カテゴリ: 国際ボクシング名誉の殿堂

2022の年間表彰が続々発表される中、寺地拳四朗がデオンティ・ワイルダーを抑えてBoxing Scene.comのComeback of the Yearに選出されました。

今年は矢吹正道を3ラウンドで仕留めて鮮やかすぎるリベンジを果たし、WBCジュニアフライ級のストラップを取り戻すと、リング誌/WBA王者・京口紘人との統一戦でも7ラウンドでストップ勝ち。

世界王者2人から、力の差を見せつける2勝を挙げて文句なしのComeback of the Year。

2試合とも日本では寺地が有利と見られており、実力を発揮しただけなのですが、なにはともあれ素晴らしい。

日本時間11日火曜にBWAAから発表されるシュガー・レイ・ロビンソン賞の候補に、井上尚弥と共にリストアップされている寺地。

大本命はドミトリー・ビボルですが、大番狂せはあるか?
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全米ボクシング記者協会(Boxing Writers Association of America=BWAA)の2022年の各賞発表が始まりました。

女子の Fighter Of The Year(クリスティ・マーティン賞)は、ミドル級でUndisputed Championになったクラレッサ・シールズ。

アマプロ通じて唯一の黒星をアマチュア時代に喫したしたサバンナ・マーシャルとの無敗対決を制して、完全統一を果たしました。

五輪2大会連続金メダリストのシールズでも米国では評価・報酬に恵まれていません。2023年もMMAとの二刀流を継続する計画です。

注目の男子Sugar Ray Robinson Award Fighter Of The Yearには、井上尚弥と寺地拳四朗の二人がノミネート。日本人が複数ノミネートされるのは史上初です。

他の候補者はアルファベット順でドミトリー・ビボル、ヘクター・ルイス・ガルシア、デビン・ヘイニー、ジェシー・ロドリゲスの6人。

井上か寺地が年間最高選手賞に輝く確率は、単純計算では33.3…%ですが、果たして?
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魅力的な世界チャンピオンを何人も生み出してきた日本ボクシング。

しかし、ボクサーにとって最高の名誉である殿堂のモダーン部門には、1995年に事実上の一発殿堂を果たしたファイティング原田しか入神していません。

原田よりも後年に活躍した大場政夫と具志堅用高は、モダーン部門の資格期間が切れてオールドタイマー部門での殿堂入りでした。

しつこいようですが、原田はモダーン部門で一発殿堂です。世界評価という点では、他の日本人ボクサーとは全く次元が違うのです。

個人的には、現時点で井上尚弥も殿堂入りに相応しいと考えています。

ただ、文句なしの一発殿堂か?というと微妙でしょう。

井上よりも遥かに長い年月でPFPキングに君臨したローマン・ゴンサレスやワシル・ロマチェンコ、Fighter Of The Yearにも選ばれたノニト・ドネアと引退年が重なるとファースト・バロットでの殿堂入りは無理でしょう。

また、PFPキングはもちろん、Fighter Of The Yearも経験しているPFPカネロ・アルバレスやオレクサンダー・ウシク、テレンス・クロフォードらと重なると、一発殿堂は厳しいと言わざるを得ません。

かつて「メイウェザーとパッキャオが同じ年に引退してしまうと、一発殿堂の椅子は事実上一席しかない」と言われていたように、こればっかしは運です。

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さて、リングの上ではウィークポイントを探すのは難しいモンスターも「誰に勝ったのか」という点では、非常に心許ない戦譜しか綴ることができていません。

心許ないと言っても、それは一発殿堂やファイティング原田との比較に耐えられるかという基準であって、井上の実績は同時代の日本人の中では傑出しています。

しかし、もともとが強豪ひしめくとはいえないバンタム級。井上にとって、そんなバンタム級の空洞期とオーバーラップしてしまったことは不幸でした。

意地悪な見方をすると、そんなバンタム級だから、他の階級ではお目にかかれない雑魚王者バトラーのようなのがのさばっているから、圧倒的なパフォーマンスを魅せている側面もあるでしょう。

その点でも、井上は英国ボクシングニューズ誌が形容したように、まさに「ミニタイソン」です。

それでも。

ESPNがアップした「全17階級レベル」でも下位評価を下されたバンタム級ですが、この20年を紐解くと活況の時期もありました。


【2001〜2005年】評価=梅の上=

この時期の代表的な世界王者はWBAがポーリー・アヤラ、ジョニー・ブレダル、ウラジミール・シドレンコ。WBCはウィラポン・ナコンルンアンプロモーション。IBFはティム・オースティン、ラファエル・マルケス。WBOはクリス・カルバハル、ラタナチャイ・ウォラピン、ジョニー・ゴンザレス。

井上がバンタム級で戦った2018〜2022年よりも、かなり魅惑的なタレントが揃っていました。

一人だけ挙げるなら、やはりラファエル・マルケスでしょう。バンタム級ではあり得ない人気に、実力も兼ね備えたメキシカンでした。



【2006〜2010年】評価=竹=

世界的にはセピア色なバンタム級が色付いてきた季節です。

WBAにPFPファイターのアンセルモ・モレノ、WBCはPFP直前に迫った長谷川穂積が安定政権を築き、IBFはジョセフ・アグベコ、ヨニー・ペレスといった地味な実力派が覇権を争っていました。

しかし、ラファエルがジュニアフェザーに昇級し、米国でも人気のスターはいなくなります。米国ボクシング産業は長い低迷から抜け出せず、ショータイムは格安予算で「バンタム級最強トーナメント」を旗揚げします。

。。。そして…バンタム級は、人気スターや実力派が躍動する活況の2011〜2015年を迎えることになります。

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日本最高ファイターは誰なのか?

独断と偏見で、ファイティング原田か井上尚弥です。

「階級難易度を無視して、欧米でリスペクトされず、層が薄いバンタム級の二人を俎上に乗せるのはおかしい」。

「フットサルやビーチサッカーの選手を〝史上最高のフットボーラー〟の議論に挙げるようなもの」。

「井上尚弥はまだファイティング原田らの域に達していない」という意味の発言をしたフレディ・ローチのような意見も、特に海外では少なくないでしょう。



階級難易度には二つの意味があります。

一つ目はもちろん、単純な層の厚さや世界的な人気(報酬)です。バンタム級と、ウェルター級やミドル級、ヘビー級では、世界チャンピオンになる難易度は当然ながら大きく違います。

二つ目も、結局は同じ話ですが、人気階級は日本人には大きすぎる、という難易度です。村田諒太のような才能に恵まれても、スパーリングの相手にも苦労することになります。

華やかな人気階級には、分厚く高い壁が二枚も立ち塞がっているということです。

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それでも、階級難易度とは無縁のバンタム級で戦った二人を日本最高の〝決勝戦〟の舞台に上げるのには理由があります。

まず、原田は1団体10階級時代に世界初のフライ〜バンタムの二階級制覇に成功。

原田が、バンタム級で破った相手はエデル・ジョフレ。リング誌の60年代PFPであのモハメド・アリを差し置いて1位評価に輝いたグレートです。

原田に2連敗して引退したジョフレは3年近いブランクからカムバック、難なくフェザー級タイトルを獲得。敗北は原田に喫した2敗のみで再び引退。

このブラジリアンがバンタム級時代にどれほど強かったのかは、容易に想像できるでしょう。

また、1995年に事実上の一発殿堂を果たした原田は全米ボクシング記者協会(BWAA)から「文句なしにアジア史上最高のファイター」と評価されました。

このAsiaがJapanに〝格下げ〟になったのは、2008年にマニー・パッキャオがオスカー・デラホーヤをストップした13年後のことでした。

He is arguably Japan's greatest fighter ever. 

THE ONLY man to ever win the flyweight and bantamweight world titles.


BWAAの評価に右に倣えというのは癪に障りますが、日本のネットニュースよりは、はるかにマシです。

世界王者が10人しかいなかった時代、PFPなどという妄想が突け入る隙のない時代に、もし無理やりPFPランキングを作ると世界王者のほとんどが10傑に数えられたでしょう。

階級難易度を差し引いても、原田の業績は日本ボクシング史の中で頭抜けているのです。

当時、4つの団体がそれぞれ17の階級を抱えていたら、ジョー・メデルら世界ランカーはバンタム級の周辺階級で複数階級制覇を果たしていたことは間違いありません。

1960年代。世界タイトルは今では考えられないほど輝いていたはずです。

世界王座はどこまでも尊く、今や死語の「無冠の帝王」たちが当たり前に涙をのんでいた時代でした。

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一方で、現代も1団体10階級なら、誰かがUndisputed championになっていたはずです。

そして、もちろん有象無象のa championたちはアルファベットタイトルすら手にできず、もしかしたら「無冠の帝王」とすら呼ばれずにキャリアを終えていたでしょう。

そんな混迷の時代に、井上尚弥はUndisputed championになったのです。

もちろん、今は17階級時代です。

同じバンタム級でも、フライ〜フェザーで3人しか世界王者がいなかった原田の時代から、ジュニア階級が入り組んだ井上時代は7階級まで細分化されてしまいました。

また、原田の時代から、ボクシングは人気も地位も下落、ジムの数も競技人口も激減、自民党の議員連に行く末を心配される有様です。

野球も60年代から人気も地位も下落しているとはいえ、選手報酬は高騰、MLBにも毎年トップ選手が挑戦するなど、議員連ごときがわざわざ応援する隙はありません。

井上尚弥は、大谷翔平のように米国の大メディアが絶賛してくれることもなく、サムライブルーのように日本中が熱狂したわけでもなく、平日にネット配信された試合でUndisputed championの座を掴みました。

最後のピースを奪い獲ったボール・バトラーはバンタム級王者に2度就いた英国人ですが、1団体時代なら王者は論外、無冠の帝王とも呼ばれていなかったことは誰の目にも明らかなボクサーでした。

井上のキャリアで、バトラーほどひどい相手はいませんが、それでもPFPやそれに近い旬の強豪は皆無、現在のバンタム級は17階級の中でも屈指の埋没空洞階級です。

とはいえ、他のスポーツなら、あるいは原田の時代なら目の前の敵を倒し続けていれば辿り着くはずの最強の座を、井上は自らの熱い意志で摑み獲りました。

それも、逃げ延びることしか頭にないバトラーを一生懸命に深追いして、最後は倒し切りました。

外国人なら、普通はあそこまで深追いしません。楽に勝てるに越したことはありません。

「KOにはこだわってます。ファンあってのボクシング。やっぱり、みんなKO見たいじゃないですか」。

泣かせます。

日本人でないと、こんなセリフは吐けません。

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まだ誰にも勝っていない井上尚弥と、60年代から70年代初頭にフライ、バンタム、フェザーを実質3階級制覇した原田を同列に語るには「まだ早い」のかもしれませんが、The Sooner The Better.です。

まずは、2000年代のバンタム級シーンをリング誌風に格付けしてゆきます。

その前に現在のボクシングシーン。カッコ内は現在の代表的な該当階級。

▶︎松:一発殿堂クラスの大物が全盛期でゴロゴロ転がっている。(なし)

▶︎竹:現役のPFPファイターが複数割拠。(ウェルター級/ライトヘビー級)

▶︎梅:旬の強豪がシノギを削る若い活火山クラス OR ピークアウトしていないグレートと次代を担う若手が絶妙ブランド。(ジュニアウェルター級/ライト級/ジュニアバンタム級)

▶︎草:多くのタレントが引退や転級で空洞化したクラス。(フェザー級)

▶︎泥:そもそもの競技人口が貧弱なため、強豪が割拠することが少ない。(ストロー級)


軽量級のバンタムは「泥」の性格から免れず、現状は「泥」と「草」のモザイク状態ですが、活況を呈した時期もありました。

続く…。
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リング誌のPFPが定点観測できる形になったのは、1980年から。

40年以上前のことですが、2015年に山中慎介と内山高志が10傑入り(電子版)するまで35年もの歳月を要してしまいました。

インターネットがない時代、王者と階級の乱造が進む70年代以降は特に、アジアの軽量級は軽視される存在に甘んじてきました。

もし「あの時代」にも猫の目のように変わる電子版PFPがあれば、最初に扉を開いたのは〝神の左〟ではなかったのかもしれません。



日本のボクサーが、米国のメディアも注目するような旬の未来の殿堂入り選手や、PFPファイターと戦うチャンスは、今も昔も滅多にありません。

井上尚弥は殿堂入りが確実視されるノニト・ドネアから2戦2勝を挙げましたが、到底「旬」とは言えない、黄昏バージョンのドネアでした。

井岡一翔は殿堂入りしそうなファイターとの対戦はありません。明後日、拳を交えるドニー・ニエテスは可能性ゼロではありませんが、ドネア同様に全盛期とは口が裂けても言えません。

平仲明信は殿堂入りでPFPランカーでもあったエドウィン・ロサリオを初回で粉砕しましたが、あのときのロサリオも全盛期はとうの昔に過ぎていました。

一団体10階級時代という「世界王者は世界最強」「世界ランカーに弱い奴はいない」という当たり前が当たり前だった時代とはいえ、ファイティング原田の強運は想像を絶します。

当時、定点観測できるPFPランキングが存在していたならおそらく1位だったエデル・ジョフレと2度も戦える幸運。原田に連敗して引退したあと、黄金のバンタムが3年のブランクを跳ね返してフェザー級タイトルを獲得、ボクサーとしての資質の大きさをあらためて見せつけてくれたのも、間接的に原田の名声を高めてくれました。

そして、ジョフレはその生涯で、ついに原田にしか負けなかったのです。

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世界王者になるには、世界に1人しかいない王者を倒す以外の方法がなかった時代とは違い、世界王者と階級が乱造されている1980年代以降は〝ジョフレ〟を回避して世界に挑戦するのが、日本のエース級ボクサーの常套手段でした。

そもそも〝ジョフレ〟レベルのボクサーなど、滅多に現れないのですが。

ところが、1991年12月17日、日本のエース井岡弘樹が2階級制覇を賭けて挑戦したのは、後の殿堂入り選手で当時無敗、WBAジュニアフライ級王者・柳明佑でした。

当時のジュニアフライ級シーンは、IBFがソウル五輪銀のマイケル・カルバハル、WBOはまだ初代王者のホセ・デ・ヘススでした。

当時のJBCはIBFとWBOを受け入れていなかったので、井岡弘樹の選択はWBAの柳か、WBCのウンベルト・ゴンザレスという超強豪の2人に絞られていました。

メキシコの人気者ゴンザレスは、1年3ヶ月後にセットされるカルバハルとのメガファイトに向けてスタンバイ中。日本に呼べるタマでもありません。

そうなると、ターゲットは17連続防衛中の柳だけ。

激しく降る夕立ち、ソナギに喩えられる柳の止まない連打は喜友名朝博、小見山カツミ、大鵬健文、徳山尚の4人の日本人挑戦者を全く問題とせず、なぎ倒してきました。

井岡が5人目の犠牲者になることは決定事項のように語られる、圧倒的不利な予想の中でエースがリングに上がるという日本ではありえない構図でした。

陣営に出来ることは一度も韓国を出て戦ったことのない柳を、井岡のホーム大阪のリングに引っ張り込むことしかありませんでした。

もし、90年代にもキーとなる試合ごとに猫の目シャッフルされるPFPがあれば、柳はベスト10の中位にランキングされていたはずです。

当時はまだ「快挙」という表現が許された2階級制覇、それを無敗のPFPファイターが継続中だった連続防衛記録を17で止める形で成し遂げた井岡弘樹がPFPランキングに入っていた可能性は濃厚です。

そして、ジョフレのように柳も敗れたのは井岡だけのまま引退するのでした。
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2022年も上半期が終わろうとしています。

勝手ながら独断と偏見でFighter of the yearをノミネート。

4団体統一の、Undisputed championが支持される、ここ数年の傾向を考えると、今年新たに完全統一を果たしたファイターが有力になると思われます。
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[Fighter of the year有力候補]

◼️ジャーメル・チャーロ◼️

昨年、ドローに終わって持ち越されていたジュニアミドル級の完全統一。

ブライアン・カスターニョをストップ、完全決着という形も印象的でした。


◼️井上尚弥◼️

ジャーメルと同じように、前戦です苦戦したノニト・ドネアを粉砕して、Undisputed championに王手。

リング誌PFP1位に選出されたこともプラス材料。

年内に最後のピース、WBOを吸収するようならFighter of the yearは決定かもしれません。

ただし、12月下旬に選考されるため、大晦日興行はカウントされない可能性大。大晦日の試合は避けたいところです。


◼️デビン・ヘイニー◼️

三団体王者ワシル・ロマチェンコを大番狂わせで下したテオフィモ・ロペスを、やはり大番狂わせで破ったジョージ・カンボソスJr.を楽々と封じ込めて、4団体時代で初めてライト級のUndisputed championになりました。

カンボソスというカモネギ三冠王を相手に退屈な36分間を過ごしたのはマイナス点。

また、Undisputed championとはいえ、ロマチェンコやガーボンタ・デービスらに勝たなければ階級最強を証明出来ないという状況も「目覚ましい活躍をした」という印象を希薄にしています。


◼️ドミトリー・ビボル◼️

UP -SET of the year=年間最大番狂わせ賞も有力候補ですが、PFP1位のカネロ・アルバレスに完勝した印象は強烈。

世界的な注目はジャーメルや井上、ヘイニーを大きく凌駕したものの、カネロとの1試合だけでは専門家を納得させることは無理でしょう。

今週末にWBA/IBF王者アルトゥール・ベテルビエフとWBO王者ジョー・スミスJr.の勝者と年内に激突出来るなら、カネロ戦との合わせ技一本で、一気に大本命。



[条件付き]

上記の有力候補は上半期の結果から予想したもの。つまり、下半期にもっと有力なボクサーが躍り出るかもしれません。


◼️ゲンナジー・ゴロフキン◼️

村田諒太もの一戦はアジアで行われた歴史に残るメガファイト。

9月17日の「カネロ3」で圧倒的な勝利を収めるようなら、意外にもキャリア初のFighter of the yearが転がり込むかもしれません。


◼️テレンス・クロフォードor エロール・スペンスJr.◼️

この数年、噂はあれども形無しなファン熱望のカード。

「層が厚くレベルも高いウェルター級」「Undisputed champion」「全盛期の無敗王者が激突」「PFPファイター対決」…華やかなポップが立ち並ぶメガファイトに明白な形で勝った方がFighter of the yearに選ばれる可能性は高そうです。

ただ、年内に決まりますかね?

クロフォードを挑発しているジャーメルを倒してジュニアミドル級のUndisputed champion、4階級制覇なんて瓢箪から駒なら、BWAAで2014年以来、リング誌ではキャリア初のFighter of the yearもありえます。

ちなみに、2014年のリング誌がFighter of the year
に選んだのはセルゲイ・コバレフでした。




…他にもだれかいたかなぁ?




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忌々しいパンデミックが「良かった」ことなんて、何一つありません。

あってはいけません。

しかし、 今年のInternational Boxing Hall of Fameの式典は、パンデミックの影響で式典が開催できなかった2020、2021年も合わせたTriple Header となったのです。

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モダーン部門に選ばれた豪華絢爛なメンツ↑です。



日本人ではフィティング原田しか入神できていない殿堂。

しかし、井上尚弥は史上二人目がほぼ確実かもしれません。引退年のライバルにもよりますが、一発殿堂も十分ありえます(と思いたい!)。

しかし、よくよく考えると…。

毎年3人枠(というのもおかしな話で、それは後々お話しするとして)だと、例えば上のメンバーでメイウェザー、ロイ・ジョーンズJr.、バーナード・ホプキンスのレベルが3人揃う〝死のグループ〟に入ってしまうと、間違いなく4人目に落ちてしまう井上の一発殿堂は夢散してしまいます。

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現時点の井上では、さすがにこのメンツとはステージが違います…。井上も一発殿堂を確実にするにはFighter of the yearを最低1回は獲りたい!


マルケス、コット、ウォード、クリチコと比べたら…井上の現時点のレガシーはどうでしょうか?このメンツでも、かなり不安じゃないですか???

モズリーやトニーと比べても…全く安心はできません。

そう考えると、一発殿堂のハードルの高さがあらためてよくわかります。




どうなんでしょう?

少し目線を落として、現時点で区切って、井上とドネアのレガシーはどっちが上でしょうか。

PFP2年君臨のロマゴンには勝てるわけがないにしても、ドネアにも負けてますかね?

もちろん、何よりも、井上にはまだまだ未来が残されているので。ここで区切るのが間違っているのですが…。
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最も分かりやすいFighter of the year からおさらいです。

Fighter of the year はサッカーでいうパロンドール、つまり年間最高選手賞。

「その年に最も目覚ましい活躍をしたファイター」に贈られる賞です。

では「目覚ましい活躍」とは何なのか?

最近5年間の受賞者から見てみましょう。

左が全米ボクシング記者協会(BWAA)/右がリング誌のFighter of the year です。


【2017年】

ワシル・ロマチェンコ/ワシル・ロマチェンコ
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▶︎何が評価されたか▶︎▶︎▶︎前年11月のニコラス・ウォータースから、この年はジェイソン・ソーサ、ミゲール・マリアガ、ギレルモ・リゴンドーと戦い3戦全勝、全ストップ勝ち。

いずれも、肉体的には大きなダメージを与えなくても、絶望的な技術差を見せつけて相手の心をヘシ折る〝ノー・モア・チェンコ〟勝ち。

リゴンドー戦では、まだプロ10戦目。アマチュア史上最高のボクサーが、プロのリングで失神KOよりも衝撃的な勝ち方があることを見せつけました。



【2018年】

オレクサンダー・ウシク/オレクサンダー・ウシク
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▶︎何が評価されたか▶︎▶︎▶︎ウクライナ人が2連覇!WBSSのファーストシーズンで優勝、イベンダー・ホリフィールド以来、クルーザー級史上二人目、4団体時代では初のUndisputed Championに就きました。

〝クルーザー級のロマチェンコ〟は、本家が跳ね返された階級の壁を、のちに易々と突き破る大勝負を魅せてくれることになります。

バルト3国など欧州のボクシング市場も刺激しましたが、WBSSの路線は米国で人気ない階級を狙い撃ちにしたため、ファーストシーズンは米国で放送がありませんでした。



【2019年】

カネロ・アルバレス/カネロ・アルバレス

この年は、ミドル級の強豪ダニエル・ジェイコブスとのクロスゲームを制し、ライトヘビー級でかつて絶対王政を敷いていたセルゲイ・コバレフを追いかけまわしてノックアウト。

「強豪とはいえジェイコブスとどっこい」「借金苦と前日計量のリバウンド制限の二重苦のコバレフ」…まともなボクシングファンは、ラスベガスから立ち昇る腐臭に鼻をつまみました。



【2020年】
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テオフィモ・ロペス/テオフィモ・ロペス&タイソン・フューリー

▶︎何が評価されたか▶︎▶︎▶︎リング誌はロペスとフューリーがW受賞。

ロペスは、パンデミックの最中とはいえ、ロマチェンコを大番狂わせで下した1試合だけ。ロマチェンコは肩の古傷が悪化していたから負けました。

人気はあるロペスですが、フィジカルは中谷正義の方がずっと上で、技術的にもどっこい。あの日のロマなら、今頃は中谷がFighter of the yearに輝いていたかもしれません。

。。。。。泥酔してると、我ながら好き嫌いがはっきり出るわい!



【2021年】

カネロ・アルバレス/
カネロ・アルバレス

昨年のカネロは文句無し。以上。

。。。。。泥酔してると、我ながら好き嫌いがはっきり出るわい!


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メディアによって、評価が分かれるFighter of the yearももちろんあります。

2012年のFighter of the year はBWAAがノニト・ドネア、リング誌はファン・マヌエル・マルケスでした。

ドネアはこの年4試合を戦い、フライ級〜バンタム級〜ジュニアフェザー級の3階級を制覇(世界的にはジュニアバンタム級のタイトルは獲ったと認められていませんので、今でも4階級制覇です)。

バンタム級時代までの破壊的な強さは影を潜めたドネアは、一部の専門家から明らかな劣化も指摘されていましたが、多くのファンやメディアの目には、その蜃気楼がまだ見えていました。

一方のマルケスが2012年にリングに上がったのは、2度だけ。そのうち1試合はセルゲイ・フェドチェンコ相手のWBOジュニアウェルター級王者決定戦。Fighter of the year にはなんの効力もない一戦でしたが、もう1試合が歴史的に残る名勝負だったのです。

「2012年のFighter of the year。BWAAがドネアで、リング誌がマルケス」。

そう問いかけられて、軽量級に明るい日本のボクシングファンでもドネアのFighter of the year については「なんで獲ったんだっけ?」という人もいるかもしれません。
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しかし、マルケスのFighter of the year と聞けば「マニー・パッキャオを失神KOしたからだ!」とすぐに思い当たるでしょう。

BWAAは人気階級におもねることなく、軽量級のドネアの4試合を「目覚ましい活躍」と評価しました。

一方のリング誌は、世界中のボクシングファンを戦慄させたマルケスのカウンターを「目覚ましい活躍」と見たのです。

もし、リング誌的な視点からFighter of the year が選ばれてしまうと、欧米での関心が低い軽量級ボクサーに光が当てられるチャンスは益々少なくなってしまいます。

そもそもの注目度が低く、欧米で関心が薄い軽量級ボクサーには「目覚ましい活躍」など不可能ということになるのです。

PFPに2年も君臨しながらFighter of the year には一度も選ばれなかったローマン・ゴンサレスや、日本ではマニアがあれほど評価し、世界的にもリング誌PFP1位に立った井上尚弥が米国や英国市場でまともな需要が無いという悲劇は全てここに起因しています。

もし、100万ドルの報酬に一度も手が届かないチョコラティトが軽量級ではなくヘビー級で、タイソン・フューリーやアンソニー・ジョシュア、デオンティ・ワイルダーを圧倒していたなら、100万ドルどころか1億ドル稼いでForbesのアスリート長者番付に名前を刻んでいたかもしれません。

欧米は軽量級を嫌って無視しているというか、もっと最悪で視界にも入っていないのです。

しかし、しかし…日本でも、軽量級を蔑視しているなんてことはないでしょうか?

あってはいけないことですが…。

井上もバンタム級ではなくミドル級周辺の人気階級で同じことをやっていたなら、つまりエロール・スペンスやテレンス・クロフォード、カネロ・アルバレス、ゲンナジー・ゴロフキンを倒しまくっていたら、大坂なおみや錦織圭に後塵を浴びせてForbesのトップをメッシやフェデラーと争っていたかもしれません。

そして、日本でも「バロンドールと同じ〜」なんてマヌケな評価ではなく、正真正銘、本物の尊敬が集まっていたでしょう。
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もし、村田諒太の五輪金がミドル級ではなくバンタム級だったなら、電通がプロジェクトチームを立ち上げることは100%あり得ませんでした。

「Fighter of the year」と「PFP」、そして「IBHOF=International Boxing Hall of Fame=国際ボクシング名誉の殿堂」。

この三つは評価基準が違います。

その最大の違いは評価の対象となる「時間」です。

PFPはそれこそ「1試合」で順位が変わります。

Fighter of the yearは文字通り「1年間」。

そして、IBHOFは「キャリア全体」です。

PFFが過大評価を誘発しやすくてダメみたいな気もしてきますが、Fighter of the yearとIBHOFは、米国の人気階級に偏りがちですが、PFPは人気のない軽量級選手にも門戸を開いています。

まだまだ、続きます。。。。 
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井上尚弥のリング誌pound-for-pound =PFP1位で日本のメディアが大きく取り上げたPFP。

そこには「サッカーでいうとパロンドールを獲るようなもの」(上田晋也)という、大きな勘違いも横行しています。
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パロンドールは年間最高選手賞ですから、PFP1位ではなく、文字通りFighter of The the yearに該当します。

PFPと違い、Fighter of The the yearを受賞すると全米ボクシング記者協会(BWAA)ではトロフィー授与の式典を開催、リング誌でも「Fighter of The the year」と刻印されたベルトが贈られます。

最近のように、月に何度も交代するPFP1位でこれをやると大混乱を招いてしまいます。
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シュガー・レイ・ロビンソン トロフィーを手にするパッキャオ。

ボクサーの名誉には、先週末に式典が開催されたIBHOF=International Boxing Hall of Fame=国際ボクシング名誉の殿堂もあります。

この三つ、価値のある順番に並べたらどうなるのでしょうか?

もちろん、評価基準が違う三つを比較することに意味はありません。

とはいえ、格付けするなら、評価基準が曖昧で表彰制度もなく「意味がない」と揶揄されることもあるPFPキングがまず脱落するのでしょうか?

PFP1位になっても、Fighter of The the yearを受賞しても泣かなかったフロイド・メイウェザーが殿堂入りで咽び泣いたのは単純に年を取ったからなのでしょうか?

そもそもが泣き虫のマネーですからPFPやFighter of The the yearで泣いても良いんじゃないでしょうか?

ただ、メイウェザーやマニー・パッキャオはPFP1位はもちろん、Fighter of The the year、一発殿堂入り(パッキャオはまだ3年後ですが一発殿堂は疑いようもありません)、全てを手にしています。

そして、リング誌とESPNのPFP1位経験者は必ず殿堂入りしていますが、一発殿堂のウラジミール・クリチコがPFP1位になったことがないように、その逆もまた然りではありません。

それどころか、一発殿堂のアーツロ・ガッティやダニエル・サラゴサはFighter of The the yearはもちろん、PFPのベスト10経験すらありません。

彼らの全盛期は、今ほどインターネットの普及が進んでいなかったこともPFPに入りにくい環境にありました。

サラゴサに至ってはインターネットそのものが存在しない時代でした。

「サラゴサがカルロス・サラテを下して2階級制覇に成功した1988年2月のPFPは誰?」。この質問に答えることが出来る人は、世界中を探しても1人もいません。

PFPランキングっていつからあるの?という疑問は、そもそも今でもPFPランキングって本当に存在してるのか?という真理に突き刺さります。

例えば、今日2022年6月15日のリング誌PFPは井上尚弥ですが、6月11日まではオレクサンダー・ウシク、でした。

そして5月12日まではカネロ・アルバレスが1位。

1年後ですら「去年のPFP1位って誰?」という質問に誰も答えることは出来ません。

それでも…PFP1位は必ず一発殿堂入り。PFP1位は必ずしもFighter of The the yearではないが、Fighter of The the yearはPFP1位とは限らないという事実が横たわっています。

ややこしい書き方になってしまいましたが、ローマン・ゴンサレスはPFP1位に2年間も君臨、一発殿堂確実ですが、Fighter of The the yearには一度も獲れていません。

また、最近でもBWAAとリング誌で2020年のFighter of The the yearに輝いたテオフィモ・ロペスはPFP1位経験はなく、現状では殿堂入りもあり得ません。

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この相関関係を考えると、PFP1位>Fighter of The the year>殿堂入り という不等式が成り立ちそうで、同時にジャンケンのような関係性が浮かび上がってきます。

ただ、PFPの目を覆うばかりの液状的性格から、PFPの2位以下は記録はもちろん記憶にもとどまりにくいことはお分かりでしょう。

PFPはキングになって初めてマナイタの上に乗ることが出来るのです。

評価基準もその成り立ちも、歴史も全く違うPFPとFighter of The the year、そして殿堂。

PFPに関しては「井上が日本人初の1位」と言われても、具志堅用高らは「俺たちの時代はそんなの雑誌のお遊び企画でしかなかった」と笑うでしょう。

まあ、今でも雑誌のお遊びですが。

しかし、もっと、突き詰めてしまうと…。



さて、PFPとFighter of The the year、殿堂の評価基準と成り立ち、歴史を振り返ってゆきましょう。
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一生のうちに、一度は絶対、訪れたい場所。

いっぱいありすぎますが、殿堂ウィークのニューヨーク州カナストータはその最右翼です。

日本のボクサーではオールドタイマー部門で具志堅用高、大場政夫が〝入神〟していますが、モダーン部門は未だにファイティング原田ひとりだけ。しかも、原田は事実上の一発殿堂でした。

日本の現役選手では、井上尚弥が十分な殿堂候補。

1980〜2017年まで続いていたリング誌の年間PFP(Best Fighter poll)で1位を獲ったボクサーは全員が一発殿堂を決めてました。

電子版は、すでに今年前半だけでもカネロ→ウシク→井上とコロコロ変わっているように、年間PFP(Best Fighter poll)と同列には語れませんが、井上の一発殿堂は十分ありえます。



今日、フロイド・メイウェザーが登壇。「私は多くのことを成し遂げた。それでも、今この時が私のキャリアで最高の瞬間だ」と感激のあまりむせび泣きました。

これが殿堂です。

"I done a lot in my career, but this is by far the best," 


PFPランキングでも、山中慎介の名前を見て「誰だよ?こんなの入れるな」「PFPはゴミメディアの妄想か?」と、いつも文句ばかり垂れていたマネー。

そんなマネーでも殿堂は別格、いつものように下劣な言葉を吐くこともなく、泣きながら感謝の言葉を紡ぎました。

ファン・マヌエル・マルケスとミゲール・コットのスピーチもシブいんです。特に、コット!

 
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ここで原田のプレートを探すのって、間違いなく人生最高の愉悦です。
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ステージ右側のパビリオンの下には、「パレード・オブ・チャンピオンズ」でかつてマーベラス・マービン・ハグラーを乗せたクラシックカーが展示されているそうです。

殿堂の顔、カーメン・バジリオの死去に伴い、殿堂式典で最も愛されたボクサーの役割を担ったハグラーは、2021年3月に66歳で天国に旅立ちました。




ああ、、行きたいよー!

くそー、俺がアラブの石油王なら!!!

毎年行ってるのに!!!!! 
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