Breez is Nice!

勝てば、より高い次のステージがある。

勝ち続ければ、一番高いステージまで辿り着く。それがスポーツです。

しかし、プロボクシングの世界では「主要」(何が主要なのか誰にも説明出来ませんが)と言われるだけで4つもあるアルファベット団体が勝手に〝世界チャンピオン〟を承認しまくって、世界一を粗製乱造しています。

一番高いかどうか極めて怪しいケースが多いアルファベット団体の〝世界チャンピオン〟になると、今度は、またまたその実力が怪しい挑戦者が次々と現れ、安易に防衛を重ねていくことが出来ます。

怪しい〝世界チャンピオン〟は決定戦などで決められてしまうと、その実力は世界50位くらいじゃないか、というケースもままあります。

実力50位に勝って、より順位の高い実力者と防衛戦を行えば、まだステージを上がっていることになりますが、多くの場合、どう考えても世界一に挑戦する資格の無い劣悪なボクサーと〝世界タイトルマッチ〟を重ねることになります。

五輪がIOCの他にも、WOAやらWOCやらIOAやらWOOみたいな統轄能力を持たない、腐敗を極めた承認団体があちこちで勝手に五輪を開催して、勝手に金メダルを量産していたら、誰もそれを世界チャンピオンとは認めないでしょう。今のボクシング界は、まさにその惨状を呈しているのです。

もちろん、選手が悪いわけではありません。ボクシング界の構造、仕組みが悪いのです。

ボクシング界の構造に対して、戦わざるをえなくなった長谷川穂積と、西岡利晃。

同時代にバンタム級で活躍した二人は、もっと比較されなければならない存在でした。いいえ、拳を交えなければいけなかったはずです。「真正ジムが事実上〝神戸帝拳〟だから同門対決になる」とか理由になりません。

それを回避する、回避するどころか、そもそもの発想がない、欠落しているのが日本ボクシング界の病巣です。

辰吉丈一郎と鬼塚勝也も、井岡一翔と井上尚弥も、もし戦わば日本中のボクシングファンが盛り上がったのは間違いないのに、メディアはもちろんファンもその対決を焚きつけることはありませんでした。

もし、マニー・パッキャオとフロイド・メイウェザーが日本人だったら、メディアもファンも両雄の対戦を煽ることはなく、戦うこともなかったかもしれません。

「本当の世界チャンピオンになりたい」。今の時代、全ての世界チャンピオンがそう願っています。

長谷川と西岡もそうでした。

しかし、同じ願いを実現するために、二人は対照的なルートを歩みます。

長谷川は2005年4月16日に、ウィラポン・ナコンルンアンプロモーションの15度連続防衛を阻んで、バンタム級のWBCバージョンをピックアップ。

ウィラポンは世界的な強豪の1人でしたが、殿堂クラスのチャンピオンではありません。

弱い相手ばかりといたずらに防衛回数だけを稼いだため、引退から10年近く経っても殿堂入りとは無縁の存在なのです。100%殿堂入りは無いでしょう。オマール・ナルバエスのいたずら防衛記録もウィラポンと同様、数字ほどには評価はされず、このアルゼンチン人の殿堂入りも考えられません。

このウィラポンの「弱い相手ばかりの14度防衛」リストに、4度も名前を刻んでしまったのが西岡利晃です。

西岡はウィラポンに4度も阻まれ、長谷川はそのウィラポンから明白な勝利でタイトルを奪ったのです。

最初に、14度も防衛しながら殿堂入りにアプローチすら出来ない、不可思議なタイ人に焦点を当てます。

ウィラポン・ナコンルアンプロモーションは、ムエタイでジュニアフライ、フライ、ジュニアバンタムの三階級を制覇した伝説的なキックボクサーから、国際式に転向。ムエタイのトップ選手が国際式に転向するのは、この国のエリートコースの一つです。

デビュー戦でWBCインターナショナル・ジュニアバンタム級のタイトルがかけられたことからも、期待の大きさが伺えます。同国のセンサク・ムアンスリンの持つ世界奪取の最短記録、デビュー3戦目の更新まで視野に入れていたと言われていますが、現実には4戦目、1995年9月17日に世界挑戦のリングに上がります。

相手は、同じタイの世界バンタム級タイトルのWBAバージョンを保持するダオルン・チュワタナ。

2人は28歳の同い年でしたが、ダオルンは64戦を戦い56勝(32KO)5敗、試合の構図は老雄と新鋭の激突でした。

ウィラポンは2ラウンドにダウルンの左を浴びて腰を落とし、ダウン寸前の大ピンチに見舞われますがゴングに救われます。ダウルンの攻勢をウィラポンがかわす展開のまま、試合終了のゴング。ダウルンが押し切ったに見えた試合はスプリットデジションでウィラポンの手が上がります。

ウィラポンは、強い左ジャブと重たい右ストレート、非凡な武器を見せつけた一方、そのスピードの無さと打たれ弱さからは、長期安定政権は想像できませんでした。

1996年1月28日、初防衛戦は指名挑戦者のナナ・コナドゥ。この31歳のガーナ人も、ジュニアバンタムのWBCバージョンを文成吉に強奪されてから6年が経っていた老雄。

ウィラポンは、第1ラウンドからダウンを奪い、ペースを掌握しますが、スピードの欠如と打たれ弱さの致命的な欠陥が2ラウンドに暴露されてしまいます。
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コナドゥは「終わったボクサー」のはずでしたが、打たれ弱くスピードのないウィラポンにとっては危険な相手でした。

ガーナ人の右にたじろいで、撃ち合いに応じたウィラポンでしたが、これが裏目に。相打ち気味の両者の右、先に着弾させたのはコナドゥでした。もんどり打って倒れるウィラポンは、必死に立ち上がるも小鹿状態でフラフラ。ここで試合はストップされてしまいます。

ウィラポンが再戴冠するのは、WBCバージョンのバンタム級タイトルでした。1999年12月29日、フルハウスの大阪市中央体育館、王者は辰吉丈一郎。「スピードと打たれ強さに欠陥を抱えるタイ人」と、ランキング4位のウィラポンをチェリーピックしたつもりでした。
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しかし、世界水準ではスピードもなく打たれ弱いウィラポン以上に、辰吉はスピードもなく、打たれ弱かったのです。

ここから、ウィラポンの雑魚狩り防衛戦ロードの火蓋が切って落とされます。これも、ウィラポンが臆病者だったわけではありません。報酬が桁違いの日本で戦いたいのは、世界中の軽量級ボクサーにとって共通の思いです。しかも、相手が弱いとなると。

初防衛から、マウロ・ブランコ(地域タイトルも獲ったことのない無名選手)、辰吉丈一郎、アダン・バルガス(強豪の1人とはいえ世界には届かず)、西岡利晃、オスカル・アルシニエガ(ウィラポン戦時点で31勝14敗2分、その時の直近5試合が1勝4敗)、リカルド・ハラハス(地域タイトルも獲ったことのなく、ウィラポン戦のあとはプロデビューの相手と戦うなど世界水準にはなかった)、西岡、セルヒオ・ペレス(直近5試合2勝3敗の雑魚、〝WBCマジック〟でなぜかペレスに勝った選手は世界ランカーになれませんでした)、フリオ・コロネル(IBAバンタム級王者の肩書きを持っていましたが、直近2勝3敗、通算21勝26敗1分)、ウーゴ・ディアンソ(珍しく直近5試合で3勝2敗と勝ち越していますが世界水準にはありません)、西岡、西岡、フリオ・セサール・アビラ(直前の試合で辰吉に負けた敗北も含めて直近5試合2勝2敗1分、ウィラポン挑戦時で22勝15敗1分)、セシリオ・サントス(WBCの地域タイトルを獲るなど強豪だがアルファベットのタイトルにも届かない実力。ちなみにまだ現役、35勝32敗。「負け越したら引退する」。そういう生き方もありです)。

ウィラポンの14度の防衛戦で、西岡は4、7、11、12と前半、中盤、後半とバランスよく退けられています。そして、経年劣化と雑魚相手に錆び付いたウィラポンを長谷川が斬って捨てたという流れです。

晩年の劣化ウィラポンですら攻略できなかった西岡は、その後、決定戦を経て世界王者になります。同じ相手に4度失敗、さらに決定戦というご馳走の形で5度目のチャンスまで与えられる…これを「何事も諦めなければ成し遂げられる」という美談で済ませていいのでしょうか?

そして、長谷川は10度防衛の後に、世界中が認める階級最弱王者フェルナンド・モンティエルに屠られながらも、決定戦のカードでフェザー級、やはり文句なしの階級最弱王者ウーゴ・ルイスからジュニアフェザーのタイトルを獲って三階級制覇を果たしました。

もし、ウィラポンの防衛戦ロードに西岡と長谷川がいなければ、このタイ人の評価はさらに下落しました。しかし、「誰に勝ったか」でウィラポンが最強の長谷川、そもそも評価が高くないジョニー・ゴンザレスに逆転勝ち、1−3のオッズで負け犬扱いされていた西岡。この2人の前にも殿堂の扉が開かれることはないでしょう。

そのジョニゴンを3−1の有利予想で挑戦者に迎えながら惨敗した長谷川も、そこまでの選手です。

しかし、この2人はボクシング界の硬直した構造に安寧することなく、本物のチャンピオンを目指して行くのです。
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1930年代にヘンリー・アームストロング、1980年代にはアレクシス・アルゲリョが 激しくチャージしながらもあと一歩及ばなかった四階級制覇。

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アレクシス・アルゲリョは階級と承認団体の増殖が始まった80年代という軽薄な時代の中で、強い相手を求めて四階級制覇を目指しました。しかし、ダンディな男性でした。


しかし、1987年、トミー・ハーンズが史上初の四階級制覇に成功してから現在まで、わずか30年あまりの時間で18人ものボクサーが4つ目のハードルを飛び越えて行き、マニー・パッキャオに至ってはその数字を「8」にまで伸ばしました。

細かく17にまで切り分けられた階級に、主要団体だけで4つも蠢くプロボクシングは「どうぞ複数階級制覇を好きなだけやって下さい」と言わんばかりです。

「世界王者になりたい選手」と「世界王者をいっぱい承認して承認料を稼ぎたい団体 」は気色悪いほどに相思相愛、90年代以降は世界タイトルの供給過剰状態が決定的になり、世界チャンピオンのバーゲンセールが続いています。

「WBCはそのうち自動販売機でベルトを売り出すだろう」と馬鹿にされるほど、腐敗団体の見境のない王者濫造は醜いものです。

こうした背景から続々誕生している四階級以上を制覇したチャンピオンたち18人は以下の通りです。

👑👑👑👑八階級制覇👑👑👑👑マニー・パッキャオ

👑👑👑六階級制覇👑👑👑オスカー・デラホーヤ

👑👑👑五階級制覇👑👑トーマス・ハーンズ、シュガー・レイ・レナード、フロイド・メイウェザー、ホルヘ・アルセ、ノニト・ドネア

👑👑四階級制覇👑👑ロベルト・デュラン、パーネル・ウィテカ、レオ・ガメス、ロイ・ジョーンズJr.、エリック・モラレス、ファン・マヌエル・マルケス、ロバート・ゲレーロ、ミゲール・コット、エイドリアン・ブローナー、ローマン・ゴンザレス、マイキー・ガルシア


階級制覇の数だけなら、歴代PFP18傑とも呼べるボクサーたちですが、最も重要な評価基準「誰に勝ったのか」をモノサシにすると怪しいボクサーが数多く紛れ込んでいます。

「誰に勝ったのか」は〝見える化〟が難しい指標ですが、名誉の殿堂で測ってみたいと思います。

18人のうち殿堂入りしているのはデラホーヤ、ハーンズ、レナード、デュラン、ウィテカ、モラレスの6人。

引退後5年の殿堂資格を獲得していないものの、一発殿堂が確実視されているのはパッキャオ、メイウェザー、ジョーンズ、マルケス、コット、ロマゴンの6人。

一発殿堂は難しいものの、殿堂入りが期待されるのがアルセ、ドネアの2人。

殿堂入りの実績に満たない現役ボクサーはブローナー、マイキーの2人。昨年引退のゲレーロも、その実績は殿堂ラインには届きません。

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ベネズエラ人のガメスは、カラカスに本部を置いていたWBAの寵愛を追い風に「暫定」「決定戦」をフル活用して四階級制覇を果たしました。しかしどの階級でも最強を証明することが出来ず、殿堂入りはありえません。典型的な数字だけのボクサーです。=写真はガメスの強打に沈められた戸高秀樹。

そして、とっくに引退して殿堂入りの資格を持つもののお呼びがまったくかからないのが、ガメス。というわけで最下位の18位はガメスで異論はないでしょう。

ガメスは何度も来日、わが国でも馴染みが深いボクサーでした。言葉を換えると日本人挑戦者にも十分チャンスがある、凡庸な王者と見られていたのです。ミニマムからジュニアバンタムまでの四階級制覇はロマゴンの軌跡と同じですが、その内容はまったく異なります。

ガメスの初戴冠は1988年、金奉準とのWBAミニマム級王者決定戦。この「決定戦」は「暫定王者」と並んで、王者濫造を引き起こしているキーワードです。

欧米で重視されるLineal Champion(正統王者)の概念から逸脱した決定戦で生まれた王者や、暫定王者はその〝出自〟が卑しいだけでなく、その実力も怪しいケースが多々有ります(フリオ・セサール・チャベスのように決定戦でタイトルを奪い、至上の名王者となった例外的なケースもありますが)。

ガメスの四階級はミニマム、ライトフライも決定戦。「誰に勝ったか」となると、どんなマニアでも言葉に詰まる四階級制覇王者に似つかわしくない貧弱な戦績でした。

この「決定戦」や「暫定」をフル活用した〝ガメス〟型はブローナー、ゲレーロ、ドネア、アルセも挙げられます。

独断で17位ゲレーロ、16位ブローナー、15位アルセ、14位ドネアとランキングします。

複数階級制覇が安易に誕生する背景には、階級と団体の増殖という大枠に「暫定王者」「休養王者」「王者決定戦」だけでなく「キャッチウェイト」という怪しいワードも登場してきます。

このキャッチウェイトでタイトルを獲ったのがコット、パッキャオ、レナードの3人。レナードに至ってはドニー・ラロンデとの168ポンドのキャッチウエイト1試合でスーパーミドル、ライトヘビー級の二階級を掠め取るという、どんな大泥棒もビックリの離れ業をやってのけました。

史上最もエゴの強いスーパースターと「人気選手の飼い犬」と呼ばれる WBCが結託したら、どんな不条理も現実にしてしまうという事件でした(事故?)。

しかし、「誰に勝ったか」のモノサシで大きな爪痕を残しているキャッチウェイト3人衆は13〜11位に嵌め込むことは残念ですが出来ません。

13〜11位は、実績がまだ未熟なマイキー13位、ロマゴン12位、平凡な相手との決定戦で四階級目を獲得したモラレスが11位。モラレスは、覚醒期のパッキャオに勝つなど「誰に勝ったか」で大きな星を挙げているだけに、もっと上にランクしたいところですが階級制覇に焦点を絞ったランキングなので、恐怖の男は10傑入りならず。

TOP10に残ったのはパッキャオ、デラホーヤ、レナード、ハーンズ、メイウェザー、デュラン、ウィテカ、ロイ、マルケス、コット。すごい面子です。10位コット、9位デラホーヤは異論ないでしょう。

これがPFP評価ならデュランを外すのもっと後の段階になるのでしょうが、ここでは最も難易度の高い複数階級制覇を決めていきます。

四階級制覇のマルケスとウィテカ、デュランがそれぞれ8位、7位、6位。

ベスト5です。史上2位の六階級制覇を果たしたとはいえ、ジュニアライト(ジミー・ブレダル)、ライト(ホルヘ・パエス)、ジュニアウェルター(劣化版のフリオ・セサール・チャベス)、ジュニアミドル(ハビエル・カスティリィホ)、ミドル(フェリックス・シュトルム)と六階級中、五階級は階級最強とは到底呼べない王者からタイトルを奪ったデラホーヤの5位は確定です。

残るはレナード、ハーンズ、ロイ、パッキャオの4人です。

数字だけなら八階級制覇のパッキャオ、体重振幅ならロイの圧勝、歴代PFPも考慮に入れるならレナード、ハーンズが真っ先にベスト3から落ちて4位…とは思いません。
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3月11日、マイキー・ガルシアがセルゲイ・リピネッツを振り切って四階級制覇を達成しました。

長らく三階級制覇が偉業であり記録でもあったボクシング界ですが、階級と承認団体が増殖する中では、四階級制覇といっても全く驚くに値しなくなってしまいました。

2018年現在、最も多くの階級を制覇した記録は、マニー・パッキャオの「8」です。

オスカー・デラホーヤが「6」で続き、「5」となるとトーマス・ハーンズ、シュガー・レイ・レナード、フロイド・メイウェザーJr.、ホルヘ・アルセ(暫定含む)、ノニト・ドネア(暫定含む)と5人が名乗りを上げています。

そして、四階級制覇はマイキーがなんと11人目です。

四階級制覇以上を達成した18人を時系列で並べると、最初に達成したのはハーンズの1987年、それまで100年近くも記録の数字だった「3」が破られると、その後わずか30年で18人ものボクサーがヘンリー・アームストロングやアレクシス・アルゲリョら稀代のグレートを易々と超えていったのです。

さらに、その18人のうち13人が2000年以降に誕生しているのです。2年に一人以上のペースで増産されている計算になります。

三階級制覇まで含めると、2000年以降は年一人のペースを優に上回ります。

偉大なアームストロングやアルゲリョが毎年濫造されているカラクリが、階級と腐敗承認団体の増殖であることは明らかです。
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偉大なヘンリー・アームストロングですら四階級目は鬼門でしたが、現代のボクサーは散歩のついでのように四階級制覇を果たしていきます。=写真はリング誌電子版「Movin' on Up 階級制覇とは何なのか?」より


1団体11階級の1960年代に達成されたファイティング原田のフライ〜バンタムの二階級制覇は、史上初の大偉業と最高の評価を得ていますが、今や二階級制覇では誰も驚かすことなど出来ません。

しかし、マイキーの四階級制覇で欧米メディアが気になる取り上げ方をしていました。

「126ポンド(フェザー級)から140ポンド(ジュニアウェルター級)までの四階級制覇は史上3人目」と格別の評価を与えているのです。

マイキーの二人の先輩はマニー・パッキャオとファン・マヌエル・マルケス、疑問を挟む余地の無い一発殿堂確実のグレートです。

そういえばアルゲリョが阻まれた四階級制覇も、このロードマップでした。

では、四階級制覇で最も難易度が高いのは、フェザーからジュニアウェルターなのでしょうか?

…どうもこれは、違う気がしますね。

隣接階級の体重差が大きいほど、階級制覇の難易度は高まると考えられますから、最も困難な階級制覇はヘビー級をからめたものであることは論を待ちません。

同じ階級制覇でも105ポンドのミニマム級と108ポンドのライトフライ級の間の体重差は、わずか3ポンド、1.36kgです。

ヘビー級をからめない最大の体重振幅差は、175ポンド(ライトヘビー)と200ポンド(クルーザー)の25ポンド=11.34kgですから、ミニマム〜ライトフライの8倍以上です。

体重の振幅の大きさと難易度が比例するとしたら、ヘビー級を除外しても、マイキーらの14ポンド=6.35kgに渡る四階級よりも、ミドルからクルーザーの160ポンドから200ポンドの間に横たわる40ポンド=18.14kgを鎮圧する四階級制覇の方が遥かに難しそうです。

しかし、階級制覇の難易度を考えるにあたって体重の振幅ともう一つ忘れてはならないファクターがあります。

階級の攻略難易度です。

ボクシングの階級には人気とそれに直結した報酬面で厳然たる貴賤が存在します。

先日、SUPER FLY2の〝決勝戦〟でシーサケット・ソールンビサイと激闘を繰り広げたファン・フランシスコ・エストラーダが「軽量級の報酬は中量級と比べてあまりにも劣悪。不当な虐待を受けている」と抗議の声をあげましたが、プロスポーツはビジネスです。仕方がありません。

「軽量級は迫力不足で面白くない」という欧米に染み付いた蒙昧な誤解を解いていくしかありません。

それでも、全17階級を通して最も競技人口が多く、ゆえに最もレベルの高いウェルター級をからませた複数階級制覇は、競技人口が少なく、隣接階級との体重差も少ないミニマム級がらみの階級制覇とは難易度は明らかに違うはずです。

体重の振幅と、階級難易度。この二つに加えて最も重要なもう一つのファクターを考慮すると、ボクシング120年の歴史で一番困難な複数階級制覇を成し遂げたのは一体誰になるのでしょうか?

そしてそのボクサーは、四階級制覇に失敗した歴史上のグレートを数字だけでなく、内容的にも凌駕しているのでしょうか?

上記の18人を独断と偏見でランキング、歴史を彩ったグレートとの優劣を決着させてゆきます。
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まずはゲンナディ・ゴロフキン対カネロ・アルバレスの因縁の再戦が、5月5日に初戦と同じTモバイルアリーナで行われます。

ウィリアムヒルのオッズはGGG勝利が1.53倍、カネロ勝利2.5倍と、初戦の1.66倍、2.25倍と大きな開きはありません。

昨年9月の初戦からの7ヶ月が、27歳のカネロが進歩し、36歳のG G Gが劣化する時間としては短すぎるということなのかもしれません。

細かいオッズを見るとGGGのKO勝ちは2.625倍、カネロのKOは8倍。KO決着なら断然GGGです。

しかし、判定となると全く同じ数字です9/4、どちらの判定勝ちも3.25倍、全くの互角です。

「 GGG有利は揺るがないが、判定になれば初戦同様にカネロ寄りのジャッジが下される」ということですね…。うーん、こんなことでいいのでしょうか。

初戦で疑惑のドローを〝享受〟したカネロは、ドーピング検査での陽性反応に、バンデージの巻き方がルール違反との指摘など、どうも幻滅な話題が続いています。

ドーピングについては五輪競技はもちろん、他のスポーツと比べてもプロボクシングは恥ずべき無法地帯と化してますが、これについては、もう特殊事情もあります、「ネリ」を極刑にしたら、ロイもホリも永久追放です。選手を憎む前に、このスポーツの異常性を鑑みなければなりません。


「ボクシングはスポーツではなく、見世物なのです。見てて面白ければ、何をしてもいいのです。マニー・パッキャオが、不条理な階級制覇の果てに深い後遺症に苦しむ余生を送ったとしても大金稼いだし、自己責任」でいいのでしょうか。

「ボクシングがスポーツなら、タイトルマッチはホーム&アウエーで2試合やってその結果で判定すべき。日本人は挑戦者でも王者でも必ずホーム、貧乏な国のボクサーはその逆、これってスポーツではなく政治ですよね?」そう問われても、ボクシングはスポーツだ!と言える人はいるでしょうか。


酔っ払って書いてると、脱線しまくりで、わけわからなくて申し訳ないです。きと最初のタイトルから離れまくった内容ですね、とにかく私はプレーヤーが好きです。憧れ続けてましたし、それになれなかったし、今も尊敬しかないですが、プレーヤーを邪魔する輩はどこにでもいて、それはなくならないかもしれないですが、ボクシングの場合は特にひどいです。

インターハイとか、ジュニアの大会でも、あんな苛酷なスポーツないです。

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村田諒太の頂上決戦の相手としては大きなアトラクションを持つカネロが理想的かもしれませんが、ドーパーを応援するわけにはいきません。

GGGの終盤ストップ勝ちを予想します。両者のKOラウンドを見ると、GGGの6〜9ラウンドが18倍で最も低いオッズとなっています。逆に、大穴はカネロの1ラウンドと12ラウンドKO勝ちで66倍。

人気者のカネロをアウエーの日本に引っ張り込むのは至難の技ですが、GGGなら東京ドームのリングに呼ぶことも十分可能です。

まあ、村田が敵地に乗り込んでカネロを粉砕するのも見てみたいですが…考えてみると、東京ドームよりもアステカスタジアムで360度15万人が完全アウエーのリングに、村田が上がるのも、ちょっと鳥肌ですが。

ミドル級の5月には、最も避けられているコンテンダー、セルゲイ・デレビャンチェンコと、ジュニアミドルから「カネと名誉の匂いを嗅ぎつけて上がってきた」デメトリアス・アンドラーデとの対戦がまとまったと報道されています。

両陣営は完全合意しているというので、あとはHBOがこの試合をオンエアするかどうか。さすがに、プレミアムケーブルに乗らないと、報酬も相当にしょぼくなりますから「ミドル級での存在感を高めたい」という二人の渇望もカネ次第です。

この5月に先駆けて、4月15日にWBO王者ビリー・ジョー・サンダースがマーティン・マレーと4度目の防衛戦のリングに上がります。

そして、我らが村田諒太も同じ4月15日、エマヌエレ・ブランダムラを横浜アリーナに迎えて、WBAのレギュラー王座の初防衛戦を迎えます。

さらに4月28日、〝GGGの魔法を解いた〟ダニエル・ジェイコブスが無敗のポーランド人、マチェック・スレッキを迎え撃ちます。ジェイコブスはさすがミラクルマンです、ポジションを獲得しても冒険的なマッチアップを厭いません。

しかし、強豪ウーゴ・センテノにも勝っているマチェックはパワーはないものの、ガラス細工のジェイコブスの顎には、誰に叩かれても木っ端微塵になる怖さがあります。

この春の1ヶ月で、ミドル級の地勢図が一気に塗り替えられる可能性もあります。いずれにしても、伝統的に「統一王者」への遠心力が最も強い階級なだけに、今回もそれに向かってビッグマッチが立て続くことに期待が膨らみます。

ブランダムラ戦、見に行くつもりはなかったのですが、引越し先の自宅から近いし、もう行っちゃいますね、絶対。圧勝しても、世界は「だから?」ってレベルの相手ですが、ここは無傷でクリアして、夏のエスキバ・ファルカオも突破したら、カザフの好漢や、メキシコのお坊っちゃまとの対戦も視野に入ってきます。

中量級のメガファイトに日本人が絡むなんて、もっと時間をかけてこの至福の時間を楽しみたい気持ちはありますが、村田にもGGGにもカネロにも、時間はあるようでもありません。

とにかく、これからは、早く、最短距離で、ことを進めることです。

経済大国の五輪金メダリストとしては、けして長い温室時間ではありませんでしたが(アッサン・エンダムと2連戦することを「温室」とは世界中の誰も言えませんが)、ファンはせっかちです。

二発目は、ホルヘ!ついに、頂上に王手です。5月12日にロマチェンコの挑戦を受けることが、ほぼ決定です。勝ったら、とんでもなことです。

オッズはロマ勝利1.66倍、リナレス6.6倍、アバウト6−1で、圧倒的不利予想です。あの曲芸師を叩きのめせば100万ドルファイター確定です。PFPでも、井上尚弥らと違う「強い相手に勝った」ことが評価されて上位に入るでしょう。

その、井上のジェイミー・マクドネル戦もオッズが出てます。マクドネル勝利は8.2倍、井上1.14倍、8-1で井上圧倒的有利です。二人の実績から、妥当な数字です。

マクドネルは世界王者ですが、村田と全く同じポジションのWBAレギュラー王者。secondary champion
(二番目の王者、準王者)です。そして、ボクシング人気沸騰の英国で、置いてけぼりを食らったボクサーです。英国の大きなムーブメントに乗り遅れたのが、マクドネルです。

だから、マクドネルには「世界を見返してやる」という気持ちが強烈なはずです。英国のスターは、まともに日本には来ません。

マクドネルは、そういう選手です。米国で亀田和毅とも激闘を繰り広げました。評価も報酬もカリド・ヤファイ、ライアン・バーネット、リー・ハスキンスら同国の人気選手に遅れを取り、世界評価でもBOXING NEWS24などから「バンタム最弱王者」と烙印を押され、忸怩たる思いは半端じゃないでしょう。

井上が相手を舐めることなどないと信じていますが、全ての面で過去最強の相手です。最弱王者と言っても、リング誌もESPNも世界10傑に挙げる強豪です。豪快に倒せば、評価はさらに上がります。

井上の人柄は、もうにじみ出てるのでわかりますが、マクドネルを粉砕したら、絶対伝えて下さい。イギリスへ。

「マクドネルは強い王者でした。戦えて光栄でした。でもイギリスにはまだ素晴らしい王者がいると聞いてます。115ポンドで戦えなかったヤファイ選手も含めてバンタムにも強い王者がいるみたいです。東京でもロンドンでもいい。やりましょう!」

言って下さい。世界が報道します。イチビリのエディ・ハーンは「日本はチキンなプロモーターしかいないけど、井上はロンドンに来る気があるのか」と必ず身を乗り出します。

テーマからズレました〜、井上話も夢が膨らみますが、次はリナレスですね、ロマに勝てば堂々のPFP10傑入り、それも上位にいきなり踊りでます。
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ESPNとリング誌が、PFPランキングを更新しました。
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ESPNでは前回9位の井上尚弥が無念のランクアウト。日本のメディアは、ランクインしたときは書き立てますが、ランクが下がったり、圏外に放り出された場合は報道しません。まさに大本営発表です。

トップ10圏外からエロール・スペンスJr.がいきなり5位に躍り出ました。

リング誌では前回4位のセルゲイ・コバレフが9位に急降下。これにより下位の選手がひとつずつランクを上げて井上は7位に。

昨年同時期には、このランクとは全く無縁だったシーサケット・ソールンビサイですが、今や全てにランクイン。ボクシングニュース24では井上の後塵を拝していますが、SUPERFLY2の結果を反映していません。次回の更新では、間違いなく井上を逆転するでしょう。

承認団体と階級の増殖によって、「誰に勝ったのか」という絶対の価値基準がモノサシになりにくくなっています。弱い相手ばかりと戦っているのは井上だけではありません。

逆に言うと、「誰に勝ったか」のモノサシを当てにくくなったがゆえに、井上らもランクイン出来たのです。

しかし、シーサケットのような文句無しのファイターが登場すると、井上は蹴散らされてしまいます。

残念ですが、仕方がありません。

「弱い相手としか戦わないから」と言われても、「だって相手が逃げるんだもん」と誰にでもわかる詭弁でしか言い返せないのですから。

このままだと、過去の日本のエースたちと同じコースまっしぐらです。
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