カテゴリ: 没落するアメリカボクシング

サウジアラビア・総合娯楽庁が立ち上げ、UFCスタイルで腐ったボクシング界を改革すると標榜するズッファ・ボクシングが、チャンピオンシステムの簡素化、不要階級の廃止についてついに具体的に動き出しました。

IMG_2952


廃止される不要階級は、かねてから予想されていたスーパーミドル級、ジュニアミドル級、ジュニアウエルター級、ジュニアライト級、ジュニアフェザー級、ジュニアバンタム級、ジュニアフライ級、ストロー級の8階級に加えて、オリジナル8に数えられていたフライ級。

クルーザー級かフライ級かどちらかが廃止と言われていましたが、競技人口や人気面だけでなくその階級の必要性を考えると、巨大化一方のヘビー級とライトヘビー級の間に緩衝地帯を設けることは理にかなっています。

新オリジナル8はバンタム級を最軽量に、フェザー級、ライト級、ウエルター級、ミドル級、ライトヘビー級、クルーザー級、ヘビー級(無制限)の8クラス。

「バンタム級(53.52kg)が最軽量であることを現代の人間の体格を考えて『重すぎる』と感じているとしたら、腐り切った認定団体に騙されて正常な感覚が麻痺しているだけ」と言われても、返す言葉もありません。

ダナ・ホワイトが「(サウジアラビア総合娯楽庁のボクシング専門広報誌)リング誌のランキングを取り入れて挑戦者を決定する」としているように、将来的にはリング誌のチャンピオンベルトを唯一の王者の証としたい考えです。

現在、リング誌はズッファが廃止すると発表した不要9階級のチャンピオンシップとランキングを維持していますが、将来的に廃止するのか、それてもサブカテゴリーとして残すのかまだ判明していません。

もし、ズッファのシステムが王道となると井岡一翔はフライ級だけ、井上尚弥もバンタム級だけの、4階級制覇ではなく1階級の王者にとどまり、未来では*付きで「ジュニア階級でタイトルを獲った」と説明されているかもしれません。

マニー・パッキャオの8階級制覇も「4」に半減されます。

地球上に8人しか世界チャンピオンがいない。そんな世界を取り戻せたなら、ボクシングの世界タイトルの価値は爆上がりします。ボクシングファンは当たり前に、そして容易に8人の名前を覚えるでしょう。




このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

最初に我々と接触してきたのはシャクール・スティーブンソンのマネージャー、ジョシュ・デュビンだった。

電話をかけてきて、彼は「テオフィモ・ロペスとの140ポンドのタイトルマッチに積極的に関わって欲しい。WBCの特別ベルトを用意して欲しい」「スティーブンソンが140ポンドのタイトルを獲っても、135ポンドのタイトルは剥奪しないで欲しい」とリクエストした。

我々は彼らの意向に沿うために、12月にバンコクで開催されたWBC総会で審議に欠けた。そして、デュビンにも必要な手続きを説明する書類一式を送った。

しかし、そこで彼らは連絡を一方的に断ったんだ。

wbc-belt-mayweather


5月に、WBCライトヘビー級王者デビッド・ベナビデスがWBA /WBOクルーザー級王者ヒルベルト・ラミレスに挑戦する構図と全く同じで、手続を踏むことでWBCのスペシャルイベントとして、ベナビデスが勝てばWBCライトヘビー級のタイトル保持を認定する。

デュビンはあちこちでこの「手続き」についての説明をせずに「WBCはライト級のタイトル保持に12万ドルに認定料が必要だと通告してきた」を言いふらしている。

これは、今できたるーるではなく、もう何十年も前から認められてきたWBCルール。

ファイトウィークに入ってからも、プロモーターのマッチルームと、資金提供をしているリングマガジン(サウジアラビアのボクシング専門広報誌)に何度も連絡したが、返答は一切なかった。

電話、WhatsApp、メール…あらゆる手段を駆使して、関係者全員に連絡をとったのに、誰からも返答がなかった。

同じ頃、スティーブンソンの仲間であるテレンス・クロフォードもWBCへのネガティブキャンペーンを展開していた。

サウジとUFCがでっち上げたズッファボクシングの連中にとって、ボクシング界の正義であるWBCは目障りなのだろうが、我々を消すことはできない。

カネに貪欲すぎると非難されるが、我々は認定料で成り立っている非営利の慈善事業を行っているだけ。メキシコシティの本部、世界各地のブランチの維持費がかかる。

若い選手が最初にWBCタイトルを獲得したとき、みんな喜んで認定料を支払ってくれる。別途代金がかかるWBCベルトも喜んで購入する。それなのに…ファイトマネーが膨れ上がっても、認定料の率は同じなのに、彼らはそれを出し渋るようになる。有名になって大金を稼ぐことができたのはWBCタイトルのおかげでもあるのに、それを忘れてしまうんだ。




ーーーマウリシオ、あんた、もう死んでるよ。

先日、体重超過を犯したスティーブン・フルトンとWBCジュニアライト級王者オシャキー・フォスターとの試合を1階級上のライト級のタイトルマッチに〝昇格〟させましたが、あの暴挙に対して、JBCは「WBC脱退も視野に入れた厳重抗議」を突きつけるべきです。

そもそも、認定団体は不必要悪なのに、あちこちで暴挙を働くなら、退場処分にすべきでしょう。





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

Saturday 31, January 2026
  
Madison Square Garden, New York, New York, USA
commission:New York State Athletic Commission
event name The Ring VI
promoter:Bob Arum (Top Rank),
       Eddie Hearn (Matchroom Boxing)
matchmaker:Brad Goodman, Kevin Rooney Jr
 view on DAZN 



イベント開始まであと24時間を切った「The Ring Ⅵ」。

WBCミドル級王者カルロス・アダメスが重度の脱水症状のため、救急車で病院に搬送されてしまい、3度目の防衛戦を離脱。

挑戦者のオースティン・ウォリアムズはウェンディ・トウセイントとノンタイトル10回戦を戦うことに。


IMG_2658


WBOジュニアウエルター級王者テオフィモ・ロペスと〝現代最高のジェリー〟シャクール・スティーブンソンのビッグファイトとダブルメインで組まれていました。

この試合が面白い展開になると考える人は極めて少数派。

WHの見立てはテオの勝利が5/2(3.5倍)、スティーブンソンが2/7(1.29倍)。スティーブンソンが安全第一を徹底したボクシングで36分間を逃げ切る、というのが大方の予想です。

それでも、来月21日に平岡アンディもアタック。トップ戦線の動きが気になります。



アンダーカードは、スティーブン・フルトンが返上したWBCフェザー級王座を無敗のブルース・キャリントンとカルロス・カストロが争う決定戦。勝者が井上尚弥、あるいは中谷潤人を迎える日が来るか?

こちらはキャリントンが1/9(1.11倍)、カストロ11/2(6.5倍)。

キャリントンがルイス・ネリとフルトンを苦しめたカストロをどう料理するのか?それとも、苦戦して彼らと同じ凡庸なファイターであることを曝け出すのか?

日本のボクシングファンにとっては、こっちの方が注目です。



このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック


一晩で書き上げましたか。

よほど腹がたったのでしょう。


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

Expert Poll (識者の投票)で決定するESPNのPFP。

今回は15人のメンバーが投票。1位のテレンス・クロフォードの引退をうけて、一つずつ順位が繰り上がり、圏外だったテオフィモ・ロペスが10位に。

ワシル・ロマチェンコに勝利したテオフィモは5位までランキングを上げましたが、ジョージ・カンボソスに敗れてランクアウト。約5年ぶりの Mythcal Ranking 復帰です。

①オレクサンデル・ウシク
②井上尚弥
③ドミトリー・ビボル
④バム・ロドリゲス
⑤アルツール・ベテルビエフ
⑥デビッド・ベナビデス
⑦シャクール・スティーブンソン
⑧中谷潤人
⑨デビン・ヘイニー
⑩テオフィモ・ロペス


IMG_3527

⬆︎1位票はウシクが11人、井上4人。この2人で15人の1位票が占められました。

井上を1位に推さなかった11人は全員が2位として投票。

アラディン・フリーマンがウシクを3位、バムを2位と評価しました。

2000年生まれのバムはまだ25歳(1月20日で26歳)。ローマン・ゴンサレスの軽量級としてのPFPキング在位期間(ESPN、リング誌でそれぞれ2年余り)を余裕で更新するかもしれません。



IMG_3524 2

ここで着ドン。濃厚鶏つけそば。




このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

オスカー・デラホーヤはFightHypeのインタビューで「クロフォードよりもメイウェザーの方がはるかに優れている」と断言しました。

このブログでも何度か指摘してきたように、この20年ほどでクロフォードほど過大評価されたファイターはいません。

スクリーンショット 2025-12-06 10.34.58

サウジアラビアの〝広報誌〟The RING magazineは、やはりTKOグループが支援するクロフォードを絶賛していますが…。広報誌だから当然ですが、リング誌も悪い意味で非常にわかりやすいメディアになりました。


カネロ・アルバレス戦の勝利では「米国ボクシング市場の最後のスーパースター」「2階級上のUndisputed champion 」に完勝したことが強調されていましたが、カネロが3年間以上もダルファイトを繰り返してきた完全劣化バージョンであったことは誰の目にも明らか。


カネロ勝利が4/6(1.66倍)、クロフォード7/5(2.4倍)という接近した戦前のオッズはもちろん、専門家の勝敗予想になると真っ二つに分かれるなど、そもそもあの試合はレナードvsハグラーやパッキャオvsデラホーヤとは次元が違いました。

それ以前のキャリアでも、傑出した対戦相手は交通事故でかつての輝きを失っていたエロール・スペンスJr.だけ、PFPファイターもそのスペンスだけという時代を超えたPFPを語る資格が欠落していました。

ユリオルキス・ガンボアのフェザーパンチに千鳥足にされ、イスライル・マドリモフを持て余し僅差判定に逃げ込んだ凡戦がクロフォードの本当の実力というのは厳しい見方ですが「誰に勝ったのか?」となると、スペンスだけ。

マドリモフと再戦してKO出来ると予想する人は少数派、クロフォードも棄権な再戦には応じないでしょう。

まだ過大評価の熱が残っているはずの現段階でも Fighter Of The Year は満場一致ではなくより大きな体重の壁を乗り越えているオレクサンデル・ウシクだけでなく、年間4試合をこなした井上尚弥と比較されている始末です。

ドミトリー・ビボルとの再戦、デビッド・ベナビデスとの決戦を頑なに拒否するカネロは、誰に狩られるのか〝早い者勝ち〟の状況でした。



ーーー早くも温度が急落しているこの熱が冷めたとき、クロフォードがどう評価されているのか?

後年、2020年代PFPが語られるとき、まだディケイド中盤のいまでも明白に1位とはいえないクロフォードはトップ5から転がり落ちているかもしれません。

デラホーヤも「バドは卓越した技術を持っている」と認めながらも「メイウェザーの方がはるかに優れている」と断言。

メイウェザーが完勝した2013年バージョンのカネロはキャッチウエイトを強いられて経験不足だったとはいえ勢いに乗る登り坂、一方で2025年のカネロは完全に牙を抜かれた鈍足の白豚でした。

「私が2007年にメイウェザーと接戦の末に負けたから、彼の肩を持つわけじゃない。ここ数年のカネロはベナビデスを『同じメキシカンだから』と意味不明の言い訳で逃げまくり、攻撃力は減退し足はますます遅くなっていた」。

「ベナビデスならクロフォードもカネロもKOするだろう」という見方は多数意見です。

カネロに勝ってからまだ3ヶ月余りで、早くも厳しい〝再審〟に晒されているクロフォード。 Fighter Of The Year を取りこぼしても全く不思議ではない状況です。



このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

IMG_0146

「史上最年少」

1986年11月22日、マイク・タイソンがWBCヘビー級王者トレバー・バービックを空中遊泳させてノックアウトしたとき、20歳と5ヶ月の若さでした。

史上最年少の世界ヘビー級チャンピオンの誕生です。

モハメド・アリを中核に強豪がひしめいた70年代から、ヘビー級はスター不在で有象無象の a champion が割拠、人気もレベルも低落していました。

もちろん、バービックも有象無象の a champion の1人。

そこに現れたのが、タイソンでした。

神秘的なモチベーター、カス・ダマトの薫陶を受け、スラムから成り上がったタイソンの物語に酔い痴れ、弱い相手ばかりとはいえ豪快にKOを量産する姿に、スターを渇望していたボクシング界は一気に沸き立ちます。

バービック戦前、自分よりも遥かに格下の相手を屠り続けてきたタイソンの実力を疑問視する声もありましたが、戦前予想とオッズは明白に有利。

そして、タイソンは a champion たちを薙ぎ倒して主要3団体(当時)を統一、Undisputed Champion となりますが、Lineal Champion とリング誌は〝都合良く〟マイケル・スピンクスが保持していました。

後年、1980年代のディケイドPFPでタイソンよりも高い評価を集めるスピンクスですが、当時はラリー・ホームズとの歴史的な2連勝を収めた達成感に浸り、さらに古傷の膝は悪化の一途を辿っていました。

そして、スピンクスはジェリー・クーニーとのビッグファイトを楽しむなと、タイソンとの激突を先延ばし〝ハンマープライス〟を引き上げます。






IMG_3091

「106年ぶりの快挙」

2003年3月1日。WBAヘビー級タイトルマッチ。

王者ジョン・ルイスに挑戦するのは、ミドル級王者から階級を上げてきたロイ・ジョーンズJr.。

やはり、この試合の戦前予想もオッズもロイ・ジョーンズJr.に大きく傾いていました。

ションルイは誰もが認める穴王者、ノックアウトするのは難しくても、スピードで翻弄して大差判定勝ちを収めるだろうという大方の予想はマンマ当たります。

最も長くPFP1位にランキングされたのはフロイド・メイウェザーでもマニー・パッキャオでもなく、通算で5年以上も鎮座したロイ・ジョーンズです。

しかし…ロイは最も権威のある Sugar Ray Robinson Award には一度も選ばれていないのです。

ロイが人気階級でド派手なパフォーマンスを見せながらも今一つ華やかさに欠け、カリスマ性も感じられなかったのは、強い相手に勝っていないからでもありました。

PFPという妄想の中では、あんなに飛び抜けたボクシングを見せるロイは強いやつと戦っても勝てるはず、という二次妄想を引き起こしていたのかもしれません。



同じ妄想はナジーム・ハメドにも当てはまります。

ハメドが誰に勝ったのか?誰から逃げ続けたのか?調べればすぐにわかることです。


タイソンは誰に勝ったのか?

ロイは誰に勝ったのか?
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

Circus fight


"I'm going to come back and fight people my weight and go for the cruiserweight world championship at some point," Paul said. "I'm going to take a little break. I've been going hard for six years, so I'm going to take some time off."

引退なんてしないよ。自分の体格、体重にあった相手と戦う。いつの日か、クルーザー級の世界タイトルマッチまでたどり着いてみせる。まあ、6年間も頑張ってきたから、少し休んでからになるけどね。



「自分の体格、体重にあった相手」「クルーザー級」と口にしたジェイク・ポールですが、ガーボンタ・デービスとの再調整、ライアン・ガルシアとのサーカス・ファイトが早くも噂されています。

ここまで14戦12勝(7KO)2敗のキャリアを紡いできたYouTuberの対戦相手は5試合がデビュー戦のボクサー、大きな注目を集めたマイク・タイソンはサンドバッグしか打てない還暦前の老人、フリオ・セサール・チャベスJr.は完全に終わった選手。

まともな選手は1人もいません。

昨日のアンソニー・ジョシュアは初めて戦う世界レベル、しかもヘビー級のファイターでしたが明らかに手を抜いていました。

4度のダウンのうち最初の3度はクリーンヒットではないのに、大きなダメージを負ってカンバスに這いつくばりました。

フィニッシュはヒットしましたが、ジョシュアが100%で撃ち抜いたものでないのは明らか。というか、しっかり撃ち抜くことはしませんでした。

ジョシュアがフランシス・ガヌー戦よりも時間がかかった最大で唯一の原因は、莫大なファイトマネーを用意してくれたこの興行のプロモーターである小さく弱いYouTuberへの当然の心遣いでした。

ジョシュアは、開始ゴングが鳴って対峙した瞬間にジェイク・ポールがただのYouTuberであることを見切ったでしょう。打たれ弱さを自覚しているジョシュアでも「このパンチで倒されることはない」と確信したはずです。

「真剣にクルーザー級タイトルを目指している」というYouTuberは、そのチャンスに恵まれるでしょう。破格の認定料が見込める認定団体にとっても大歓迎です。

ただ、サーカス・ファイトから離れることが許されるかどうか?

ここまで、エンタメとビジネスだけのボクシングキャリア、つまりサーカスライフを積み重ねてきたYouTuber がサーカス小屋を抜け出して、ジェイ・オペタイアやヒルベルト・ラミレスと戦えば、そこに待ち構えているのはさらなる惨敗しかありません。

タイトルホルダーである彼らがジョシュアのように手を抜いてくれなければ、顎を骨折するだけでは済みません。

あるいは、認定団体が慎重に用意してくれた決定戦で弱い相手と戦うのも、ジェイクの本意ではないでしょう。

来年29歳になるYouTuberが決断が難しい岐路に立たされています。

スポーツを見るのとは全く違う角度から見ると、YouTuberの体を張った商法には興味深いものがあります。



このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

Saturday 6, December 2025

Frost Bank Center, San Antonio, Texas, USA
commission:Texas Combative Sports Program
promoter:Tom Brown (TGB Promotions),
     Sampson Lewkowicz (Sampson Boxing)
matchmaker:Tom Brown, Whitfield Haydon
official in charge:Gregorio Alvarez
inspector:Gus Calderon, Cesar Martinez
 
view on Amazon Prime Video PPV 



会場となるフロストバンクアリーナはNBAのサンアントニオ・スパーズの本拠地。キャパ19,000人。


井上尚弥に破壊されながらも、ブランドン・フィゲロアとの対戦でマイルドアップセットを起こして2階級制覇に成功したスティーブン・フルトン。

しばらくフェザー級にとどまると思われましたフルトンでしたが、WBCジュニアライト級王者オシャーキー・フォスターに挑戦する2試合で一気に2階級制覇を狙うことに。

そして迎えた、本日の前日計量。フルトンがまさかの2ポンド(907g)超過の132ポンド。

さらにそれ以上のまさかは、WBCがこの試合をライト級の暫定王者決定戦にすると発表したことでした。

リミットいっぱいの130ポンドでパスしたフォスターと132ポンドのフルトンが、130ポンドのタイトルを争うことになったのです…。

普通のスポーツファンの常識ではありえないことが平然と起きるのが、プロボクシングの世界です。

普通のスポーツファンはとっくの昔にボクシングへの興味を失っているから、特に最近になって目立つボクシング界の狂気の沙汰は、ここまできたらもう何をしたって良いという開き直りもあるでしょう。

オレクサンデル・ウシクよりもジェイク・ポールの方が有名で、茶番劇が最も注目を集めるスポーツ。

野球でいうならワールドシリーズよりも、とっくに引退したマグワイアとソーサの金属バットによる本塁打競争の方が人気を博するようなもの。

もちろん、カネロ・アルバレスを最後にスターの系譜が断絶したマイナースポーツと、ジャッジや大谷翔平らスターを供給し続けるMLBでは比較にもなりませんが…それにしても、です。

今年、ボクシングから撤退したESPNは、数年前から「WBC世界王者」「WBC世界タイトル」という表現をやめて「WBC王者」「WBCタイトル」と表現していました。このブログもそれにならっています。

アルファベット団体が自前のデタラメランキングを元に認定した王者が「世界」であるはずもない、という理屈です。

また、ESPNやかつてのリング誌は「1つの団体が1つの階級で認定が許されるのは1人の王者だけ」という真っ当な理由からWBAでスーパー王者が存在する場合はレギュラー王者を認めなていません。

メディアが「王者は各団体に1人まで」と注意喚起する世界。「各団体に1人まで」というのも無茶苦茶にも程がありますが、それがプロボクシング。

※レギュラー王者ジェイミー・マクドネルに勝った井上尚弥は、ライアン・バーネットがスーパー王者だったため、王者とは認められていませんでした)。

アルファベット団体が幅を利かすボクシング界が腐りきっているのは、ボクシングファンなら誰でも知っていますが、体重超過で階級を上げてタイトルマッチに変更するという呆れて何もいえないレベルの暴挙に出ました。

フルトンは「もっとオーバーして140ポンド超えてたら人気のウエルター級暫定タイトル戦になってたのに」と激しく後悔しているかもしれません。

WBCがどんな屁理屈をコネているのか不明ですが、これが前例となると前日軽量でタイトルマッチの階級が変わることが常態化するかもしれません。

年末に井上尚弥と対戦するアラン・ピカソがオーバーすると、井上は期せずしてフェザー級のタイトルを手にして5階級制覇になります。

頼んだぞ!ピカソ!9ポンドオーバーならジュニアライト級、13ポンドオーバーでライト級だ!!!


さすが、WBC。複数階級制覇に新たな道筋を示してくれました。135ポンドのタイトルを獲る方法はいくらでもあるということです。

再来週の堤聖也vsノニト・ドネアも訳のわからないタイトルマッチですが、これもバンタム級118ポンドのWBAタイトル戦だと油断して見るのは厳禁。

WBCに対して「その手があったか!先を越された!」と焦るWBAが1ポンドオーバーでジュニアフェザー級、5ポンドオーバーでフェザー級のタイトルマッチに変更するかもしれません。







おっずはフォスター19/20、フルトン1/1。

メインのローチ2/5、クルス2/1。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック




茶番劇専門ボクサーのジェイク・ポールと、ロンドン五輪金アメリストでプロでもアルファベット団体の統一王者だったアンソニー・ジョシュアがフロリダ州マイアミで対戦する興行(12月19日)のアンダーカードが発表。

当初予定されていた11月14日のアンダーカードがそのままスライドするかと思いきや、WBA世界ジュニアウエルター級王者ゲーリー・アントゥアン・ラッセルに平岡アンディが挑戦する一戦はこのイベントから外されてしまいました。


当初予定が延期になったのは、ポールとの対戦が予定されていたガーボンタ・デービスがまたDVで訴訟されたため。 それにしても、弱い相手ばかりと戦い「ボクシングなんてスポーツでなくて結構。俺は目立つ方、カネが稼げる方へ行く」と公言してきたタンクですが、自ら犯した犯罪で茶番劇のスケジュールも守れないとなると、もはや「ボクサー失格」の枠からも転げ落ちています。


ひどいもんさ 生き様ぶった 半オンスの拳がうけてる


井上尚弥が無理やり押し売りしたTモバ興行が大コケしたのは仕方がありません。最高レベルのリアルファイトとはいえ米国で関心が低い軽量級で井上はボクシングマニアしか知らない無名。

今回のアンディも軽量級とは違う人気階級の末端、ジュニアウエルター級といっても全く無名。王者のアントゥアンもマニアには知られたボクシング一家でも、このスポーツが没落一方の中で、単体では売り物になりません。

もちろん、井上尚弥も諦観するように「(自分はスポーツだと信じて取り組んでいるが)プロボクシングは興行(商売)」。

現役ボクサーで最も面白い試合をする井上が米国で試合をしても、会場はあれこれ工作しても半分も埋まらない。

テレンス・クロフォードが倒した完全劣化版のカネロ・アルバレスの「看板だけ」はまだ許容範囲なのかもしれませんが、リアルファイトが軽んじられる現状は痛々しいほどです。

人気のない軽量級のPFPファイターを前座に従え、女子ボクサーがメインを張る。軽量級屈指のハイレベルなマッチアップでも、メインはハリウッドのスター…〝半オンスの拳〟がうけるのは、今に始まったことではないのですが…。






このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ