カテゴリ: 没落するアメリカボクシング

Sunday 8, March 2026

Meta Apex, Las Vegas, Nevada, USA
commission:Nevada Athletic Commission
event name:Zuffa Boxing 4
promoter:Dana White (Zuffa)
matchmaker:harles Bosecker
media:Paramount+

IBFクルーザー級12回戦
ズッファ クルーザー級初代王者決定戦

©︎ジャイ・オペタイア
vs
ブランドン・グラントン


meta-APEX

ズッファ・ボクシング最初のタイトルマッチ!

腐敗し切った現状のボクシング界に改革のマシンガンを放ち続けるサウジアラビアとUFCのダナ・ホワイトが仕掛けた侵略です。

デタラメランキングに立脚したデタラメチャンピオンシップを繰り返して来た承認団体を駆逐し、彼らが承認料稼ぎのために膨張させた全く無意味な17階級を適正の8階級(バンタム/フェザー/ライト/ウエルター/ミドル/ライトヘビー/クルーザー/ヘビー)の8階級に収斂、その最初の王者決定戦が明日、UFCの常設会場メタ・アペックスで開始ブザーならぬゴングが打ち鳴らされます。

…まさかブザーはないはずです。

前日会見でオペタイアは「全てのタイトルを勝ち獲ってUndisputed championになる」と宣言しながらも、ズッファのチャンピオンベルトについては「他のベルトも同じだが、物質的なものにすぎない。ベルト自体に価値はない」とつれない回答。

ただ、ズッファについては「様々な団体から声をかけてもらったが、提示された条件が全く違うものだった」と感謝を示しました。

圧倒的な強さでイベンダー・ホリフィールドとオレクサンデル・ウシクに続き、クルーザー級で史上三人目のUndisputed championになれると期待される豪州生まれの30歳は、先輩二人と同様にヘビー級でも王者に君臨する可能性が十分にあります。

現在、世界的な人気がないことに悩むオージーは、マッチルームでキャリアを積み重ねて来ました。

エディ・ハーンも「階級とルックス、スタイルは問題なしだが、ライバル不在と英国や米国に大きなファンベースを持たないからチケットの販売にはいつも苦労した」と打ち明けます。

それでも、この階級には5月2日にデビッド・ベナビデスがWBO/WBA王者ヒルベルト・ラミレスに挑戦、順当に勝利してオペタイアと激突となると大きな集客が期待できます。カネロ・アルバレスが逃亡したベナビデスが、今度は逃亡する番になりそうな気もしますが…。

現状、ズッファが取り込んだ大物はオペタイアだけ。今回の対戦相手ブランドン・グラントンはまともな世界ランカーではありません。

WBCのマウリシオ・スライマン会長は「我々がグラントンのレベルの選手をタイトルマッチに起用したらあちこちから非難が巻き起こるのに、今回はどうしてみんな沈黙している?」と不満たらたらですが、まだズッファには適格な選手がいません。

適格な選手との対戦を通達できるのにそれをしない、そもそも適格な実力者をランキングに入れないデタラメやり放題のWBCなどと同列に語るのはまだ早すぎます。

そして、ズッファがこのまま勢力を拡大した場合にJBCがどういう判断を下すのかも注目です。現在のJBCがコントロールする日本のボクシングの規則内ではズッファのタイトルマッチは認められません。

もしかしたら、井上尚弥ら日本のトップ選手にも参画のオファーが来ているかもしれませんが、JBCとのからみから承諾するファイターはいないでしょう。

さらに、厳格な8階級制のため、井上ならフェザー級に出場することになってしまいます。

そもそも、サウジアラビアがいつまでビジネス度外視の投資を続けるのか?さらに、競争が激しく、まだ淘汰前の日本のネット配信業界が一段落したとき、これまで通りに広告費として赤字OKのボクシングへの投資を続けることはあり得ません。

井上vs中谷のメガファイト。PPVの販売数は今度こそ、公表されるのでしょうか?








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リング誌の編集長を7年間つとめ、ESPNでもボクシングに携わってきたエリック・ラスキンがヘビー級シーンの勢力図の今昔についてのボクシングシーンにアップしました。

記事の内容を辿りつつ、ボクシングの覇権がどう変遷したかを見つめてみます。

ボクシングの覇権。

1980年代前半に4-KINGS(シュガー・レイ・レナード/マービン・ハグラー/ロベルト・デュラン/トーマス・ハーンズ)が中核となって躍動した非ヘビー級の時代がありましたが、その歴史を通して「ボクシングの覇権」とはヘビー級を掌握することとイコールでした。

オスカー・デラホーヤ、フロイド・メイウェザー、マニー・パッキャオ、カネロ・アルバレスーーーヘビー級を凌ぐ人気とファイトマネーを手にするスーパースターは確かに存在しましたが、彼らはあくまで単体で北米エリア限定のムーブメントに過ぎませんでした。

モハメド・アリどころかマイク・タイソンは米国の国境を飛び出したアイコンでした。現在でも、米国や英国にまともなファンベースを持たないオレクサンデル・ウシクが、カネと興味・関心の面でボクシング界のトップに鎮座するのはヘビー級だから。

もし、ウシクがバンタム級やジュニアフェザー級なら誰も相手にしていません。

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King vs Queens(berry): How does Frank Warren’s stable stack up?

この記事のタイトルはずばり「(ドン)キングとクイーンズ(ベリー):フランク・ウォーレンの築いたヘビー級帝国は史上最強か?」。

「我々はこの50年、ドン・キングの時代を含めてもヘビー級で最高のラインナップを揃えてる」。クイーンズベリーズ・プロモーションを率いるウォーレンがtalk SPORT boxing にそう語りました。

ラスキンは「十分に練った台本を用意することなく、軽いインタビューに応じるとき、数字が少し間違っている場合は大目に見なければならない。ウォーレンは50年前と言ったが、キングの時代は40年前が正しい」。

70年代から、アリのメガファイトに参画するなど頭角を現してきたキングがボクシングの覇権を握ったのは80年代中盤から。

単体で商品になるヘビー級のスターを黒人を中心に傘下に迎えるキングに対して、トップランクのボブ・アラムはファイターのサイドストーリーやライバル関係を複数階級制覇やPFPランキングというヘビー級から切り離したツールも使いながら練り上げたマーケティングで対抗、米国リングに二大勢力が形成されました。


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⬆︎WBC王座を強奪した1986年11月、タイソンとキングはすでにねんごろの関係でした。


1980年代半ば、ドン・キング プロモーション(DKP)が擁したヘビー級のラインナップはラリー・ホームズ、ティム・ウィンザスプーン、ピンクロン・トーマス、マイケル・ドークス、グレグ・ペイジ、トレバー・バービック、ジェームズ・スミス、トニー・タッブス。

黒人でも、マイケル・スピンクスやマイク・ウィーバーとは契約に至らず、ジェリー・クーニー、ゲイリー・コーツィーらホワイトホープを傘下に収めることも出来なかった。

米国最後のスーパースター、タイソンは信者たちが盲信しているような「カス・ダマトが亡くなって、ドン・キングと手を結んだ頃からダメになった」というのは都合の良いフェイクです。

現実にはダマトが亡くなった1年後の初戴冠のリングにキングが上がっており、ここからタイソンの進撃が始まるだけでなく、ダマトの生前からタイソンとキングが接触していたと考えるのが自然でしょう。

それでも、タイソンの複雑な契約を切り崩し、キングが100%傘下に迎えたのは1988年3月に東京ドームで行われたタッブス戦でした。

「1980年代終盤にタイソンとの完全契約を結んだとき、キングが抱えていたヘビー級ファイターのほとんどは全盛期を過ぎていた。この事実を考慮すると、DKPの最盛期にタイソンを加えるのは公平ではない」。

次に、クイーンズベリー・プロモーションズの陣営。

大看板のタイソン・フューリーは米国ではトップランクと契約、来月11日の復帰戦(vsアルスランベク・マクムトフ)はズッファ・ボクシングの興行と、現時点でウォーレンの傘下とは見にくい状況。

それでもファビオ・ウォードリー、ダニエル・デュボア、アギト・カバイエル、ジョセフ・パーカー、モーゼス・イタウマ、ヂャン・ヂレイ、デレク・チゾラ、ローレンス・オコリーらと契約している。

「最も公正とされるTransnational Boxing Rankings Board(TBRB)でウォードリーは1位、カバイエルが2位、デュボアが3位、パーカーが4位、チゾラが7位、イタウマが8位とトップ10に6人も送り込んでいる。1年以上、リングから遠ざかっているフューリーも実力的にはトップ3レベルだから、現在のヘビー級勢力図はクイーンズベリーが掌握していると言い切れるだろう」。

「もちろん、TBRBでも王者に認定されているUndisputedのオレクサンデル・ウシクとは無関係ではある。しかし、ウォーレン傘下のファイターは当然ながら、全員が現役。つまり、これから、例えばイタウマがスーパースターの座に駆け上がるかもしれないということ」。

「本当ならキングとクイーンズを比較できるのは、ウォーレンのヘビー級たちが引退して評価が固まってからになる。現時点で両者の優劣を語るのは、バッド・バニーの最新アルバムとレッド・ツェッペリンの四枚組アルバムセットのどちらが上かを考えるようなものだ」。

とはいえ、キングとウォーレンの選手への向き合い方を考えると一つの結論に行き着きます。

昨年、 Heavyweight Title Fights of the 1980s: A Complete History(1980年代ヘビー級タイトルマッチ 完全ガイド)を刊行したスティーブ・ハントの言葉を引用します。「キングはタイトルを完全に自分のコントロール下に置こうとして、王者と挑戦者の両方を手に入れていた。フランクは(アンソニー・ジョシュアやウシクのような)そのときを代表するチャンピオンを傘下に収めていない」。

二人のプロモーターの個性の差だけでなく、時代もあります。

キングの時代は選手を詐欺同然で拘束することが許されましたが、ウォーレンの時代はそうではないということです。

また、全盛期のキングと現在のウォーレンが同盟しても勝てない勢力がボクシング界を支配しつつあります。

サウジアラビア・総合娯楽庁の手先としてボクシングに参入したズッファ・ボクシングです。

現時点で「大物」と呼べる契約ボクサーはクルーザー級のジャイ・オペタイアくらいですが、すでにウシクやフューリーのメガファイトを単発ながら主催しているように、すでにヘビー級にも侵食しています。

ドン・キングとフランク・ウォーレン、どちらの支配度が上か?現時点のボクシングの覇権、ヘビー級をコントロールしているのは誰なのか?ーーーいますぐに答えの出る問題ではありません。

One thing is clear: Which side of the Atlantic Ocean serves as home to the best Heavyweights in the world has shifted over the last 40-odd years.

「ただし、確かなことが一つだけあるとしたら、この40年間でボクシングの覇権が太平洋を渡って英国に帰ったということです」。





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井上尚弥と中谷潤人のスーパーファイトが5月2日、東京ドームで決定しました。シンコ・デ・マヨ週間です。

シンコ・デ・マヨは5月5日に意味で、その前後の1週間でメキシコの戦勝記念を祝うお祭りです。海外在住、特に米国在住のメキシコ人が祝うことで知られているように、メキシコ本国では国の祝日に制定されていません。

誤解を恐れずにいうと「メキシコではマイナーだが、米国西部のメキシココミュニティーでは重要なお祭り」です。

クリスマスやバレンタインデー、ハロウィンで大騒ぎする日本人がそんなことを言うと「どの口で言うか!」と怒られそうですが。

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メキシコ的にも世界的にも、シンコ・デ・マヨよりも11月のDía de los Muertos(死者の日)や、9月の独立記念日の方がメジャーなお祭りですが、ボクシングファンにとってはシンコ・デ・マヨ!です。



さて、井上尚弥が昨年、Tモバイル・アリーナ史上に残る不入りの興行事故を起こしてしまったのもシンコ・デ・マヨ週間でした。

今年のTモバでは、デビッド〝メキシカン・モンスター〟ベナビデスとヒルベルト〝スルド〟ラミレスのWBCクルーザー級タイトルマッチが行われますが、当たり前のようにPPV(Amazonプライム)、会場も上階席封鎖なんて惨事にはならないと断言できる、本物のビッグファイトです。

さて、ベナビデスとラミレス、両者ともに「シンコ・デ・マヨに試合ができるのは光栄」と口を揃えるように、この期間にはフロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオという非メキシカンのスーパースターも巻き込んでボクシングのメガファイトが行われてきました…といってもそれも21世紀に入ってからの話。

フリオ・セサール・チャベスにシンコ・デ・マヨのイメージを重ねる人は皆無のはずです。オスカー・デラホーヤでも2000年代の後半になってからこの期間にビッグファイトをしていますが、やはりそのイメージは薄弱です。

「シンコ・デ・マヨ=ボクシングのビッグファイト」のイメージは、カネロ・アルバレスによって2010年代中盤から整形された、非常に新しいものなのです。



最近は日本でも、代々木公園などでイベントが開催されているシンコ・デ・マヨですが、ボジョレー・ヌーボーなどと比べても知名度はまだまだです。

いつの日か、シンコ・デ・マヨは〝バレンタインデー〟になれるでしょうか?
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現在、ボクシング興行を打つにあたってラスベガス最高の舞台はどこなのか?

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巨大スタジアム大好きな個人的には、カネロ・アルバレスとテレンス・クロフォードが戦ったNFLラスベガス・レイダースの本拠地、アレジアント・スタジアムや、2028年オープンのMLBアスレティックスの新球場が「最高」ですが、アリーナとなると断然、ザ・スフィアになります。


落ちぶれ続けるボクシングでは、高額な料金設定のスフィアでの興行は不可能と言われていましたが、たった一つだけスフィアを可能にするボクシングのカードがありました…。

メイウェザーvsパッキャオ2…。

「1」が開催されたのは、11年前の2015年のMGMグランドガーデン・アリーナ。

11年前は日本円で1,000万円単位まで跳ね上がった席料、席を取れなかったファンもクローズドサーキットなどに駆け込み、近郊のモーテルまで満杯、プライベートジェットの駐機場もキャンセル待ちーーー「ラスベガスにとって最も甘い1週間」となりました。

「エキシビジョンではなく公式戦」と喧伝していますが、11年後に同じ夢を見ることが出来ると考えている人は皆無でしょう。

HBOとSHOWTIMEが手を組んでPPVイベントを開催、マイケル・バッファーとジミー・レノンJr.の2人がリングアナウンサーをつとめた史上空戦のメガファイト、ボクシングニュースに消極的なCNNスポーツがカウントダウンタイマーを設置して「ものすごい試合になると、死にゆくだけと見られていたボクシングが復活するかもしれない」とまで期待されていました。

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結果は両者が保身に走る、世紀の大凡戦…メイウェザーは珍しく謝罪し、パッキャオは肩を痛めていたと言い訳する始末。

2人のマネーへの恨みつらみはテーマからズレるので、この辺にしておいて、聖地ラスベガスを振り返ります。


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井上尚弥vs中谷潤人は、5月2日に東京ドーム!

メイウェザーvsパッキャオ2は、9月19日にラスベガスのスフィア!

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東京ドームのボクシング興行は、日本人メインでは2度目。

スフィアでボクシング興行が打たれるのは史上初。

リアルファイトと茶番劇…。

怪我したり(前者)、契約上で揉めたり(後者)することなく、健康な状態でリングに上がって下さいませ。
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平岡アンディにとって、悔しい敗北となった昨日のWBAジュニアウエルター級戦。

そもそも、この試合は11月に「ジェイク・ポールvsガーボンタ・デービス」の茶番劇の前座にセットされていましたが、デービスの犯罪から中止・延期されてしまいました。

今回も、アンディやファンが心配したのはトランプ政権下の移民政策でビザがおりにくくなっていることではなく、デービスと同じ犯罪歴がある茶番劇インフルエンサーのライアン・ガルシアが何かやらかして興行がまたオジャンになってしまうことでした。

昨日のメインイベントはWBCウエルター級王者マリオ・バリオスにガルシアが挑戦するタイトルマッチでしたが、常識的に考えればガルシアに挑戦資格がないことは明らかな、認定団体がよくやる人気便乗型のタイトルマッチ。

いまや、それに対する批判は少数派。それどころか「人気者がタイトルホルダーになったことで、没落一方の米国ボクシングに光明が差し込んだ」と見るメディアや専門家まで現れています。

ガルシアvsマニー・パッキャオ、あるいはvsフロイド・メイウェザー…高額の認定料が保証されるメガファイト、ビジネスとしてはこれ以上素晴らしいことはありません。

しかし、リアルファイトがないがしろにされ、スポーツとしての性格をどんどん喪失していくことは、ボクシングの未来にとって良いことであるはずもありません。

「スポーツとしてのボクシングはズッファ・ボクシングに任せて、自分たちはサーカスに徹して金儲けを追求する」というのが本音でしょうか。

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マウリシオ・スライマンのWBCが見せている常識からますます逸脱したデタラメぶりは「ズッファの登場で、逆に認定料にフォーカスして無茶苦茶できる」と開き直っているようにも見えてきます。





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IBFジュニアウエルター級王者リチャードソン・ヒッチンズが当日計量をすませた直後に体調不良を訴え、オスカー・デュアルテとの防衛戦はキャンセルされてしまいました。

ラスベガス、T-モバイル・アリーナで行われるWBCウエルター級タイトルマッチ(©︎マリオ・バリオスvsライアン・ガルシア)のアンダーカードに、もう一つのジュニアウエルター級戦(WBA©︎ゲイリー・アントゥアン・ラッセルvs平岡アンディ)と共にセットされていました。

プロボクシングほど〝世界〟タイトルが軽く扱われているスポーツはありません。

もちろん、デタラメ団体がデタラメに作ったランキングにもとづいたランキングから捻り出されたタイトルホルダーを世界王者と呼ぶのなら、ですが。

そして、ボクシングがスポーツと呼べるのだとしたら、ですが。
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サウジアラビアから潤沢な資金が提供されるズッファ・ボクシングにはカネはあります。

DAZNだけでなく、パラマウント+とも提携しています。強力なプラットフォームです。

独自のチャンピオンベルトを作ると宣言していますが、ベルトとランキングを持つリング誌も同じサウジアラビア・グループ。

既存の業界、アルファベットの認定団体や、米英のプロモーターとの関係は敵対的・対決的ともいえ、ここでの軋轢がズッファにとって障害物になる可能性も指摘されています。

ズッファの選手引き抜きも、アル・ヘイモンのPBCが繰り広げたような派手な動きになっていないことから、選手自体が疑心暗鬼になっているように映ります。

サウジアラビアが撤退すると…「我々は裏切り者として置き去りにされる」。そんな不安でしょうか。

サウジの強力なバックアップを得ているズッファ・ボクシングの代表、ダナ・ホワイトはボクシング界に敵はいても味方はいません。カネはあってもコネはない、というところ。

それでも「カネ」は既存のボクシング勢力が束になってかかっても太刀打ちできないレベル。そして、ボクシング界にコネはなくても、ドナルド・トランプとの間に太いパイプを持っています。

その意味では、世界最強のコネを持っていると言えるでしょう。

トランプとのコネクションで実現するホワイトハウスでのUFC興行について、UFCの創始者は「今週、ワシントンDCで大統領陣営と最終的な会議で大会の概要やある程度のマッチメイクも話し合う」と語りました。



ドン・キングはザイールでメガファイトを、エディー・ハーンはサウジアラビアでイベントを開催しましたが、いずれも既成概念の延長上にあるものでした。

しかし、米国の権力中枢にまで訴えかけて、その司令部でイベントを行うことは、キングやハーン、フランク・ウォーレン、ボブ・アラム、オスカー・デラホーヤといったライバルたちに(彼らがホワイトのライバルと呼べるほどの勢力を持っているわけもないのですが)、全く異次元のコネクションを見せつけることになります。

ホワイトがホワイトハウスでイベントを立ち上げる。

日本人目線のホワイトハウスは「大谷翔平がいやいや招かれてたとこやん」ですが、アラムやハーンにとっては大きな敗北感に打ちひしがれるしかありません。

7月4日の独立記念日に予定されていたイベントですが、当日は米国を上げてのお祭りだけに安全面や施設準備などで万全の準備ができないことから、6月14日のトランプの誕生日に前倒しされました。

米国ボクシングが復興できるかどうかはわかりません。

しかし、一つだけ確かなことがあるとすると、既存の米国ボクシングの枠組みは完全に破壊されるであろうということです。



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階級は8つだけ。地球上に世界チャンピオンを名乗れる男も8人だけ。

認定団体によるデタラメランキングに立脚したチャンピオンシップ制度を破壊すべく、古き良きボクシングへの回帰(UFCはそこを目指して権威を確立しました)を標榜しているズッファ・ボクシングが最初のタイトルマッチを3月8日、ラスベガスで開催します。

すでに、8階級はヘビー級、クルーザー級、ライトヘビー級、ミドル級、ウエルター級、ライト級、フェザー級、バンタム級に選抜済み。



記念すべき最初の王者決定戦は、リング誌/IBFクルーザー級王者ジェイ・オペタイアとブランドン・グラントンによって争われます。

階級最強と目されるオペタイアは文句なしですが、大上段に構えたタイトルにしてはグラントンはどうなの?認定団体のデタラメランキングを嘲笑できません。

ズッファが傘下に収めたエリートファイターがオペタイアだけ、他のスター選手は認定団体や既存のプロモーターと両天秤にかけて、ズッファへの参画を保留している状況です。

舞台はUFCのメタ・エイペックス・パフォーマンスセンター、イベントはパラマウント+が生配信.

ダナ・ホワイトは「腐敗し切った認定団体のタイトルに意味はない」としていましたが、オペタイアにIBFストラップを放棄するように求めない方針。

サウジアラビアのボクシング専門広報誌であるリング誌のタイトルは、もちろん認めています。

リング誌とは別に「ズッファのタイトル、ベルトが存在する」ということ。

カネ無し、コネ無し、ビジョン無し、信用無しで空中分解したWBSSとは違い、ズッファはカネもビジョンもあります。

既存のボクシング界への根回しはできていません(あえてやっていない)が、信用もこれから構築していくことができるでしょう。

そして、最軽量がバンタム級ということは、ストロー級からバンタム級までの5階級のファイターが一つのタイトルをめぐって激戦を繰り広げるということです。

また、ジュニアフェザー級の井上尚弥や中谷潤人の場合は、バンタムに戻るという選択肢はありませんから、ズッファのフェザー級タイトルを目指すことになります。

もちろん、井上や中谷が「既存のボクシング界のフレームにとどまる」という判断をするなら話は変わりますが、サウジの潤沢な資金をバックにズッファタイトルの価値がアルファベット団体のガラクタベルトよりも高くなる可能性は十分です。



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どんなことですら全ては地域的で、偏狭です。

阪神タイガースとLAドジャースのどちらを愛すか?愚問に過ぎます。

ヘビー級やウエルター級の覇権の行方よりも、井上尚弥vs中谷潤人の方が胸躍ります。

ただ、サッカーや野球にはトップリーグが存在することもわかっています。そして、プロボクシングにはそれが存在していないことも。

野球にはMLBが、サッカーに欧州のトップリーグが、そしてMMAにはUFCがあるように、ズッファ・ボクシングがまず目指すのはトップリーグ8階級の形成です。

ジュニア階級はローカルタイトルとして存続、トップリーグに参戦するときにどのタイトルに挑戦するのかが難しい選択になります。

米国のテレビ局や大手プロモーター、認定団体の堕落のトラアイングルは崩壊。テレビ局はネット配信に、トップランクやGBPのような大手が英国のマッチルーム、クイーンズベリーに押されるどころか彼らも含めてサウジ系ズッファ・ボクシングに飲み込まれつつあります。

そして、認定団体は「ジュニア階級以上に不要の存在」と存続の危機に直面しています。

このまま、サウジ勢力がボクシング界を刷新するのでしょうか?

彼らが腐敗し切ったボクシング界を救うために現れた正義の騎士ではないことはもちろん、そのパワーの源であるサウジアラビアのサポートは採算度外視。米国のプレミアムケーブルが見限ったように、プロボクシングが成長途上にある夢のあるスポーツではなく「死にゆく産業」であることは、知能レベルが著しく低いガーボンタ・デービスですら確信している事実です。

そこに湯水のようにオイルマネーを注ぎ込む彼らは、その投資を回収する気もなければ、回収できるとも考えていないでしょう。

そして、サウジアラビアという国自体がボクシングに興味を持つ国民を抱えていません。

「スポーツウォッシング」と見られることにあからさまなアレルギー反応を示し、少しでもそこに触れる記事を書いたボクシング・シーンに大会パスを発行しないなど、莫大な資金の投入とは裏腹の狭量を曝け出すサウジアラビア総合娯楽庁。

「石油に代わる産業を起こすための投資。スポーツウォッシングなら、わざわざマイナー競技に手を出しても仕方がない」というサウジよりの意見は「石油に代わる産業を育てたいなら、国民の理解が低いマイナースポーツに手を出すのはおかしい」という反論にたちまち駆逐されてしまいます。

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トゥルキ・アル=シャイフ長官は「ボクシング界から撤退しない。リング誌を見離さない」と宣言していますが、DAZNも「PPVからボクシングファンを解放する」と啖呵を切って参入しました。

そもそも、このまま赤字を垂れ流し続けてサウジ王室から許されるのか?

撤退の目処と考えられているのが、2030年。

「サウジビジョン2030」はeスポーツワールドカップ、AFCアジアカップ2027、2030年国際博覧会、2034 FIFAワールドカップなどの誘致を成功。

このプロジェクトは2030年までにスポーツ産業を非石油部門GDPの2.5%に拡大し、民間投資比率を25%に引き上げることを計画しています。

ということは、〝執行猶予〟があと4年あるのでしょうか?

しかし、業界の共通認識は「赤字しか生み出さないボクシング産業からはいつ撤退してもおかしくない」。



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