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泪橋を逆に渡る。

魔裟斗は泪橋の向こう側でメジャーになりましたが、K1ワールド・マックスで優勝した控室でのインタビューで「これは(ボクシングの)WBAやWBCにも匹敵する」と自ら喜んだ、かつて憧れたその世界に挑戦することはありませんでした。

すでに、キックでメジャーの地位を勝ち取って、泪橋の向こう側で王様になった魔裟斗にとって、かつて憧れた世界の魅力は低減、リスクだけが大きな世界に変質していたのです。

「ラスベガスで(K1ルールで)バーナード・ホプキンスと戦いたい」という発言は、ボクシングへの憧れの残滓でしたが、西岡利晃や井上尚弥にも通じる「それ(軽量級やキック)、ラスベガスでは注目度低いですから…」という哀しい願いでした。

しかし、ボクシングに転向するほとんど全てのキックボクサーたちは、キックのスポーツとして微妙なポジションから、社会的に認められたボクシングへ、マイナーからメジャーへの脱出を目指したのです。

ただ、現代ではボクシングのステイタスが下落、那須川天心に見られるようにボクシングの世界王者よりもはるかに有名な他格闘技のファイターも現れています。

泪橋を挟んだポジションが日本でも逆転したとは言いませんが、それに近いことが起こりつつある、あるいはボクシングが泪橋の向こう側に下ったということも同時に進んでいるらのかもしれません。

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ボクシングの腐ったシステムを反面教師にして、スポーツとしての地位を確立したUFCが、ボクシング界の刷新に乗り出す。

泪橋のこっち側と向こう側の立場が入れ替わる。

UFCの誕生からわずか30年足らず、短い歳月に思えますが、没落一方のボクシング界をひっくり返すには十分な時間だったのかもしれません。


そして、キャリア初黒星を喫した天心ですが、キック界のスーパースターがわずか2年ちょっとで世界基準のボクサーに成長したのです。

井上拓真にしても、当たり前に天心に勝ったのではありません。天心だからこそキャリア最高のモチベーションを燃やしたのです。

井上兄弟や中谷潤人らに、天心と同じことができるか?となると、まず不可能でしょう。

そこまでの才能ですが…。

このあと、一気にズッファ・ボクシングが天下を握り、世界王者は地球上に8人だけ、そして最軽量はバンタム級(53.52kg)となると、「ボクシングは落ち目」といってもヘビー級とクルーザー級には大きな変化はないでしょうが、その他6階級のレベルは一気に上がります。

特に、バンタム級はストロー級からジュニアフェザー級までの6階級を飲み込むことになります。

こうなってしまうと、天心がタイトルを獲るのは非常に難しくなるのは間違いありません。現状ではすぐに2度目のチャンスが用意されるでしょうし、3度目もあるでしょうが、それは腐った4団体17階級時代だから。

ズッファがその目論見通りにプロボクシングのトップリーグとなり、WBAなどのアルファベット団体はジュニア階級を継続しながらマイナーリーグを形成する形になり、必要性がどんどん希薄になってアルファベット団体はフェイドアウトするかもしれません。

もちろん、JBC統括の日本チャンピオンは残るでしょうが、ジュニア階級とどう折り合いをつけるのか。

時代の大きな曲がり角に、天心が現れたのは実に興味深い現象です。




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ファン・フランシスコ・エストラーダの決意。

「日本に行くこと。那須川天心と戦うこと。それがどういうことなのかは理解している。KOするしかない」。

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この一戦に賭けられているのは、WBCバンタム級タイトルへの挑戦権。

ちょうど10年前、この緑のベルトは山中慎介の腰に巻かれていました。

神の左が9度目の防衛戦の2015年9月22日と、11度目となる2016年9月16日に拳を交えたのがアンセルモ・モレノでした。

再戦となったのは、初戦がきわどいスプリット・デジションだったからです。

迎えた再戦、山中は33歳、モレノは33歳。ゴーストの異名を持つパナマ人の方が年下でしたが、伏兵のファン・カルロス・パヤノに惨敗してWBAのスーパータイトルを失い、山中との初戦でも主導権を完全に掌握できませんでした。

パナマのゴーストは「初戦は勝っていた」と悔しがりましたが、おそらく自らの衰えにも気づいていたはずです。

それでも再戦に応じたのは、日本が用意したファイトマネーだけではなく、勝つ自信があったからでしょう。

正確には、勝つ〝自信〟ではなく、勝つ〝方法〟です。

つまり、帝拳を代表するファイターに日本で勝つにはKOするか、明白に勝つしかないということです。

そして、モレノは慣れない攻撃的なスタイルを選びます。しかし、そこは山中の土俵。7ラウンドで仕留められてしまいました。

モレノと同じ「倒すしかない」と覚悟を決めて東京に乗り込んで来るエストラーダ。

エストラーダもモレノと同じ運命を辿るのか?…エストラーダと天心。モレノと山中。スタイルが全く違う4人です。

あのときの山中よりも、今回の天心の方がはるかに難しい戦いを強いられるでしょう。


そして、不条理が大手を振って歩くプロボクシング界らしく、今回の試合でもWBCのマウリシオ・スライマン会長がエストラーダにエールを送っています。
I simply wish you the best; I will be in Japan for this bout, Sulaiman told Estrada. “You have everything it takes to succeed.


「君の勝利をただただ、願っている。この試合のために私は日本に行く。君には勝利に必要な全てが揃っている」。

It will be a fight of maturity versus youth, and I am totally sure that you will hold Mexico high.

「これは世代の対決。熟練が勝つか、若さが勝つか。私は君がメキシコの偉大さをさらに高めてくれると信じている」。


マウリシオ、本心は「高い認定料を払い続けてくれること間違いなしの天心様に勝って欲しい」でしょうが、さすがにそれは言えません。

…というか、そもそも公平の立場でないとおかしいのですが、そうではないのがボクシングの世界です。


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ちなみに、モレノもエストラーダも〝元〟PFPファイター。

モレノをKOした山中はリング誌などのPFP10傑入りしましたが、天心はどうなるでしょうか。




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「4月10日(日本時間11日)」「東京」と確定報が流れている、WBCバンタム級王者井上拓真への挑戦権が賭けられた一戦。

「skybet のオッズは那須川天心が6/4(2.5倍)、ファン・フランシスコ・エストラーダが8/15(1.53倍)。

これから1ヶ月で数字が逆転する可能性もある拮抗した掛け率ですが、天心はキャリア3年、プロ8戦目で初めてアンダードッグで試合開始ゴングを聞くことになりそうです。

フロイド・メイウェザーとのexhibitionを除くと、キックとMMAを含めても初めてのアンダードッグではないでしょうか。

このエストラーダに対して、バム・ロドリゲスは1/5(1.2倍)、エストラーダは7/2(4.5倍)でした。もし、26歳のPFPファイターが118ポンドに乗り込んでくるなら、日本人ファイターも含めて一気に焼き払われることになると見られています。



フライ級からジュニアフライ級に落としてWBA王者のローマン・ゴンサレスに挑戦、脱水症状に悩まされながらも全盛期を迎えていたのちのPFPキングを大いに苦しめた〝ガジョ〟エストラーダですが、この一線で評価は沸騰します。

そして、カルロス・クアドラス、シーサケット・ソールンビサイ、ロマゴンとジュニアバンタム級で形成した115ポンド版の4KINGS。

対戦のタイミングが合わなかったものの、ドニー・ニエテスと井岡一翔を加えた6人がPFPランキングを賑やかせました。

しかし、史上最もレベルの高いジュニアバンタム級を牽引してきたガジョも35歳。激闘を厭わないスタイルで重ねたキャリアは49試合(45勝28KO4敗)。

明らかに劣化の兆候が噴き出しています。

それでも、天心が苦手とするボクシングの距離(井上尚弥が苦手とする〝クロスレンジ〟よりも何歩も手前の問題です)を容易く作ることができる歴戦のエストラーダは相性的にはけして良くはありません。

まだ、生き死にがはっきりわからない伝説です。

もし、まだタンクの中に次の伝説を作る材料を残していたら、これほど厄介な相手はいません。


天心の前にソフト路線を敷いてきた帝拳が大きく路線変更したのでしょうか?

大一番です。

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Saturday 7, February 2026

Echo Arena, Liverpool, Merseyside, United Kingdom
⬆︎BoxRecではEcho Arenaとなっていますが、現在はM&S Bank Arena。どうでも良いことですが。


commission:British Boxing Board of Control
promoter:Frank Warren (Queensberry Promotions)
matchmaker:Lee Eaton
 view on DAZN 


WBAフェザー級©︎ニック・ボール vs ブランドン・フィゲロア


スタンディングでキャパ1万人。シートで約7000人。横浜アリーナの半分程度の会場になりますが、なんだかゴージャスです。


ここで明日、井上尚弥とからんだかもしれない2人のファイターが激突します。

ニック・ボールは一昨年、井上との対戦が内定していました。しかし、Aサイドの日本人がルイス・ネリ戦でダウンを喫するなど不安要素が噴出したことで、フェザー級進出は回避。

一方のフィゲロアは、WBCジュニアフェザー級王者時代にWBO王者スティーブン・フルトンとの統一戦に惜敗、井上と対戦するプラチナチケットを逃しました。


現時点の英国ボクシングシーンでPFPキングと目される〝'The Wrecking〟ボールはこれが4度目の防衛戦。



ウィリアム・ヒルの見立ては28歳の王者が2/7(1.29倍)、29歳の挑戦者が11/4(3.75倍)。生まれも育ちもリバプール、完全ホームのボール有利は動きません。

老いさらばえたTJドヘニーに蹴りを加えてもお咎めなしだったように、リバプールはボールが何をやっても許される特権エリアです。

フィゲロアはニックのキックだけでなく、微妙なラウンドは全部持っていかれることも覚悟しなければなりません。

井上よりも、キックルールで天心との試合が見たい?それなら、過保護の英国人は1ラウンドも持たないでしょうが。




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日本のファイターにとって欧米の人気階級は高くて分厚い壁です。

日本では実質、ミドル級が最重量。ウエルター級はまだたった1人のアルファベット王者も生み出せず、ミドル級も竹原慎二と村田諒太の2人だけ。

ウエルター級やミドル級と比べると、ジュニアウエルター級はそこまで難関ではないと感じてしまうのは、浜田剛史(タイトル奪取:1986年7月)と平仲明信(同:1992年4月10日)がというわずか5年9ヶ月の短い期間で誕生していること、さらに後付けのジュニア階級というイメージからでしょう。

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しかし、このクラスに送り込んだタイトルホルダーは藤猛と浜田剛史、平仲明信の3人だけ。

挑戦回数がウエルター級やミドル級よりも多いことを考えると、最難関の階級といっても言い過ぎではないかもしれません。

そして、そのジュニアウエルター級の難易度を低く見積もってしまいがちな要因は、浜田と平仲が短いスパンでタイトルを獲っていること、ジュニア階級であることだけでなく、藤猛も加えた3人が大方の予想をひっくり返す、電撃的な序盤KOを演出したからでもありました。

この難関階級の攻略に要したラウンド数は藤が「2」、浜田が「1」、平仲も「1」。3人合わせてもたったの4ラウンド!

ジュニアウエルター級タイトル奪取は3度とも、驚くほどあっけなく日本にもたらされたのでした。



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平岡アンディの世界アタックの日程が2月21日に再調整されました。
会場はカネロ・アルバレスの根城、T-モバイルアリーナ。

WBA王者ゲイリー・アントゥアン・ラッセルに挑みます。

予想の立てにくいマッチアップですが、4度目の電撃奪取が起きたとしても驚きはありません。



メインイベントはWBCウエルター級王者にライアン・ガルシアが挑戦する、世界の頂点とは言い難い〝茶番劇系〟のタイトルマッチ。

そういえば、体重超過があると、1階級上の王者決定戦に変更となるWBCの新ルール?今回も発動するかもしれません。

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Saturday 31, January 2026
  
Madison Square Garden, New York, New York, USA
commission:New York State Athletic Commission
event name:The Ring VI

promoter:Bob Arum (Top Rank),
          Eddie Hearn (Matchroom Boxing)
matchmaker:Brad Goodman, Kevin Rooney Jr

 view on DAZN 



先週のバークレイズセンターに続いて、31日(日本時間2月1日)にはやはりニューヨーク、今度はマディソン・スクエア・ガーデンでビッグファイトのゴングが鳴ります。

この興行はRing6、先月サウジアラビアで開催されたRing5(THE SAMURAI NIGHT)に続くシリーズ。

メインはWBOジュニアウエルター級タイトルマッチ。王者テオフィモ・ロペスにシャクール・スティーブンソンが挑みます…といってもオッズも予想も王者ロペスがアンダードッグ。

平岡アンディが来月、WBA王者ゲイリー・アントワン・ラッセルに挑戦するクラス、将来の統一戦も見据えると人気のないシャクールではなく、テオフィモに勝ち残って欲しいところですが…。

アンダーカードにはWBCミドル級(©︎カルロス・アダメスvsオースティン・ウィリアムス)。

スティーブン・フルトンが返上したWBCフェザー級の王者決定戦(ブルース・カーリントンvsカルロス・カストロ)もセットされました。

日本のボクシングファンにとって、井上尚弥が視界に入れるフェザー級は注目。16戦全勝9KOのカーリントンが、ルイス・ネリとフルトンを苦しめた(オフィシャルはいずれもSDで敗北)カストロをどうさばくのか?

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WBCジュニアウエルター級12回戦

©︎サブリエル・マティアスvsダルトン・スミス

オッズは8/13(1.62倍)、13/10(2.3倍)で、33歳の王者がやや有利。

母国英国のボクシングファンから大きな期待を集める〝サンダー〟スミスは無敗の28歳。


World title challenger Smith inspired by Hatton


ジュニアウエルター級、140ポンドはストーン(1ストーンは14ポンド)単位が馴染み深い英国では思い入れのある階級です。特に、昨年はこのクラスの史上最高の英雄、リッキー・ハットンを失ったタイミングですから、ボクシングニューズ誌はもちろん、BBCまでが「ダルトンはハットンになれるか?」と連日報道、ボクシングファンの熱い期待が伝わってきます。

スミスがニューヨークで番狂せの雷鳴を轟かせると、英国ボクシングはさらに盛り上がります。




バンタム級10回戦

ハビエル・シントロンvsビクター・エフレイン・サンドバル

リング誌ランキングでトップ10に7人も送り込んでいる日本バンタム級。

世界的には注目度も報酬も低い軽量級でも、日本人王者に日本で挑戦するとなれば話は別。ましてや王者になって、日本人挑戦者を迎えるとなると、さらにファイトマネーが跳ね上がります。

オッズはシントロンが1/4(1.25倍)、サンドバル18/5(4.6倍)。

30歳のプエルトリカンが再び日本のリングに上がる日はやって来るか?


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バンタム級10回戦

エマヌエル・ロドリゲスvsフェルナンド・ディアス

劣勢になると泣き顔になる弱気な〝マニー〟も33歳。3つの敗北、SDに追い詰められたジェイソン・モロニー戦のいずれも、弱気の姿勢を曝け出してしまいました。

大一番に弱いが経験豊富なロドリゲスが1/11(1.09倍)。直近の試合で完敗、ここ10試合でも5勝5敗のディアスは8/1(9倍)。

ロドリゲスも西田凌佑に敗れて以来の復帰戦。残された時間が少ない33歳のロドリゲス。ここで負けるようなら、キャリアの終焉です。











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Saturday 10, January 2026
  
Barclays Center, Brooklyn, New York

commission:NYSAC

promoter:Fresh Productions


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プエルトリコが輝きを失ってから、一体どれくらいの時間が経ったのでしょうか。

ニューヨークの大会場をフルハウスにできる最後のスターは、ミゲール・コットでした。

そのコット以来のPFPファイター、オスカー・コラーゾがストロー級で活躍、複数階級制覇に意欲を見せています。

しかし、東海岸にファンベースを持つプエルトリカンでも軽量級で米国マーケットを大きく揺るがすのはまず不可能です。

現状、最も集客力があるのは女子のアマンダ・セラノ。

マディソン・スクエア・ガーデンのスポーツアリーナをフルハウスにしたケイティ・テイラーとの激闘は女子ボクシングの新しい歴史を切り拓きました。

とはいえ、男子でスター不在が続いているのは寂しい限り。

私がプロボクシングに惹きつけられた1980年代からだけでもウィルフレド・ベニテス、ヘクター・カマチョ、エドウィン・ロサリオ、フェリックス・トリニダード、コット、ダニー・ガルシア…人気階級にスター選手を送り込んできたプエルトリコ。

この系譜を引き継ぐかと期待されたサブリエル・マティアスはIBFジュニアウエルター級のストラップを決定戦で手に入れますが、2度目の防衛戦に失敗。昨年7月にWBCバージョンで奪還するも、ドーピング検査で陽性と迷走中。

メガイベントでは脇役に回る軽量級でもウィルフレド・ゴメス、イバン・カルデロン、ファンマ・ロペス…と、魅惑的な〝小さな巨人〟を輩出してきました。

日本でも強さを見せつけたウィルフレド・バスケスなんてスラッガーもいました。



日本時間の明後日1月11日、ニューヨークのバークレイズセンターにプエルトリコのファイター4人が登場します。

メインはマティアスの防衛戦。生まれも育ちも英国シェフィールドのダルトン・スミスと初防衛戦。

セミはキャリア初黒星からの復帰戦となるネストール・ブレイボーがメキシコのペドロ・カンパを迎えるジュニアウエルター級10回戦。

そして、アンダーカードにカーミット・シントロンとエマヌエル・ロドリゲス、日本のボクシングファンにも馴染みのあるファイターが名前を連ねました。

2019年の大晦日に井岡一翔に敗れてからなんと4年半ものブランクを作ったシントロンは2024年にカムバックしてからこれが3戦目、メキシコのビクター・エフレイン・サンドバルを迎え撃ちます。

英国グラスゴーで井上尚弥に破壊されたエマヌエル・ロドリゲスは2024年に西田凌佑に敗れて以来の復帰戦。

遠回りのキャリアを強いられた3人のプエルトリカンが迎えるザ・ロード・バック。

ブレイボーは32歳、シントロンも30歳、ロドリゲスは33歳…残された時間は多くはありません。




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Wednesday 17, December 2025
  
Kokugikan, Tokyo, Japan
commission:Japan Boxing Commission
promoter:Akihiko Honda (Teiken Promotions)
view on U-NEXT

WBAバンタム級12回戦
©︎堤 聖也vs. ノニト・ドネア 

WBA・WBOジュニアフライ級12回戦
WBA©︎ 高見 亨介 vs. WBO©︎ レネ・サンティアゴ 

WBOフライ級12回戦
©︎アンソニー・オラスクアガ  vs. 桑原 拓

ジュニアバンタム級 8回戦
ユーリ阿久井政悟 vs. ヴィンセント・ラカール   




師走のウィークデイに両国国技館で開催される、トリプルタイトルマッチ。

なかなか興味深いカードが並びました。



▶︎評価の高いオラスクアガに挑むのは、2度目のタイトル挑戦となる桑原。

1/12(1.83倍)と6/1(7倍)というオッズが示す通り、完全アンダードッグ。桑原が序盤から勝負を仕掛けるなら、早い決着もありそうです。



▶︎その桑原に2度勝っている阿久井は、今年3月に寺地拳四朗に喫した最終回の逆転KO負けからの再起戦を迎えます。対戦相手は10月にフィリピン フライ級王者になったばかりのラカール。

勝ち方が問われる一戦です。



▶︎未来のPFPファイターと嘱望される高見は一気に団体統一戦へ。

サンティアゴは岩田翔吉から奪ったWBOストラップの初防衛戦。2試合連続で国技館のリングに上がります。離れしているのは、帝拳がストーカーする33歳のプエルトリカンの方?

しかし、オッズは高見の1/4(1.25倍)に対してサンティアゴは9/2(5.5倍)と今回もアンダードッグ。



▶︎メインは打撃戦上等の新旧対決。

WBA王者の堤は井上拓真からタイトルを奪い、比嘉大吾と引き分け防衛。2度目の防衛戦で〝同級生との縁〟がとりあえず切ることができました。

6年前に井上尚弥とWBSS決勝を争ったときに「ロートル」と揶揄されたドネアは、堤よりも14歳も年上の43歳。

ドネアの一発を警戒する声もありますが「最も衰えが遅い」といわれるパワーも明らかに黄昏ています。

堤の2/7(1.29倍)、ドネア11/4(3.75倍)。



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Monday 24, November 2025i
  
Toyota Arena Tokyo, Koto-Ku, Tokyo

commission:Japan Boxing Commission
Event name:Prime Video Boxing 14

promoter:Akihiko Honda (Teiken Promotions)



◾️ジュニアバンタム級10回戦◾️



海外ブッカーの見立ては明白に坪井で、ウィリアム・ヒルでは2/7(1.29倍)。クアドラスは11/4(3.75倍)。

2021年のベオグラード世界選手権のバンタム級(54kg)金メダリストの坪井が、黄昏時のクアドラスに完勝すると考えられています。

ローマン・ゴンサレス、ファン・フランシスコ・エストラーダ、シーサケット・ソールンビサイと共に115ポンドの4KINGsの一角をなしていたクアドラスも37歳。意地の炎を燃やすガソリンがまだタンクの中に残っているか?

クアドラスの入場曲はマイケル・ジャクソンのBEAT IT。

オープニングラウンドは定石通りにジャブの差し合いから。スピードと精度で坪井が上回る。クアドラスはこの流れに付き合ってはダメ。

第2ラウンドからクアドラスが強引に前に。これは坪井にとっては悪くない。

クアドラス、パンチを浴びて顔面紅潮、足元も怪しい。しかし、ここまで遅くなってたか…。

「1ラウンドも取らせずに圧倒する」と自信を見せていた坪井ですが、これはもう倒さなければいけません。

クアドラスもわかってます。下がったらジ・エンドだと。37歳の陽気なメキシカンを応援したくなってしまいます…。

第8ラウンド、坪井の攻勢にクアドラスが真っ直ぐ下がるようになります。

フィニッシュは坪生のラッシュに無抵抗になって下がったところで、主審が試合を止めました。




予定調和です。




◾️フェザー級12回戦◾️



14戦全勝13KOの中野が2/5(1.4倍)でフェイバリット。ジュニアフェザー級でトップ戦線に張り付き続けたアリームが19/10(2.9倍)でアンダードッグ。

井上尚弥と中谷潤人が乗り込んでくる前にタイトルをゲットしておきたい中野にとって、足踏みしている時間はありません。

勝者がIBF王者アンジェロ・レオへの指名挑戦権を得ます。レオは来年2月にレラト・ドラミニと2度目の防衛戦を予定。そのあとに中野戦がセットされるのが理想ですが…亀田和毅のケースのようにこの認定団体もグダグダ、どうなるのかは誰にもわかりません。

時間的に、アリームに勝ったあと世界アタックまでもう1試合挟む可能性もありますが、もしそうであるなら和毅も破壊したいところ…。


第1ラウンド。中野が前進、アリームがリングを大きく使って下がる展開。まだプレッシャーはかかっていません。

中野のコーナーは「ガードの上からでも強く叩け」。強打者の鉄則です。

アリームが中野のパンチを脅威とかんじているのかどうか、反応や表情からは読み取れません。

ただ、アリームも下がってばかりではポイントは取れないのはわかってるはず。ここは敵地。このままでは豪州でサム・グッドマンに判定を持っていかれたのと同じ轍を踏むだけ。

第6ラウンド、アリームがようやく攻撃的になります。これはチャンス。

第8ラウンド、偶然のバッティングでアリームが左目上をカット。

第10ラウンド、中野がバックステップしたタイミングでアリームの右がヒット。まさかのダウンを奪われます。このラウンドの8−10が勝負の分かれ目になるとは思えませんが。

最終回。実況の「中野、逆転の一打!」に違和感ありまくり。逆転に追い込まれてるのはアリーむの方。

ありえない…。帝拳セレクション、崩壊。番狂せです。

オフィシャルは、112-115/111-116/109-118。カール・サピアの109-118、これは酷い。

予定調和、瓦解。





◾️WBCバンタム級12回戦◾️



オッズは天心の1/4(1.25倍)、拓真の11/4(3.75倍)。明白に天心が有利とみられています。

「天心が勝った方がボクシング界は盛り上がる」。そういう見方は間違っていません。

記者会見で井上尚弥との決戦について問われると「まだ、そんなこと言える段階、立場じゃない」と口にした天心。以前も同じ質問に、同じように答えていました。

歯切れの悪い言葉ですが「段階を踏んで立場が整えば、その舞台に立つ」という強烈な思いが溢れています。

そして、舞台慣れしている天心に対して、井上家とボクシング界代表のような形でリングに上がる拓真。

重圧がかかるのはアンダードッグの拓真という倒錯もまた、この試合を興味を増幅させています。

これまでの天心の相手は、ある意味で負けて元々。開き直って「喰ってやる」と、良い意味で脱力することができました。

逆に、拓真は追い込まれているでしょう。


サムライベルト…いくらで売りつけたんだ?ダイアモンドベルトが約5万ドル、それ以上は間違い無いですね。

「(ボクシングのベルトは)ちゃんと権威のあるもの」(天心)…天心…。まあ、一般紙のスポーツ欄で扱われることを「権威」と呼ぶならそうかもしれませんが…。

マウリシオ・スライマン、今朝はバーネス・マーティロシュヤンが亡くなったことにお悔やみを述べたばかり。大変だ。

コーナーの井上尚弥の気合いの入り方!



【Round1】静かな立ち上がり。終了間際に天心の左ストレートがクリーンヒット。天心10−9。

【Round2】拓真は天心の左が見えていない。危ない。無理に前に出るべきじゃ無い。10−9(20−18)。

【Round3】このラウンドはイーブン。拓真はムキになってはいけない。

【Round4】拓真の攻勢を取って9−10(39−38)。

公開採点は3者とも38−38。

【Round5】流れは拓真。ただ、スタミナは。公開採点を聞いて「十分」(井上尚弥)。風は拓真。9−10(47−48)。

【Round6】流れは変わらず。拓真の硬さがほぐれてきた。9−10(56−58)。

【Round7】同じような展開。両者とも決定打はなしも、拓真の攻勢。9−10(65-68)。

【Round8】天心が出るが、決定打なし。10−10。

公開採点は76−76/77−75/78−74で3者とも拓真。

【Round9】これも振り切れないラウンド。10−10。天心、追い詰められました。

【Round10】天心がガードを下げて状況打開を図る。10−9で天心。

【Round11】チャンピオンシップラウンド。いや、難しい。10−10。

【Round12】いい試合です。9−10で拓真。



正直、判定まで行くとは思いませんでした。

117−111/116−112/115−113。



いやあ、予定調和の夜にはなりませんでした。









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