サウジアラビアから潤沢な資金が提供されるズッファ・ボクシングにはカネはあります。

DAZNだけでなく、パラマウント+とも提携しています。強力なプラットフォームです。

独自のチャンピオンベルトを作ると宣言していますが、ベルトとランキングを持つリング誌も同じサウジアラビア・グループ。

既存の業界、アルファベットの認定団体や、米英のプロモーターとの関係は敵対的・対決的ともいえ、ここでの軋轢がズッファにとって障害物になる可能性も指摘されています。

ズッファの選手引き抜きも、アル・ヘイモンのPBCが繰り広げたような派手な動きになっていないことから、選手自体が疑心暗鬼になっているように映ります。

サウジアラビアが撤退すると…「我々は裏切り者として置き去りにされる」。そんな不安でしょうか。

サウジの強力なバックアップを得ているズッファ・ボクシングの代表、ダナ・ホワイトはボクシング界に敵はいても味方はいません。カネはあってもコネはない、というところ。

それでも「カネ」は既存のボクシング勢力が束になってかかっても太刀打ちできないレベル。そして、ボクシング界にコネはなくても、ドナルド・トランプとの間に太いパイプを持っています。

その意味では、世界最強のコネを持っていると言えるでしょう。

トランプとのコネクションで実現するホワイトハウスでのUFC興行について、UFCの創始者は「今週、ワシントンDCで大統領陣営と最終的な会議で大会の概要やある程度のマッチメイクも話し合う」と語りました。



ドン・キングはザイールでメガファイトを、エディー・ハーンはサウジアラビアでイベントを開催しましたが、いずれも既成概念の延長上にあるものでした。

しかし、米国の権力中枢にまで訴えかけて、その司令部でイベントを行うことは、キングやハーン、フランク・ウォーレン、ボブ・アラム、オスカー・デラホーヤといったライバルたちに(彼らがホワイトのライバルと呼べるほどの勢力を持っているわけもないのですが)、全く異次元のコネクションを見せつけることになります。

ホワイトがホワイトハウスでイベントを立ち上げる。

日本人目線のホワイトハウスは「大谷翔平がいやいや招かれてたとこやん」ですが、アラムやハーンにとっては大きな敗北感に打ちひしがれるしかありません。

7月4日の独立記念日に予定されていたイベントですが、当日は米国を上げてのお祭りだけに安全面や施設準備などで万全の準備ができないことから、6月14日のトランプの誕生日に前倒しされました。

米国ボクシングが復興できるかどうかはわかりません。

しかし、一つだけ確かなことがあるとすると、既存の米国ボクシングの枠組みは完全に破壊されるであろうということです。