスポーツイベントを招致することで、世界からの承認を得ようとするーーーフィリピンのマルコス政権に現在のサウジアラビアまで連なる安易にしてこれ以上ない効率的な処方箋だ。

残虐非道のモブツ大統領が凶悪犯罪者だったドン・キングに持ちかけて、世界で最も有名な男を自国に招いたメガイベントは一夜限りのお祭りだったが、その大成功はボクシング未開の地にも大きな可能性の芽があることを教えてくれた。

貧困だが資源は豊富で国の指導者たちが富を独占している、そんな国は何もアフリカだけに限った話ではない。

その国力と人口を考えると、中国が地球上で最も魅力的なマーケットであることは火を見るよりも明らかだ。

キングのライバル(というには二人の関係はあまりにも陰湿でスポーツマンシップが欠落しているが)、ボブ・アラムは五輪2大会連続金メダリストのゾウ・シミンと2012年ロンドン五輪後に契約。

2013年、米国で需要のない軽量級ボクサーでは考えられないHBOデビューの舞台がシミンに用意される。

アラムの狙いは米国でスターとして活躍するシミンを在米の中華系だけでなく、人口14億人の本国でも英雄に仕立て上げ、巨額の集金マシーンとすることだった。

しかし、国民的英雄となったゾウはトップランクからの独立に動き、アラムの皮算用は狂い始める。

そして、温室鉄道を敷設してもらったにも関わらず、シミンは噛ませ犬の日本人に悪夢の大番狂せを起こされてしまうのだ。

アラムがマニー・パッキャオの再来を狙ったノニト・ドネアはなんとフェザー級で挫折、ワシル・ロマチェンコもライト級どまり、米国でスーパースターに登り詰めることはできなかった。

そもそも、パッキャオの成功は汎用性や再現性といったビジネスの必須用語とはかけ離れた、突然の奇跡だったのだ。

アラムが一大拠点に育て上げようとしたマカオでの興行は完全に失速してしまったが、中国本土では小さな興行が各地で行われ続けている。

14億人の国で刹那でも国民的英雄になったシミンによって、中国のボクシング熱は間違いなく点火された。


巨大な人口と強力な国力、そこに注目して中国だけに手をつけるわけがない。アラムの視界はインドもしっかりととらえている。

インド人として初めてボクシングのメダリスト(北京2008:ミドル級銅メダル)となったビジェンダー・シンはフランク・ウォーレンのプロモートで2015年にプロ転向。これを機にコミッションとしてインド・ボクシング評議会が立ち上がり、インドでのプロの試合、興行が劇的に増えてゆく。

アラムは2018年にシンを傘下に招き入れ、2019年には米国デビュー。しかし、コロナ禍がアラムの〝インド計画〟を直撃。

そして、シンはブランク明けの2021年にインドでの調整試合でアーティシュ・ロプサンにまさかの5ラウンドTKO負けを喫してしまう。

2022年に復帰線で勝利したシンだが、それ以来リングから遠ざかっている。

しかし、シミンの場合と同じように最初の種から芽は息吹かなかったが、シンの影響で競技人口は増え(インドで競技人口が増えるということは我々の感覚とは一桁か二桁違う)、二人が五輪メダリストになり、人気スポーツへの階段を上がり始めている。

中国進出に際して、アラムが日本のボクサーとの激突が大きな話題になると読んだように、インドの場合もパキスタンというライバル国が存在する。南アジアのメキシコvsプエルトリコだ。

中国の人口を超えたインドと、2億5000万人を抱えるパキスタンはクリケットの世界ではブラジルvsアルゼンチン、その激突は激しい火花を散らす。

2017年にパキスタン・ボクシング評議会が発足したものの、まだ「お金を払ってボクシングを見る習慣がない」(評議会のラシード・バロック会長)という段階。

それでも、2017年までは外国でプロライセンスを取得しなければならなかったことを考えると、格段の進歩で「近い将来、世界チャンピオンが生まれると信じている」(バロック会長)。

確実に成長している中国やインドのボクシング市場。不運にも最初の種から大輪は咲かなかったが、咲いていれば何が起きていただろうか?

南アジアではネパールでもコミッションが設立され、国境を越えたプロボクシングの興行が活発になるかもしれない。

シミンやシンが超えられなかった一線をクリアする才能が現れたとき、ボクシングの世界は新章に突入することになる。





▶︎▶︎▶︎かつてのザイールやフィリピン、サウジアラビア…人道的に問題がある国、五輪を招致できない国がカネが全てなやり方でスポーツのメガイベントを招致する…本当は許してはいけないことですが、カネを見せつけられると誰もが鈍感になってしまいます。

それがプロスポーツの業だといえば、それまでなのですが。


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2022年でリング誌が廃刊に追い込まれてから、英語のボクシング専門誌として孤軍奮闘のボクシンニューズ(BN)誌。

毎週木曜日発売のBN誌、いま私の手元にある最新号は2月22日号。

2月24日に東京・両国国技館で行われるトリプル世界戦を4ページにわたって特集。

英国人でも米国人でもない軽量級の選手を大きく扱うことは、インターネットもユーチューブも存在しなかった時代では考えられないことでしたが、時代は変わりました。

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>>>>>>〝本流〟のヘビー級に興味がない一般的なボクシングファンはいない。彼らは、ミドル級やウェルター級といった〝人気〟階級もチェックするかもしれない。

しかし、そこから外れた軽量級は、母国の選手が活躍して初めて少し目が向くという程度。

それでも、カルトといっても良いかもしれない熱心でコアなマニアは、井上尚弥や井岡一翔、寺地拳四朗、重岡兄弟、田中恒成といった日本の軽量級を熱心に観察し続けている。

「極東の軽量級ボクサー」というだけで、興味を失ってしまうボクシングファンも多いだろう。

あるいは、万一興味を持っても彼らの試合は中継されないこともあり、されたとしても(英国時間の)平日の夜明け前に行われるのだから「Attention(注目しろ)」という方がおかしい。

Attention please、騙されたと思って一度見てください、というのが適切だろう。

明後日、東京でWBC王者アレハンドロ・サンチアゴに挑戦する中谷潤人は、マニアたちが追いかけまわす日本人軽量級ファイターの中でも異彩を放ってきた。

15歳で単身ロスアンゼルスに乗り込み、ルディ・エルナンデスに師事した中谷。

米国の名匠は「私が指導したボクサーの中で、今の所、中谷が最高だ。非常に規律が高く、練習に貪欲で、試合ではやるべきことを落ち着いて執行してゆく」と絶賛している。

多くのメディアでPFP1位と評価されるボクサーを目指す中谷は、そこにたどり着く効率的な方法をすでに知っている。

「現時点で井上尚弥と戦う資格はない」と断りながらも、「中谷は井上と戦うべき、と多くのファンから言われるようになれば、喜んでそのリングに上がる」と、日本の頂点を倒すつもりだ。

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【英国ボクシングニューズ誌から「次のシナリオ」】

バンタム級シーンは、減量苦から解放された中谷潤人を中心に最後(完全統一)まで動くだろう。

統一戦を希望する26歳のWBC王者が、同じく他団体王者との対戦を思い描くWBO王者ジェイソン・モロニーと最初に激突するのは、自然の流れだ。

弟のアンドリューを残酷に破壊された兄ジェイソンが、特別な思いで中谷の戴冠を見つめていたであろうことは容易に想像できる。

しかし、「中谷vsジェイソン」は弟の敵討ちというストーリーをはらむことは出来ても、モロニー家にもう一つの悲劇が加わるだけで終わるだろう。


Then of course there are the Inoues…

もちろん、その先にはもう1組の〝兄弟狩り〟が待ち構えているはずだ。

こちらも、弟は問題なく狩れる。しかし、兄貴は簡単な相手ではない。

日本だけで熱狂するには勿体無い、非常に興味深い試合が2年後に見ることができるかもしれない。
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【英国ボクシングニューズ誌から】

The Ice Bear Cometh: It is not legal to box professionally in Iceland, but Kolbeinn Kristinsson hopes his success in the sport will help overturn the ban

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コルベイン・クリスティンソン
は、世界ヘビー級チャンピオンを目指す14戦全勝8KOの巨漢ファイターだ。

6フィート6インチ(198㎝)、250ポンド(113kg)の堂々たる体躯はIce Bear(ホッキョクグマ)と呼ばれるのに相応しい。

現実のホッキョクグマが地球温暖化で氷が溶けてしまう危機に瀕しているように、クリスティンソンもまた氷のような頑迷と戦っている。

名匠シュガーヒル・スチュワードの指導を受け、ニューヨークのドミトリー・サリタのプロモートを受ける無敗の白人ヘビー級が商業的にも大きな可能性を持っているのは間違いないが、たった一つだけ問題を抱えていた。

アイスランドでは、法律でプロボクシングが禁じられているのだ。

いくつかの北欧諸国は「プロボクシングは危険」という理由から、このスポーツを禁止する法律を制定していたが、21世紀になってスウェーデンとノルウェーが禁止令を緩和した。

アイスランドもこの流れに追随するかと思われたが、1956年にボクシングを非合法とした法律が変わることはないまま、現在に至っている。

一方で、2002年にアイスランド五輪協会が先導してアマチュアボクシングの規約が完成、現在では700人のボクサーがリングに上がって技を競い合っている。

「たった700人」と思うかもしれないが、アイスランドの人口は37万人。この割合を英国に当てはめると、12万人になる。

アマチュアで40試合を戦い、ナショナルチャンピオンとして北欧のトップ選手にも勝利を収めているクリスティンソンは「アマチュアボクシングは人気がある。定期的にトーナメントが開催され、大きなショーでは千人単位で観客が詰め掛ける」と語る一方、プロボクシングについては「スウェーデンやノルウェーの禁止令は認定しない、コミッションの設立を許さないという内容だったが、アイスランドでは事情が違う。法律で禁止されている。もし試合を行うと逮捕される可能性もある。この国ではプロボクシングは犯罪なのだ」と悲嘆する。

 The police came and sawed the ring in half.

かつて、プロボクシングを強行した会場に警察が介入、ノコギリでリングを真っ二つに切り裂いたこともあった。

そのため、クリスティンソンはスウェーデン・ボクシングコミッションのライセンスを取得してプロデビューするしかなかった。

アイスベアの14試合はいずれも外国で行われ、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、ハンガリー、米国、オーストリアと6カ国をサーキットしてきた。

外国人であるということは、チケットが売れないことを意味するが、アイスランドを中心としたスポンサー企業のサポートでなんとか試合をつないでいる。

2014年のデビューから丸10年で14試合というのは巨大な氷河が出来上がるようなスローペースだが、母国でプロボクシングが違法なのだから仕方がない。

そういう理由から、アイスランドにはプロボクサーはいない。アイスランド人もクリスティンソンただ一人だけだ。


それでも「母国で試合をしたい」という願いは、大きくなるばかりだった。


レイキャビクから程近いガルダベア出身のアイスベアは、海外で大きな成功を収めることでアイスランドの議会を動かせると信じている。

「ヘビー級のタイトルを獲れば、母国のみんなが私の試合を見たいと声をあげてくれるだろう」。

ノルウェーやスウェーデンがプロボクシングの統括団体設立に動いたのも、自国の選手が海外で花火を打ち上げて国民が盛り上がったからだ。

「今年は5〜6試合を戦ってランキングを上げて、主要団体のタイトル挑戦の足がかりにする。もう35歳になるから、来年にはサウジアラビア開催のヘビー級タイトルマッチに出場して大きなファイトマネーも手に入れたい」。



全戦全勝のアイスランド人の実力が怪しく不透明なことは、その対戦相手を見るまでもない。

しかし、サリタ・プロモーションズとシュガーヒルのコネクションから実現したスパーリング、そのパートナーの名前を聞けば考えが変わるかもしれない。

タイソン・フューリー、ジョセフ・パーカー、フィリップ・フルコビッチ、アジ・カバイェル、ジャレル・ミラー、ジャレッド・アンダーソン、ロバート・ヘレニウス…。

ボクシングファンに「ヘビー級の強豪は?」と頼むと、教えてくれるような名前がずらりと並ぶ。

練習はあくまで練習だがフューリーと互角に戦い、フルコビッチをKO寸前に追い込んだというアイスベアが一定の実力を持っているのは間違いない。

「とにかく、もっと試合がしたい。実力を証明して大きなチャンスを掴みたい」。

アイスランドと米国を往復、試合でも北半球を飛び回る生活は慌ただし過ぎる。

シュガーヒルも米国移住を薦めるが、アイスランドで家庭(妻と11歳と2歳の子供)を築いているクリスティンソンにとって、このスタイルで戦い続けてチャンピオンになること、母国の法律を変えること、レイキャビクで堂々と世界タイトルマッチを行うことが目標だ。


2025年。アラビア半島の砂漠の上に、アイスランドからやって来た巨大なホッキョクグマが上陸するとしたら…これ以上の物語はちょっとやそっとじゃ、お目にかかれないだろう。




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2022年まで定期購読していたThe Ring magazineや、今も定期購読している英国Boxing News。

当然、海を超えて我が家のポストに届けてくれるのですが、月刊のリング誌ではありえなかったことが、週刊BN誌では起こるのです。

例えば2月8号が、2月8号よりも先に届けられるような逆転配達状況があります。

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月刊誌だと1月号よりも2月号の方が先に届く、なんてことはありませんが、週刊だと時々あるんです。


ロンドンから横浜の我が家のポストまで、こいつらはどんなルートを辿って、遥々やってきたんだろう。そして、配達が遅れたやつはどこで道草してたのだろう?


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紙媒体への鎮魂歌「ボクマガ青春情熱物語」では〝◉年前のリング誌〟というだけでなく、〝◉年前の今月と同じ△月号のボクマガ〟みたいな紹介の仕方をしてます。

これ、週刊誌の英国ボクシングニューズ誌だと〝◉年前の1月23日号〟なんて振り返り方まで出来ちゃうのです。

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というわけで、2024年の今年と同じカレンダー曜日の2020年の1月23日号、4年前のBN誌です。

大特集は「MAYWEATHER -McGREGOR Ⅱ〜THE MOST UNNECESSARY REMATCH IN HISTORY(史上最も不要なリマッチ)…いやあ、やらなくて良かったですね。ボクシングファンだけはなく、お二人にとっても。

そして、1月です。各種アワードについての記事も。

そんな中からBEHIND THE GLOVES…私の日本語力、英語力ではどう訳していいのか難しいな。「名誉はリングの中の戦いをファンがどう見たか、それだけ。しかし、それ以外にもあるとしたら…?」。ヒー、新年会で泥酔してるのを差し引いても、もはや訳ではない…。

早速、記事の方へ。Jack Hirsch記者がボクシング界のさまざまなアワードに立ち会ったときや、プレゼンターとしてレジェンドたちと間近で会話した思い出を語ってくれています。

フロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオ、ウラジミール・クリチコらと共に、ノニト・ドネアとの思い出も。

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先日、井上尚弥がSugar Ray Robinson Awardに輝きましたが「ジュニアフェザー級以下」という超軽量級では、2012年のドネア(やはりジュニアフェザー級)以来、史上2人目の受賞でした。

「私がプレゼンターをつとめた2012年のSugar Ray Robinson Awardはドネアだった。そのわずか2日後に、彼はギレルモ・リゴンドーに奪われてしまう」。

「授賞式は素晴らしい雰囲気だった。若くて無垢なドネアは、世界中のお母さんが子どもにしたいと思うような少年のようだった」。



全米ボクシング記者協会(BWAA)というローカル記者会の投票で決まるSugar Ray Robinson Awardですが、インターネットの浸透によって、米国と人気階級にこだわらない選考が進んでいます。

2012年のドネア以降も、カール・フランプトン(2016年:フェザー級)、ワシル・ロマチェンコ(2017年:ジュニアライト級)、そして井上と、この11年で軽量級から4人もSugar Ray Robinson Awardに選ばれました。

一昨年に寺地拳四朗とバム・ロドリゲスがノミネートされたように、さらに軽いファイターにSugar Ray Robinson Awardが贈られる、重岡優大と銀次朗の兄弟が揃ってノミネートされる…そんな日が近い将来、やって来るかもしれません。
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情報に溢れる現代ですが、その情報のほとんど全てはインターネットを介したものです。

紙媒体の情報もデータを印刷したものなので、現代の情報は100%デジタルということもできます。

その意味では紙媒体の存在価値がどこまであるのか?という問いに、決定的な答えを持っている人はどこにもいないでしょう。

しかし、紙の持つ手触りや香りは、PCやスマホの画面からは感じ取ることはできません。また、改竄の恐れもありません。

リング誌の廃刊によって、米国で紙媒体のボクシング専門誌が絶滅した今、英国ボクシングニューズ(BN)誌は、日本でも手軽に定期購読できる唯一の英語専門誌になってしまいました。

そのBN誌の記事を紙からデジタルからご紹介する、新シリーズです。

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1回目は木曜日18日に届いたばかりの1月11日号(だいたい1週間遅れで日本に届きます)。3日後に行われるアルツール・ベテルビエフvsカラム・スミスの大特集「MAN OR BEAST ?(勝つのは男の中の男か?それとも野獣か?」。

今回は英国のカラム・スミスがカラム試合(ジョー小泉風)ですが、人気階級では英国人でなくても大きく試合前の特集が組まれます。かつてのリング誌でも、軽量級ではこれはないです。

それでも井上尚弥の記事も「LETTERS(読者からの意見)」と「HEADLINE PERFORMANCE(クリスマス週間の主要ニュース)」で取り上げられています。

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悪意はないんでしょうが、なんでこの写真を使うかなあ???↑

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井上のパートを要約すると…。

▶︎井上尚弥は日本のボクシングファンは誰もが知っていて、専門家評価はトップクラスだが、英国や米国のファンは井上尚弥を知らない。

Inoue's name is not one known to many casual sports fans in major western markets such as the US and UK.

13ヶ月で2階級のUndisputed Championになった井上が2024年も同じことを繰り返すのは不可能だが、もしかしたら世界的な人気者になるキッカケを掴む一年に出来るかもしれない。

米国で有名な選手と戦い、そこでも優れたパフォーマンスを示せば、メインストリームに合流できるだろう。

しかし、今年最初の試合は、知名度も実力も物足りないルイス・ネリと日本で戦うことになっている。



******まあ、その通りなんですが、誰と戦えばメインストリームに合流できるというんでしょうか?シャクール・スティーブンソン?タンク・デービス?

メインストリートのど真ん中なら、、、まさか、カネロ?????
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2022年で日本の「ボクシングマガジン」と、米国の「THE RING MAGAZINE」が相次いで廃刊に追い込まれてしまいました。

それでも、日本では「ボクシング・ビート」(ボクビー)が孤軍奮闘。

米国ではついに専門誌が絶滅したものの、英語圏の本家本元・英国では「BOXING NEWS」(BN誌)が創刊(1909年)から115年目を迎えても週刊体制をキープ。

フェザー級以上の世界王者が誕生するのが珍しい日本と、ライト級どころかウェルター級でも「軽い」と言われることもある英国。

超軽量級王国と、重量級王国の「活字ボクシング」。当然、誌面も違います。

年末にBN誌で大きく扱われたアミール・カーンの引退は、日本ではボクシングファンも「ずっと前に引退してなかった?」って感覚かもしれません。

ボクビーでは実質、国内ランキングがないスーパーミドル級以上の重量級は、ヘビー級を例外に大きな関心が集められることがありません。例外的なのは、米国で人気のカネロ・アルバレスくらいでしょうか。

日本の月刊誌では、それも仕方がないのかもしれません。

しかし、BN誌は軽量級もそこそこ取り上げてくれるのです。

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British Fighter Of The Year なんてのがあるだけでなく、そもそものFighter Of The Year にも英連邦の香りが…。


英連邦が軽量級の人材が多いアフリカやオセアニアなどにも広がる国家連合を形成していること、そして何より毎週木曜日発売の週刊という月4〜5回発行というサイクルが、BN誌が軽量級もそれなりに取り上げてくれている理由でしょう。

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[写真左]がBN誌1月4日号、[写真右]が1月12日発売のボクビー2月号です。どちらも、福田直樹のナイスショットを使ってます。

そうなんです、タパレス戦を紙ベースで伝えたのはBN誌の方が8日も早かったのです。

さすが、週刊です。

羨ましい。ボクビーも週刊にならないかな。…と考えたところで、ボクビーが週刊になると毎週2冊も届いちゃうわけです。BN誌と合わせて月8冊、多い時は10冊…。やっぱりボクビーは月間でいいです。。。
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♬西には西だけの正しさがあるという
     🎶東には東の正しさがあるという
                〜中島みゆき




何度か書いてきましたが、うちの会社に米国から来る社員や取引先には大谷翔平を知らない人も結構な割合でいます。

MLBファンは大谷を知っていますし、日本で年に何回も号外が出る大騒ぎになってることも予習していますが、それでも予想以上の狂騒ぶりには驚いています。

もちろん、日本に来てからも大谷翔平を知らない、という人はいません。

モンゴルにおける、大相撲で大活躍するモンゴル人力士のようなものでしょうか(残念ながらモンゴルからやって来る社員や取引先はいません)?

ウランバートルではスポーツニュースのトップで扱われる大フィーバーなのに、多くの日本人が照ノ富士はもちろん、霧島も豊昇竜も知らないという事実に「相撲は国技、みんな見てるんでしょ?」と、愕然とするような。

日本では全く相撲に興味がない人でもウランバートル勤務になったら、イヤでも照ノ富士が横綱であることを知るのでしょう。



前置きが長くなりました。


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明日のライトヘビー級タイトルマッチ、英国で人気のあるスーパーミドル級王者だったカラム・スミスが2階級制覇に挑戦するということで、英国でも注目されています。

その〝注目〟も、英国以外では大きく報道されていないVADAの検査結果にまで及んでいます。

英国ボクシングニューズ誌などのメディアは、エディー・ハーンを後押しする形で「ベテルビエフのドーピング疑惑」を報じています。

通常、ドーピング検査の結果は違反があった項目で発表されます。


12月6日に実施された検査で、ベテルビエフのサンプルに認められたのは「atypical finding」。医療映画やドラマでは「引き続き検査が必要な少し異常な所見」です。

具体的には、自然に人体の中にあるヒト成長ホルモン(HGH)とテストステロンの代謝産物である5D-アンドロスタンジオールのレベルが、前回検査から上昇していたということ。

今回のレベルの増加は、自然に起こることもあるということですが、それは人為的に(ドーピングによって)引き起こされることもあるということ。

ただ、今回の検査結果はatypical findingであり「セーフ」。対戦契約の条項に盛り込まれていない限り、公開されてはいけない個人情報です。

atypical findingは、通常とは違うイレギュラーなものを指し、清廉潔白であってもサウスポーのような〝通常とは違うイレギュラー〟が見られた場合の所見になります。

VADAのマーガレット・グッドマン代表も「12月15日、26日、1月3日に行われたランダム検査のサンプルにはatypical findingは見られなかった。12月6日のatypical findingを理由にドーピングだと決めつけるのは愚かな思考」と、過剰な報道にクギを刺しています。

ベテルビエフは「 This conduct is beyond acceptable trash talk in combat sports. (カラム陣営の行為は格闘技に付き物のトラッシュトークの域を超えた誹謗中傷であり名誉毀損」と、怒りを露わにしています。

試合後もベテルビエフとスミスはVADAの検査対象になりますが、それは12月6日の検体で atypical finding が見られた原因を追跡究明することではありません。VADAはあくまで検査機関であり、何らかの執行権利を持っているわけでも、警察のように犯行事実を証明するのも仕事ではありません。

それにしても、こういうのはファンにとっても気持ちよく試合に入れない、後味ならぬ「前味」が悪い事案です…。
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