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11月7日 さいたまスーパーアリーナ WBSSバンタム級トーナメント決勝

IBF王者 井上尚弥vsWBA王者ノニト・ドネア


欧米メディアがこの後に及んでも取り上げないのは単純に興味がないからです。日本で戦前予想が少ないのは勝敗への興味が低いからです。

この8年間、まともな相手から勝利を収めていないドネアは16日には37歳の誕生日を迎えてしまいます。

マニー・パッキャオのように狡猾なボクサーの顔を持たないドネアは「左フックをどう当てるか」という引き出ししか持たない純情ファイターです。

右顔面にグローブを密着させた西岡利晃は右で倒しましたが、あれは〝引き出し〟なんかじゃありません。

26歳、今がまさにプライムタイムのモンスターに、ドネアが大番狂わせを起こす可能性は限りなくゼロです。

とにかく引いて引いて井上を前に出してカウンター狙い。大きなダメージを負うことなく中盤から終盤を迎えて、どこかで一か八かの勝負に出る。 

あるいはエマニュエル・ロドリゲス戦で硬さが目立った井上の立ち上がりに総攻撃を仕掛ける、これも結局は一か八かです。

下がって戦うのが大の苦手であることを考えると後者しかない気もしますが…。 

8年間もまともな相手に勝てなかった(ライアン・バーネットは除く)ドネアが、PFPファイターから大金星を挙げるーー考えられない奇跡です。ドネアが未知のボクサーならまだ怖さもありますが…。

というわけで、井上のポストWBSSです。 そんな先のことを考えてると村田諒太やアンソニー・ジョシュアのように足元をすくわれる、そんな心配も今回ばかりはないはずです。


CASE① Stay Bantam〜118ポンドにとどまる場合

このケースは拓真がWBC王者ノルディン・オーバアリに敗れることが大前提でしょう。

IBF/WBA王者の井上は、あと二つのベルトをコレクションして日本史上初の4団体完全統一王者Undisputed Champion をめざすことになります。

WBCのオーバアリはエリートアマからプロ転向、頑健でタフなサウスポー。暫定王者・拓真にとってこの団体統一戦は厳しい戦いになるでしょう。

尚弥にとってのドネアと同じく、拓真から見てオーバアリは10歳年上ですが、33歳のモロッコ系フランス人は今が全盛期。

WBO王者はトーナメント離脱からも「肩は完治した」という切れ味鋭いカウンターパンチャーのゾラニ・テテ。今月30日には、6度目の防衛戦のリングにジョン・リエル・カシメロを迎えます。

どちらも井上にとってはキャリア最強の相手ですが、WBCではルイス・ネリが指名挑戦者のポジションを獲得しており、オーバアリvs拓真の勝者と戦う目が濃厚です。

いずれにせよ、バンタムにとどまるなら〝WBSS〟でやり残した仕事、完全統一を目指すことになります。


CASE②Beyond Bantam〜122ポンドに上げる場合

尚弥は現在26歳。選手寿命の短い軽量級とはいえ、十分な時間が残されています。

本人も自覚している「(米国で注目されるには)最低でもフェザー」に上がるのに性急になる必要はありません。もちろん、126ポンド・フェザー級がゴールなら、ですが。

となると、とりあえずは122ポンド、ジュニアフェザー級です。

フェザー級ですらPFPファイターは見当たりませんし、ジュニアフェザーも目立った強豪は居ません。122ポンドでも井上が飛び抜けて評価の高いボクサーです。

とはいえ、完全に穴階級と化しているバンタムよりは興味深いボクサーが並んでいます。

リング誌王者は不在、アルファベット王者はWBA/IBFがダニエル・ローマン。日本でもお馴染みのダニーは決定力のない2団体統一王者。

WBCがレイ・バルガス。7月13日に亀田和毅とのつまらない試合を制した28歳の試合巧者。世界レベルではグダグダの試合を繰り返しながら、タイトルは手放さないしぶとさは持っています。

WBOはエマニュエル・ナバレッテ。推定階級最強のアイザック・ドグボエを2度にわたって撃破。ナバレッテが現在の推定階級最強です。

この「強打のVaquero(カウボーイ)」を倒せば、軽量級シーンに大きなインパクトを残すことが出来ます。

井上戦にも関心を示していますが、井上よりも若い24歳、これからさらに強くなる可能性を秘めた非常に危険な相手です。

タイトルこそ持っていないものの、ギレルモ・リゴンドーは人気がないビッグネーム。もし、井上がキューバのジャッカルを失神ノックアウトするようなことがあれば、軽量級を超えたニュースです。

現在39歳のジャッカルは直近のフリオ・セハ戦を見るまでもなく、魅せるボクシングにこだわり、死に場所を探しています。危険な相手ですが、井上にとっては評価のリターンが最大の果実でもあります。

そして、フェザー級進出を示唆している亀田和毅です。フェザー進出ならすれ違いになりますが、亀田一家を苦悶させる呪縛を解く、一番手っ取り早い方法は井上に勝つことです。

変な相手に変な勝ち方をして「どんなもんじゃい!」と言われても、こっちが恥ずかしくなるだけです。「5階級制覇したら文句ないんやろ!」と開き直られても、弱い相手ばかりを選ぶなと言ってるのに論点がズレすぎです。

和毅は勝たなくとも善戦したら、亀田一家の最終兵器と認められるでしょう。


CASE③Beyond Minor-division〜マイナー階級を翔び超えて…パッキャオが見た風景へ

「パッキャオが見た風景を見たい」。かつて井上が口にした、その言葉の真意はわかりませんが、それが多くのファンが想像することと一致するなら…。
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カネロ・アルバレス、素晴らしいボクサーファイターに成長しました。今年最後のメガファイト、セルゲイ・コバレフ戦は戦慄のノックアウトを演出、MGMグランドガーデンアリーナに詰めかけた1万4000人を熱狂させました。

まー、大したことないですなぁ。カネロvsコバレフ、1万4490人ですって。ウサギ小屋でやったんですか? 

11月7日の井上尚弥vsノニト・ドネアの舞台、さいたまスーパーアリーナは2万席以上セットアップされています。

寂しいもんよのう、MGMグランドガーデンアリーナ。
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さて、井上vsドネア。米国ではDAZNが配信するようですが、スペイン語なんですね…まあ英語圏では興味ゼロでもスペイン語圏のマニアには間違いなく必見のカードです。

しかし、オッズが全く動きません。いつも通りです。興味がないから誰もベットしないんでしょう。

このまま井上1/10(1.1倍)、ドネア11/2(6.5倍)のまま試合当日を迎えます。

リング誌は表紙に使った責任もありますから、電子版ではせめて戦前予想くらいはして欲しいですね。プリントバージョンでは無視でしたから。

ただ、予想となると確かに面白い展開が予想できなくて、その意味で難しい…です。

まず、アクシデントを除外してドネアが勝つ展開が想像できません。ステフォン・ヤングにスピード負けしてるのを目の当たりにしてしまうと…もう残酷な結末以外に何を予想したらいいのでしょうか?

というわけで、ドネアが唯一上回る経験値、Quality Opponent(対戦相手の質=レベル)を比較してみます。

5ツ星は殿堂入りもありうる超強豪やPFPファイター。4ツ星は複数団体統一王者。三ツ星は階級最強王者クラス。二ツ星は評価の高い王者や階級最強候補の若い才能。一ツ星はアルファベット王者でもリング誌やESPNのランキングにも入っていた世界基準と認められた強豪。

田口は当時日本王者でしたが、未来の団体統一王者で二ツ星に匹敵すると評価しました。

井上尚弥の対戦者品質 ノニト・ドネアの対戦者品質
★★2013年8月15日3−0判定勝ち ★★★
★★
2007年7月7日5ラウンド
KO勝ち
田口良一 ビック・ダルチニアン
★2014年4月6日6R
TKO勝ち
 ★★2008年11月1日6ラウンド
TKO勝ち
アドリアン・エルナンデス モルティ・ムザラネ
★★★2014年12月30日2ラウンド
KO勝ち
 ★★★2011年2月19日2ラウンド
KO勝ち
オマール・ナルバエス フェルナンド・モンティエル
★2018年5月25日1ラウンド
KO勝ち
 ★★★2011年10月22日12ラウンド
判定勝ち
ジェイミー・マクドネル オマール・ナルバエス
★2018年10月7日1ラウンド
KO勝ち
 ★★2012年7月7日12ラウンド
判定勝ち
ファン・カルロス・パヤノ ジェフリー・マセブラ
★2019年5月18日2ラウンド
KO勝ち
 ★★★
★★
2013年4月13日12ラウンド
判定負け
エマニュエル・ロドリゲス ギレルモ・リゴンドー
    ★★★2014年10月18日6ラウンド
TKO負け
    ニコラス・ウォータース
    ★★2016年11月5日12ラウンド
判定負け
    ジェシー・マグダレノ
    ★★★2018年4月21日12ラウンド
判定負け
    カール・フランプトン
    ★★★
★
2018年11月3日4ラウンド
TKO勝ち
    ライアン・バーネット
対戦相手の質は歴然です。ドネアについては一ツ星の選手は除外しました。井上が勝った相手には殿堂クラスは皆無、PFPファイターすら見当たりません。 

井上が勝った最高品質がナルバエスで、ドネアも勝利しています。戦った時期が違うナルバエスを同じ三ツ星評価にするのは不公平に感じるかもしれませんが、ここはご愛嬌。

二人の年齢・キャリアが同じなら、明らかにな強豪のドネアにまだテストされていない井上が挑むという図式ですが、日本のモンスターは26歳、フィリピンの閃光は36歳です。 

マニー・パッキャオは無敗のキース・サーマン相手に10歳の格差を粉砕して見せましたが、ドネアはパックマンではありません。

ドネアはバーネット相手に幸運な白星を拾ったとはいえ、それを除くともう7年以上もまともな相手から勝利を収めることが出来ていないのです。

7年間も劣化の坂道を転がり落ちてきたドネアが、いまだに現役であることが不思議なくらいです。

ドネアが明らかに劣化の綻びを見せた2012年頃から、井上は破竹の快進撃を続けています。一方、ドネアの戦力曲線は大きく右肩下がりに落下し続けています。

「Battle of Age=世代の対決」の焦点は「早すぎたのか、遅すぎたのか」ですが、そんなことも議論に上がらない段階で二人は相見えるのです。

ドネアが井上と互角のラリーを見せるとしたら、信じられないくらいの相性の良さが存在したときだけですが、そんな相性まで井上有利に思えてしまいます。

ボクシングは相性のスポーツですが、それは両者の実力が拮抗していることが前提です。両者の実力に悲劇的な開きがあれば、相性なんてなんの意味も持ちえません。

モハメド・アリはケン・ノートンの身体能力の高さに苦しみました。マニー・パッキャオはファン・マヌエル・マルケスの恐るべきタイミングに吸い込まれました。アンソニー・ジョシュアはアンディ・ルイスJr.のハンドスピードと回転力を見誤りました。

今のドネアに井上を戸惑わせるツールが一つでもあるでしょうか?ブン回しの左フックは当たるわけもありません。

ステフォン・ヤングのスピードについていけずに何発も被弾したドネアに、井上が早い段階でクリーンヒットを奪えないなんてことが木曜日のたまアリの夜に起きるとは考えられません。

アクシデントやラッキーパンチを排除して、ドネアに勝機があるとしたら、どんな展開が考えられるでしょうか?
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普通に考えるとミスマッチな「井上尚弥vsノニト・ドネア」が、どうしてこんなに楽しみなんでしょうか?

ドネアよりもエマニュエル・ロドリゲスを押し切ったジェイソン・マロニーや、拓真とのWBC団体統一戦を争うノルディン・オーバアリのほうが、善戦しそうです。場合によっては、ステフォン・ヤングの方が長い時間を生き延びることが出来そうです。

にもかかわらず、ボクシングファンにとってこの試合は「井上の序盤KOしかない」からソソられないというわけではないのです。 

ドネアは華があるんです。井上にはまだ、それはありません。

昨日は、リング誌12月号は「井上vsドネア」を無視して、カネロvsコバレフに多くのページを割くのは仕方ないにせよ「井上vsドネア」を完全無視で「パッキャオvsハメド」特集ってふざけるなッっ!
と憤ってしまいました。

ハメドもまた、ドネアを遥かに上回る華がありました。

そのリング誌の特集でハメドは「私はボクシングの歴史を変えた」「私は誰からも逃げていない」ということも滔々と語っているわけです。

後者については、ハメドの一発殿堂が叶わなかった最大の理由で、ハメド本人が「(明白に対戦を避けたと非難された)ファン・マヌエル・マルケスはオーソドックスでテクニックもパワーも飛び抜けていない。逃げる理由がない。プロモーターが勝手に避けただけで、私は誰からも逃げたことはない。逃げたと言われ続けたアントニオ・マルコ・バレラとも最後は戦った」と抗弁していますが…。

まあ、明らかに逃げてました。あれだけ指摘されてた現役時代に「だったらバレラ、モラレス、マルケスに勝てばいいんだろ!!」と叫ぶことなく、ずーっと沈黙でしたからね。

そんなハメドのチキンに幻滅した世界のボクシングファンの前に現れたのが、マニー・パッキャオでした。

やはり、パッキャオは途轍もない強運の持ち主です。メキシコ史上屈指の強豪が三人も、ハメドが逃亡するという演出効果まで伴って、目の前に現れてくれたのですから。

そのハメドが、自画自賛する前者の言葉「モハメド・アリもシュガー・レイ・レナードもできないことを私はやった」と胸を張るのが「米国市場に軽量級でビッグファイトをもたらした」ということです。

その通りです。

このブログでも「井上信者が妄想しているラスベガスは存在しない」と断言していましたが、「例外はある」と付記していたはずです。

例外はバレモラマルの三人や、彼らから格は何枚も落ちるものの、今ならレオ・サンタクルスです。

バレラvsモラレスはMGMグランドガーデンアリーナのメインで戦い、それぞれ最終的に450万ドルを手に入れました。 その前座でフェルナンド・モンティエルがひっそりと二階級制覇に成功したものの報酬はありえないほど低い1万5000ドル!。しかし、それでも当時のモンティエルにとってはキャリア最高でした。

同じメキシコ人でも、メジャーリーガーのスターと3Aの控え選手ほどの格差です。

「軽量級でメジャー」…「カリスマ主婦」のようなパラドックスに満ちた言葉ですがモラレスやバレラはそれを具現化していたのです。マルケスは、華やかで早熟なライバル二人と比べると不運でした。


前置きが長くなりました。

米国で軽量級選手がスターになることはありません。バレラ、モラレスも15年周期でやってくる流星群のような超常現象です。
IMG_3161「マルケスから逃げまくった」という理由で一発殿堂を阻まれたハメドでしたが、「米国で最も成功した軽量級」と断言して差し支えないでしょう(もちろんパッキャオは例外です)。

「空飛ぶ絨毯」で入場、ハメドは超一流のエンターテイナーでした。



バレ、モラ、マル。彼らをしのぐ超常現象がナジーム・ハメドでした。

ボクシング150年の歴史で、最も注目された軽量級という意味では「150年に一度の単独流星」です。

イエメン王朝の寵愛と、英国のバックアップを受けたという「温室」な一面はあったとはいえ、ハメドが強豪王者で、何よりも試合が面白かったことは、誰も否定しないでしょう。

「弱い相手としか戦っていない」という批判も正確ではありません。全盛期ではないもののの、日本でもおなじみのウィルフレド・バスケスや、ケビン・ケリーなど名前のある選手を撃破。

ハメドは強い相手にも勝っているのです。ただ「せっかく時代を共にした超弩級の強豪バレモラマルからは逃げまくった」だけなのです。

バレラとは戦いましたが、完敗。残る二人とやってたら、キャリアにあと二つの黒星が間違いなく付いていたとみなされています、逃げたのだから。

それでも、ハメドのやり方、つまり「イエメン王朝=ジャパンマネー」のメソッドなら井上尚弥も米国の日系人コミュニティや、日本からの観光客による相乗効果でラスベガスやニューヨークで大きなイベントができるかもしれません。

まあ、それなら日本でやれよ、な話ですが。

実際に村田諒太も「ミドル級なんて日本で開催は無理」と、せいぜい最初の世界戦くらいと思ってましたが、村田以上のマネーパワーは現状ではいないんですね、ミドルですら。


村田は、現在最も人気のあるミドル級相手でも日本開催が出来ることを知らしめました。

もちろん、金ロは例外です。

ミドルですら、ジャパンマネーの引力がここまで強烈なのです。

ハグラー、レナードの時代を思い返すと「レナード以外なら東京に引っ張り込める」ということですから、ミドル級でも米国の存在感が希薄になってしまったということでしょうか。

いずれにしても、軽量級のパワースポットは日本でしかありえません。

ラスベガスはブラックホールです。 
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ついにあと1週間を切りました。

井上尚弥vsノニト・ドネア!

軽量級の枠を超えて全17階級で最もスペクタクルなKOシーンをデリバリーするモンスターと、8年前はPFP3位だったとはいえ劣化著しいフィリピーノ・フラッシュの対決。

月曜日のWOWOWエキサイトマッチで放映された二人のWBSSでの戦いぶりを見ると、井上を応援している立場なのにドネアが心配になってくる有様です。

日本では一般メディアの盛り上がりはいま一つですが、専門誌は井上vsドネアで沸騰しています。ボクシングファンなら誰でも知ってるドネアが日本初見参、しかも井上との団体統一戦ですから当然です。
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しかし、当たり前ですが欧米では寂しい扱いです。

英国ボクシングニューズ誌の目にはこのビッグファイトが見えないようです。

今年に入って井上を3度も表紙カバー、うち二つは単独カバーしてくれたリング誌も12月号では「ほぼ」スルー。「カネロ・アルバレスvsセルゲイ・コバレフ」の特集でバンタムとかWBSSにはページが割けないということでしょう。

まだ、英国のケースはわかります。当然です。日本のマガジンやビートもヘビー級やスーパーミドル級、ライトヘビー級、クルーザー級で一色になる号はありません。

米国のリング誌も、カネロのメガファイトに大きく傾斜するのは納得です。しかし、表紙は「パックマンvsプリンス」……このタイミングでパッキャオとハメドの特集なんて、どうでもええっちゅうねん!

単独カバーなのに中身は浅くて薄いのは許すけど、少しくらいは特集してもいいんじゃないかッ!?

 「ほぼ」スルー、と書いたのは写真無し、半ページのベタ記事で宮田有理子が熱く書いてくれているからです。

ボクマガでいつだったか忘れてしまいましたが、宮田女史の「誰もがパックマンを愛してる」というヘッドラインに素晴らしいセンスだと感銘しました。

「チケットは発売数週間で完売」「井上は日本のゴールデンタイムのバラエティ番組に引っ張りだこ」「信じられないほど単純で基本的な練習を毎日継続しているのは、超一流のバレリーナのよう」「ボクシングの指導書用で撮影に臨んだ井上を見たが、ありえないことにテイク2(撮り直し)無しで一発採用だった」 …小さなスペースに熱く書き込んでくれています。


話もどって、月曜日のWOWOWは録画して今みたのですが、重ね重ねドネアが心配です。ステフォン・ヤングのパンチをあんなにもらうなんて、あの試合を見たときも大丈夫か?と思いましたが、井上の試合と比べるように見せられると、この試合を誰もミスマッチと呼ばないのが不思議でなりません。

ドネアは打たれ強いだけに、我慢して我慢して…の凄惨な展開は勘弁してほしいところです。。。。 
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ノニト・ドネアが最も輝いたのが、2011年であることに異論はありません。

個人的には、ビック・ダルチニアンを斬り倒した2007年だと確信していますが、多くのボクシングファンにとってはフェルナンド・モンティエルを予告通りに2ラウンドで葬った2011年になるのでしょう。

衝撃度や相手のレベル、リング内でのあらゆる側面では「2007年」ですが、HBOで初めてメインを張った「2011年」がフィリピーノ・フラッシュの光度が最高点に達したと見るのが正解で文句はありません。

今夜は、そのモンティエル戦(2011年2月19日)直後の米国Yahoo!スポーツから。
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TOP FIVE FIGHTS FOR NONITO DONAIRE 〜 これからドネアが戦うべき五人の強敵〜

「フィリピンの閃光」はモンティエル戦を驚くほどあっけなく、簡単に終わらせた。そして今、求められているのは新たなダンスパートナーだ。
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①ShowTimeのバンタム級トーナメント決勝(ジョゼフ・アグベコvsアブネル・マレス)の勝者。


対立王者と戦ってUndisputed Champion を目指すのは最も道理に適った路線だ。

アグベコはドネアに匹敵するプレッシャーファイター、マレスは完成度の高いボクサーパンチャー。モンティエルとはレベルの違う二人、どちらが相手でもこの階級最強決定戦の一つになる。

アグベコなら50:50の戦い。

マレスならドネア有利だろうが、オスカー・デラホーヤは秘蔵っ子を危険に晒す交渉にはつかないだろう。


②ファン・マヌエル・ロペス

「ロペス相手じゃドネアも分が悪い。ありえない」。

そう笑う前に、モンティエル戦後のドネア陣営の言葉を思い出せ。

「バンタムではあと1、2試合しか戦わない。122ポンド(ジュニアフェザー級)へ上げる。最終目標は135ポンド(ライト級)だ」。

ライトは笑うところだが、ジュニアフェザーは現実だ。

軽量級にはスターはいないが、極めて稀だが人気者が出現することがある。ファンマはそんな奇跡の一人だ。高い実力を評価されながら不人気に苦しむドネアにとって、ロペスはこれ以上ないご馳走。

しかも、二人ともトップランク傘下。マッチメイクには何の障害もないはずだが、ドネアを引き抜こうとしたGBPとトップランクは係争中。ドネア陣営もファンマとの対戦は回避しそうで、実現性は低い。

それでも、ファン目線では至高のスペクタクル。


③アンセルモ・モレノ

8年間無敗のバンタム級王者だが、ドネア以上に人気がないばかりか、過小評価されている。今のモレノに勝てるバンタムはおそらくいない。

ドネアがズルズルとポイントを失う展開も十分に考えられる。

まだ25歳のパナマ人は、今がまさに全盛期。

ドネアの火力がモレノの装甲を打ち破れるのか?それともモレノがドネアにボクシングのレッスンを施すのか?

実現したら、コアなファンにとってはヨダレが止まらないカード。


④亀田興毅

軽量級にスターはいない、というのは米国の話。日本の事情は全く異なる。

信じられないかもしれないが、亀田は1試合100万ドル以上を普通に稼ぐ Mega-Star。米国のウェルター、ミドルは、日本ではフライ、バンタムなのだ。

米国ではコアなファンでないと亀田を知らないだろうが、彼は人口1億人の経済大国で誰もが知ってるプロスポーツ選手。彼の試合の視聴者数はHBOのどの試合よりも遥かに多い。

もし、亀田戦が実現したら軽量級のメッカ後楽園ホールでは器は小さすぎるだろう。マイク・タイソンが2度戦ったすぐ隣の巨大なタマゴ(東京ドーム)も夢の舞台ではない。

興行的な面(リターン)から見るとドネアにとって亀田はファンマをも大きく上回り、安全面(リスク)はファンマやモレノよりもずっと小さい。

ドネアはもちろん、世界中の軽量級ボクサーにとって、これ以上のダンスパートナーは存在しない。


⑤ギレルモ・リゴンドー

まだ7試合しか戦っていない〝キューバのジャッカル〟が122ポンド最強であることは、好き嫌いは別にして認めるしかないだろう。

とにかく恐るべき手練だ。熟練工の仕事が見ていて地味で退屈なのは、ボクシングに限ったことではない。

しかし、リゴンドーがプロボクシングのリングを熟練工の作業場と勘違いしているのだとしたら、それはやっぱり大間違いだ。

そして、亀田とは対極にリゴンドーは完璧なまでに強いが人気は全くない、まさに亀田の裏返し。

そのことは、ドネアにとってハイリスク・ローリターンの見本であることを意味する。ファンだけでなく、選手にも敬遠されるのがジャッカルだ。

ただ、リゴンドーは大きな試合に飢えている。そして、ドネアも。

マッチメイク上は問題はないが、ボブ・アラムがやらせるとしたらリゴンドーが劣化してからか、GBPに寝返ろうとした裏切り者ドネアへのペナルティとしてだろう。 
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いよいよあと10日に迫りました。

現時点で、リング誌とESPNで、勝敗予想などのこの試合に関する記事は見当たりませんが、今がプライムタイムの井上尚弥が圧倒的に有利であることは間違いありません。

そして、36歳のノニト・ドネアがキャリア最後のページをめくろうとしているのも間違いありません。

直近10試合を振り返っても、26歳の井上は全勝9KOで内容的にも全く不安要素を露呈していません。

一方のドネアは7勝5KO3敗。前戦のステフォン・ヤングは左フック一閃で全てを清算しましたが、それまでの展開は被弾も目立ち、もたついた印象は拭えませんでした。

欧米で関心の低いバンタム級だけにオッズは井上1/10(1.1倍)、ドネア11/2(6.5倍)のスタートから微動だにしないままですが、井上勝利は鉄板です。
Inoue-v-Donaire

今夜のテーマはズバリ、井上に死角はあるのか?

どんなに完璧に見えても、欠点のないボクサーなど存在しません。井上にも魔法のガウンで隠された欠点がいくつもあるはずです。

もちろん、現時点のドネアに「そこ」を突ける能力があるのかどうかは、また別問題ですが。


①クロスレンジの戦いに不安はないか?

「井上はインファイトが苦手」。

そう囁かれた時期もあり、本人も意識していたことはリカルド・ロドリゲス戦で「クロスレンジでも上手く戦えた」と手応えを語ったように明らかです。

とはいえ、それは世界水準の実力が怪しいリカルドだったからです。

しかし、もう一人のロドリゲス、世界レベルのマニー・ロドリゲスに対しても最後はクロスレンジのパンチの交換で綺麗に倒して見せました。

ただ、2ラウンドのあのシーン。マニーの方が力みかえって大振りになっていました。あれだけモーションが大きいと誰に取ってもオーダーメイドです。

それでも、1ラウンドはコンパクトな攻めで井上をロープに追い詰めたマニーが、あそこまで雑になってしまった最大の原因は2ラウンドから井上がプレッシャーを強めたからに他なりません。

モンスターの 圧 に予想以上に気の弱さを露呈したマニーと同じように、ドネアもパニックに陥るのでしょうか?

クロスレンジで巧みにスイッチするドネアの左はリードであるとは限らない、変幻自在の妖剣です。

そんなこと、井上は百も承知でしょう。

ヤング戦でも、あれほど不細工な展開にはまっていたのに最後の左だけは絶妙の居合いで斬り捨てて見せました。

しかし、井上とヤングではステージが何段階も違います。

ドネアの左は要注意、それは当たり前です。しかし、自慢の妖剣が錆び付いているのもまた事実です。あの左が炸裂する前に、もっと劇的に試合が終わる可能性の方が何倍も高いでしょう。

マニーとの第1ラウンド、井上はどれだけ余裕を持ってロープまで下がったのか?

ドネアのプレッシャーが、過大評価のプエルトリコ人よりも分厚いことは間違いありません。

井上が「最初は固かった」と振り返ったマニー戦と同じように、立ち上がりの動きが悪いようならドネアが主導権を握る可能性もあります。

それでも、今のドネアの左は序盤ではヒットしないでしょう。


②ドネアのタフネスは井上を追い詰めるか?

井上のキャリアの中で今のドネアが最強かどうかは極めて怪しいですが、最強打者であることは疑いようがありません。

そして、やはり間違いなく打たれ強さも過去最高の相手でしょう。2階級上のフェザー級トップ戦線で戦ったドネアにとって井上のパワーは単純な脅威にはなりません。

「ニコラス・ウォータースのパワーとフィジカルを想定していれば大きく裏切られることはない」というドネアの考えに大きなズレはないでしょう。

ただ、井上の際立つところはタイミングです。ファン・カルロス・パヤノを失神させた「戦慄のジャブクロス」(英国ボクシングニューズ誌)も、マニーを砕いた「出所を隠したパンチ」(リング誌)もパワーに依存したフィニッシュブローではありませんでした。

しかし、やはり、ドネアは彼らとは違います。

井上にとってドネアが大きな重戦車に感じるようなら好き放題のパフォーマンスは出来ないでしょう。

…でも。その展開になったとしても、フェザー級で戦った装甲を井上に一枚一枚削り落とされたドネアが終盤ストップされるシーンが目に浮かびます。


③井上の顎は何で出来ているのか?

そのキャリアを一度も深刻なトラブルに見舞われずに終えるボクサーもいます。エドウィン・バレロのように。

しかし、バレロが打たれ弱い、防御に大きな欠陥があったことは、顎を突き出して口を開けたまま攻撃する癖を見れば明らかです。

爆発的に見えたパンチ力も、世界的には凡庸なアントニオ・デマルコが「決定的なダメージはなかったけど、8ラウンド終了の採点を聞いて(逆転は難しいと)棄権した。今思えば、最後まで戦えたのは明らかだったから連続KOは止めておくべきだったかも」というように。

井上は今なお、絞った段階から約10kgも減量。そして、あの顎の細さ。「フェザー級の世界ランカー相手にスパーリングでも打たれ強さを証明」なんて話は眉唾以下です。

井上の顎の素材は、マービン・ハグラーやフリオ・セサール・チャベス、エリック・モラレスのような鋼鉄ではないでしょう。

井上がその顎を撃ち抜かれたとき。

トーマス・ハーンズやドナルド・カリーのように、クリーンヒット1発だけで雪崩を打って楼閣が崩れることは十分に想像できます。

実際に、今の井上は「打たれ強い」と言われていたハーンズやカリーよりも説得力は脆弱です。

井上が「打たれ強い」とする根拠がもしあるとしたら、それは「一度も叩かれてない」から、それだけです。


 
④井上にBプランはあるか? 

井上はデビッド・カルモナ戦などで、試合中に拳を負傷したことで戦略を転換、Bプランで戦いました。

しかし、それは追い詰められての作戦変更ではありません。「狩り方」を変更しただけです。

互角の勝負。井上にギリギリの土俵際で、別の土俵に相手を引きずり込むモハメド・アリやシュガー・レイ・レナードのような芸当が出来るとは思えません。

それでもフロイド・メイウェザーがシェーン・モズリーに一撃を喰らってから一気に盛り返したように、マニー・パッキャオがアントニオ・マルガリートのボディにくの字になりながら完璧なアウトボクシングでそのラウンドを支配したような、引き出しがあるかどうか?

これまでの対戦相手の質があまりにも低いだけに、その不安は常につきまといます。しかも、今回のドネアは7年以上前に西岡利晃と対戦したときに「明らかに劣化している」(リング誌) 「いつものドネアではなかった」( ESPN)と下り坂だったボクサーです。

今回も、本当の引き出しを見せないまま終わる可能性が高いかもしれません。 



⑤ Styls makes Fight  井上にとってドネアはナンバー(相性の悪いジョーカー)か?

スポーツはレベルが上がれば上がるほど、勝敗の分かれ目は微妙な要素が支配します。中でも相性はシュガー・レイ・ロビンソンやアリ、パッキャオですらナンバーを持っていました。

もはや、誰も信じないでしょうがレナードにとってハーンズも100%明らかにナンバーでした。

しかし、そのカードはめくられるまで誰もわかりません。パッキャオに対するファン・マヌエル・マルケスがナンバーであることに気づくのに、メディアもファンもどれだけの時間がかかったことか。

海外ではまだ大きく取り上げられていない(おそらくこのままチラッと特集される程度でしょう)まま、試合当日を迎えてしまいますが、ボクシングマニアの多くは「井上にとって好戦的なドネアはオーダーメイド」と考えられています。

もし、ドネアがスタイルが井上のジョーカー札を持っているとしたら…考えたくありませんが、試合は誰も予想できない展開で進むでしょう。



▶︎▶︎▶︎もし①〜⑤の不安要素が全て現実となって11月7日のリングに噴き出してしまうと、井上は早いラウンドで崩れ落ちるでしょう。

しかし「常識的」にはその可能性よりも劣化が進行するドネアの危険信号が当日のリングで赤ランプを点滅させてレフェリーが止めるーーそれが最も可能性の高いエンディングです。

ただ、私たちボクシングファンは「常識的」という言葉は使い慣れていません。「常識的」という言葉があまりにもあっけなく粉砕される光景を、今まで何度目撃してきたでしょうか。

何もかも仕組まれたリングでも、ゴングが鳴るとリングの外では何も出来ません。

リングの中で起きない出来事など何もありません。

それは奇しくもドネアの偉大な先輩が、世界中のメディアとボクシングファンに実践をもって思い知らせた残酷なルールです。

In the Ring…Anything Happen

リングの中で起きないことなどなど、何一つない。

日本のボクシングファンが心配すべきは井上の実力ではありません。「常識的に」考えると敗北はありえません。 

In the Ring…Anything Happen…それだけ、です。

井上の対戦相手で「1発だけは気をつけろ!」なんて危険な相手は、これまで一人もいませんでした。

それを起こすことが出来る拳を持っている歴戦の強者が、井上尚弥という堅牢なダムに蟻の一穴を開ける武器を自分が持っていることを識っているドネアが「たまアリ」のリングに上がるのです。

会場に行けない私が言うのもなんですが、当日は不思議な雰囲気に包まれるはずです。

井上の「敵」であるはずのドネアの入場に2万人は歓声と拍手で迎えるでしょう。当たり前です。この国ではボクシングとは軽量級です。

その軽量級で、シュガー・レイ・ロビンソン賞=年間最高選手を(パッキャオ例外で)アジアに初めてもたらし、PFPで3位まで極めたドネアは、日本のボクシングファンの希望でした。

サッカーファンがブラジル代表を、ラグビーファンがオールブラックスを迎えるような、純粋なリスペクトの声をドネアに届けるでしょう。

それが異様な空気を醸成するのは、間違いありません。

そして、アンダーカードでは拓真も大勝負を打ちます。

彼らの職業はボクサーです、ピュギリストです。

本来なら、兄弟でも叩きのめす世界です。

クリチコ兄弟の「兄弟だからごめんね」なんて言い訳は、実は優しい日本人にしか通用しません。ただ、個人的にはその理屈は通用します。

リング誌やESPNは「彼らは世界一を決めるためにそのスポーツを選んだアスリート。家族の愛情をリングに持ち込むなら、どうしてこのスポーツを選んだんだ?」という苛立ちを理解するには、私がこのスポーツに耽溺した30年なんて時間は短すぎます。

それに嫌悪感を覚えるとしたら、もしかしたらそれはあなたがこのスポーツを、本当に愛していないのかもしれません。

私も、そうです、このスポーツがどうしようもなく嫌いになることが、今まで何度もありました。

なんだろう、私は大学で公式戦は1試合しか戦ってません。どう表現していいかわかりませんが、野球と陸上しかできない私が、やっぱり最も感動したのはボクシングで…。

これ書いてるのは、横浜国際から自転車で河川敷、ラグビーって純粋な感動でいいですよね、あの熱狂は野球やサッカーでは作れない。 

こんなの不謹慎ですが、ラグビーW杯で導入された脳震盪の選手へのサポート体制、素晴らしいです。

それでも、ボクシングと同根です。ラグビーも「脳震盪」前提のスポーツです。今大会では深刻な事故はなかったのでしょうか?

このブログでも何度も問いかけさせていただいています。

脳震盪が当たり前に起きるスポーツは禁止にするか、ルールの大幅変更をすべきでしょうか?

ラグビーと違い、ボクシングをはじめとした打撃系格闘技は、故意に脳震盪を狙うから禁止すべきなのでしょうか?
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日本時間10月27日未明。英国ロンドン:O2アリーナ。

WBSSジュニアウェルター級トーナメント決勝は、またもや Undisputed Champion 誕生には至りませんが、無敗のアルファベット王者2人が激突します。

試合開始ゴングまであと約2時間。

WBAスーパー/WBCダイアモンド王者レジス・プログレイスvsIBF王者ジョシュ・テイラー

BOXING-SUPERLIGHTWEIGHT-PROGRAIS-TAYLOR

オッズは、Rougarou(ルーガルー=カナダ系フランス人の間に伝わる伝説上の怪物)の異名をとるプログレイスが1.67倍、The Tartan Tornado(タータンチェックの竜巻)テイラーが2.25倍と、アウエーの米国人がやや有利。

前日計量ではルーガルーがリミット一杯の140ポンド。タータン・トルネードは139.5ポンド。

英国で試合を生中継するスカイスポーツのインタビューに、30歳のプログレイスは「減量苦だと言われたがそれはデマだ。調整は完璧。テイラーのコーナーはタオルを投げる用意をしておけ」と豪語。

迎え撃つ地元(生まれはスコットランド)の28歳のテイラーは「減量は簡単だった。力がみなぎっている。プログレイスは血色が悪かったね。彼は(狼が怯えたときにするように)両足に尻尾を挟んで米国に逃げ帰ることになる」と応酬しました。

2人とも今がプライムタイム。テレンス・クロフォードが去って液状化した140ポンドですが、この勝者がWBC/WBO王者ホセ・ラミレスとの4団体完全統一戦に駒をすすめるのか?

狼の化身は身長173㎝/リーチ170㎝に対して、タータンの竜巻は178㎝/177㎝。フレームはスコッチが明らかに上回っていますが、プログレイスは長身選手と戦うことには慣れています。

2人とも無敗で、サウスポーのボクサーファイター。相性が大きく試合展開を左右しそうな要素がふんだんに盛り込まれています。



試合開始ゴングまであと2時間を切りました。注目の一戦です!



■テイラー MD(114−114/115-113/117-112)プログレイス■

初回のにテイラーが決めた左フック。プログレイスはあれで戸惑ったんじゃないでしょうか。

「もっと競ったスコアのはず」。判定に不満を漏らすルーガルーは、最後までリズムを掴めませんでした。

完全アウエーです。「競った」内容では、ホームの選手に判定がなびくのは当然です。とはいえ、良い試合でした。

テイラーの右リードは、ジャブもフックも洗練されていました。これも初回の左で、プログレイスの警戒レベルを引き上げた結果です。
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An electrifying atmosphere, elite-level skills, incredible ebb and flow – it was boxing at its best.

異様な盛り上がりの中で、高等技術が寄せては引く波のように交換された。これぞボクシング。


後半はテイラーの右目がシャッターを下ろし始め、11ラウンドには出血も。30歳の米国人は挽回に全力を尽くしましたが、あと一歩及びませんでした。

〝小さな番狂わせ〟を起こしたテイラーはスコットランド出身のボクサーとして、WBCライト級王者ケン・ブキャナン(1971年:WBA王者ルーベン・ナバーロに判定勝ち)以来、史上6人目の団体統一王者に。

 WBC/WBO王者ホセ・ラミレスとの完全統一戦が待たれます。


▼以下、テイラーの勝利者インタビュー。

「最高の勝利だ。エジンバラに帰ってケンに報告したい。ケンは昔から応援してくれていた。チャンプ!私もあなたと同じことをやりましたよ!ありがとう!」。

「正真正銘の王者の証、リング誌ベルトは夢だった。アリ杯にAとC(ダイアモンド)のベルトと一緒に、恋人と一緒に住む予定の新居で最初に持ち込む新しい家財になるよ」。
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モハメド・アリがロンドンのハイベリーに戻ってきました。

もちろん、天国からではありません。
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WBSSジュニアウェルター級の決勝戦(ジョシュ・テイラーvsレジス・プログレイス)が、この地のO2アリーナで行われるのです。

アリはその絢爛のキャリアで、ロンドンで3度も戦っています。

そのうちの2試合は、英国の英雄ヘンリー・クーパーと拳を交えたものです。

最初の対決は1963年6月18日。ウェンブリースタジアムに詰めかけた3万5000人の大観衆は、5ラウンドTKOに散った英雄に涙を流しました。

2度目は3年後。アーセナル・フットボールクラブの元本拠地。

WBA&WBCヘビー級タイトルマッチ、前回を大きく上回る4万6000人の観客は当時の英国ボクシングの記録でした。

英国民は不安な気持ちで試合開始ゴングを待っていましたが、クーパーは大番狂わせを確信していました。

初回、クーパーがThe Greatest からダウンを奪うとロンドンが英国が沸騰します。しかし、目尻を切ったクーパーは6ラウンドで試合を止められてしまいました。


明日のWBSS決勝で争われるのは、モハメド・アリ杯。

カレ・ザウアラントは「アリの名を冠したトロフィーを争う試合に関われることに大変な名誉を感じている。このトロフィーこそが階級最強の証明だ。シーズン1のオレクサンダー・ウシクとカラム・スミスはその名前を永遠の歴史に刻んだ」と風呂敷を広げています。

プログレイスは米国から遠路、ロンドンにやって来ました。そう、半世紀以上前のアリのように。

この試合にはアリ杯に加えて、リング誌タイトル、WBAとIBFのベルトもかかります。
 
アリ杯は、生前のモハメド・アリから正式の許可を取った優勝杯。確かに素晴らしいデザインです。

「FIFAワールドカップもデザインしたシルビオ・ガザニガが製作した最強の証明」(WBSS)。

完全統一王者はオレクサンダー・ウシクしかいない現状では「最強の証明」というのは誇大広告です。

それでも、11月7日が楽しみです。 

さすがに、これだけゴタゴタが続くと、シーズン3は発表されていません。空中分解の気配ですが、井上尚弥vsノニト・ドネアを実現してくれたことには感謝しかありません。

ありがとうWBSS。そして、さようならWBSS。 
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11月7日、そんなに待たせるのか!

と憤ったのがつい昨日のように思えます。あと13日。ファンにとってはあっという間でしたが、選手にとってはこの長い間隔は嫌なものに違いありません。

現在のオッズは井上尚弥1/10(1.1倍)、ノニト・ドネア11/2(6.5倍)。カジノやブックメーカーの地元である英国や米国で人気のないバンタム級とはいえ、それにしても最初のオッズから微動だにしません。

カネロ・アルバレスやマニー・パッキャオのオッズは目まぐるしく変動するのに…でもでもでもでも!そんなくだらないこと、どうでもいいんです!

軽量級の面白さがわからないアメリカンやヨーロピアンはボクシングの醍醐味を半分も楽しめていない可哀想な人々です、アーメン。
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今日、メキシコ・カンクンで開催されているWBC年次総会で、各階級の指名挑戦者が発表されました。

といっても、WBCの独善的な発表です。

Bantamweight – Champion Nordine Oubaali against Interim champ. Takuma Inoue on November 7. Mandatory challenger Luis Nery will face Emmanuel Rodriguez on November 23.

バンタム級では、11月7日にノルディン・オーバアリが暫定王者井上拓真の挑戦を受けます。拓真が勝つと、尚弥のバンタム級での Undisputed Champion への道は事実上閉ざされてしまいます。それでも、もちろん100%、拓真頑張れ!絶対勝て!!!です。

指名挑戦権を持つルイス・ネリは11月23日にエマニュエル・ロドリゲスと戦い、この勝者が(きっとオーバアリに勝つ)拓真の前に立ち塞がるーーというのがWBCのシナリオです。 

ジュニアバンタムもプロテクトされ続けているカリド・ヤファイがついに強豪との対戦、しかも相手はファン・フランシスコ・エストラーダ。これは見ものです。

エディ・ハーンが「12月7日サウジアラビアで開催されるアンディ・ルイスJr.対アンソニー・ジョシュアのアンダーカード」と発表していましたが、WBCの希望では1月になる模様です。

普通に考えたら勝つのは、エストラーダです。 シーサケット・ソールンビサイとの再戦も面白くなりそうですが、ヤファイが番狂わせを起こす芽もありそうな気がしますね。

もし、そうなるなら変な判定だけは勘弁してほしいです。 

Junior bantamweight – Champion Juan Estrada faces Kal Yafai sometime in January. Srisaket Sor Rungvisai is the mandatory challenger.

ドニー・ニエテスも含めてエストラーダ、シーサケットの軽量級には稀有なPFPファイターと井上や井岡一翔が拳を交えるのを見てみたいですね(井岡vsニエテスはやりましたが)。

日本最強の井上が、PFPクラスの強豪とすれ違いばかりで戦っていないのは残念至極です。

強豪ひしめくジュニアバンタムは下のクラスですし、バンタムから見上げても最も近いPFPファイターはライト級のワシル・ロマチェンコ(リング誌・ESPNともに1位)と、シュールな距離があります。

フェザー級はレオ・サンタクルスやゲイリー・ラッセルJr.、ジョシュ・ウォリントン、シャクール・スティーブンソンらが割拠していますが、いずれもPFP評価には届きません。

ラッセルやシャクールに勝つ方がニエテスに勝つよりも価値は上だと思いますが、井上はタイミングが悪すぎます。

パッキャオのようにシュールな世界に、力づくのリアリズムで挑んで欲しい気もしますが、井上はそこまで冒険を犯す必要などない国に産まれてしまいました。

バンタムから見渡すと、低い雲がずーーーっと垂れ込めてる彼方にロマチェンコ峰が聳えてる感じです。

エストラーダを日本のリングに引っ張りあげたいですね。

「花の命は短いけれど、恋せよ乙女」じゃないですが、ボクサーの旬は花の命です。井上のプライムタイムに恐るべき相手との斬り合いが見たい、どうしても見たい、です。
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いよいよあと3週間と2日。

 引き続きドネアの戦績と世界評価(リング誌PFP)を時系列に沿って辿りながら、現在の戦力を推定してゆきます。

前回は2007年、IBF/IBOフライ級王者ビック・ダルチニアンを大番狂わせでKOしたところまで、でした。

この人生を変えた1試合でドネアは一躍、ボクシングマニアの間にその名を轟かせPFP10傑入り。

ダルチニアンから強奪した王座は3度防衛、3試合とも全てKOでした。3人の犠牲者リストにはのちの王者モルティ・ムザラネの名前も刻まれています。

しかし、スターダムへの階段は雑念と誘惑で出来ています。リングの中で成し遂げた偉業は、リングの外の輩が貪りに来るのは世の常です。

2008年は雑念と誘惑に足を踏み外してもおかしくない年でした。

婚約者でモデルのレイチェル・マーシャルがドネアのスポークスマンのように振る舞い、ドネアSr.との関係がこじれます。

ボブ・アラムに入れ知恵されたドネアはプロモーターのゲイリー・ショーと報酬を巡って対立、トップランクと契約。このときショーに突きつけたのもthe Muhammad Ali Act 、いわゆるアリ法です。

アリの偉大さは計り知れませんが、どこかでこの有名な条例についても考えてみたいものです。

ボブ・アラムはドネアを傘下に加えて「フィリピンの二つ目の宝石だ。ネクスト・パッキャオだ」と公言、ドネアの「パッキャオと比較するような発言は控えてくれ」というリクエストを無視します。

しかし、それも無理はありません。ボクシング界にとって2008年がどういう年だったかを考えれば、誰もアラムを責めることは出来ないでしょう。

そして、2009年に多くの識者が「ドネアの全盛期・適性階級」と認めるジュニアバンタム級へ進出。8月15日にラファエル・コンセプションを判定で下してWBA暫定王座に。

皮肉なことに、世界的には王者と認められていないWBA暫定王として戦った「本当のプライムタイム」11ヶ月3試合では強豪と呼べる相手との手合わせはありませんでした。

3団体統一王者として一足先に115ポンドを制圧していたダルチニアンとの決着戦が実現しなかったのは、軽量級史上で最も残念すぎる Unfinished Business の一つです。

2010年12月4日にはシドニー五輪銅メダリストで元WBAバンタム級王者のウラジミール・シドレンコを4ラウンドでなぎ倒して圧勝。バンタム級で狼煙を上げます。

この時点でPFPは6位まで上昇。

そして2011年2月9日。長谷川穂積を番狂わせで破りPFPファイター入りまで果たしていたWBO/WBC2団体統一王者フェルナンド・モンティエルに挑戦。

リング誌ではバンタム級1位に評価されていたモンティエルでしたが下馬評は、ドネア圧倒的有利。ドネアからは「2ラウンドKO」予告まで飛び出します。

モンティエルに勝ってPFPランキングは3位まで沸騰しました。軽量級としては破格の評価を得たドネアでしたが、この試合でようやくHBOデビュー。プロ11年目、27戦目のことでした。

米国市場で軽量級がいかに軽視(無視?)されているかが、よくわかる事象です。

モンティエルから強奪したタイトルは10月12日に「キャリアで最も楽な相手。勝つ気がない」というオマール・ナルバエスを三者ともに120-108の完封劇で初防衛。

フィリピンの閃光はPFP3位まで評価を高め、軽量級史上初の1位の座も視界に捉えます。

2012年にはジュニアフェザー級にクラスを上げてウィルフレド・バスケスJr.と争った空位のWBO王座を獲得。3階級制覇に成功(世界的にはWBA暫定だったジュニアバンタムはカウントされません)。

IBF王者ジェフリー・マセブラ(7月7日:3−0判定勝利)、西岡利晃(2012年10月13日:9ラウンドTKO)、ホルヘ・アルセ(2012年12月15日:3ラウンドKO)と122ポンドの実力者に圧勝。

2013年4月13日、ニューヨークの小さなミュージックホールでWBA王者ギレルモ・リゴンドーとの大一番に挑みます。

6415人を収容した箱を「小さな」と表現するのは間違いかもしれませんが、同じニューヨークのMSGやバークレイズセンターといった会場とは規模も格も違います。

軽量級ではPFPファイター対決ですらMSGクラスの会場が舞台になることがない、それが米国市場の現実です。

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右のリングシューズに漢字で「閃」、左に「光」。いいですね〜、ドネア。

ドネアはこの試合でキャリアハイの132万ドルを手にしますが、同時に多くのものを失ってしまいました。

小さなミュージックホールで行われたにもかかわらず、この破格の報酬はHBOとトップランクが捻出したものでした。

ボブ・アラムにとって、ゴールデンボーイ・プロモーションとの引き抜きを阻止したものの、ドネアは興行的にも赤字、不良債権になっていきます。
 DonaireRigondeaux
 Thrown352396
Landed82129
Pct23%33%
フィリピンの閃光が思い描いた「ライト級まで制覇」という野望にも赤信号が灯ります。

フェザー級では、ビック・ダルチニアンとの遅すぎた再戦に大苦戦の末に逆転KO勝ち。シンピウェ・ベチャカのWBAタイトルを奪うも、完全に限界が見えました。

2014年10月18日、自身が大苦戦したダルチニアンを5ラウンドKOで屠った最強挑戦者ニコラス・ウォータースにキャリア初のKO負けで粉砕されてしまいます。

「軽量級でも限界が見えたドネアの商品価値は低い」。そう考えたプロモーターがやることは一つです。

次のスターの踏み台です。トップランクの厳しいマッチメイクの要求に耐えられなくなったドネアに、アラムは武士の情け、違約金無しでドネアとの契約を途中解除します。

そして、ドネアはリチャード・シェーファーのRingstar Sportsに拾われます。

厳しい世界です。

その後、ドネアはジュニアフェザー級のタイトルを取り戻しますが、フェザーの壁に跳ね返された〝出戻り感〟は拭えず「ライト級まで制覇してPPVスター」の夢は実現することが出来ませんでした。

昨年4月に英国のスター選手カール・フランプトンに完敗したとき、多くのメディアやファンが「引退すべき」と声をあげました。

私も「ここが潮時」と書きましたが…。 
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