カテゴリ: パウンド・フォー・パウンド

1970年代。

すでにWBAからWBCが分離独立、世界王者が2人いる倒錯の世界が広がっていました。

しかし、ミドル級のタイトルは分裂せず、統一王者が君臨していたのです。

そんな硬派な時代にUndisputed Middle-weight Champim Of The Worldに鎮座していたのがカルロス・モンソン。

そして、当時はPFPランキングなどという戯言を垂れ流すメディアはありませんでした。

もし、1970年代にラング誌のBest Fighter Poll(年間PFP)があったなら、モンソンはどれほどの期間、1位に鎮座していたことでしょう?

もし、あの時代にPFPがあれば…この理屈で最も高く評価されるのは60年代のエデル・ジョフレと、70年代のモンソンです。

とはいえ、です。PFPがあったなら…そんなくだらないイフは本物のチャンピオンには必要ありません。

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しかし、引退後のモンソン自身が渇望したマービン・ハグラーとの決戦は実現していたなら、ボクシングファンをメロメロにするとんでもないビッグファイトになったことは間違いありません。

モンソンはハグラーに勝てたでしょうか…?
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TERENCE CRAWFORD IS UNDOUBTEDLY GREAT, BUT JUST HOW GREAT?THAT'S UP FOR DEBATE

テレンス・クロフォードは疑う余地のないグレートだ。しかし、それはどの程度のグレートなのか?これはまさに議論の余地がある。〜リング誌電子版

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リング誌は「彼の時代を代表するファイターの1人」と位置付けながらも、どの階級でもやり残したことがあると見ています。

ウエルター級ではエロール・スペンスJr.との決戦は制したものの、アル・ヘイモン傘下のキース・サーマンやダニー・ガルシア、マニー・パッキャオらとの対戦は叶いませんでした。

ジュニアミドル級でもセバスチャン・フンドラやバージル・オルティス、ジャロン・エニスに勝っていたらもっと評価が高かったでしょう。

スーパーミドル級では戦前のオッズや専門家予想が接近していたように、モハメド・アリやシュガー・レイ・レナード、マニー・パッキャオがやってのけたレベルの冒険マッチではありませんでした。

リング誌は「ヘイモンに〝妨害〟されて対戦相手に恵まれなかったウエルター級時代は本人の責任ではない」と同情していますが、もしクロフォードにウエルター級に相応しい人気があればストーリーは変わっていたはずです。

また、対戦相手の質が低いのは、直近6年間は年1試合という試合数の少なさも一因です。

ヘビー級のトップ選手に勝利を重ねるオレクサンデル・ウシクのキャリアの方が上だというのは、その通りです。

クロフォードの5階級制覇に対して、ウシクは〝わずか〟2階級制覇ですが、これは人間が作った幻覚です。どちらのファイターがより大きな体重差を乗り越えたのかは議論する必要はありません。

また、リング誌は井上尚弥の試合数の多さについて「カレンダーイヤーで4試合のリング誌タイトル防衛戦をこなすのはラリー・ホームズ以来」と好評価。

誰に勝ったのか?が問われるプロボクシングの世界で、クロフォードはスペンスとカネロという現役PFPファイターから勝利を収めました。

しかし、対戦時のスペンスとカネロの共通点は下り坂のファイターということ。

来年、井上が戦う中谷潤人とはキャリアのベクトルが違います。


さて、テレンス・クロフォードは確かにグレートですが、それはどのレベルなのでしょうか?



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このブログで、最も多く取り上げているテーマはPFPです。

何度かふれてきましたが、当初は「PFPなんて何の意味があるの?」「本当の強さじゃなくてpound for pound(体重同一時)なんて弱者の言い訳にしかならない」…そんな意見が多いと待ち構えていましたが、現実には否定的な意見はありませんでした。

日本のボクシングファンがPFPをありがたく歓迎するのは、ESPNのような大メディアやリング誌や英国ボクシングニューズ誌のような専門誌が軽量級を高く評価してくれていることに陶酔できるからでしょう。

それは、欧米のメガファイトでは軽量級がメインになることはありえない、その種のガチ評価では軽量級が評価されている、人気があるということが一切感じられないからという裏返しです。

マイケル・カルバハルとウンベルト・ゴンザレスが100万ドルファイターたりえたのは、この2人のマッチアップのみ。しかも、それでも100万ドル。

ナジーム・ハメドが100万ドルを悠に超えるファイトマネーを得て、そのプロモーションでニューヨークに数台のラッピングバスを走らせた原資はイエメン王朝をはじめとする中東からHBOに流れこんだオイルマネーでした。

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マニー・パッキャオはマルコ・アントニオ・バレラ、エリック・モラレス、ファン・マヌエル・マルケスという軽量級の歴史的な強豪をBサイドから撃破、実力でボクシング界を揺るがしましたが、それはメディアと、さすがにマニアの枠は超えてますが熱心なファンだけの話。

パッキャオがカジュアルなボクシングファンにも抱きしめられたのは、オスカー・デラホーヤに勝利した2008年12月6日、ラスベガス・MGMグランドガーデンアリーナの夜のことでした。

「マニー・パッキャオはこれまでの13年52試合のキャリアで一発殿堂確実の偉大なキャリアを積み上げ、軽量級ではあり得ないファイトマネーを稼ぎ、やはりカジュアルなボクシングファンでも知っているという軽量級ではありえない知名度も手に入れた」(ESPN)。

「しかし、53試合目のたった30分にも満たない1試合だけで、それまで稼いだファイトマネーよりも大きなファイトマネーを稼いだ。そして、カジュアルなボクシングファンが1人残らずマニー・パッキャオを認知した」(ESPN)のです。

2年以上もPFPキングに君臨したローマン・ゴンサレスや、Fighter Of The Yearに輝いたノニト。ドネアや井上尚弥が「米国ではまともな需要がない」(ドネア)のは至極当たり前なのです。

私は、くだらない妄想、PFPが大好きなんです。

2012年1月号の「The RING 100 WORLD’S BEST FIGHTERS(PFP100傑)」。これが、いま手元にある一番古いもの(のはず)。

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①パッキャオ、②フロイド・メイウェザー、③セルヒオ・マルチネス、④ドネア、⑤ファン・マヌエル・マルケス、⑥ウラディミル・クリチコ、⑦ティモシー・ブラッドリー、⑧ポンサクレック・ウォンジョンカム、⑨ジョバンニ・セグラ、⑩アンドレ・ウォード。

2010年代はメイパックの時代だとあらためて思い知らされるランキングです。マルケス、ブラッドリーも彼らのリーグ。

ドネア、ポンサクレック、セグラに続く超軽量級(ジュニアフェザー級以下)は20位のフェルナンド・モンティエル。29位に長谷川穂積、36位に西岡利晃、37位にアブネル・マレス、38位に亀田興毅、40位にラファエル・マルケス、41位にローマン・ゴンサレス、42位にイバン・カルデロン、44位にビック・ダルチニアン、49位にウーゴ・カサレス。

50位内に13人を送り込みました。フェザー級以下に絞り込むと、さらに膨らんで「PFPってなんなの?軽量級バンザイ企画?」となるのでやめときましょう。

日本人最高位は、キー・ファイトを落とし続けて29位までランクダウンした長谷川。36位に西岡、38位に興毅、59位に亀田大毅、93位に内山高志。

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今度はESPNの2025年のPFP100傑。

1位はテレンス・クロフォード。

2025年にリングに上がったのは、カネロ・アルバレスに軽微な番狂せで勝利した1試合だけでしたが、現時点での印象点が高いのは認めるしかありません。

これから時間が経つにつれ、その評価がどう変容していくのか?

2位には井上尚弥。

Top fighters such as Inoue aren't known to fight more than twice a year nowadays. However, Inoue has already fought three times in 2025 and will add a fourth when he faces Picasso later this month in Riyadh, Saudi Arabia. 〜井上のようなトップ選手が年間2試合以上戦うことはほとんどない。年間2試合どころか、井上はすでに3試合を消化し今月末には4試合目が決定しているのだ。

③オレクサンデル・ウシク、④ドミトリー・ビボル、⑤バム・ロドリゲス、⑥アルツール・ベテルビエフ、⑦シャクール・スティーブンソン、⑧デビッド・ベナビデス、⑨中谷潤人、⑩デビン・ヘイニー。

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3人目の日本人はずずず〜っと降って79位に寺地拳四朗、90位に武居由樹、91位に西田凌佑…。5人しかかいってないのか。

ボクシング中継から完全撤退したESPN、やる気も失っているようです。
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いまからちょうど10年前に我が家に届いていたリング誌2016年1月号から「The RING 100 WORLD’S BEST FIGHTERS(PFP100傑)」。

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2015年の実績を反映したランキングの1位はフロイド・メイウェザーJr.。

2位:アンドレ・ウォード、3位:マニー・パッキャオ、4位:ティモシー・ブラッドリー、5位:ファン・マヌエル・マルケス、6位:ローマン・ゴンサレス、7位:ギレルモ・リゴンドー。8位:ウラジミル・クリチコ、9位:カール・フロッチ、10位:ゲンナジー・ゴロフキン。

18位にファン・フランシスコ・エストラーダ(当時フライ級)、20位にノニト・ドネアを撃墜したニコラス・ウォータース。

日本人トップは22位の山中慎介。続いて25位に内山高志。この2人がほとんど同時にPFP10傑入りを果たすことになります。

現在、多くのメディアが1位に推しているテレンス・クロフォード(当時ライト級)は21位。オレクサンデル・ウシクはまだ無冠でランク外。

38位に井岡一翔、39位に八重樫東、60位に亀田興毅、62位に三浦隆司、64位に亀田和毅、65位に井上尚弥。

日本人は8人がランクイン。8%が日本人。軽量級に門戸が広いPFP、そして軽量級の本場である日本。構成比が高いのは当然です。

ちなみにトップ50でジュニアフェザー級以下、超軽量級のファイターはロマゴン(6位)、リゴンドー(7位)、エストラーダ(18位)、山中(22位)、ジョニー・ゴンザレス(27位)、レオ・サンタクルス(28位)、オマール・ナルバエス(31位)、カール・フランプトン(32位)、アブネル・マレス(35位)、ドネア(36位)、アムナット・ルエンロン(37位)、井岡(38位)、八重樫(39位)、ブライアン・ビロリア(42位)、ドニー・ニエテス(46位)と、30%に相当する15人!がランクイン。

PFPがその性格上、いかに超軽量級を優遇することになるかを示すわかりやすい数字です。


「ガチの強さのランキングではない」のがPFP。軽量級に優しく、ヘビー級に冷淡になります。


欧米のカジュアルなボクシングファンからすると、興味のないファイターが多くを占めるPFPランキングは「???」となるも当然です。


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きょうは、冷え込みます。あったかい沖縄そば。よもぎをトッピング。ーー本文とは関係ありません。
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途轍もなく権威あるサウジアラビア・総合娯楽庁の広報誌、THE RING MAGAZINE 2026年1月号で21世紀の最初の四半期PFPを発表しました。

1位からフロイド・メイウェザー、マニー・パッキャオ、テレンス・クロフォード、オレクサンデル・ウシク、井上尚弥、ローマン・ゴンサレス、バーナード・ホプキンス、ワシル・ロマチェンコ、アンドレ・ウォード、カネロ・アルバレス。

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ワンツーは全く異論のないオールタイム・グレート。

この2人は四半世紀の枠では語れません。

メイパックと3位クロフォードの差はかなり大きいと思います。

カネロ戦から日が浅く、サウジにかこってもらったクロフォードの評価は今が天井でしょう。

対して、Fighter of the Yearに2度輝き、PFPキングに2年以上君臨したカネロは今の評価が底?


〝PFPブレーカー〟ウシクは全くの過小評価。

「ガチで強いやつを決めるランキングではない」というPFPの性格上、ヘビー級に冷淡なのは仕方がありません。

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井上とチョコラティトの評価も見方によっては逆転しそう。

ホプキンスとウォードも、地味さが祟った過小評価。

誰に勝ったのか?が微妙なウクライナのハイテクは、こんなもの?



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かつて、リング誌はPFPを二本立てで提供してくれていました。

一つは1980年からスタートした、年間表彰にも組み込まれた「BEST FIGHTER POLL」。これは10位までランキングされました。

そして、もう一つが10年遅れで始まった「BEST FIGHTERS IN THE WORLD 100」。これはタイトル通りに100位!まで発表する大型企画でした。

慢性的な販売不振のため「BEST FIGHTER POLL」も「BEST FIGHTERS IN THE WORLD 100」も2018年で廃止、現在は電子版のPFPランキングの1本のみ。

今夜、ご紹介するのは2018年の1月号で掲載された最後の「BEST FIGHTERS IN THE WORLD 100」です。

ちなみに、現在の電子版PFPとBEST FIGHTER POLLはリング誌編集部の会議で捻り出されています。一方でBEST FIGHTERS IN THE WORLD 100は記者数人が選抜。

最後のBEST FIGHTERS IN THE WORLD 100はデビッド・グレイスマン、マーティン・マラケイ、アンソン・ウェインライトの3人が選考しました。

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その最後の1/100はゲンナジー・ゴフキン。

ちなみに、BEST FIGHTERS IN THE WORLD 100は、BEST FIGHTER POLLや現行のPFPとは別立てですが、トップ10は一致していました。当然すり合わせがなされていたのでしょう。このあたりの、どうでもいい細心、小心ぶりがリング誌らしくて面白いところです。

2位以下は②テレンス・クロフォード、③ワシル・ロマチェンコ、④ギレルモ・リゴンドー、⑤セルゲイ・コバレフ、⑥カネロ・アルバレス、⑦マイキー・ガルシア、⑧井上尚弥、⑨エロール・スペンスJr.、⑩シーサケット・ソールンビサイ。

さすがPFP、軽量級びいきが目を引きます。ヘビー級の最上位は21位のアンソニー・ジョシュアで当時は19戦全勝19KOのWBA王者。

一方の軽量級は12位にファン・フランシスコ・エストラーダ、13位にレオ・サンタクルス、14位にドニー・ニエテス、16位にカール・フランプトン。

4位のリゴンドー、8位の井上、10位のシーサケットを加えると16人中7人。ジュニアフェザー級以下が半数近くを占め、海外のカジュアルなボクシングファンから見向きもされていないことが容易に想像できます。

日本人では8位の井上尚に続いて22位に井岡一翔、31位に山中慎介、36位に田中恒成、61位に比嘉大吾、82位に田口良一、87位に拳四朗、89位に京口紘人の8人がトップ100に入りました。やはりこの8人も全員が超軽量級。

日本人は全員がジュニアフェザー級以下の超軽量級ですが、外国人の超軽量級も合わせるととんでもない比率になりそうです。

ボクシングファンがPFPを「マニアックだなあ(普通のボクシングファンは誰も知らねーよ!)」とあまり興味を示さないのも当然です。



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パウンド・フォー・パウンド(PFP)。

このブログを始めるにあたり、早い段階で取り上げてきたテーマです。

最初は「PFPなんて無意味でしょ」とネガティブな意見が寄せられると思っていましたが、想像以上にすんなり受け入れられているようで少し驚きました。

PFPの面白いのは正解がない、不正解もない、ということ。

これがFighter Of The Year なら「その年に最も目立った活躍をしたファイター」という明確な定義があります。

Fighter Of The Year は野球のMVPや、サッカーのバロンドールに当たります。


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PFPは、ボクシングに階級制の考えが芽生えた19世紀後半にはすでに顕在化していた概念です。

もちろん、ヘビー級をヘビー級とも呼ばなかった当時、PFPなどは存在しません。

小さな体で戦うファイターの救済措置として考えられたのが、階級制です。

そして、はっきりとパウンド・フォー・パウンドという言葉が使われたのは、1950年代。

近代ボクシングの技術体系を完成させたシュガー・レイ・ロビンソンを讃えるためにのみ用いられました。

専門家とマニアが刮目したパフォーマンスを見せたロビンソンでしたが、50年代はヘビー級一辺倒の時代、ウエルター級とミドル級、今なら文句なしの人気階級でも、ロッキー・マルシアノの陰に隠れた存在でした。

ヘビー級チャンピオンのマルシアノよりも、ロビンソンの方が上質のボクシングを見せているのだ!というための小道具がPFPだったのです。

その後、リング誌や日本のボクシング専門誌でもPFP特集を組むことがありましたが、いずれも突発的で、1位になれば表彰されるという種類のものではありませんでした。



そして…1980年に現代につながるPFPランキング、「Best Fighter Poll 」(年間PFP)が、リング誌で毎年発表されるようになります。

当時もヘビー級人気が圧倒的でしたが、1950年代とは少し事情が違いました。

米国ボクシングが黄金時代を謳歌していた50年代からボクシングの社会的ステイタスは低下、モハメド・アリという偉人の存在がそれを霞ませていましたが、そのアリの衰えが明らかになり、引退のときが迫っていたのです。

ヘビー級には「アリのコピー」と呼ばれたラリー・ホームズが君臨してはいましたが、アリのカリスマは1ミクロンも受け継いでいませんでした。

このままだとボクシングが死んでしまう。

1950年代にヘビー級ばかりがボクシングじゃないと、ロビンソンの素晴らしさを表現する小道具として使われたPFPでしたが、1980年代ではヘビー級を諦め、ウエルター級やミドル級の中量級の方が見応えがあるという詭弁として用いられました。

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第1回(1980年)の Best Fighter Poll⬆︎。

②シュガー・レイ・レナード、⑤ピピノ・クエバス、⑧ウィルフレド・ベニテス…ベストテンのうち、3人がウエルター級、ミドル級のビト・アンツォヘルモの名前も⑨位に。

1980年のランキングは1979年の実績を反映したものですが、実際の1980年には①ロベルト・デュランが②レナードと伝説の2連戦を繰り広げ、⑤クエバスをトーマス・ハーンズがわずか2ラウンドで破壊。

さらに、アンツォヘルモからタイトルを奪ったアラン・ミンターがマービン・ハグラーに血だるまにされてTKO負け、テレビ局とプロモーターが描いた理想の通りに登場人物が揃いました。

それまで、ヘビー級の陰でしかなかったウエルター級で、ヘビー級並みの規模で興行が打たれ、レナード、デュラン、ハーンズ、ハグラーは破格のファイトマネーを手にします。

そして、4KINGSによるラウンドロビン、そのクライマックスになるレナードvsハグラーは、ついにヘビー級を上回る史上最大の興業規模を記録、史上最高のファイトマネーを獲得することになります。

この中量級ウォーズは米国ボクシングが衰退する象徴的なオーメンだったともとらえられていますが、PFPマーケティングの最大の成功例でもありました。






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2025年のFighter Of The Year はテレンス・クロフォードで決まり…とほんの2ヶ月前には多くのボクシングファンが確信していましたが…。

クロフォードが最右翼であるのは間違いありませんが、他の候補がFighter Of The Year を掻っ攫う可能性も十分ありそうです。

クロフォードの弱みは、①カネロ・アルバレス人気でメガファイトになったとはいえ、カネロは完全劣化版で、戦前予想もオッズも接近していた、②人気がないのは可哀想だが、それにしても相変わらず試合数が少ない、今年もこの1試合で打ち止め、という2点。

①については、オレクサンデル・ウシクもダニエル・デュボアとの再戦(5回KO勝ち)の1試合だけ。デュボアはPFPファイターではありませんでしたが、初戦の敗北からジャレル・ミラー、フィリップ・フルコビッチ、アンソニー・ジョシュアのトップ選手をKOで下しての3連勝、対戦時の年齢も27歳と勢いに乗っていました。

そして、いつものようにウシクとデュボアは16ポンドもの体重差のあるハンデキャップマッチ。PFPの俎上では「ウシクはキングではない」と断じるのはかなり勇気のいる作業です。

ただ、Fighter Of The Year になると話は違ってきます。PFP的な強さはもちろん、印象的な活躍をしたファイターが選ばれます。

ウシクはPFP的な強さは文句無しでも、デュボアに勝ったインパクトは、カネロに勝ったクロフォード以下。

クロフォードに話を戻すと、彼が落ち目のカネロを下した1勝と、バム・ロドリゲスが無敗の対立王者プメレレ・カフとフェルナンド・マルチネスをKOで倒した2勝はどちらが上か?これを「議論する必要はない」と突き返す人は少数派でしょう。

バムは①の対戦相手の質では意見は分かれるでしょうが、②の戦う王者という点ではクロフォードを上回っています。

2023年の Fighter Of The Year はPFPファイターのエロール・スペンスJr.とのライバル決戦を制してウエルター級のUndisclosed championになったテレンス・クロフォードと、やはりジュニアフェザー級でUndisclosed championになった井上尚弥の一騎打ちでしたが、軍配は井上に。

決め手となったのはクロフォードがスペンスとの1試合しかこなさなかったのに対して、井上はスティーブン・フルトンとマーロン・タパレスの2試合を戦ったこと。

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来年のFighter Of The Yearは、この試合の勝者で決まり?



この〝合わせ技一本〟の理屈なら、今年の井上は1月にキム・イエジュン、5月にラモン・カルデナス、9月にムロジョン・アフマダリエフ、そして12月にアラン・ピカソと、45年前の具志堅用高ばりに年間4試合を戦います。

対戦相手の質には目をつぶっても、クロフォードの4倍、バムの2倍です。軽量級は注目度もレベルも低いというのがNGなのはPFPと同様にFighter Of The Yearでも同じです。

井上の2度目、前回同様に〝合わせ技一本〟で、少しは可能性がある気もします…。贔屓目かな。






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Canelo Booted From Ring’s P4P Top 10, Haney Slips Into Spot


米国のボクシング専門サイト「BOXING NEWS24」は人気階級への偏向が強く(どこのメディアでもそうですが…)、良い意味でも自由勝手な主張を展開しています。

リング誌のPFPに対しても批判的です。まあ、リング誌のPFPはマニアからいつも矢面にされるので、批判するのはBOXING NEWS24だけではありません。

ESPNなどのPFPと比べても、リング誌のランキングには「あれ?」と思うことが多いはずです。

この最大の理由は透明な投票制ではなく、合議制だから。湿った密室で、ああだ、こうだと決めてるわけです。

もちろん、PFPに正解も不正解もありません。ただ、リング誌やESPNなどにはある程度の一般性が求められているということ。

自由な妄想に過ぎないPFPに一般性を求めるっておかしくないか?…そんな素朴な疑問も飲み込んでかき消してしまうのがPFPという妄想ランキングなのです。

極限すると、なんでもありです。


さて、まずリング誌のPFPは以下の通り。

1 Terence Crawford
2 Oleksandr Usyk
3 Naoya Inoue
4 Jesse Rodriguez
5 Dmitry Bivol
6 Artur Beterbiev
7 Junto Nakatani
8 Shakur Stevenson
9 David Benavidez
10 Devin Haney


バムが4位にアップ、カネロ・アルバレスがランクアウトしてデビン・ヘイニーが10位に。

BOXING NEWS24のリング誌への非難は、まずヘイニーへ。

「なんの実績もないブライアン・ノーマンJr.に勝てばPFP入りっておかしくないか?」「ヘイニーがそのノーマンに対して何を見せたかといえばクリンチの上手さだけ」。

そして、その矛先はテレンス・クロフォードへ。「クロフォードは明らかに過大評価。イスライル・マドリモフと戦ったクロフォードは絶不調だったのか?彼と戦ったカネロは全盛期からどれほど落ちていたか?」。

ヘビー級が最強、ウエルター級やミドル級はレベルが高い…そんな不公平を排除するのがPFP。そこをしっかり見据えれば、バム・ロドリゲスは4位などではない。

クロフォードや井上尚弥よりも対戦相手の質が高い。

ウシク…?あれは論外だ。あいつは、PFPを考える楽しみを奪う死神だ。

シャクール・スティーブンソンにいたっては、彼が何をしたというのだ?

中谷潤人も過大評価。中谷が誰に勝った?来年、井上に勝てば文句なしだが、現段階ではリストから外すべき。

Chris Williams’ Real P4P (クリス・ウィリアムスが作ったリアルPFP)を見よ。


①Oleksandr Usyk
②Jesse ‘Bam’ Rodriguez
③David Benavidez
④Rafael Espinoza
⑤Jai Opetaia
⑥Jaron ‘Boots’ Ennis
⑦Fabio Wardley
⑧Naoya Inoue
⑨Dmitry Bivol
⑩Terence Crawford




ーーーーいやあ、PFPって本当に面白いですねぇ。

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