カネロ・アルバレス、素晴らしいボクサーファイターに成長しました。今年最後のメガファイト、セルゲイ・コバレフ戦は戦慄のノックアウトを演出、MGMグランドガーデンアリーナに詰めかけた1万4000人を熱狂させました。

まー、大したことないですなぁ。カネロvsコバレフ、1万4490人ですって。ウサギ小屋でやったんですか? 

11月7日の井上尚弥vsノニト・ドネアの舞台、さいたまスーパーアリーナは2万席以上セットアップされています。

寂しいもんよのう、MGMグランドガーデンアリーナ。
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さて、井上vsドネア。米国ではDAZNが配信するようですが、スペイン語なんですね…まあ英語圏では興味ゼロでもスペイン語圏のマニアには間違いなく必見のカードです。

しかし、オッズが全く動きません。いつも通りです。興味がないから誰もベットしないんでしょう。

このまま井上1/10(1.1倍)、ドネア11/2(6.5倍)のまま試合当日を迎えます。

リング誌は表紙に使った責任もありますから、電子版ではせめて戦前予想くらいはして欲しいですね。プリントバージョンでは無視でしたから。

ただ、予想となると確かに面白い展開が予想できなくて、その意味で難しい…です。

まず、アクシデントを除外してドネアが勝つ展開が想像できません。ステフォン・ヤングにスピード負けしてるのを目の当たりにしてしまうと…もう残酷な結末以外に何を予想したらいいのでしょうか?

というわけで、ドネアが唯一上回る経験値、Quality Opponent(対戦相手の質=レベル)を比較してみます。

5ツ星は殿堂入りもありうる超強豪やPFPファイター。4ツ星は複数団体統一王者。三ツ星は階級最強王者クラス。二ツ星は評価の高い王者や階級最強候補の若い才能。一ツ星はアルファベット王者でもリング誌やESPNのランキングにも入っていた世界基準と認められた強豪。

田口は当時日本王者でしたが、未来の団体統一王者で二ツ星に匹敵すると評価しました。

井上尚弥の対戦者品質 ノニト・ドネアの対戦者品質
★★2013年8月15日3−0判定勝ち ★★★
★★
2007年7月7日5ラウンド
KO勝ち
田口良一 ビック・ダルチニアン
★2014年4月6日6R
TKO勝ち
 ★★2008年11月1日6ラウンド
TKO勝ち
アドリアン・エルナンデス モルティ・ムザラネ
★★★2014年12月30日2ラウンド
KO勝ち
 ★★★2011年2月19日2ラウンド
KO勝ち
オマール・ナルバエス フェルナンド・モンティエル
★2018年5月25日1ラウンド
KO勝ち
 ★★★2011年10月22日12ラウンド
判定勝ち
ジェイミー・マクドネル オマール・ナルバエス
★2018年10月7日1ラウンド
KO勝ち
 ★★2012年7月7日12ラウンド
判定勝ち
ファン・カルロス・パヤノ ジェフリー・マセブラ
★2019年5月18日2ラウンド
KO勝ち
 ★★★
★★
2013年4月13日12ラウンド
判定負け
エマニュエル・ロドリゲス ギレルモ・リゴンドー
    ★★★2014年10月18日6ラウンド
TKO負け
    ニコラス・ウォータース
    ★★2016年11月5日12ラウンド
判定負け
    ジェシー・マグダレノ
    ★★★2018年4月21日12ラウンド
判定負け
    カール・フランプトン
    ★★★
★
2018年11月3日4ラウンド
TKO勝ち
    ライアン・バーネット
対戦相手の質は歴然です。ドネアについては一ツ星の選手は除外しました。井上が勝った相手には殿堂クラスは皆無、PFPファイターすら見当たりません。 

井上が勝った最高品質がナルバエスで、ドネアも勝利しています。戦った時期が違うナルバエスを同じ三ツ星評価にするのは不公平に感じるかもしれませんが、ここはご愛嬌。

二人の年齢・キャリアが同じなら、明らかにな強豪のドネアにまだテストされていない井上が挑むという図式ですが、日本のモンスターは26歳、フィリピンの閃光は36歳です。 

マニー・パッキャオは無敗のキース・サーマン相手に10歳の格差を粉砕して見せましたが、ドネアはパックマンではありません。

ドネアはバーネット相手に幸運な白星を拾ったとはいえ、それを除くともう7年以上もまともな相手から勝利を収めることが出来ていないのです。

7年間も劣化の坂道を転がり落ちてきたドネアが、いまだに現役であることが不思議なくらいです。

ドネアが明らかに劣化の綻びを見せた2012年頃から、井上は破竹の快進撃を続けています。一方、ドネアの戦力曲線は大きく右肩下がりに落下し続けています。

「Battle of Age=世代の対決」の焦点は「早すぎたのか、遅すぎたのか」ですが、そんなことも議論に上がらない段階で二人は相見えるのです。

ドネアが井上と互角のラリーを見せるとしたら、信じられないくらいの相性の良さが存在したときだけですが、そんな相性まで井上有利に思えてしまいます。

ボクシングは相性のスポーツですが、それは両者の実力が拮抗していることが前提です。両者の実力に悲劇的な開きがあれば、相性なんてなんの意味も持ちえません。

モハメド・アリはケン・ノートンの身体能力の高さに苦しみました。マニー・パッキャオはファン・マヌエル・マルケスの恐るべきタイミングに吸い込まれました。アンソニー・ジョシュアはアンディ・ルイスJr.のハンドスピードと回転力を見誤りました。

今のドネアに井上を戸惑わせるツールが一つでもあるでしょうか?ブン回しの左フックは当たるわけもありません。

ステフォン・ヤングのスピードについていけずに何発も被弾したドネアに、井上が早い段階でクリーンヒットを奪えないなんてことが木曜日のたまアリの夜に起きるとは考えられません。

アクシデントやラッキーパンチを排除して、ドネアに勝機があるとしたら、どんな展開が考えられるでしょうか?