カテゴリ: 没落するアメリカボクシング

リング誌がサウジアラビア総合娯楽庁に買収されてから、1年が過ぎました。

リング誌といえば1922年創刊の、英国ボクシングニューズ誌(創刊1909年)に次ぐ歴史あるボクシング専門誌。

2022年にプリントバージョンが廃刊、2024年からサウジアラビア総合娯楽庁に買収されて再生しました。

この100年の米国ボクシングは、隆盛の半世紀と没落の半世紀でした。

リング誌はそれを最前線で見続けてきたのです。

このメディアの最大の魅力が、膨大なアーカイブであることには誰も異論がないでしょう。

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しかし、昨年末にリューアルした電子版では、「Coming Soon(もうすぐオープン)」と告知されたArchiveが、いまだにオーブンされていないのです。

WBAをはじめとした認定団体とパートナーシップを結び、プロモーターとも表向き良好な関係を築いている娯楽庁は、認定団体のデタラメなランキングやタイトルマッチ、大手プロモーターのスター囲い込みへの批判は控えられています。

そんな非常に鋭く面白い過去記事を公開することは、パートナーにとっては不快でしかないでしょう。

その観点から、いまはどれを〝黒塗り〟するかの選定期間なのかもしれません。 




そもそも、リング誌は認定団体でもあり、総合娯楽庁がプロモーター機能も備える統括団体を目指しているのは明らかです。

UFCメソッドを輸血して、腐敗団体を駆逐、軽量級で顕著なおぞましい階級の細分化を廃止、8階級制の理想を取り戻すーーーつまり汚れた血の入れ替えが、最終目標でしょう。

入れ替わる血がもっと汚れている…なんてことにならなきゃいいのですが…。






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Saturday 19, July 2025
  
MGM Grand, Grand Garden Arena, Las Vegas, Nevada, USA
commission:Nevada Athletic Commission
promoter:Tom Brown (TGB Promotions)
matchmaker:Tom Brown
view on Amazon Prime Video PPV 


「セバスチャン・フンドラvsティム・チュー」「イサック・クルスvsアンヘル・フィエロ」の再戦。そして「ブランドン・フィゲロアvsジョエ・ゴンザレス」。

チュー、クルス、フィゲロア…、思い通りに行かなかった〝スター未満〟たちの仕切り直しです。

メインイベントは、4年ぶりにリングに戻ってきたマニー・パッキャオがWBCウエルター級王者マリオ・バリオスに挑戦。

殿堂入り式典に出席した翌月にタイトルマッチを行うという、前代未聞の蛮行をやってしまったパッキャオがこのイベントの主役です。

シュガー・レイ・レナードの時代から、オスカー・デラホーヤ、フロイド・メイウェザー、マニー・パッキャオ、カネロ・アルバレスと継承されてきたスーパースターのトーチはついに行き場を見失ってしまいました。

カネロは34歳になり、凡戦を繰り返していますが、次のスーパースターは誰1人として見当たりません。

ライアン・ガルシアはあまりにも実力不足、強豪との対戦を回避し続けるガーボンタ・デービスも馬脚をあらわしました。

バム・ロドリゲスや井上尚弥は、カジュアルなボクシングファンが視界にとらえるには小さいにも程があります。

カネロを最後にスーパースターの系譜が断絶すると、超Aサイドの理不尽な横暴もなくなってボクシングの少しは健全になるーーーそんな楽観的な期待は簡単に打ち砕かれ、勝負論が成立しないマッチメイクが横行、茶番劇が大きな関心を集める異常事態が続いています。

ジェイク・ポールは、井上やバムとは比較対象では無いほどの人気を集めているのが悲しい現実です。

井上やバムではPPVのPすら打てるわけもなく、井上に至ってはT−モバイル・アリーナ史上におそらく永遠に残る興行的汚点をしるしてしまいました。

「もっと日本からファンが集まると思った」(ボブ・アラム)というのは本気だとしたらボケすぎです。井上信者らは「もっと米国のファンが集まるはずなのに」と、相変わらずのトンチンカンで信じてたのでしょう。

自分たちで勝ったチケットをばらまき、サイン用グローブを配布して、そのへんのラーメン屋よりも短い行列を作る演出も虚しく、まともにチケットを買った人は何人いたのでしょうか?

井上の興行にTモバを運営するMGMグループから招致料が支払われているわけもなく、会場費を負担、PPVも付かなかったのですから赤字幅がどれほどだったのか?


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さて、このパッキャオ興行には間違いなく招致料が支払われ、プライムビデオがPPVで売り出します。

パッキャオがどうして復帰を決めたのかはわかりませんが、どうしてバリオスを選んだのかは誰にでも分かります。

階級最強と目されるジャロン・エニスを指名しても、エニスは喜んで応じたでしょうに。

ウィリアム・ヒルのオッズはバリオスの勝利が3/10(1.3倍)、パッキャオ5/2(3.5倍)のまま。試合まで1ヶ月を切って、オッズも動き出すはずです。



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No longer wants to see “Tom and Jerry” type fights

「トムとジェリー」みたいな試合はもう見たくない。

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トゥルキ・アル=シャイフ長官の発言が波紋を広げています。

「トムとジェリー」みたいな試合はもう見たくない。

長官は、シンコ・デ・マヨ週間にタイムズ・スクエアで行われたデビン・ヘイニー(vsホセ・ラミレス)との試合に激しい嫌悪感をあらわにしたと言われています。

誤解を恐れずにいうと、シンコ・デ・マヨはメキシコ移民が米国で祝う祭事であって、メキシコでは一般的・全国的なものではありません。

この祭事は西海岸で特に盛り上がり、米国ボクシングを支えるようになったメキシコ系ファンが偏愛するのは激しい打撃戦、トム&ジェリーとは対極にあるメキシカンスタイルです。

米国の会場でブーイングが起きるのはTom & Jerryスタイル、あるいは Jerry and Jerry スタイルと相場が決まっています。

米国ボクシングはメキシコ色に染められていますが、他の国でもメキシカンスタイルだけが歓迎されているわけではありません。

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米国でメインストリームを形成するメキシコや一部中南米のボクシングファンからは、逃げるだけのタッチボクシングやクリンチをルールとして禁止して、柔道の(教育的)指導のように減点、指導を3度受けた時点でTKO負けにすべきという馬鹿げた声まで聞こえています。

こんなルールが成立したら、メイウェザーは10敗くらい喫してそうです。

中南米のボクシングファンだけでなく、フィリピンはもちろん、日本でも「The Floyd Mayweather Jr. boxing style(タッチボクシング)」は、軽蔑の意味を含んで使われるケースが少なからずありますから、私たちも〝あっち側〟なのかもしれません。

個人的には、というか日本のボクシングファンはデオンティ・ワイルダーやノニト・ドネアのようなパンチャー、井上尚弥のようなKO中毒ファイターが好きですが、ワシル・ロマチェンコやオレクサンデル・ウシクのような、これぞ Sweet Science! という美しいボクシングにも魅せられているのではないでしょうか?

まあ、私でもシャクール・スティーブンソンのようなボクサーが好きかと聞かれると…アマチュア時代からプロの今まで、チキン丸出しのスタイルがとにかく嫌いです。

ボクシングの素晴らしさは、そのスタイルの多様性にもあります。

シュガー・レナードvsトーマス・ハーンズの初戦に至っては、試合の途中でトムとジェリーの立場が完全に入れ替わるという、超絶の演出が仕込まれた上質のドラマでした。

また、カネロ・アルバレスとゲンナジー・ゴロフキンの三部作は2戦目からトムがジェリーに、ジェリーがトムに役回りを変える面白さが溢れていました。

「ロマチェンコvsギレルモ・リゴンドー」を「ジェリーvsジェリー」と表現するのは違和感がありますが、それは結果論で、試合前は世界最高のテクニック展覧会が期待されていました。

「マービン・ハグラーvsハーンズ」や「井上vsドネア初戦」は、これぞ「トムvsトム」でした。

パンチャーvsボクサー は、このスポーツの最も興味深いテーマで「モハメド・アリvsジョージ・フォアマン」「レナードvsハーンズ」「レナードvsマービン・ハグラー」…歴史を刻んだ多くの名勝負がこのマッチアップでした。

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「カネロvsメイウェザー」が戦前あれほど盛り上がったのはBattle of Age(王の交代)という予感だけでなく、「マチスモの化身メキシカンスタイルvs卑怯者のタッチボクサー」というコントラストが鮮やかだったからです。

もちろん、技術を伴わない「ジェリーvsジェリー」は誰も見たくありません。技術を伴わない「トムvsトム」もやらせてはいけません、危険なだけです。

大谷翔平の登場でMLBのルールが変更されましたが、ファンが全面的に支持しました。「タッチボクシングやクリンチ・ホールディングの禁止」を叫んでいるのは、ボクシングからSweet Scienceの美しい虹彩を脱色しようとする一部の〝暴徒〟だけ。

それでも、昨今の「強い奴の意見が罷り通る」世界情勢を見てしまうと、メキシカン・スタイルだけが正義という暴論が認められる日が来るかもしれません。

すでに、ラスベガスをはじめ米国の採点は以前よりも攻勢を評価するようになったと見られており、茶番劇が大きな興行になる現状はSweet Scienceの脱色に他なりません。

米国がボクシングをまともなスポーツとして扱わなくなって久しいですが、業界に突如現れた圧倒的なパワーハウス、サウジアラビア総合娯楽庁の長官が「トムとジェリーみたいな試合は見たくない」と吐き捨てているのです。

この競技はどこまで落ちていくのでしょうか?



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Saturday 13, September 2025
  
Allegiant Stadium, Las Vegas, Nevada, USA
commission:Nevada Athletic Commission

 media:Netflix

Undisputed Super -Mddleweight Championship



BoxRecなどではpromoter(主催者)の名前が見当たりませんが、サウジアラビア・総合娯楽庁の主催となります。

Netflix はPPVでサービスすると見られていますが、どれだけ販売件数を伸ばせるか?

さらに、舞台はアレジアントスタジアム。カネロvsデビッド・ベナビデスでも大きいと思われるスタジアムに、相手は〝集客の死神〟クロフォード。

会場フルオープンで6万人規模の観客を集めることが出来るのか?これで上階席封鎖だとかなり寂しい光景になりますが、井上尚弥のT -モバイル・アリーナのような事故レベルの大惨事にはならないでしょう。

6万人は集まらなくても、多くのメキシコ系ファンがつめかけ異様な盛り上がりを見せるはずです。




ラスベガスはボクシング興行の最高舞台の一つ。

かつてはヒルトン、そしてシーザースパレス、MGMグランド・ガーデンアリーナ、T−モバイル・アリーナ、現在はザ・スフィアが最高舞台ですが、スフィアでのボクシング興行はまだ一度も打つことができていません。

スフィアに匹敵するとしたらスタンド席だけで6万5000人を飲み込むNFLラスベガス・レイダースの本拠地、このアレジアントスタジアムです。

アリーナ席を設けると7万2000人までキャパが膨らむ、2020年オープンの最新設備を揃えた美しいスタジアムが「ボクシング史上最大のイベントにふさわしい舞台」(サウジアラビア総合娯楽庁)。

WWEがすでにプロレス興行を打って大成功を収めている舞台ですが、ボクシングでは初めてとなります。

会見で、トゥルキ・アル=シャイフ長官は「KOボーナスを出す」と発表。金額は明らかにしていませんが、10万ドルレベルではないでしょう(100万ドルれべるでもない?)。


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アル=シャイフ長官はつねづね 「Tom & Jerry fights, where one fighter is "running around the ring and another fighter is chasing him."」(鬼ごっこみたいなタッチボクシング、トムとジェリーみたいな試合を追放する)と口にしてきました。

これはある意味「帝王の命令」です。フロイド・メイウェザーのような眠たい試合しかできないタッチボクサーは、サウジ主催のメガファイトには呼ばれないということです。

それにしても…。

メイウェザーのように試合は面白くなくても、品性下劣な言動でファンを煽り、驚くほどの集客力を誇ったマーケッター・ボクサーも必要です。メキシカンスタイルの喧嘩ファイトばかり見せられるのも如何なものでしょうか?

「カネ持ってる人が一番強い」と喝破したのは現役時代の浜田剛史でしたが、それにしても、ねぇ…。



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日本時間のきょう早朝にMGMグランドで発表記者会見が開催されました。

7月19日に、この巨大カジノ&リゾーツのグランドガーデン・アリーナで生きる伝説が、マリオ・バリオスの持つWBCウエルター級タイトルに挑戦します。

セバスチャン・フンドラとティム・チューの再戦がアンダーカードに追いやられるのもどうかと思いますが、ボクシングはそもそもスポーツではなく興行、そしてこの10年でエンタメ色が決定的になっています。

フンドラvsチューを含めて因縁の再戦が3試合(残り2試合はイサック・クルスvsアンヘル・フィエロ/ブランドン・フィゲロアvsジョエット・ゴンザレス)が前座に連なります。


Does Manny Pacquaio have one more shocker left in store?
パッキャオにまだ世界を驚かせる力が残っているのか?

 If there’s one thing Manny Pacquiao has proven he can deliver in a boxing ring, it’s the element of surprise.
マニー・パッキャオとは何者だったのか?一言でいうと驚き、驚きそのものだ。



多くのメディアが「この試合に勝つと、パッキャオにはさらなるメガファイトが用意されている」と浮き足立っていますが、それ以前の問題として「勝ったらアカンでしょ、普通」。

もちろん、日本のファンとしては佐々木尽とのタイトルマッチが見たい気はします。さすがに、日本のリングに引っ張り込むのは難しいでしょうから、井上尚弥の〝なんちゃってTモバ〟とは違う〝PPV付きのガチのT−モバイル・アリーナ〟も十分ありえます。

まあ、それ以前の問題として「勝てんでしょ、普通」。

Aサイドが好き勝手する歪みまくったボクシング界に突然現れ、何度も大番狂せを起こしてエリートファイターのキャリアマップや、プロモーターとTV局が描いた台本を引き裂き続けた超人パックマン。

自らがスターダムの頂点を極めてAサイドの権利を手にすると、キャッチウェイトを行使、安易な対戦相手との看板だけのメガファイトを繰り返した人間マニー・パッキャオは、4年のブランクからいきなり世界挑戦という正気の沙汰とは思えない愚行に手を染めてしまいました。

マニー・パッキャオはいま、46歳。

ジョージ・フォアマンは45歳9ヶ月で、世界ヘビー級王者(WBA/IBF)に返り咲きました。バーナード・ホプキンスは49歳3ヶ月で、世界ライトヘビー級王者(WBA)を獲得しました。

パッキャオは年を取り過ぎたというのは、早計なきもしてきますが、フォアマンは十分すぎるほどの実践を重ねてマイケル・モーラーを轟沈させました。

何度も最高齢記録を更新したホプキンスはボクシングに全てを捧げる規律を実践、老いと劣化を漏らさない強固なダムを建設しました。

フォアマンとホプキンス、パッキャオは歴史の残るグレートで、40歳でも世界のトップ戦線で戦ったこと、エネルギッシュな若い時代から、狡猾な省エネボクシングにモデルチェンジしたことでも共通しています。

しかし、フォアマンとホプキンスはボクシングに対する尋常ではない情熱を発散させていました。パッキャオの気まぐれとは全く違います。

「勝ったらアカンでしょ、普通」というよりも「勝たせちゃアカンでしょ、普通」。

そして、「勝てんでしょ、普通」。

もちろん、パッキャオは普通ではありません。

ボクシングが全く盛り上がらない米国でも、マニー・パッキャオの電撃復帰は一般のスポーツニュースでも取り上げられる異例の扱い。

「勝てばさらなるメガファイト」という道の最終地点は「マニー・パッキャオvsフロイド・メイウェザー2」。まともなボクシングファンなら失笑するしかありませんが、米国ボクシングの病状はそれほど重篤です。




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長いブランクからリング復帰、いきなりの世界タイトルマッチ。

それは、マニー・パッキャオだけの話ではありません。

38年前にシュガー・レイ・レナードも、実質5年のブランクから電撃復帰、PFPキング、無敵のundisputed middle weight champion マービン・ハグラーに挑戦したのです。

当時の主要認定団体はWBAとWBC、IBFの三つ。

「長いブランクはもちろん、ミドル級での試合実績もないレナードがタイトルマッチに臨むなんて許されない」とWBAとIBFがタイトルマッチと認めず。

唯一、ベルトを差し出したWBCはレナードのリング復帰を歓迎するパーティを事前に開催するなど、その後連綿と続く常軌を逸したスターシステムを構築していくのです。

あ〜あ…。

トーマス・ハーンズとの5階級制覇・一番乗り争いで、WBCは一気挽回しようとレナードとライトヘビー級王者ドニー・ラロンデの1試合にスーパーミドル級とライトヘビー級の2つの階級のタイトルを同時にステイクさせました。

この理屈が通用するなら一つの試合で17のタイトルを賭けると、全17階級制覇も出来るということになります。

それとも、17階級全部賭けるのはあからさますぎるから「1試合に賭けることの出来るのは5階級まで」とかの不文律があるのかもしれません。


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「レイジェスが一番似合うのはメキシカン」。そんな絶対真理までひっくり返したパックマン。


さて、パッキャオの復帰即タイトルマッチは7月19日、ラスベガスでセバスチャン・フンドラとティム・チューの再戦をアンダーカードに従えて行われます。

あ〜あ…。

一部メディアは「会場はT-モバイル・アリーナ」と伝えましたが、前夜までレディ・ガガがコンサートを開催していることから、MGMグランドガーデン・アリーナになる気配です。

それにしても。

前月に殿堂式典に登壇するとき、どんなスピーチをするのでしょうか?

そういえば…。

レナードもまた、殿堂入りしたにもかかららず、リング復帰したのでした。

あ〜あ…。

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米国スポーツでは、公式の年間表彰の〝裏側〟でUN OFFICIAL AWARDS なんてお遊びをよくやってます。

ボクシングの場合はリング誌が毎年恒例でやってましたが、サウジ資本になって批判精神は完全に放棄した模様で、消滅してしまいました。

シンコ・デ・マヨ週間、ニューヨーク→サウジアラビア・リヤド→ラスバガスの3元開催で行われた興行をOFFICIAL AWARDSと、UN OFFICIAL AWARDSで振り返ります。


【OFFICIAL AWARDS】

☆Fighter Of  Events☆


中野幹士…29歳のサウスポーが難敵ペドロ・マルケスを一方的に破壊。フェザー級タイトルに最も近い日本人は井上尚弥ではない?

この勝利で中野の実力がアジアレベルではないことが証明されましたが、タイトルホルダーから警戒される、研究されるのは間違いありません。



☆Fight Of Events☆

井上尚弥vsラモン・カルデナス…モンスターが「ルイス・ネリ戦と全く同じパンチで倒された」とESPNの中継で紹介されたことで、マニアが「あの日本人は欠陥品だろ」と非難されているのはもちろん、メディアも「ウシクやクロフォードには明らかに大きな欠陥はない」と批評を浴びせています。

フロイド・メイウェザーが「最も選ばれたくない賞」と嫌っていたように、海外では「最高試合賞」は「激闘賞」のニュアンスで選考されます(近年は日本でも激闘寄りになっています)。

井上の場合は非常に評価の低いカルデナス相手に倒されるという、PFPトップ3のファイターでは過去に見られなかった失態を演じてしまいました。




☆Upset Of  Events☆

ローランド・ロメロvsライアン・ガルシア
…カネロ・アルバレスを除くと米国市場で傑出した人気を誇るキング・ライがまさかの醜態。

今頃、体重超過とドーピングをしなかったことを激しく後悔しているかもしれません。




☆The Event Of  Events☆

タイムズスクエア
…文句なしです。試合内容はさておき、本当にひどい試合内容でしたが、あくまでイベントとしてみると最高にシュールな空間を見せてくれました。





さてさてさてさて!ここからが【UN OFFICIAL AWARDS】!

★ Omar Narváez Award (チキン極まりましたで賞)★

ウィリアム・スカル
…倒しに行かないカネロもカネロでしたが、せっかくのビッグチャンスで鬼ごっこを繰り広げたスカル。ラスベガスやニューヨークでやってたら、どれほどのブーイングをあびていたことか。



★ Mismatchi Of Events (マッチメイカーはどこに目を付けているので賞か)★

ラファエル・エスピノサvsエドワルド・バスケス
…バスケスも粘りましたが、開始ゴング直後から結末が予想できる退屈な試合でした。



★ Best Cinematography Award (上手く撮れたで賞)★

ESPNのカメラワーク…
キャパの半分しか入っていない会場を、封鎖した暗い2階席をスーッとなめるなど、膨大な数の空席をズームしないで結構入っているように見せました。

オスカーもののカメラワークでした。しかし、大橋・帝拳の嘘つきネットワーク、いつか「毒入りオレンジ事件」以来の文春砲喰らっちゃいますよ…。



★ Serves him right Award (ざまあみろで賞)★

DAZN…
タイムズスクエアとサウジのイベントをPPVで販売するも大不振。「HBOやSHOWTIMEの悪どい高額PPVからボクシングファンを解放する」と大見得を切りながら、早々にサブスクだけのビジネスが破綻。

HBOやSHOWTIME以上にPPVを乱発しているDAZNに呆れ果てています。













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NAOYA INOUE SURVIVES KNOCKDOWN, WAR WITH RAMON CARDENAS TO SCORE 8TH-ROUND TKO IN FIGHT OF THE YEAR CONTENDER(リング誌)

井上尚弥はダウンを挽回、ラモン・カルデナスとの激戦を第8ラウンドTKOで締めくくった。今年の年間最高試合候補だ。



Inoue won the weekend and proved once again he's must-see TV(ESPN)

井上は(スリリングな)勝利を収め、なぜ彼がテレビで見なければいけない、目を離せないのかをあらためて証明した。



Ramon Cardenas questions Naoya Inoue’s power despite stoppage defeat(英国ボクシングニューズ誌)

ラモン・カルデナスはTKO負けを喫したが、井上のパワーに疑問符を付けた。



Explosive Naoya Inoue recovers from knockdown to stop brave Ramon Cardenas(ボクシングシーン)

ノックダウンから回復した井上尚弥は爆発的な逆襲で勇敢なラモン・カルデナスをストップした。



Vegas Erupts As Inoue Destroys Cardenas — Unlike Saudi’s Dead Arenas!(米国ボクシングニューズ24)

井上がカルデナスを破壊して締めくくったラスベガスは好試合で盛り上がったーどうしよもない試合が続いて死ぬほど退屈だったサウジとは違って




まあ、他国のスター選手、なかなか本音は書けませんが、厳しい意見も出ています。つらつらと紹介していきます。


というか、俺、そろそろ寝た方がいい気もするけど、眠くならない。。。。
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米国の主要スポーツメディア、CNNスポーツなどがシンコ・デ・マヨのボクシング興行をどう伝えるのか、あるいは伝えないのかーーーちょっとだけ気にしてました。

サウジアラビアやラスベガスの興行は今までも伝えていなかったので、今回もないと思ってましたが、タイムズ・スクエアは報道すると確信していました。

ところが…CNNはやらなかった。さすがに、系列のニューヨークタイムズはスポーツ面で取り上げましたが。

この1週間、ボクシングはジョージ・フォアマンの追悼特集だけ。欧州サッカーやNBAプレーオフ、MLB、陸上のテグラ・ロルーペ(高橋尚子は変わらないのにおばあちゃんになっててびっくり)や、棒高跳び世界記録保持者アルマンド・デュプランティスの特集…。

ちょっと待て、タイムズ・スクエアでやってもニュースにならないのか?ボクシングって?
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カネロ・アルバレスがウィリアム・スカルと戯れあって、スーパーミドル級史上初のUndisputed championに返り咲きました。

それにしても、見ている自分が嫌になるような、時間の無駄な試合でした。



あれだけ引いて戦う(戦わない)ランナーを仕留めるのは鈍足のカネロでは不可能です。

しかし、カネロはこれで2021年11月6日にケイレブ・プラントを11ラウンドでストップしたのを最後に3年半、7試合もKOから遠ざかっています。

商品価値という点では、メキシコのボクシング市場で最も大きな存在であり続けているカネロはまだ34歳ですが、2005年のプロデビューから約20年、67戦(63勝39KO2敗2分)の濃厚なキャリアだけでなく、たった1人で米国市場のスターの座を守り続けた勤続疲労は心身ともに稀代の168パウンダーを蝕んでいます。

カネロは2020年3月から2022年5月までの2年2ヶ月間、リング誌PFP1位に君臨。PFPとは違い実態の価値があるFighter Of The Yearには2019年と2021年と2度選出された実績は、現役ファイターの中でも傑出したものです。

今年は2025年。2020年から6年が過ぎ、Fighter Of The Decade 2020’ の10年間が折り返しました。

気の早い話ですが、2020年代のFighter Of The Decade は誰になるのか?

Fighter Of The Decade は1990年代(〜1999年)から始まった新しいアウォードで、これまで受賞しているのは1990年代がロイ・ジョーンズJr.、2000年代がマニー・パッキャオ、2010年代がフロイド・メイウェザー。

2010年代は2015年で引退、実働6年間のメイウェザーではなくて、このディケイドをフル稼働、ジュニアミドル級からライトヘビー級の4階級を駆け抜けたカネロでも良かった気もします。

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しかし、カネロは2013年にマネーとの直接対決で完敗(オフィシャルのスコアはなぜか2−0のMD)したのが大きなマイナス、一方でメイウェザーはパッキャオとの大勝負でも勝利、この2試合の結果が大きくモノをいいました。

さて、2020年代です。

現時点での有力候補はPFPキング在位の長さで測るとカネロ、テレンス・クロフォード、オレクサンデル・ウシクが3強。

井上尚弥はあまりにも1位の在位時間が短すぎるので、PFPの尺度では論外。

もちろん、井上が今後のキャリアでローマン・ゴンサレスやカネロのように2年以上もPFP1位に君臨する可能性もゼロではありませんが…おそらく無理でしょう。

井上がFighter Of The Decade に選ばれるには、中谷潤人とのPFP対決に勝利してもう一度Fighter Of The Yearを獲り、PFP1位に1年程度は君臨することが必要でしょうか。

PFPとは違い実態の価値がある、そのFighter Of The Yearの2020年代の winner を見ると、テオフィモ・ロペス(2020年)、カネロ・アルバレス(2021年←2019年に続いて2回目)、ドミトリー・ビボル(2022年)、井上(2023年)、ウシク(2024年←2018年に続いて2回目)の5人が選出されています。

今年のFighter Of The Yearにノミネートされそうなファイターをピックアップすると、アルツール・ベテルビエフにリベンジ成功のドミトリー・ビボル、ウエルター級で団体統一したジャロン・エニス、西田凌佑との統一戦で勝利が条件の中谷潤人、プメレレ・カフとの統一戦に勝利することが前提でバム・ロドリゲス、そしてムロジョン・アフマダリエフを倒して、ニック・ボールも攻め落とすと井上が最右翼か?…混沌としています。

しかし、9月12日にテレンス・クロフォードがカネロに勝利、ジュニアウエルター級、ウェルター級に続きスーパーミドル級でもUndisputed チャンピオンになると、これで決まり。

クロフォードがFighter Of The Yearを獲ると、2014年以来11年ぶり2回目、PFP1位返り咲きも確実ですが…。

逆に、カネロはクロフォードに勝ってもFighter Of The Yearには届かないかもしれません。このあたりが不公平です。



⬆︎すでにオープンしているオッズはカネロの勝利が1/2(1.5倍)、クロフォード13/8(2.625倍)。会場はラスベガスで決定、舞台はアレジアント・スタジアムになりそうです。



Fighter Of The Decade ー2020年〜2025年現在までだと、ウシクとカネロの一騎打ちの様相ですが、この手のアウォードは同じ内容でも前半よりも後半に活躍する方が印象点で圧倒的有利。

その意味では、2010年代後半から2020年代序盤というディケイド跨ぎで輝きを見せ、現在はもうひとつパッとしないカネロは、ライトヘビー級でビボルに鮮やかにリベンジしてのPFP1位返り咲きや、3度目のFighter Of The Year 獲得となると一気に最有力に躍り出ますが…。

さらに2020年代はまだ前半。このあと印象点が高い〝後半戦〟でバム・ロドリゲスや中谷潤人、ジャロン・エニスらが大きな勝利をものにする、あるいはまだ雛の段階のスター候補が大化けするかもしれません。

現在の2020年代PFPは①ウシク、②井上、③カネロ、④クロフォード、⑤ビボルがトップ5か。

商業的価値、人気では圧倒的に1位のカネロですが、この時点ではっきりと黄昏てしまっていることを考えると、Fighter Of The Decadeは非常に厳しい。

まだ、キャリアを総括するのは早すぎるかもしれませんが、9月12日にクロフォードに負けるようなことがあれば、米国ボクシングのラスト・エンペラーがリングを去るかもしれません。

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