カテゴリ: 井上尚弥

井上尚弥は4つの階級でトップ選手を次々と撃破してきました。

ジュニアフライ級でアドリアン・エルナンデス、ジュニアバンタム級でオマール・ナルバエスと河野公平、バンタム級ではジェイミー・マクドネル、ファン・カルロス・パヤノ、エマヌエル・ロドリゲス、ジェイソン・マロニー、ポール・バトラー、ジュニアフェザー級でスティーブン・フルトン。

この9人はいずれも認定団体のデタラメランキングを糾弾する記者たちで結成したTransnational Boxing Rankings Board(TBRB)や、ESPN、リング誌が作成したまともな世界ランキングで10位以内に入っていたコンテンダーです。

4団体17階級時代で特徴的な認定団体のエゴ丸出しのデタラメの王者や、デタラメ〝世界ランカー〟との対戦はほとんどありません。

安易な対戦者を選んでいないのです。

その一方で、文句無しの強豪との対戦はナルバエスだけという〝不思議〟が横たわっています。

井上信者が盲信する〝10年無敗の絶対王者〟マクドネルはWBAのセカンド王者に過ぎず(井上がバンタム級タイトルを最初に獲得したのはロドリゲスのIBF)、リング誌ランキングでは下位、誰もが認める階級最弱王者でした。

世界王者に就くまでは評価が高かったロドリゲスは世界戦ではパッとしない試合が続き、株価は暴落。

リング誌122ポンドで1位評価を受けていたフルトンもパンチスタッツのデータを見るまでもなく、防御に難がある、驚くほど非力なボクサー。世界戦わずか4試合(3勝1敗)で最高の勝利は減量苦で脱水状態だったブランドン・フィゲロアにMDで辛勝したものというお粗末さ。

フルトンがフェザー級で覚醒、強豪に明白な勝利を収めながらランクを上げ、王者に返り咲くようなら、井上の評価にも跳ね返ってきますが…。

そして、唯一の文句無しの強豪であるナルバエスはフライ級とジュニアバンタム級で無敗の2階級制覇、それぞれ二桁防衛という数字を並べながら「これでPFPに入らない方が難しい」と馬鹿にされるほど、対戦相手の質は低いものでした。

そして、3階級制覇を狙ったドネア戦で見せた勝つ気ゼロの試合ぶりから世界中のメディアとファンから「ライセンスを返上しろ」「2度とリングに上がるべきではない」と、さらに軽蔑される始末。

そんなナルバエスが日本に来ると「伝説の名王者」。

ナルバエスは、ゾラニ・テテ戦でもドネア戦と同じ、スポーツを侮辱するような行為を繰り返し、ボクシング界を呆れ果てさせ、確かに〝伝説の迷王者〟になるのですが。

井上には一片の責任もなく、〝不思議〟の正体は井上が攻め込む階級はレベルが落ち込んだ時期だったということでした。

ナルバエスではなく、ファン・フランシスコ・エストラーダだったなら…同じキャリア末期で劣化バージョンの強豪王者でも世界評価には天地の差があります。

井上のタイミングには、不運としか表現のしようがありません。


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井上と対照的なファイターがマニー・パッキャオでした。

最初の世界戦でユーリ・アルバチャコフを破って王座とPFPランキングを引き継いだチャチャイ・ダッチボーイジムを大逆転KO。

さらに、マルコ・アントニオ・バレラ、エリック・モラレス、ファン・マヌエル・マルケスというPFPトップ5に数えられる人気と実力を兼ね備えたのメキシカンが居並ぶ、軽量級では歴史上ありえない豊穣な時代に恵まれるのです。


ちなみに、井上は現役PFPファイターとの対戦は1試合もありません。PFPに接近していた相手もいません。元PFPでもドネアだけという残念さ。

死んだ子の歳を数えるような虚しいことですが、「モンスターがすれ違った上等の獲物たち」を振り返ってみます。

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もし、ちょうど8年前の2015年11月に井上がフライ級進出のタイミングなら…。PFP2位、デビューから43連勝、昇り龍のローマン・ゴンサレスと戦う幸運に恵まれていたかもしれません。

あるいはバンタム級なら、PFP9位、やはり無敗の山中慎介との史上最大の日本人対決が実現していたかもしれません。

そして、ジュニアフェザー級ならやはり無敗でPFP5位のギレルモ・リゴンドーの超絶技巧に挑んでいたかもしれません。

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あるいは、5年前の2018年。井上があとほんの少しだけジュニアバンタムにとどまっていたら、115ポンドで勃発するPFPラッシュ(カルロス・クアドラス、ローマン・ゴンサレス、シーサケット・ソールンビサイ、ファン・フランシスコ・エストラーダ、ドニー・ニエテス、井岡一翔ら最多3人が同時にPFP入り)に遭遇、入れ食い状態のPFP10傑の〝上等の獲物たち〟と激闘を繰り広げていた公算大です。

あるいは、井上があと10年早く生まれて2011〜2015年のバンタム級からジュニアフェザー級シーンに飛び込んでいたらアンセルモ・モレノ、ノニト・ドネア、アブネル・マレス、レオ・サンタクルス、カール・フランプトンら、PFPファイターと拳を交えていたはずです。


これほどタイミングに恵まれないファイターも珍しいとはいえ、マイク・タイソンやロイ・ジョーンズJr.もそうでした。

〝上等の獲物たち〟とのニアミスを重ねてきた井上に、いつの日かその実力に相応しいライバルが現れてくれるのでしょうか?

現在のジュニアフェザー級は無惨な状況、一つ上のフェザー級も荒れ果てて、PFPファイターなど〝元〟すらいません。ロベイシ・ラミレスが脅威の王者にのし上がってくれたら嬉しいのですが…。
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◾️あ

2023/10/12 19:38

個人的には、井上尚弥は藤井聡太や羽生結弦、吉田沙保里並のリスペクトを受けても良いと思うんですけどね。
元記事: 【今朝の丸の内線5分話】藤井聡太、八冠独占、Undisputed Championに! (編集)
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1.数日前にも取り上げさせていただいた「あ」さんのコメント。

これはボクシングファンの多数意見かもしれません。

将棋やフィギュア、レスリングと比較して、プロボクシングは特別マイナーな存在ではありません。

そして、井上尚弥は現代日本ボクシングシーンの中では彼らと同じく傑出した存在です。

井上にも羽生や吉田のように国民栄誉賞が贈られたり、藤井のような老若男女から大きな関心・注目が注がれても良いのではないか?という思いは自然の発露かもしれません。

ただ…。




◾️いちご

2023/10/12 22:48

書いておられる様なことをある程度理解した上で井上を過剰に悪くいう人もまたいますね。
結局、4つの団体、細分化された軽量級、プロモーター次第のマッチメイク。。ツッコミどころ満載のスポーツ?では彼ら3人とは比べようがないかな。とは思います。
元記事: 【今夜の銀座線15分話】暴論サロンと答えのない格付け査定。 (編集)
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2.「いちご」さんのコメントは対象の記事は違いますが、「あ」さんへのアンサーになっています。

誰の頭の中でも「藤井聡太=日本最強=世界最強」「羽生結弦=世界最強」「吉田沙織=世界最強」という単純な等式が簡単に成立するのに対して、井上尚弥は、非常に難解な方程式の解を求められるような存在です。

WBCジュニアフライ級、WBOジュニアバンタム級、完全統一バンタム級、2団体統一ジュニアフェザー級のストラップを全て完全ホームの日本のリングでコレクション。

「軽量級」は、少なくとも、ストラップが分配されるステージが基本的に日本という点では「世界」には見えません。さらに、アルファベットの承認団体が一つ残らず腐敗した零細団体であること、明らかにおかしなランキングと世界戦を性懲りもなく捏造し続けています。

本当ならスポーツ仲裁裁判所(CAS)などに訴えられてもおかしくない不条理が平然とまかり通っているのが、プロボクシングですが、プロボクシングの世界では誰もがその不条理を甘受したり、利用したりしています。

世界挑戦権を与えられながら不条理に「待て」を喰らった亀田和毅はCASに訴えたら良さそうなものですが、そうしないところにこのスポーツの闇が横たわっっています。というか、プロボクシングはもはやスポーツとして認められないステージに突入しています。

2団体13階級あたりまでは、一般紙でも海外で行われた外国人同士の対戦でも世界戦なら、少なくとも結果は掲載されていました。それが今では、カネロ・アルバレスの試合でも全く触れられないのが当たり前。

世界的な統括団体を持たない、各国各地域で好き放題やって、4つもあるアルファベット団体が利潤目的だけで細分化した細切れ・水増し階級で理解不能のタイトルマッチを挙行する…もはやスポーツとしての体を成していないのです。




◾️yuin

2023/10/13 00:06

どこのメディアでもPFP3位以内にいるから凄いんだ、と評価したら妥当な評価と言えるでしょうか。
国民栄誉賞も瞬間風速の人気に政府が乗っかってるだけで、難易度反映にはなってませんね。世界一のタイトルこそありませんが、メジャーな男子テニスの世界トップ10に4年程居続けた錦織圭を世間に再評価してもらいたいところです。
元記事: 【今夜の銀座線15分話】暴論サロンと答えのない格付け査定。 (編集)
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3.非常にわかりにくい井上尚弥のポジションについて、承認団体やプロモーターの仕掛ける興行の素材には欺瞞が含まれていても、それらを批判し続けてきたESPNやTBRB、リング誌などのジャーナリズムのPFPがトップレベルで一致するなら、それなりの評価を与えて良い、また国民栄誉賞には競技種目やその達成度に対する難易度が反映されていない、という「yuin」さんのご指摘。

妄想であるPFPでも信頼できるメディアが揃って高評価しているなら、それは一つの真実。また、日本のプロスポーツ選手で最高の名誉とほぼ確定されている国民栄誉賞もまた、達成難易度が全く反映されていないもう一つの妄想であるというのは、事実です。

もちろん、達成難易度と世界へのインパクトを適正に評価してしまうと大坂なおみと錦織圭、サッカー男子フル代表はとっくの昔に国民栄誉賞が贈られていて然るべきす。

ボクシングでは「軽量級の完全統一」と、村田諒太の「五輪金メダル&ミドル級で世界王者返り咲き」の達成難易度は比較になりませんが、井上も村田も完全対象外。




◾️戦闘機Fighter

2023/10/13 00:47

井上尚弥も隣合った二つの階級でUndisputed Championになれば8階級1団体時代の世界王者と遜色のない嘘偽りの無い世界王者なので驚くべき快挙ではありますね。
ここ数戦は試合後にはNHKや報道ステーションでも特集が組まれネット配信試合でも世間的関心は高まってる感じです。
元記事: 【今夜の銀座線15分話】暴論サロンと答えのない格付け査定。 (編集)
IPアドレス:133.106.152.193/禁止IPに追加


4.「戦闘機Fighter」さんの「隣合った二つの階級でUndisputed Championになれば8階級1団体時代の世界王者と遜色のない嘘偽りの無い世界王者」というのも、その通りです。

現実にはフライ〜バンタム〜フェザーの3階級が、ストロー〜ジュニアフライ〜フライ〜ジュニアバンタム〜バンタム〜ジュニアフェザー〜フェザーと7階級に細切れされ、安易な複数階級制覇の流行から強豪王者が鎮座することが少ないという事情がありますが、4つのタイトルを蒐集する手間暇では現代のファイターの方が負担が大きくなります。

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いずれにせよ、ボクシングの世界は「単純な等式」では語れません。

上記では「非常に難解な方程式」と書いてしまいましたが、もしかしたら「解」などないのかもしれません。つまり、等式でも方程式でもない…。

特に、数えきれない歪なファクターが絡み合った軽量級は厄介極まります。
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「ファイティング原田の1964年」。エデル・ジョフレとの初戦前夜、その年です。

そして「井上尚弥の2023年」。前年のバンタム級に続いて、ジュニアフェザー級でもUndisputed Champion を極め正真正銘の2階級制覇を成し遂げるであろう年です。

カス・ダマトが教科書の一つにしていたのが「原田vsジョフレ」。1988年にマイク・タイソンが来日したとき、原田の写真を寝室にピン留めし、誰の訪問も断ったホテル・ニューオータニの部屋に、白井義男でも具志堅用高でもなく、原田だけを招き入れたのです。

原田の時代から約60年。ボクシングは団体と階級の増殖で、その形状を歪め続けてきました。

後世のボクサーには何の責任もないことですが、同列に語れないのは当然です。

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それでも具志堅用高、辰吉丈一郎、長谷川穂積、西岡利晃…。原田と同列に語ろうとされたボクサーは間歇的に出現しています。

しかし、その〝原田越え〟の幻想は一瞬の流行熱のように、短い時間で冷めてしまいました。

そして、井上尚弥の出現です。

昨年、リング誌などにも寄稿している宮田有理子がフレディ・ローチに「ジョフレ、サラテ、オリバレスやカニザレス、ファイティング原田ら過去の名選手と比べ、井上はどこの序列に入るのか?」と聞くと「それを言うのはまだ早いが、井上がグレートな選手たちのいる方向に向かっているのは間違いない」と答えたそうです。

個人的には、4団体時代のカニザレスは井上との比較対象ではないと考えますが、まあローチの意見です。

もちろん、井上も4団体時代。WBOが設立された1988年にIBFバンタム級王者になったカニザレスの時代よりもさらに混迷の度合いを深めています。同一団体でもスーパーやフランチャイズなど世界タイトルが濫造され、世界王者の価値は暴落する一方。

超軽量級がバンタムとフライ級しかなかった1団体時代に2階級制覇した原田が、現代に生まれていたらストロー級やジュニアフライ級、ジュニアバンタム級、ジュニアフェザー級、フェザー級の中のいくつか、あるいは全てをピックアップしていたのはほぼ確実です。

逆に井上が1960年代にタイムスリップして、4階級制覇するにはフライ、バンタム、フェザー、ライトを獲らなければなりません。しかも当時は1団体、王者はもれなくUndisputed Championです。

そして、また一方で原田が現代に生まれていたら、少なくともバンタム級タイトル挑戦の一発目でエデル・ジョフレとぶつかるのは回避していたかもしれません。

そうなると、原田の評価を支える根幹である「誰に勝ったのか」が大きく揺らぐことになります。

いずれにしても、21世紀というスパンで切り取ると井上は傑出した存在です。

時代背景がほとんど変わらない長谷川や西岡、山中慎介らと比較する段階はとっくに終わっています。流行熱のような幻想の域は、抜け出しているのです。

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もしかしたら、原田は日本国内と世界的な評価の乖離を快く思っていないのかもしれません。

かつて、薬師寺保栄が「原田さんの防衛回数に並びましたよ」と冗談めかして話しかけると、「お前らのタイトルと一緒にするな!」と一喝されたそうです。

張本勲がイチローを、王貞治が村上宗隆を認め、松井秀喜が大谷翔平を絶賛した寛容と余裕に比べると、何という狭量でしょうか。

もちろん、野球はMLBへの道が開通した現在の方が格上、ボクシングはオリジナル8の時代が至上という、真逆の構図がありますが、どんな時代であっても、先駆者から後輩に歩み寄り、その世界の発展を願うべきなのは変わりません。

井上のWBSS優勝のときも、原田はリングの上でモハメド・アリ トロフィーのプレゼンターをつとめましたが、多くを語りませんでした。

本当なら、世界評価で別次元の評価を誇る原田が、もっと井上を語って良いと感じています。


いま、多数派の日本のボクシングファンの序列で、原田はトップ10にも入らないかもしれません。それゆえに原田の言葉に需要がないのかもしれませんが…。
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さて、再開でござる。

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当時と現在のボクシング熱や、スポーツとしてのメジャーの程度・社会的ステイタスなどの格差は抜きにするのは当然ですが、NBA1団体で階級も現在の半分以下だったことは考慮しなければなりません。
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世界のジュニアフェザー級人口は最初の記事から1253人→1226人、今回は1229人。

ルイス・ネリ、ムロジョン・アフマダリエフときて、3人目はマーロン・タパレス。

井上尚弥がタパレスと戦う意味は「ベルトを持っているから」というだけ。

まだ正式決定には至っていませんが、英国のbetfairがオッズを叩いています。

井上の勝利が1/12(1.08倍)、タパレス13/2(7.5倍)。

スティーブン・フルトン戦では井上2/9(1.22倍)、フルトン7/2(4.5倍)でしたから大差はありません。

誰がどう見ても絶対非力だったフルトンとは違い、31歳のサウスポーは37勝(19KO)3敗1分、51.35%というKO率以上にパンチがあります。



それでも、岩佐亮佑にストップされた試合はもちろん、大きな議論を呼んだアフマダリエフ戦を見るまでもなく、世界基準では〝一軍半〟のファイター。4Belt-Eraでなければ世界王者など夢のまた夢だったレベル。

大きなアクシデントがない限り、全盛期の30歳、井上を倒す可能性のある1229分の1のボクサーではありません。

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「8月29日は焼肉の日」らしいので、一人で自宅で焼肉。

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バスケW杯。日本代表は大健闘でしたが、まあ難しい。

Number誌の最新号(8月24日発売/9月7日号)は、そのバスケW杯の大特集。

そして…この号になって、先月25日に行われた「井上尚弥vsスティーブン・フルトン」のWBC/WBOジュニアフェザー級タイトルマッチが1ヶ月遅れでようやく4ページの記事になりました。

これまでボクシング報道に好意的だったNumber誌。特集号が出てもおかしくないと思ってましたが①WBCから続く大谷翔平フィーバー、②世界大会が相次ぐ人気スポーツ、②日本限定の軽量級を〝世界〟と過剰に報道するのは誤解を招く…いろんなことが重なって「井上は後回し」になったのでしょう。

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かつてはボクシング特集や増刊号も珍しくなかったNumber誌ですが、今や井上の試合でも1ヶ月遅れで小さな扱い…。


様々な事情があったのでしょうが、ボクシング人気がまだ熾火でもあった辰吉丈一郎の時代とは隔世の感があります。

〝辰吉〟は、ラスベガス的な嘘のない、純粋な時代でした。

もちろん、これは辰吉が正しくて、井上が間違ってるとかの問題ではありません。

スポーツにおける「世界とは何か」が、野茂英雄や中田英寿らの登場によって大きく様変わりしてからもう何十年も経つのに、ファンと誠実に向き合うことなく、くだらない嘘を重ねてきたボクシング界のツケかもしれません。
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前回から少し間が空いたことで、世界のジュニアフェザー級人口は1253人から1226人になっていました。

27人減ですが、この間に特別な事情があったとは考えにくく、誤差の範囲です。


さて、ムロジョン・アフマダリエフの続きです。

ウズベキスタン出身の28歳。五輪はリオデジャネイロ2016で銅メダル(ロベイシ・ラミレスに0-3で完敗)、世界選手権はドーハ2015で銀メダル。アマチュア通算300勝80KO・RSC20敗。

バンタム級とはいえ、アマチュアでは56kg。身長166㎝/リーチ173㎝は、井上尚弥(165㎝/171㎝)と同サイズですが、アマでもプロでも井上よりも大きなクラスで戦ってきました。

岩佐亮佑を返り討ちにした初防衛戦は、ウズベキスタンの首都タシケント。まさか、タシケントでボクシングの世界タイトルマッチを見る日が来るとは思いませんでした。

カウンターパートだったWBC/WBO王者スティーブン・フルトンと共通の対戦相手、ダニー・ローマンを軸に見るとWBA/IBF王者アフマダリエフが劣っているように見えますが、戦った時期が違う…と考えてましたが、個人的にはマーロン・タパレス戦を見て幻滅しました。



多くの専門家や現役ボクサーが指摘したように、あの試合はcontroversial decision(議論を呼ぶ判定)でした。

確かにタパレスから見ると〝不思議の勝ち〟。しかし、アフマダリエフから見ると〝負けに不思議の負けはない〟という内容だったと思います。

あの試合を通して、どちらが強いファイターか、どちらが優れたボクサーか、となるとアフマダリエフでした。しかし、ボクシングの採点は個々のラウンドを独立した試合と見てスコアを積み重ねていきます。

前半で大幅リードを許した時点で、倒しに行かなければなりませんでした。

井上尚弥とは、五輪銀メダリストのエリートアマ、プロでも無敗…そんなアフマダリエフが対戦して欲しかったのですが、ないものねだりをしても仕方がありません。

井上は12月にタパレスとの完全統一戦、来年はルイス・ネリやジョンリール・カシメロを相手に〝悪童退治〟に進む見通しで、アフマダリエフは少なくともジュニアフェザー級ではジャパニーズ・ドリームを完全に見失ってしまいました。

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2023年8月3日現在のジュニアフェザー級ボクサーの数は昨日から1名増えて全世界で1253人(BoxRec)。

この1253人にはルイス・ネリ、ムロジョン・アフマダリエフ、亀田和毅、ジョンリール・カシメロ…〝タパレス後〟に対戦が期待されている4人も含まれています。

さてさて、この4人のうちの誰かが井上に勝てるのか?

あるいは、残りの1249人の中に、モンスターを倒す才能が隠れているのか…?

4+1249=1253人。

左右合わせて2506の拳の中に、井上尚弥の脅威を探してゆきます。

今夜はスティーブン・フルトンとジュニアフェザー級のストラップと、階級最強評価を二分割していた、ムロジョン・アフマダリエフです。

フルトンよりもはるかに好戦的で、何より問答無用のエリートアマだったウズベキスタン人が、よりによってマーロン・タパレスに敗れたことは日本のボクシングファンにとって非常に残念な大番狂せでした。

MJは2015年のドーハ世界選手権で銀メダル、翌2016年のリオデジャネイロ五輪で銅メダル。

リオでは準決勝でロベイシ・ラミレスに完敗。キューバの〝電車男〟は決勝ではシャクール・スティーブンソンに勝って金メダル。

いいですね、最高です、電車男。井上との決戦までとにかく強い勝ち方をして、評価を爆上げして欲しい、決戦前にPFP入りにも期待です。



話を戻して、ムロジョン・アフマダリエフです。

28歳のサウスボーは素晴らしいアマチュア戦績を残して2018年にプロ転向。

キャリア5年の星勘定は12戦11勝(8KO)1敗。唯一の黒星、タパレス戦は2人のジャッジが113-115、残る1人が118-110と、スコア上は〝全く別の試合〟。

少なくない専門家や現役選手が「アフマダリエフは判定を盗まれた」と声をあげましたが、動きの悪かった前半で大きなビハインドを負ったと採点されても文句は言えない内容でした。

後半明白な劣勢に追い込まれたタパレスにとっては〝不思議の勝ち〟ですが、MJにとっても〝負けに不思議の負けはなし〟という結果。

拳に不安があったのはわかりますが、いくらなんでもタパレスは倒さなければいけない相手。世界基準の武器はパンチ力だけ、それもなんとか平均以上というフィリピン人とクロスゲームをしちゃダメ。

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着丼につき、続きはまた。
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2023年8月3日現在のジュニアフェザー級ボクサーの数は一昨日と変わらず全世界で1252人(BoxRec)。

この1252人にはルイス・ネリ、ムロジョン・アフマダリエフ、亀田和毅、ジョンリール・カシメロ…〝タパレス後〟に対戦が期待されている4人も含まれています。

さてさて、この4人のうちの誰かが井上に勝てるのか?

あるいは、残りの1248人の中に、モンスターを倒す才能が隠れているのか…?

4+1248=1252。2504の拳の中に、井上尚弥の脅威を探してゆきます。



まずは、ルイス・ネリ、Luis Esteban Neri Hernandezから。

日本ボクシング史上、最も凶悪なヒールといえばこの小さなパンテラ、気の荒い子猫で誰も異論はないでしょう。

体重超過にドーピングという〝犯罪行為〟に、立て続けに手を染めたことは許されることではありません。

しかし、日本のボクシングファンの憎悪を必要以上に膨張させたのは、キャリアの有終を飾るはずの山中慎介に圧勝した事実です。

ネリとは〝成敗されなかった鬼〟であるがゆえに、より強烈な反感を集めているのです。もし、現実とは真逆に山中がネリを破壊していたら、ネリはここまで憎まれていなかったでしょう。

そして、ブランドン・フィゲロアが、ネリのボディをえぐって悶絶KOしたとき、多くの日本人ファンが「ざまあみろ」と溜飲を下げました。



しかし、ネリを成敗すべきは、メキシコ系の色男の拳ではありません。山中の仇を打てる、ネリを〝成敗〟できる、もっと正確にいうなら「ネリを成敗すべき」なのは日本人ファイターです。

そして成敗に相応しい、フィゲロアがやった以上の惨めな敗北をネリに突きつけられるのは井上尚弥をおいて他にいません。

米国では大きな需要を持たないジュニアフェザー級。ネリが井上戦を熱望するのも、破格の報酬と素晴らしい観客(さすがにネリには入場からブーイング?それでも閑散とした米国で試合するより100倍アドレナリンが出るでしょう)が約束される日本開催を見越してのこと。

日本開催がまずありき、となると、JBCがネリに下した永久追放を特例解除しなければないませんが、これはJBCの一存で、どうとでもなる問題です。

一般的にはほとんど忘れられている、あるいはそもそも記憶されていないルイス・ネリですが、山中との2試合で増幅された因縁は、再来日によってさらに燃え盛るはず。興業規模だけで考えると、122ポンドで起こりうる最も大きな試合かもしれません。



さて、そのネリの戦力分析です。

小さなパンサーは、自らのボクシングスタイルに悩み、トレーナーをコロコロ変えてきましたが、結局は多くの欠点がほとんど修正できないまま。

まともなジャブが打てない、パンチが大回りする、緩急がないから慣れられる…まだ28歳とはいえ、もはや何の伸び代もないのは誰の目にも明らかです。

攻撃力とスピードはジュニアフェザー級の世界基準を上回っていますが…。

ブランドン・フィゲロアのようなBクラスの世界王者でも、ネリの序盤の攻撃と五分で渡り合って、中盤以降の失速待ちで十分正気が掴めます。

ボクシングに三段論法は禁物ですが、井上はフィゲロアとは同じリーグに所属しているファイターではありません。メジャーとシングルAと言っても大袈裟ではないでしょう。

団体と階級が膨れ上がって、タイトルの価値が軽薄化、安易な複数階級が横行して、レベルのタイトルマッチや決定戦があちこちで催される4Belt -Eraでなければ 2階級制覇はもちろん、世界王者にもなれていたかどうか極めて怪しいのが卑しい小猫、それがネリです。

ネリにとって山中がオーダーメイドだったのは、〝神の左〟の「引き」の遅さでした。強打の左だけでなく、右リードの引きまで遅い山中にとって、ネリの唯一の取り柄であるスピードは完全なジョーカーでした。

一方で、井上は超攻撃型ファイターにも関わらず、パンチの「引き」が非常に速い。大砲をぶっ放すというよりも、タイミング抜群のコンパクトな一撃を射抜くモンスターは、技術が乏しく集中力が散漫な子猫にとってはヤケクソで向かっていくか、守り一辺倒で亀になるしかないでしょう。

脆いアゴとペーパーストマックのネリが亀にならない限り、サンドバッグにすらなれないまま、早いラウンドで井上の強打に朽ち倒れるでしょう。

独断と偏見のポテンシャル・オッズは、43−1で井上。 

ネリでは善戦するのも難しいと見ます。

というわけで、まずネリが脱落。残り1251人。



次は、MJにスポットライトを当ててみましょうか。 
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別企画の「マーロン・タパレスとは何者か?」では、32歳のフィリピン人に思いっきりエールを送りますが、その一方で「タパレスに何が出来んねん?」という覚めた感覚も拭いきれずにいます。

タパレスの過去試合やスタッツを見れば見るほど「面白い試合になりようがない」と諦観してしまうのです。

油断しまくり、タパレスをナメ切った新たなシリーズの幕開けです。


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2023年8月2日現在のジュニアフェザー級ボクサーの数は、全世界で1252人(BoxRec)。

この1252人にはルイス・ネリ、ムロジョン・アフマダリエフ、亀田和毅、ジョンリール・カシメロ…〝タパレス後〟に対戦が期待されている4人も含まれています。

この4人のうちの誰かが井上に勝てるのか?

あるいは、残りの1248人の中に、モンスターを倒す才能が隠れているのか…?

4+1248=1252。2504の拳の中に、井上尚弥の脅威を探してゆきます。
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