カテゴリ: 減量とは何なのか?

「昔はいなかったですからね、失敗する人なんて。意地でも死んでも落とすっていう気持ちがあった」と、話したセレス小林の根性論。

まず、後半の「意地でも死んでも落とすっていう気持ちがあった」は、組織の長なら今の時代で絶対口にしてはいけません。

マイナースポーツの地域団体の責任者とはいえ、その時点で小林はアウト。

もちろんマイナースポーツだから、大きな問題にはなりません。

しかし、前半の「昔はいなかったですからね、失敗する人なんて」というのも、また事実です。

ESPNが2年ほど前に、アルファベット団体のタイトルを世界タイトルと表現することを、やめて「WBAタイトル」のような表現にする方針を明言したのは正しい判断です。

アルファベット団体へのまともな批判を逡巡している日本のメディアの意図は、全く理解不能です。

ここまで、アルファベット団体に追従する思考停止メディアは日本ボクシング界だけ。

そんなメディアのミスリードが、暗愚な無知蒙昧な井上信者のような哀れな人々を生み出し、不憫な彼らを惑わせてしまうのでしょう。

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体重超過を嗤え!

つまりは、ボクシングを嗤え! です。

ネリも堤も、悪くない。

諸悪の根源はこのスポーツの間違った構造です。


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日本期待のフェザー級、WBC8位の堤駿斗が、WBA9位のアンセルモ・モレノを迎えた〝世界挑戦への足場固め〟の一戦でまさかの体重超過。

さらに日本時間の今朝早くには、WBCジュニアウエルター級王者デビン・ヘイニーに挑戦するライアン・ガルシアがやはりリミットを守れず。

堤はフェザー級(126ポンド)を3.5ポンド(約1.6kg)、ガルシアはジュニアウエルター級(140ポンド)を3.2ポンド(約1.45kg)もオーバーする大失態。

体重超過というと日本で最も悪名高いルイス・ネリが山中慎介との再戦に臨んだときに超過したのは、3ポンド(約1.36kg)でした。

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東日本ボクシング協会のセレス小林会長は堤の失態を受けて「異常事態。体重で区切られているスポーツの根本が揺らいじゃうと競技として成り立っていかない。昔はいなかったですからね、失敗する人なんて。意地でも死んでも落とすっていう気持ちがあった」と、根性論に立つコメント。

体重超過の大きな原因と考えられる水抜きについては「
水抜きはするなって言っても今は多分無理」と無責任に語ってしまいました。

堤のケースは直前にコロナに感染した不運はあったにしても、減量方法と意識に問題がなかったとは考えられません。

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ボクシングの世界チャンピオンが、プロ野球で活躍している選手よりも知名度やステイタスが下になってしまったのは90年代でしょうか?

いまや、世界チャンピオンというくくりで、ボクシングよりもステイタスの低いスポーツを探す方が難しいかもしれません。

このブログでは当初から繰り返しているように、減量とは、基本的に「より弱い相手を選ぶために自分も弱体化する行為」です。

長谷川穂積や井上尚弥のように、試合中に脱水の影響から足が痙攣するなんて、他のスポーツではあり得ません。

ボクシングでも軽量級でよく見られる、情けない現象です。


もう少し、踏み込んでお話を進めましょう。




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7月29日に行われた米国で最も人気のあるウエルター級のUndisputed championshipから1ヶ月が過ぎました。 

テレンス・クロフォードが3度のダウンを奪った末に、8ラウンドでエロール・スペンスJr.を予想外のワンサイドでストップ、ジュニアウェルター級に続いて2階級でUndisputed championに就きました。

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この試合は両者に再戦条項が契約に盛り込まれていましたが、この結果ではクロフォードもスペンスも再戦を望まないと思われました。

再戦は早ければ年内、遅くとも来年の第1四半期には行われる予定で、会場は初戦に続きラスベガス最大のT -Mobileアリーナが最有力。

惨敗に終わったスペンスについては「交通事故の影響が明らか」という意見と共に、減量に失敗、試合では最悪のコンディションだったとも伝えられています。

前日計量でも「スペンスはカサついていて顔色が悪い」という声も上がってはいましたが、テレビ画面を通しては全く分かりませんでした。

しかし、この試合のプレスツアーなどで見たスペンスの目が虚ろだったのは、減量苦の兆候だったのかもしれません。

アベル・サンチェスも「スペンスはskeletonのようでとても戦える状態に見えなかった。あの夜のスペンスにならウエルター級のトップ15選手は全員圧勝、クロフォードがそうだったように彼らもシュガー・レイ・レナードの再来に見えただろう」。

この大一番に臨むにあたりスペンスは190ポンド(86.19kg)でキャンプに入ってしまったと報じられています。

もちろん、クロフォードのトレーナー、ブライアン・マッキンタイアは「試合が終わってからそんなことを持ち出すのは敗者の言い訳」と聞く耳を持ちません。

個人的には再戦には興味がありますが、ボクシングファンの多くはそうではないかもしれません。興行的には初戦を下回るスケールになってしまいそうです。
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ヘビー級を除くと、ボクシングの世界にはリングの外での戦い「減量」が存在します。

井上尚弥ら超軽量級では脱水の影響などから試合当日も完全に健康体に戻らず、試合中に足の痙攣などに悩むボクサーも珍しくありません。

完全な健康体、つまり自分の中で絶対的に強い状態でリングに上がるよりも「より弱い相手を求める」のが主目的の減量によって肉体を削る方が相対的な強さを手に入れることが出来るーーーというのがボクシング界だけでなく、階級制格闘技の常識です。

超軽量級の中ではメジャーの色彩の濃いフェザー級で頓挫したノニト・ドネアがバンタム級に出戻った理由は「自分が最も輝ける場所」と判断したからでしたが、それは「より弱い相手がいるバンタム級」だからというのが本音です。

ドネアにとっての「自分が最も輝ける場所」は、かつて口にしていた「ライト級でPPVファイター」でしたが、夢はずっと手前で砕け散ってしまいました。

もちろん、アスリートとして懸命の判断であり、当然の選択です。「フェザー級は何もかもが違う」(ドネア)と白旗を挙げたのですから、選択肢は〝後退〟以外に考えられません。

ドネアは、マニー・パッキャオやフロイド・メイウェザーのような画期的な技術はなく、自分よりも大きな相手をコントロールするためのモデルチェンジを施す器用さも欠落した、ワンパターンのパンチャー。

もちろん、このスポーツの面白さを体現してくれるのがドネアのような純度の高いパンチャーです。

リミットの無いヘビー級のボクサーは、自分の作戦や対戦相手によって体重をデザインして戦いますが、メイウェザーやパッキャオも井上に代表される「弱体化する過酷な減量」とは無縁でした。

このあたりの異次元さは、井上や井岡一翔ら日本のボクサーには全く理解不能かもしれません。

メイウェザーはジュニアミドル級(154ポンド)の試合でオスカー・デラホーヤ戦が150ポンド、ミゲール・コット戦が151ポンド、コナー・マクレガー戦に至っては茶番劇とはいえ149.5ポンドで計量しました。

さらに、パッキャオに至ってはリミットを大きく下回るのがデフォルト。150ポンド契約のアントニオ・マルガリート戦の前日計量は144ポンド。

メイウェザーやパッキャオは「自分も弱体化しながらより弱い相手を求める」減量とは全く違う、「適正体重よりも重い人気階級でより大きなカネと注目を求める」体重コントローラーでした。

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 9月30日にカネロ・アルバレスが持つスーパーミドル級のUndisputed titleに挑戦するジャーメル・チャーロも「適正体重よりも重い人気階級でより大きなカネと注目を求める」冒険に船を漕ぎ出したファイターです。

トレーナーのデレク・ジェームスは「筋肉で増量したら良いという問題ではない。筋肉はオモリになるし、可動域を狭めたり反射を鈍らせる危険もある。カネロは確かにハードパンチャーだが距離は短く、追い足もない」と、体重とカネロとの相性を踏まえて「(リミットの168ポンドを大きく下回る)163か164ポンド で仕上げるつもり」と語っています。


“I want him to be fast, I want him to be athletic, I want him to be mobile. The heavier you are, it’s like you’ll be lethargic, slower. You have to be faster,” said James about Charlo.

チャーロはスピードと身体能力、機動力を生かした戦い方をしなければならない。体重を増やして鈍重になってはダメなんだ」。



そして、カネロと戦うあらゆる選手、陣営が懸念を口にする「ラスベガスのジャッジ」。

ジェームスも不信感を露わにしています。「ラスベガスのジャッジがカネロ贔屓なのは、もう誰も否定できない。我々も微妙なラウンドは全部持っていかれると覚悟している。判定が読み上げられたドミトリー・ビボルの表情を見たかい?115−113のスコアを聞いて、私もビボルと同じ思いだった。そういうことか、と」。

「あの試合がたった1ラウンド差だったなんて馬鹿げてる。しかし、ラスベガスはカネロの町だから、我々はビボルのように内容で圧勝、公式で辛勝になるかもしれない」。


Jermell Must Win Rounds Decisively Against Canelo

カネロに勝つには、明白に取ったラウンドを積み重ねるしかないんだ。

「ジャーメルは1ラウンドで80発以上のパンチをまとめて、ラスベガスのジャッジを黙らせるしかない。同じ数だとジャッジは100%カネロに付ける」。

現在のオッズはカネロ勝利が4/11(1.36倍)、 チャーロ11/5(3.2倍)。

チャーロがいきなり2階級上げてくること、急遽の代役だったことまで含めると、このオッズは思いがけないほど接近しています。

もちろん、カネロの心身に迫る劣化 の影も読み取った数字でしょう。

カネロはハンドスピードとパワー、ディフェンス技術で高い能力がありますが、足が遅いためにクロスレンジに相手を閉じ込めなければなりません。

チャーロにはカネロが嫌う長い距離をキープしながら、接近してくるカネロを迎撃する、ビボルと同じかそれ以上の技術を持っています。

カネロがジュニアミドル級時代、挑戦をアピールするチャーロ兄弟とのポテンシャルオッズはわずかとはいえアンダードッグでした。チャーロ兄弟がカネロのジョーカーを握っていると見られていたのです。

もちろん、今のカネロはひ弱な面もあった154パウンダーではありません。

ライトヘビー級でもトップ選手、ジャーメルのスピードや身体能力に戸惑うことはあるかもしれませんが、そのパワーが脅威にならなければ、ジェームスが心配するジャッジに勝敗を委ねることのない、あっけない結果に終わるかもしれません。 
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■WBAジュニアバンタム級タイトルマッチ ©️ジョシュア・フランコvs井岡一翔 前日計量は井岡が52.0kgの160gアンダー。フランコはなんと3.1kgオーバーの55.2kg。 120分の再計量の猶予時間もフルに使わず、全裸で秤に乗ることもなく、200グラムしか落とさず、諦めました。 この時点の体重差は3kg。 当日午前10時の計量で、58.9kg以内のリバウンドに抑えることを条件に、井岡陣営が試合決行を受け入れました。 フランコはこの本来ならあり得ない〝公式当日計量〟を900gアンダーの58kgでクリア。 そして、リング・イン前のフランコは2.2kg乗せて60.2kgに、5階級上のライト級(61.23kg)でロープをくぐりました。 対する井岡も5.5kg上乗せした57.5kgでリング・イン。フェザー級(57.15kg)を超えてジュニアライト級のゾーンに踏み入れるウエイトです。 両者の体重差は2.7kg。 減量失敗のフランコと、井上尚弥と並ぶ〝リバウンドマスター〟井岡。 波乱の前日計量だけでなく、この当日計量でも両者の調整能力の差が明らかになりました。 ジュニアライト級の井岡とライト級のフランコの対決は、単純な体重差ではなく、両者の体重コントロールの巧拙、リング上で異様に汗をかくフランコの姿からも勝負の帰趨は早い段階で明らかになりました。 井上尚弥と対戦したジェイミー・マクドネルのケースほど酷くはありませんが、今回のフランコも実質的な体重アドバンテージがあったとは考えられません。 井岡と井上のリバウンドが、ミドル級の村田諒太を上回るのは有名な話ですが、理想とされる10〜12%のリバウンドに安定して合わせてくるのは流石です。 さらに今回の井岡は栄養とトレーニング面で新しいメソッドを導入、前戦よりもリバウンド幅を500g増やしながらもキレとスピードは全く変わらなかったそうです。 今回のケースは、4団体時代によくある体重超過、つまり世界タイトルの価値暴落だけが背景ではなく、個人的に深刻な事情が起きたフランコが試合に集中できなかった可能性もあります。 それでも、逆境に立ったときの井岡の強さが、またしても際立った一戦でした。
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さて、次は相思相愛のファン・フランシスコ・エストラーダや、フランコが井岡とのダイレクト・リマッチを優先して〝待機〟している因縁のローマン・ゴンサレスとのビッグネーム対決になるのか? あるいは、中谷潤人とのボクシングマニア垂涎の〝世代〟と〝スタイル〟の団体統一戦は実現するのか?
井岡はもう、34歳。ここまで、30勝15KO2敗1分。 このブログでも紹介しているように、 井岡はCompuBoxのスタッツでは日本人ではもちろん、世界でもトップクラスの「打たせずに打つ」ボクサーです。 二つの敗北と一つの引き分けは、いずれもクロスゲーム、ストップ負けはもちろん決定的に追い込まれたシーンもありません。 井岡のスタイルで33試合312ラウンドという数字は、深刻な劣化や消耗からは縁遠いように見えます。 しかし、20歳のデビュー当時から注目され続け、33試合中24試合が世界戦、様々な重圧を潜り抜けてきた井岡の14年間が過酷な航海だったのは間違いありません。 我が道をゆく人です。 日本のボクシングファンが渇望する、2階級離れてしまった頂上決戦は実現しないのでしょうか?
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世の中を構成するのは失望と幻滅である。そうであるならば、最も賢い生き方は、最初から何も期待しないことである。

… ハードボイルドの主人公が吐く台詞は、現実世界では最もあり得ない言葉です。

どんなSFよりもサスペンスよりも、ホラーよりも、現実離れしているのです。

つまり、現実とは、失望するとわかっていても希望を捨てきれない、幻滅するとわかっていても信じてしまう、そんな世界です。

ボクシングほど「トレーナー」の存在感が大きいスポーツはありません。ロベルト・ガルシアは、最もユニークで人気がある現役トレーナーの1人でしょう。

「名選手は優秀な指導者になれない」。

そんな世界共通の格言を真っ向否定した元IBFフェザー級チャンピオン。その理想を弟マイキーに具現化させた手腕は、亀田史郎や井上慎吾、アナトリー・ロマチェンコら肉親だけにしか還元できない方法論とは一線を画した「共通語」で多くのボクサーを薫陶してきました。

もちろん、私も尊敬しています。今でも、尊敬しています。

ジョシュア・フランコも、昨年大晦日の初戦で下されたドローの判定に対して、あからさまな不満を見せず、井岡一翔を讃え、再戦を希望した、あの振る舞いに感動しました。

今でも、軽量級では珍しい華のある弟バム・ロドリゲスと、厳しい規律のもとでボクシングに打ち込んできたと信じています。

彼らの釈明を聞くと「試合中止と思って暴飲暴食してしまった」ということですが、そんなことってあるでしょうか?

あるとしたら、公式に「試合は中止」と伝えられたケースだけでしょう。

考えられる可能性としては、そもそも「減量に失敗した」状態で来日してしまった、ということ。

最後まで下着を脱いで全裸にならなかったことも、リミットまでできる限り削ろうとする意識はなかったように思えます。

井岡の検査結果が発表されてからの一昼夜で、「試合は中止」と勝手に決め込んで、パーティでも開いたのでしょうか?

腑に落ちないことが多すぎます。 
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軽量級における「減量」とは、多くの場合「より弱い相手を求めて自分も弱体化する」作業に他なりません。

ノニト・ドネアの〝バンタム級出戻り〟は、強い相手がひしめく上の階級では通用しないから、弱い相手が多くて層も薄い下の階級に逃げ込む、というその典型です。

他のスポーツ、例えばプロ野球で投手として入団した選手が野手に転向するのとは全く意味が違うのです。

前日計量では、より弱い相手を求める過酷な減量で体重を作ると、次はリバウンドでさらに優位な状況を作るのが常套手段です。

井上尚弥はIBFが重量級でも禁じている10 ポンドを優に超えた、5〜6kgリバウンドで当日の試合に臨みます。これは、ミドル級の村田諒太の4㎏のリバウンドも上回る数値。

前日に53kgだった人間が一晩で1割以上も重くなる…どんな理由を並べても、まず健康に良いわけがありません。

狂った生理は、とっくに成人している肉体を膨張させようとします。成人を越えたボクサーが減量に苦しくなるのは、加齢による新陳代謝の悪化が原因ではないのです。

もちろん、階級制の格闘技では「より弱い相手を求めて自分も弱体化する」減量は普通に行われていることで、パフォーマンスを落とさずリバウンドすることも、全てルールの範囲内です。

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ところが、人気階級を巡る体重管理には、明らかに適正階級を超えて重いウェルター級で戦ったマニー・パッキャオやフロイド・メイウェザーらや、増量してヘビー級に挑戦するマイケル・スピンクスやイベンダー・ホリフィールド、オレクサンダー・ウシクらのサンプルが珍しくありません。

井上と同じフレームのガーボンタ・デービスが「最終的にはウェルター級で戦いたい」と早くから宣言していたのも「どうして上(の階級)を目指すのか?単純な話ですよ。注目度が違う、ファイトマネーが違うから」(村田諒太)というだけの理由です。

彼らの体重管理は「より人気のある階級を求めて、自分も強大化する」という、スポーツとして当たり前の方向を睨んだ取り組みに他なりません。

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さて、本題です。

カネロ・アルバレスは15歳のとき、139ポンド(ジュニアウェルター級=リミット140ポンド)でプロデビュー。最初の地域タイトル(WBA Fedecentro)はウェルター級(147ポンド)で獲得、17歳のときでした。

その後、ウエルター級の地域タイトルを続々とコレクション。空位のWBCジュニアミドル級を英国の人気者マシュー・ハットンと争って勝ち取ったのが最初の世界タイトル、20歳のことでした。

そして、25歳でミゲール・コットの持つリング誌/WBC/Linealのミドル級(160ポンド)タイトルも獲得しますが、これはキャッチウェイト=155ポンドのいわゆる〝カネロ級〟で行われた変則タイトルマッチ。

カネロが160ポンドラインを越えたのはフリオ・セサール・チャベスJr.との164ポンドキャッチウェイトのメキシコ対決。

ミドル級に上げてからあからさまに対戦を回避してきたゲンナジー・ゴロフキンと拳を交えたとき、カネロは27歳。

そして、28歳でWBAスーパーミドル級(168ポンド)のセカンド王者ロッキー・フィールディングを屠ります。

ここまでが、カネロの〝増量登山〟のキャリアです。

フィールディング戦のあと、カネロはミドル級に戻ってダニエル・ジェイコブスとのチキン対決に判定勝ち(二人とも負けで良いような内容でした)すると、ライトヘビー(175ポンド)に上げて選手として劣化と消耗に苦しみ、私生活で政財破綻寸前だったWBO王者セルゲイ・コバレフを破壊して4階級制覇達成、このとき29歳。

「どうして階級No.1を避けて安易な相手をつまみ喰いするのか?」という非難を浴びながら、カネロは再びスーパーミドルに〝下山〟します。

そして、31歳の昨年、WBA王者ドミトリー・ビボルに挑戦、大番狂せの完敗を喫してしまいます。

この4年間、カネロは大きな綻びを見せずに、スーパーミドル級とライトヘビー級の間に張られたタイトロープを往来して見せました。

この危険極まる綱渡り、これまでにもボクシング界を代表するスーパースターが足を踏み外してきました。そのほとんどが〝下山〟であったことも、非常に興味深い現象です。

カネロが自在に綱渡りしているように見えるのは、ヘンリー・アームストロングやパッキャオ、メイウェザーのように減量ではなく体重デザインの領域まで踏み込んでいるからなのか、それとも若さが肉体のダメージを補っているだけなのか?

タイトロープから滑落したスターたちが陥った生理体系の狂いは、カネロにも起きうるのか?

そして、その破滅の刻は明後日の母国凱旋のリングになるのか?

それとも、もっと先の話か?
 
〝下山〟に失敗した3人のスター選手を振り返ります。 
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重岡優大(ワタナベ)が4月16日に東京・代々木第二体育館で対戦を予定していたWBC世界ストロー級王者パンヤ・プラダブシーがインフルエンザのため来日不可能となり、16日に予定されていた重岡優大とのタイトルマッチが消滅してしまいました。

試合をプロモートする3150FIGHTの亀田興毅ファウンダーは今日、「前夜にWBCから連絡が入り、亀田陣営が要望していた重岡の代替試合を暫定王座決定戦として承認されることになった」と記者会見を開いて明らかにしました。

すでに3人の候補選手と交渉中ですが、亀田ファウンダーは明日にも日本を出発、対戦相手と直接交渉に乗り出すというのですから、対戦相手はほぼ絞られていると見られます。

普通に考えると、明日すぐに交渉、契約できる距離を拠点としている選手となると、ワンヘン・ミナヨーティンですが…。

ここで気になるのが、3150FIGFTの深町信治マネジャーの「世界戦に臨む選手に試合2週間前には110ポンド(約49.89㎏)以下、1週間前には108ポンド(約49.98㎏)以下の体重でいなくてはならない」というというコメント。

試合です1週間前には一つ上のクラス(ストロー級の場合はジュニアフライ級の108ポンド)ということのようですが、ご存知のようにそんな〝ルール〟が守られているわけがありません。

そもそも、試合まで10日というのに「2週間前には110ポンド(約49.89㎏)」なんてもはや確認しようもありません。

「公開採点」と同じ、任意で選べるWBCオプションの一つです。

「3人のうち1人からは体重についてはクリアできていることを証明する動画が届いている」というのも、もうよくわかりません。

そして「3人はいずれもサウスポー」ということは、ワンヘンではありません。

「3選手はいずれもWBC世界ランク上位者」ということですが、WBC上位者を10位以内とすると、日本人選手を除いて当てはまるのは…以下の赤字5人です。
①Ayanda Ndulani/South Africa
②Luis Castillo/Mexico
③Yudai Shigeoka/Japan
④Oscar Collazo/P. Rico
⑤Wanheng Meenayothin/Thai
⑥Wilfredo Mendez/P. Rico
⑦Garen Diagan/Phil
⑧Pedro Taduran/Phil
⑨Reyneris Gutierrez/Nicaragua
⑩Goki Kobayashi/Japan

さて、亀田ファウンダーは誰を連れてくるのでしょうか? 

それにしてもWBCは世界ランキングを40位まで発表(ということは「上位ランカー」は20位以内?)していますが、ストロー級のプロボクサーは全世界で約250人 。全プロボクサーの6〜7人に一人はWBCランカーということになります…。

これを言い出すと、ウェルター級やミドル級でも50人に一人とかの次元で、なんだかなぁなプロスポーツです…。 
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久しぶりのシリーズ再開です。

まず、ボクシングの計量がいつ行われて来たか?のおさらいです。 

世界的には1980年代から実験され、1990年代から導入された前日計量を、JBCも1995年1月から導入しました。

計量から試合までの回復時間が短い当日軽量では、過酷な減量によってリング禍が相次ぎ、選手の生命と健康を守るために導入されたのが、減量のダメージからの回復時間を長く取る前日計量でした。

しかし、この回復時間の長さが深刻な不公平を引き起こし、選手の生命と健康がより甚大な危険に晒されているのです。

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そもそも、狂ってるのが「回復時間が必要」ということです。 

平等・公平を追求するなら試合直前の計量すれば良いのです。

なぜ、それが出来ないのか?なぜ、鍛え抜かれたアスリートが試合の前日を体力や脱水した肉体の回復時間に充てなければならないほど衰弱しているなんてどう考えても狂気の沙汰です。

井上尚弥や長谷川穂積らは、どうして試合中に足の痙攣にしょっちゅう悩まされるのか?

どうして、井上や井岡一翔は明らかに健康に悪い一晩で5〜6kgものリバウンドをするのか?

30年以上も議論を巻き起こしてきた「WEIGH-INS: DAY-BEFORE VS. SAME-DAY「前日計量か?それとも当日軽量か?」。

先に答えを言ってしまうとThe solution that most people will agree on is a return to same-day weigh-ins. (誰でもがわかりきっている解決策は当日計量に戻すこと)です。

もちろん、これをやってしまうと、例えばスティーブン・フルトンはジュニアフェザー級どころかフェザー級に削るのも難しいかもしれません。

多くの世界王者が現在の階級にとどまることが出来なくなってしまいます。

遡れば、井上がジュニアフライ級で世界王者になることもあり得なかったでしょう。


 
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ヒルベルト〝Zurd(サウスポー)〟ラミレスの体重超過によってカリフォルニア州ロングビーチで、明日予定されていたガブリエル・ロサドとのライトヘビー級(175ポンド)12回戦がキャンセルされました。

ラミレスの体重は最初に187ポンド、リミットを12ポンドもオーバー。2回目でも182.6ポンド、7.6ポンドも超過して試合は中止(イベント自体はセミファイナルの「ジョジョ・ディアスvsメルシト・ゲスタ」をメインに格上げして実施)。

12ポンド超過。もはや「減量失敗」の次元ではありません。

昨年11月にドミトリー・ビボルに完敗、キャリア初黒星を喫したラミレスは「計量の直前まで減量に苦しんだ」と語っていましたが、今回の体重超過は規律を持って減量してきたとは考えられない〝不祥事〟です。

Ramirez knew he would be drastically overweight but hoped that Rosado would agree to a deal for a certain amount of money to take the fight still.

メディアや多くのファンは「リミットまで落とせないのをわかっていたラミレスはペナルティ(カネ)を払えばロサドが対戦に応じると甘く考えていた」と見ています。

注目度の高い中量級でゲートキーパーの役回りを長年演じてきた37歳の〝King〟ロサドは、26勝15KO16敗1分のキャリアでゲンナジー・ゴロフキン、ジャーメル・チャーロ、ピーター・クイリン、デビッド・レミュー、ダニエル・ジェイコブス、ハイメ・ムンギアらとビッグファイトを繰り広げ、生涯報酬は1000万ドルを超えていると見られています。

つまり、そこまでカネに困っていないロサドをカネで説得するにはそれなりの金額が必要でしたが、ラミレス側の考えていた金額と大きな乖離があったということでしょう。

今回のラミレスは「失敗」に終わりましたが、スター選手が体重超過(その時点でスターとは呼びたくありませんが) しながらも、ペナルティを払って試合を成立させるのは、ボクシング界では当たり前に見られる醜い光景です。

ただ、今回はそれが受け入れられなかったというだけでなく、カネロ・アルバレスを追う人気者メキシカン〝スルド〟ラミレスが「いくらなんでも」というレベルの体重超過を犯してしまったことが気になります。

12ポンドオーバーなんて、この試合に向けてまともに練習してきたのかが疑わしいほどの失態です。

昨年11月のビボル戦は、44戦全勝のサウスポーにとって人生最大の大勝負でした。カネロに圧勝したビボルに初黒星をなすりつければ、実力評価はもちろんカネロとのメガファイトへの機運も大きく盛り上がったはずです。

あの敗北が単なる1敗ではなく、ラミレスのプロボクサーとしての矜持まで打ち砕いてしまったのだとしたら、31歳のメキシカンの再起には予想以上の時間がかかるかもしれません。
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