■WBAジュニアバンタム級タイトルマッチ ©️ジョシュア・フランコvs井岡一翔 前日計量は井岡が52.0kgの160gアンダー。フランコはなんと3.1kgオーバーの55.2kg。 120分の再計量の猶予時間もフルに使わず、全裸で秤に乗ることもなく、200グラムしか落とさず、諦めました。 この時点の体重差は3kg。 当日午前10時の計量で、58.9kg以内のリバウンドに抑えることを条件に、井岡陣営が試合決行を受け入れました。 フランコはこの本来ならあり得ない〝公式当日計量〟を900gアンダーの58kgでクリア。 そして、リング・イン前のフランコは2.2kg乗せて60.2kgに、5階級上のライト級(61.23kg)でロープをくぐりました。 対する井岡も5.5kg上乗せした57.5kgでリング・イン。フェザー級(57.15kg)を超えてジュニアライト級のゾーンに踏み入れるウエイトです。 両者の体重差は2.7kg。 減量失敗のフランコと、井上尚弥と並ぶ〝リバウンドマスター〟井岡。 波乱の前日計量だけでなく、この当日計量でも両者の調整能力の差が明らかになりました。 ジュニアライト級の井岡とライト級のフランコの対決は、単純な体重差ではなく、両者の体重コントロールの巧拙、リング上で異様に汗をかくフランコの姿からも勝負の帰趨は早い段階で明らかになりました。 井上尚弥と対戦したジェイミー・マクドネルのケースほど酷くはありませんが、今回のフランコも実質的な体重アドバンテージがあったとは考えられません。 井岡と井上のリバウンドが、ミドル級の村田諒太を上回るのは有名な話ですが、理想とされる10〜12%のリバウンドに安定して合わせてくるのは流石です。 さらに今回の井岡は栄養とトレーニング面で新しいメソッドを導入、前戦よりもリバウンド幅を500g増やしながらもキレとスピードは全く変わらなかったそうです。 今回のケースは、4団体時代によくある体重超過、つまり世界タイトルの価値暴落だけが背景ではなく、個人的に深刻な事情が起きたフランコが試合に集中できなかった可能性もあります。 それでも、逆境に立ったときの井岡の強さが、またしても際立った一戦でした。
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さて、次は相思相愛のファン・フランシスコ・エストラーダや、フランコが井岡とのダイレクト・リマッチを優先して〝待機〟している因縁のローマン・ゴンサレスとのビッグネーム対決になるのか? あるいは、中谷潤人とのボクシングマニア垂涎の〝世代〟と〝スタイル〟の団体統一戦は実現するのか?
井岡はもう、34歳。ここまで、30勝15KO2敗1分。 このブログでも紹介しているように、 井岡はCompuBoxのスタッツでは日本人ではもちろん、世界でもトップクラスの「打たせずに打つ」ボクサーです。 二つの敗北と一つの引き分けは、いずれもクロスゲーム、ストップ負けはもちろん決定的に追い込まれたシーンもありません。 井岡のスタイルで33試合312ラウンドという数字は、深刻な劣化や消耗からは縁遠いように見えます。 しかし、20歳のデビュー当時から注目され続け、33試合中24試合が世界戦、様々な重圧を潜り抜けてきた井岡の14年間が過酷な航海だったのは間違いありません。 我が道をゆく人です。 日本のボクシングファンが渇望する、2階級離れてしまった頂上決戦は実現しないのでしょうか?