世の中を構成するのは失望と幻滅である。そうであるならば、最も賢い生き方は、最初から何も期待しないことである。

… ハードボイルドの主人公が吐く台詞は、現実世界では最もあり得ない言葉です。

どんなSFよりもサスペンスよりも、ホラーよりも、現実離れしているのです。

つまり、現実とは、失望するとわかっていても希望を捨てきれない、幻滅するとわかっていても信じてしまう、そんな世界です。

ボクシングほど「トレーナー」の存在感が大きいスポーツはありません。ロベルト・ガルシアは、最もユニークで人気がある現役トレーナーの1人でしょう。

「名選手は優秀な指導者になれない」。

そんな世界共通の格言を真っ向否定した元IBFフェザー級チャンピオン。その理想を弟マイキーに具現化させた手腕は、亀田史郎や井上慎吾、アナトリー・ロマチェンコら肉親だけにしか還元できない方法論とは一線を画した「共通語」で多くのボクサーを薫陶してきました。

もちろん、私も尊敬しています。今でも、尊敬しています。

ジョシュア・フランコも、昨年大晦日の初戦で下されたドローの判定に対して、あからさまな不満を見せず、井岡一翔を讃え、再戦を希望した、あの振る舞いに感動しました。

今でも、軽量級では珍しい華のある弟バム・ロドリゲスと、厳しい規律のもとでボクシングに打ち込んできたと信じています。

彼らの釈明を聞くと「試合中止と思って暴飲暴食してしまった」ということですが、そんなことってあるでしょうか?

あるとしたら、公式に「試合は中止」と伝えられたケースだけでしょう。

考えられる可能性としては、そもそも「減量に失敗した」状態で来日してしまった、ということ。

最後まで下着を脱いで全裸にならなかったことも、リミットまでできる限り削ろうとする意識はなかったように思えます。

井岡の検査結果が発表されてからの一昼夜で、「試合は中止」と勝手に決め込んで、パーティでも開いたのでしょうか?

腑に落ちないことが多すぎます。