偉大な伝説が最後の刻をむかえるとき、その遺産を狙ってハイエナたちが群がります。
今なら、マニー・パッキャオの前に「我こそが相続人だ」と列をなして若き強豪が並んでいます。
タレントが乏しい軽量級で、そんな遺産を持っている伝説がいるとしたらドネアだけでしょう。
WBSSトーナメント1回戦敗退が濃厚と見られていたフィリピンの閃光は運命に導かれるように決勝まで駒を進めてきました。

今なら、マニー・パッキャオの前に「我こそが相続人だ」と列をなして若き強豪が並んでいます。
タレントが乏しい軽量級で、そんな遺産を持っている伝説がいるとしたらドネアだけでしょう。
WBSSトーナメント1回戦敗退が濃厚と見られていたフィリピンの閃光は運命に導かれるように決勝まで駒を進めてきました。
❻オスカー・デラホーヤ vs マニー・パッキャオ
2008年12月6日、ラスベガス MGMグランドガーデンアリーナ。ウェルター級ノンタイトル12回戦。
当時のパッキャオは29歳。デラホーヤは35歳。
当時のパッキャオは29歳。デラホーヤは35歳。
パッキャオお得意の〝タイトルに注目がいかない〟メガファイト。21世紀のメガファイトにタイトルは全く関係なく「誰と誰が戦うのか」その一点に尽きることを思い知らしめた一戦です。
というか、この試合にはそもそも何のタイトルもステイクされていませんでした。今ならWBCあたりが「プラチナベルト」とか作りそうですが…。
というか、この試合にはそもそも何のタイトルもステイクされていませんでした。今ならWBCあたりが「プラチナベルト」とか作りそうですが…。

最も名誉ある「全米ボクシング記者協会選出の年間最高選手賞(シュガー・レイ・ロビンソン杯)」を3度受賞、同協会のディケイド(2000年代)最高選手賞も受賞したパッキャオ。
史上唯一の8階級制覇を果たした生きる伝説の最高傑作がノンタイトルのデラホーヤ戦というのは現代ボクシングの闇も象徴しています。
渇望していたフロイド・メイウェザーとの再戦交渉が暗礁に乗り上げたゴールデンボーイが選んだのは、PFPキングとはいえ、9ヶ月前まではジュニアライト級を主戦場にし、6ヶ月前にようやくライト級デビューを果たしたばかりのパッキャオ。
史上唯一の8階級制覇を果たした生きる伝説の最高傑作がノンタイトルのデラホーヤ戦というのは現代ボクシングの闇も象徴しています。
渇望していたフロイド・メイウェザーとの再戦交渉が暗礁に乗り上げたゴールデンボーイが選んだのは、PFPキングとはいえ、9ヶ月前まではジュニアライト級を主戦場にし、6ヶ月前にようやくライト級デビューを果たしたばかりのパッキャオ。
フライ級からライト級まで、ジュニアバンタムとバンタムの2階級をスキップしながら5階級制覇の離れ業を演じていたパックマンでしたが、ここに来てさらに2階級上のウェルター級で戦うなど誰の目にも自殺行為にしか見えませんでした。
Too Soon or Too Late? 早いか遅いか。もはやその尺度で測ることが出来ない「早いも遅いもない、そもそも戦うことがないはずの2人」でした。
フィリピン国会が母国の英雄を守るため試合中止を求める法案を可決、ロスアンゼルス・タイムズはパッキャオのKO勝ちは可能性ゼロと報じ、元ジュニアバンタム級王者・川島郭志は「こんな試合を認めていいのか?アメリカはなんでもありか?」と呆れはてた、フライ級とミドル級の元王者同士の対決。
リーマンショックの冷気がラスベガスにも流れ込んでいた2008年、誰もが「残酷なショーにしかならない」と口にしながらもPPVは125万件をセールス。
誰もが残酷なシーンを見たかったのです。
「井上vsドネア」との共通点は、伝説が最も輝いていたクラスに舞い戻り若き才能を迎え撃つという構図です。
違う点は、当時のデラホーヤは前の年にSDで惜敗していたメイウェザーとのリマッチが期待されて〝まだ死んでいない〟伝説と見られていましたことです。
違う点は、当時のデラホーヤは前の年にSDで惜敗していたメイウェザーとのリマッチが期待されて〝まだ死んでいない〟伝説と見られていましたことです。
そして、全く違うのは伝説が圧倒的有利と見られていたことです。
ウィリアムヒルのオッズがパッキャオから見て1−2と意外なまでに接近していたこと、リング誌が「中盤まではパッキャオがポイントで先行する」とフィリピン人の健闘を予想していたことに不思議な違和感を感じていました。
それでも「パッキャオが圧倒する」はもちろん「パッキャオ勝利」という予想も見当たりませんでした。
ボクシングの予想は頭の硬直したメディアとファンが〝普通に考えて〟ひねり出す予定調和の延長の域を出ません。
本当に〝普通に考えて〟みるなら「パッキャオは普通ではない」という前提こそが〝普通に考えて〟見ることなのでしたが…。
パッキャオとドネアは違います。ドネアが起こした番狂わせは「世界デビュー」だったビック・ダルチニアンとの第1戦と、ライアン・バーネット戦(あの試合を番狂わせと呼ぶならば)だけです。
オッズが接近した試合、ギレルモ・リゴンドー戦やニコラス・ウォータース戦、ジェシー・マグダレノ戦は全て落とし、圧倒的不利予想だったカール・フランプトン戦も完敗でした。
パッキャオと比較するとドネアは〝普通に考えて〟差し支えないボクサーです。
バンタム級に舞い戻ったWBSSトーナメントの2試合は幸運が重なって決勝進出。
バーネットやゾラニ・テテを襲った不運が井上の身にも起きない保証はどこにもありませんが、現時点のドネアの純粋な実力に井上を脅かすものがあるとしたらラッキーパンチしか思い浮かびませんが…。
井上にもタイトルを超越した「誰と戦うのか」に注目が集まるビッグファイトのリングに上がって欲しいのですが、悲しいかな相手が見当たらないです。
ウィリアムヒルのオッズがパッキャオから見て1−2と意外なまでに接近していたこと、リング誌が「中盤まではパッキャオがポイントで先行する」とフィリピン人の健闘を予想していたことに不思議な違和感を感じていました。
それでも「パッキャオが圧倒する」はもちろん「パッキャオ勝利」という予想も見当たりませんでした。
ボクシングの予想は頭の硬直したメディアとファンが〝普通に考えて〟ひねり出す予定調和の延長の域を出ません。
本当に〝普通に考えて〟みるなら「パッキャオは普通ではない」という前提こそが〝普通に考えて〟見ることなのでしたが…。
パッキャオとドネアは違います。ドネアが起こした番狂わせは「世界デビュー」だったビック・ダルチニアンとの第1戦と、ライアン・バーネット戦(あの試合を番狂わせと呼ぶならば)だけです。
オッズが接近した試合、ギレルモ・リゴンドー戦やニコラス・ウォータース戦、ジェシー・マグダレノ戦は全て落とし、圧倒的不利予想だったカール・フランプトン戦も完敗でした。
パッキャオと比較するとドネアは〝普通に考えて〟差し支えないボクサーです。
バンタム級に舞い戻ったWBSSトーナメントの2試合は幸運が重なって決勝進出。
バーネットやゾラニ・テテを襲った不運が井上の身にも起きない保証はどこにもありませんが、現時点のドネアの純粋な実力に井上を脅かすものがあるとしたらラッキーパンチしか思い浮かびませんが…。
井上にもタイトルを超越した「誰と戦うのか」に注目が集まるビッグファイトのリングに上がって欲しいのですが、悲しいかな相手が見当たらないです。











