カテゴリ: スポーツよもやま話

前回のFirst Lossではプロボクシングには体重の階級以外にも〝身分〟の階級があるとお話ししました。

高貴の順番で並べると「Elite Boxer=スター」「Journeyman(Gatekeeper)=門番」「Sacrificial Lambs=咬ませ犬」。

この3つの階級はキャリアを通じて保証されているものではなく、基本的に落ちていくだけの一方通行ですが、その境界線は非常に曖昧で、JourneymanからElite Boxerに這い上がる例も珍しくありません。

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 実はエリートボクサー…なんです!


「Elite Boxer」はスターや、スター候補(育成中のスター)。五輪や世界選手権で卓越したアマチュア実績を持つ者、デビュー時点では注目されなかったもののチャンピオンにまで登った成り上がり者、何らかの知名度がある者たちです。

エリートアマは特に優遇されデビューから温室の中に敷かれた線路が用意されます。線路には必ず咬ませ犬が餌として撒かれ、徐々にジャーニーマンをまぶしながら加速させ、アルファベット団体で最も与し易いタイトルホルダーとの対戦を吟味して路地に出します。

「五輪や世界選手権で卓越したアマチュア実績を持つ者」は、五輪金メダリストのジョージ・フォアマンやシュガー・レイ・レナード、オスカー・デラホーヤらがその〝代表作〟。日本人では絶対不可能とされたミドル級でトップのアマチュア実績を残し、デビュー前から電通やフジテレビなど日本を代表する企業が巨大な資金を提供しあって〝神輿〟を用意された村田諒太もその典型。

世界的には「優れたアマチュア実績」とは口が裂けても言えない井岡一翔や井上尚弥らも、日本では堂々のElite Boxerに当たります。

「デビュー時点では注目されなかったもののチャンピオンにまで登った成り上がり者」にはバーナード・ホプキンス、テレンス・クロフォード、マニー・パッキャオ、ノニト・ドネア、畑山隆則ら。彼らは過保護なプロテクトから外れたJourneyman のポジションからの成り上がりです。

「何らかの知名度がある者」はサンプル数は少ないですが〝スラムから世界へ〟のムービーストーリーをなぞったマイク・タイソン、喧嘩自慢の福田健吾、キックの神童・那須川天心、五輪・世界選手権につながらないアマチュア大会の実績しか持たず、テレビ局が幼少期からまとわりつき絶大な知名度を培養させた亀田兄弟も後者にあたります。また、海外ではフリオ・セサール・チャベスJr.やコナー・ベン、クリス・ユーバンクJr.らの〝親の七光り組〟も珍しくありません。



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そして、Journeyman(Gatekeeper)。

彼らはスターでもなく、無敗のレコードも持ってませんが、ナショナルタイトルやローカルタイトルを競う実力者です。

咬ませ犬を屠りながら温室で培養されたElite Boxerが路地に出されるときの踏み台も、彼らに託された重要な役回りです。

米国時代の亀海喜寛や石田順裕、亀海のライバルであったヘスス・ソト・カラスらが典型。ここからElite Boxerにのし上がるガッツマンもいますが、その逆にノニト・ドネアのように落ちてくるファイターも珍しくありません。

非常に珍しい例として、Sacrificial Lambs(咬ませ犬)としてキャリアをスタートし、JourneymanからElite Boxerに登り詰め、再びJourneymanに戻り、咬ませ犬に限りなく落ちつつある、この3つの身分を往復したシーサケット・ソールンビサイのようなファイターもいます。

Elite BoxerとJourneymanに明確な定義はありませんが「Sacrificial Lambs(咬ませ犬)を当てがわれるかどうか」が一つの境界線になるかもしれません。





さて、Sacrificial Lambs 、咬ませ犬です。彼らは実力差の乖離が大きいElite Boxerの自信と戦績の箔を付けさせるために用意された、本来は存在してはいけない〝種族〟。

重大な事故にもつながりかねない咬ませ犬は、日本人には存在しません。もっと正確にいうと、JBCは「日本人相手に3連敗」「日本人との階級や戦績・実力に大きな乖離」フィリピンやタイから咬ませ犬を呼び寄せることを禁止しています。

それでも「日本人相手に3連敗」していなければOK、そして「日本人との階級や戦績・実力に大きな乖離」という非常に恣意的な基準をすり抜けて咬ませ犬は今も日本に呼び付けられています。

井上尚弥のデビュー戦は、直近の試合で無敗の日本人(知念勇樹)に格安の待遇と超タイトな日程で日本に呼び付けられてきっちり負けているクリソン・オマヤオでしたが、このフィリピン人を咬ませ犬と呼んでも差し支えないでしょう。

ちなみに、咬ませ犬よりも一つ身分が上のJourneymanでも日本に呼ばれる場合は3泊4日がデフォルト。前日計量を考えると、このスケジュールは狂気の沙汰です。計量の前日に来日させる最も大きな理由も、日本のプロモーターのリスクヘッジのため。経費節減のため「2泊3日にしたい」のが本音でしょう。

ファイトマネーは米ドルで1000ドル(約15万円)未満。そこからマネジメント料やJBCへのライセンス交付と認定料など諸経費が引かれて、ファイターの手元には半分程度しか残りません(渡航費と宿泊費は日本のプロモーター持ち)。

それでも、フィリピンやタイの貧困層出身の彼らにとっては、家族を含めて数ヶ月養える金額なのです。

つまり…Sacrificial Lambs 、咬ませ犬の待遇はそれ以下ということです。大橋ジムに呼ばれて八重樫や井上のデビュー戦をつとめたシーサケットやオマヤオもとんでもないスケジュールととんでもないファイトマネーで日本のリングに引っ張り上げられました。

もちろん、大橋ジムや八重樫、井上を非難している訳ではありません。これがプロボクシングの世界なのです。海外では、もっと酷いかませ犬の例も数え切れません。日本はまだ良識がある方です。

「アンソニー・ジョシュアvsジェイク・ポール」のような、実力上は咬ませ犬のジェイクがプロモートして高額のファイトマネーを用意する、日本人の理解を大きく超えた茶番劇まで行われているのです。

そして、咬ませ犬たちは奴隷のように無理やり日本に連れてこられた訳ではありません。彼らは喜んで日本にやって来ているのです。

昨年4月に来日、山崎海斗に敗れたシーサケット・ソールンビサイは「また日本に呼んでもらえて嬉しい」と、感謝の言葉を残しているのです。キャリア初期の咬ませ犬ではありませんでしたが、世界ランクに残っているシーサケットの衰えを見切った、いわゆる〝ランク獲り〟のために呼ばれたケースで、待遇はJourneymanの相場よりも良かったでしょう。

それでも、この逆はありません。世界トップ戦線からこぼれ落ちてもランクが残っている元PFPファイターの日本人がタイやフィリピンのホープの踏み台としてバンコクやマニラのリングに引っ張り上げられるーーーありえません。



このシリーズの主役はElite BoxerでもJourneymanでもありません。

Sacrificial Lambs 、咬ませ犬です。その深くて暗い闇の底を、もう少し覗いてみましょう…。









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明日の有明アリーナで、武尊が引退試合を戦います。

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キックボクシングは、最高峰であるはずのムエタイを斜めに見る特異な形で日本で生まれ、日本で発展した非常にドメスティックな格闘技です。

当たり前ですがキックには、日本を凌ぐ世界の舞台は存在しません。その点ではボクシング超軽量級と同じです。

しかし、ボクシングにはコストやコネクションのハードルをクリアしなければならないものの、ライト(軽量)級以上の人気階級で最高峰の舞台が欧米に存在します。

一方で〝日本完結〟のキックには人気階級など存在せず、そこには〝日本限定〟の人気選手が存在するだけで、日本を離れたラスベガス興行などは、日本の歌手が「ヒットのご褒美にロスでレコーディング」するのと何ら変わりません。

もちろん、それを言い出すと「井上尚弥のT -モバイル・アリーナと何が違う?」と言われるかもしれませんが、単体でやってることは同じでも、ボクシングには上述のように日本人にはほとんど無縁とはいえライト級以上の人気階級の存在、そして日本ではスポーツとして完全に認知されているという二つの事実が厳然として横たわっているのです。

さらに、キックは日本生まれ・日本育ちでも日本ボクシング・コミッションのような一貫した運営、統括団体を持つことなく、不安定きわまる地盤の上で泡沫的な興行を繰り返してきました。

すでにボクシング世界王者を上回る名声を手にしていた那須川天心がボクシングに挑戦した最大の動機は、そこにあります。これまで一般紙やニュース番組では社会面的な扱いだったのに、ボクシングではスポーツ面で報道される、その新鮮な感動に神童が浸ったのは容易に想像できます。

その意味では、井上も出来なかった「東京ドームを掛け値なしの満員」(Number誌)にして見せた天心も武尊でも〝日陰者〟でした。

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特に、武尊はKrush、K1、RIZIN、ONE championshipと「不安定きわまる地盤の上で泡沫的な興行を繰り返してきた」キックボクシングの流浪の英雄でした。

そんな武尊でも日本人であるという大きなメリットを享受してきました。昨年3月に惨敗したロッタン・ジットムアンノンをまたもや日本のリングに引っ張り上げて、引退興行を打つのですから。

日本や欧米、資本主義の先進国であっても五輪スポーツなどの舞台では国籍・人種にかかわらず基本的に公平な条件で戦います。

しかし、ボクシングやキックはそうではありません。そこには、冷徹なまでの資本主義が徹底されています。

ボクシングには体重別ではない、もう一つの階級が3つあります。欧米メディアでよく使われる言葉で紹介すると「Elite Boxer」「Journeyman(Gatekeeper)」「Sacrificial Lambs(咬ませ犬)」。

この三つの階級は〝靴屋の子は靴屋〟のようにキャリアを通じてずっと付きまとうものではありません。

エリートボクサーが落ちぶれ、ジャーニーマンの役割を担い、そこからもこぼれて咬ませ犬となるように、3つの階級を経験するファイターも珍しくはないのです。

3つの階級は基本的に下方に落ちる一方通行ですが、ジャーニーマンがエリートボクサーに挑戦して勝利を収めることもあります。

米国で戦っていた亀海喜寛や石田順裕らはジャーニーマンでしたがミゲール・コットやゲンナジー・ゴロフキンに挑戦するチャンスに恵まれています。

ボクシング史上最大の成り上がり物語を描いたマニー・パッキャオも、ファンを喜ばせるスタイルから人気が出ると、キャリア初期に格下相手を用意される時代もありました。実は、パッキャオが純粋な意味で咬ませ犬であったことはありません。

咬ませ犬がエリートボクサーを喰う大番狂せもあり得ますが、それはきわめて稀れ。八重樫東の咬ませ犬としてデビュー、日本人の咬ませ犬をつとめながら実力をつけてPFPファイターまで登り詰めたシーサケット・ソールンビサイは、そんな超レアなサンプルです。



They Are Always Underdogs,Sacrificial Lambs.

咬ませ犬。彼らはいつもアンダードッグ、生贄の羊。



日本のボクシング界でも大きな問題を引き起こしてきた咬ませ犬の問題。しかし、ボクシングは他のスポーツではあり得ない、咬ませ犬の存在なくしては成り立たない仕組みの上で成立しているのです。




そして、咬ませ犬は…日本には存在しません。




※「Underdogs 敗れるべき者たち」とタイトルしましたが、本来の意味ではアンダードッグはオッズの上で不利と見られるファイターであり、咬ませ犬とは限りません。








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きょう、松本洋平文部科学相が閣議後の記者会見で、地上波中継がなかった3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)について「より多くの国民が大会を見ることができるよう、今後の配慮をお願いした」と、関係者に要請したことを明らかにしました。

さらに、スポーツ中継に関する有識者会議を総務省と合同で設置することも併せて発表。 

近年、動画配信事業者がスポーツ中継を拡充しており、今回のWBCは米大手ネットフリックスが日本での独占放送権を獲得。

松本大臣は「(国民的関心を集めるような)スポーツを見る機会が確保されることは大変重要だ」と、政府としてもユニバーサルアクセス権を意識した方針も示しました。

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国民的関心を集めるメジャースポーツではユニバーサル権を確保、そうでないスポーツは動画配信でどうぞ、というのはボクシングファンとしては如何なものか?と思いますが、ネット配信業者側としては「収益と影響力が大きいメジャースポーツの放映権を経済原理に従って獲得したのがダメ、お前らはマイナースポーツを配信しとけ」と言われたら怒り狂うしかありません。

スポーツ中継に関する有識者会議では、英国のようにユニバーサルアクセス権をマルっと認めるのではなく、落とし所を考えることになります。

まあ、今回のNetflixのやり方はあまりに弱肉強食でした。



そして、日本のボクシング界は現在のネット配信全盛はバブルであることを見越して取り組んでいかなければなりません。欧米のDAZNでもプライムビデオでもPPVが基本。日本で主流の無料配信は、まだ勢力図が定まっていない日本市場で顧客を獲得するための実験、赤字覚悟の宣伝展開です。

来月2日のLemino『THE DAY」は欧米並みの6,050円のPPVと、それ以上の8,200円のライブ・ビューイング(クローズド・サーキット)。実験が第二段階に入ったということです。





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世界最大のスポーツメディアはESPNですが、最も精度が高く斬り込みが鋭いのはThe Athleticでしょう。

https://fushiananome.superknova.org/archives/32774762.html

今朝の御堂筋線からは、そのThe Athleticがアップしたてホヤホヤのロボット審判「ABS」についての記事から。

導入に賛否もあったABSですが、1ヶ月が過ぎて多くの人が楽しんで見ています。

「シーズン終了までに1万回以上のチャレンジと5000件以上の判定覆しが繰り広げられる見通しで、週200回のペースで人間審判の判定が否定される計算」だそう。

このブログでもふれていますが、ロボット審判はホームベース上の真ん中に切り立った平面のストライクゾーンで判定していますが、実際のゾーンはホームベース五角柱の立体です。ABSのストライク判定は間違いなくストライクですが、ボール判定には平面では外れていても、五角柱の立体をかすめたストライクも含まれています。

そんな未完成のABSでも、人間審判よりもはるかに正確なジャッジです。

現在、2度失敗までチャレンジが認められているABSですが、これを「全面導入すべきかどうか?」がこの記事のテーマ。

「人間審判よりも正しいことが証明されているのだから、導入すべきに決まっている」のが〝正解〟?

もちろん、機器の故障なども起こり得ますからバックアップの審判の準備は必要です。「ワールドシリーズのゲーム7、1点差をめぐる最終回の攻防でABSシステムが故障、その場面で下手すると何年も実戦で判定していない審判に任せられるのか?」という意見は、ここではテーブルの外に置きます。

一方で、フルABSでもハーフスイングやボーク、捕手の守備妨害など主審が判定しなければいけないことは少なくありません。つまり、フルABSにしても主審は捕手の後ろに立っていなければならないのです。この空虚感は主審だけでなく、ファンも同じでしょう。「これではあまりにも主審が手持ち無沙汰だからフルABSはダメ」という意見も、一旦外します。

ロボット審判は、MLBに導入される前に3Aで実験が繰り返されてきました。

週6日の試合で3試合をチャレンジ、残りの3試合をフルABSの形式で進行したシーズンで、選手と監督・コーチに聞いた「どの形式が良いと思うか?」というアンケート結果(Source: Major League Baseball)は以下の通りでした。

チャレンジ ― 54%
フルABS ― 8%
人間の審判 ― 38%

アンケート前の「フルABSに多くの支持が集まる」と見られていた仮説が完全否定される現実が突きつけられたのです。

そして、最も重要なファンを対象にしたアンケートでは…。

チャレンジ ― 47%
フルABS ― 23%
人間の審判 ― 30%

この結果も踏まえて、今年からのMLB導入ではチャレンジが選択されました。

しかし、今年のWBC、米国vsドミニカの最後の1球。あれは明らかにボールでした。親善の意味合いが濃いWBCだから良かったものの、ワールドシリーズやプレーオフで同じことが起きてしまうと大問題に発展します。

では、やはりフルABSが正解なのでしょうか?

フレーミングという言葉が広がる以前から、微妙なボールをストライクに見せる捕球技術はありました。フルABSになると捕手の技術練習は大きく減ることになります。

あるいは、外角変化球狙いの打者にズバッと内角ギリギリにズバッと速球を投げ込む、打者も「負けた」と白旗を挙げる投球でも、ストーリーを無視するABSは無機質に「1ミリ外れたボール」と判定します。

日本の野球に侘び寂びがあるように、ドライに映るMLBにも野球ならではの機微があります。

捕手のフレーミング同様に、グレッグ・マダックスが長年かけて審判とファンに刷り込んだ「この投手のコントロールに狂いはない」という上質な洗脳など、ロボット審判には通用しませんが、それで本当に面白いのでしょうか?

AI技術もブレンドされた将来はストライク・ボールの判定に「(物理的なストライクゾーンの)技術点」だけでなく、打者の裏をかいたり、それまでの打席での駆け引きまで包括した「(数ミリレベルの)芸術点」も加味できるようになるかもしれませんが、それはロボットの役目ではない気もします。

もちろん、ABS導入はスポーツベッティング市場の急成長も大きな背景になっています。MLBでも巨大スポンサーになっているスポーツベッティング産業にとって、曖昧な判定は顧客の不信感を招くだけ。MLBでも、試合を決定づけるプレーに絡んだ人間審判やエラーをした選手などへの脅迫や誹謗中傷への対応は喫緊の課題です。


So, is there a middle ground?
〜だったら、落とし所はどこにあるのか?



水清ければ魚棲まず(孔子家語)。さまざまな事情と清濁を併せ飲むと、チャレンジ形式が最も適切に思えてきます。

「現行の失敗2回までを3回までにすべき」「チャレンジを使い果たしたあとに、とんでもない重大局面が来たらどうするんだ?やっぱりフルABSでは?」という、多くの意見はこれからじっくり検討されるべきでしょう。


The Athleticの記事を要約するつもりでしたが、数字データなどを除いて、ほとんど全てが私見、私の文章になってしまいました。あしからず。

それにしても、ABS。最初は「野球を無機質にするだけ」と否定的な意見もありましたが、水戸黄門の印籠みたいで「いつ出すのか?」や、「捕手ウィル・スミス」のチャレンジは精度が高いが「打者ウィル・スミス」は全くダメ…など、試合を楽しむ隠し味になっています。





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今季からMLBは、ストライク・ボールの判定に異議を唱えて〝ロボット審判〟に判定を委ねるABSチャレンジを導入しました。

すでにマイナーリーグでテストは行われ続けてきたABSですが、それ以前から二つの仮説が立てられ、その通りの数字が表出しています。



ABSチャレンジの権利を持つ3人(投手・捕手・打者)について「ホームベース上を最も近い場所で、最も意識している捕手と打者がABS(正解)に最も近い感覚を持っている」「投手はホームベースから遠いだけでなく投球動作によって目が動き正確な球筋を見極めているとは言い難く、微妙な投球は全てストライクだと思いがち」という仮説でした。

日本で完全中継されるドジャース戦を見ても「ウィル・スミスのチャレンジは成功率が高い」というコメントを何度も聞きます。

さらに、捕手の仮説のなかで「ボール球をストライクに見せかける巧妙なフレーミングを操る捕手がABSチャレンジで優れた成功率をマークする」と予測されたことは、犯罪者プロファイリングにも共通する、ある意味で当然の真理でした。

「ABS導入でフレーミング技術の意味がなくなるというのは間違い」というのは、実はそっちが大間違い。

それは現在のABSチャレンジでの話であって、全てをABSに任せると、ボール球をストライクに見せかけるフレーミングの意味は完全になくなります。

このABSは現行では9イニングで2度の権利がありますが(成功したら回数は減らない)、ビデオ判定と同様に行使されると「試合時間が長くなる」のは当たり前。

試合時間短縮のためにさまざまな方策を実施しているMLBなのに、それに逆行するような取り組みですが、MLBや球団が公認しているスポーツベッティングの売り上げを伸ばすためには公正なジャッジの裏付けは絶対条件。増加傾向にある審判への脅迫なども減ります。

将来的には、試合時間短縮とスポーツベッティングへの裏付けを両立させるため、ハーフスイングなど全てのジャッジを〝ロボット審判〟に任せることになるでしょう。

スポーツベッティング産業が巨大スポンサーになってしまったためとはいえ、なんとも味気ない未来です…。



個人的にはジャッジのレベルがあまりにも酷すぎるボクシングですら、ロボット審判を導入するのも反対です。

まず、厳しい資格試験制度を作る、多くのコミッションで現状の永久安泰職業ではなく厳格な資格更新試験と定年制を実施する、現行の幅が広すぎる「10−9判定」を是正する…などの当たり前の改正があってからのロボット審判です。

しかし、統括団体がローカルなために、世界で一斉に実施なんて出来ません。JBCは世界タイトルマッチの審判やジャッジを海外から招聘するのが通例ですが、見せかけの公正はもうやめて良いと思います。







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【歴史的快挙!】英国遠征中のサッカー日本代表は3月31日(日本時間4月1日)、ウェンブリー競技場で強豪イングランド代表を1―0で破った。イングランドに勝ったのは4度目の対戦で初めて。

******大観衆が詰めかけた聖地ウェンブリーでしたが、そのスタンドの盛り上がりは今一つ。「クラブの試合の方が(スタジアムの)雰囲気が良い」という日本代表の蒲田大地(クリスタルパレス)の言葉は、その通りです。

もちろん、この試合はW杯を見据えた親善試合、もっとはっきりいうと肩慣らし。イングランド代表が主力のFWケーンやMFベリンガーらを欠いていたことからも、肩慣らしですらなかったかもしれません。



【本気のケーンが一撃!】4月7日(日本時間8日)、欧州チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝第1戦が行われ、バイエルン・ミュンヘンが敵地でレアル・マドリードに2ー1で先勝。名門対決第1ラウンドを制し、2季ぶりの4強進出へ前進、重要な2点目はケーンの右足から放たれたミドルシュートだった。直近のCLでは9試合連続勝利なしの“天敵”から14年ぶり白星を挙げた。

******すでに、サッカーでは多くのスター選手が「W杯の優勝よりもCLの舞台に立ちたい」と考えるようになっています。もちろん、W杯はナショナルフラッグを胸に縫い付けて戦う、国を背負った大勝負。キリンがスポンサーの親善試合と違い、イングランドはフルメンバーで臨んできます。


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ESPNにCNNスポーツ、スポイラ誌…ここ15年、米国スポーツメディアのサッカー取扱量の増加ぶりには、隔世の感があります。CNNのトップが欧州CLなんて、20世紀ではあり得ませんでした。



▶︎▶︎▶︎野球のWBCと同列には考えられませんが、LAドジャースとWBC米国代表のどちらが強いかとなるとLAに決まってます。これはサッカーにも当てはまります。

最強を目指して多国籍連合軍を編成するクラブチームと、国籍に縛られ(WBCはそうでもありませんが)チームとしての完成度が低いナショナルチームとでは、戦力は当然ながらチームとしての練度に大きな差があるのは当然です。

これも当たり前の話ですが、アスリートの欲求はカネと名誉だけではありません。自分の能力を最高レベルの舞台でぶつけることです。カネと名誉と最高レベルの舞台は分立しているものではなく、野球ではMLBのMVP、ワールドシリーズのチャンピオンが3つとも手に入れます。

最高レベルの舞台(リーグ)の王者が激突するCLは、フットボーラーにとって途轍もない魅力を持つ存在証明のチャンスです。

野球では、MLBが唯一無二の最高レベルの舞台。MLBのポストシーズンが〝チャンピオンズリーグ〟に相当するのかもしれませんが、リーグ戦で決着のついている相手とあいまみえるというのは、日本のクライマックス・シリーズもそうですが、特に日本人には素直に受け止められません(だから勝利アドバンテージがあるのですが)。去年なんて、もしタイガースがクライマックスで敗退したら、誰が責任を取ってくれると言うのですか!

野球では、まともなリーグはMLBのポンコツの受け皿が基本、つまりはMLBの〝下部リーグ〟である日本と韓国、台湾では絶対に無理ですが、チャンピオンズ・リーグができるほどハイレベルなリーグがひしめくサッカー、今更ながらあらためてすごいです。




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人生初の大阪勤務。慣れ親しんだ土地なのに新鮮です。

しかし、久しぶりに会いたい人の中にはもう亡くなった方も少なくありません。

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亡くなる前に会いたかったな、もう一度酒を酌み交わしたかったなという人は何人もいます。

私が社会人になりたての1990年初め頃には、退役軍人で企業の社長や会長に収まっていたガチの重鎮さんたちもそんな方々です。東京にいらっしゃる方とは違い、長らくご無沙汰したままーーーという方が多くて。

隔世の感しかない彼らの認識、彼らのお話、軍隊の規律の厳しさやら、イジメ、理不尽な命令、末兵たちの本音、いろんな話をお聞きしました。

差し支えないお話では、焼夷弾がとこに落ちるかはシルエットでわかるという話。小さな丸い一点にしか見えなかったらこっちに真っ直ぐ来てしまうということ。点に見えても少しでも横長なシルエットならどんどんそれが長く伸びていって着弾地点は大きくズレる。

「着弾」なんて CompuBoxの着弾率くらいでしが使わない私ですが、これはホンマもんの着弾話です。

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ある方から妙に気に入られた私は、なんと日米退役軍人の懇親会に参加できるという願ってもない機会に恵まれたこともありました。

当たり前ですが、みなさん60過ぎ、年配の方は90超えているような宴会です。足や手を失った人に、車椅子の方も多数。

「何が原因で車椅子になったのかよくわからない人が多勢いますねぇ」なんて、私が耳打ちすると、元中将・現会長は「How did you end up using a wheelchair?って聞いて来い。俺だって車椅子になってたかもしれんし、そもそも死んでたかもしれん」と笑ったりするのでした。

理解不能の化石みたいな人もいましたが、実に興味深い時間でした。

米軍では戦闘機乗りなら不時着を余儀なくされた時のために自給自足の意味だけでなく趣味の釣り道具を載せていた、ものすごい暑さに苦しめられる潜水艦には必ずアイスクリーマーが装備されていたという話を聞いて、日本軍ではあり得ないと感慨にふけったものです。

まだ「プライベート・ライアン」のロードショー前でしたが「米軍では仲間が捕虜になったら必ず救出に行く」ということも聞いていたので「それは士気が上がりますね。それに比べて日本は生きて虜囚の辱めを受けずですからねー」と自虐した私に、米国の退役軍人の老人たちは一斉に否定。

あの映画のように1人の兵士を救出するために何人もの犠牲を出して助け出そうとするのは、助けなければいけない理由があるというのです。

「簡単に救出を諦めたら、助けに来ないんだと思われる。それは非常に都合が悪い」というのです。

「あれは必ず助けに行くから捕虜になってもとにかく生き延びろということじゃない」「必ず助けに行く。それはつまり捕虜になっても寝返って軍事機密を絶対に漏らすなよ」「もし寝返ったら救助部隊にも危害が及ぶ、その場合は残念な任務変更になるし、もし帰国しても残念なことが待っている」ということです。

大日本帝国では「捕虜になって拷問を受けたら機密を漏らすやつも出てくる、だったら捕虜になったら自決しろというのが手っ取り早い」という考えでした。

畢竟、どうやって情報漏洩を防ぐか?どうやって口封じするか?という目的は同じ。方法が違うだけです。

大日本帝国では実際には自決出来ずに、寝返ってしまう兵士も少なくありませんでした。

今回の作戦で米軍は作戦中に損傷した米軍機2機を機密保持のために爆破処理したそうですが、あれも〝口封じ〟の一つ。人間ではなく機械だから爆破させたのではありません。重大な故障を起こして、そこから動かせなくなったから爆破したのです。

「虜囚の辱めを受けず」な日本と、「必ず助けに来る」米国…どちらが怖いかというと…微妙な気もします。

そして、日米で全く共通しているのは規律の厳しさ、イジメ、理不尽な命令、末兵たちの本音でした。敵同士で殺し合ったけど、軍隊・兵隊は国境を越えて同じ生き物、強烈なシンパシーを感じているように見えました。

あの時お会いした方々も、もうほとんど亡くなられているでしょう。

空の上から、今のアメリカ、今の戦争をどう思って見ているのでしょうか。



そして、いつの日か、ロシアとウクライナ、米国とイランの軍人が〝旧交〟を温める、そんな時間を共有することがあるでしょうか…?





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【CNN】敵の前線の背後で切り立った岩の裂け目にひとりで身を隠した米軍士官。負傷しながらも、やるべきことは分かっていた。生き延びて、敵の捜索をかわすこと。

搭乗していた米軍の戦闘機F15E「ストライク・イーグル」がイラン上空で撃墜されてから1日以上、兵装システム士官(WSO)は森林に潜んでイラン軍の追跡をかわし続けた。切り立った崖をよじ登り、標高2000メートルを超す尾根に到達したときもあった。所持していたのは拳銃と通信機器、発信機のみだった。

米軍特殊部隊が高山地帯を捜索して将校を発見し、無事救出するまでの間、米空軍機はイラン軍を寄せ付けないよう、この一帯に爆弾を投下した。


*******

大日本帝国では「生きて虜囚の辱めを受けず」が鉄の掟でしたが、米国は「必ず助けに行く」。

これ、実はどっちも同じ軍国主義の典型の規則でその根本は同じなんです。
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もうすぐプレーボール!NYヤンキースとSFジャイアンツの一戦で開幕するMLB2026シーズン。

注目はロボット審判、Automated Ball-Strike System(ABS)です。直訳すると「自動ボール-ストライク判定システム」。

ストライクゾーンは「打者の肩の上部とズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上端とし、膝頭の下部のラインを下端」としています…あれ?私の認識とは少し違いましたが、そうだったのか…。

一方で、ABSのストライクゾーンは「打者の身長データ」で決めます。上端を身長の53.5%、下端を27%とします。

なんか、違う気もしますが…。ストライクボールの判定は、本当に微妙です。

MLBによると、球審がストライクと判定するのは上端が最大で55.6%、下端が24.2%だそうですから、ABSはこれよりも投手に厳しい、打者の有利なゾーンとなります。

そして、ここが大きな問題なのですが、ABSの判定は平面=二次元で下されるということ。投球がホームベースの真ん中を通過した時点で切り取って判定するのです。現実のストライクゾーンは五角形のホームベースを底辺に五角柱の立体・奥行き=三次元で判定するのがルールですから、ABSの死角を通るストライクが存在することになります。

マイナーリーグの実験で多くの選手が違和感を感じていた要因の一つです。



どのように判定は検証されるのか?…ラフィックがTモバイルのアドバンスド・ネットワーク・ソリューションズから5Gネットワ​​ーク経由で送信され、ビデオボードで会場の観客と、自宅の視聴者にほぼ瞬時に投球結果のアニメーションが、球場のビジョンやテレビ中継でほぼ即時に表示されるのです。


マイナーリーグでは2022年、韓国では2024年から導入されているロボット審判。韓国では初年度に3割打者が激増するなど、予想された打高投低が現実となりました。

審判の間では「やりがいが奪われるような気分」、捕手にも「フレーミングの技術が高い選手の価値が無くなってしまう」と戸惑う声もあります。

今回のABS導入では9回までに2度申告(判定が覆った場合は回数は減らない)出来ますが、全ての投球をABS判定にしたマイナーリーグの実験では四球が増え、ピッチロックによる時短制限が相殺されたとする分析も出ています。

多くの課題を抱え、まだ未完成の〝ロボット審判〟をMLBの舞台への導入を踏み切った背景には、米国で合法化が広がるスポーツベッティングの問題が横たわっています。

明らかな誤審の判定への非難・批判、誹謗中傷は度を超えて、審判の自宅に脅迫状が届くケースもあるそうです。

先日のWBC準決勝、米国が2−1でドミニカを下しましたが、見逃しストライク三振となった最後の1球は明らかに低めに外れたボール。ドミニカに賭けていた人の怒りは、純粋なスポーツファンのそれとは違う種類のものでした。

米国でスポーツベッティングが合法となったのは2018年。今では39の州にワシントンD .C .で解禁。球場の看板、CMでブックメーカーの広告を目にするのは日常の風景になりました。

シカゴ・カブスのリグレー・フィールドにはカジノのように、専用のベッティングブースが設けられているほど定着しています。

スポーツベッティングを認めた時点で、「誤審も野球の一部」というおおらかな気持ちで楽しめる時代は終わってしまいました。

ストライク・ボールと同様に、多くの議論を呼んでいるハーフスイングについても5月から3Aでの実証実験が始まります。すでに実施している1Aでは3%以上三振が減ったそうです。



野球というのは良い意味でも雰囲気のスポーツでした。野手が澱みない一連の流れでボールを回したケースは、微妙なタイミングでもダブルプレーが成立することが多く、微妙な投球でも手元で伸びるボールはストライク、お辞儀する(垂れる)のはボール。

落合博満が悠然と見逃せばボール、マダックスが自信満々に投げ込んだ外角低め一杯はいつだってストライク…。

そんな時代とお別れする時間が来てしまったようです。


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「次はサッカーW杯」。

今年はミラノ・コルティナ五輪に、日本人が大好きWBC(野球)、そしてサッカーW杯があります。

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「次はサッカーW杯」。

これが違う意味合いを、少しだけとはいえ持ってしまって、見てしまう自分が悲しい。

開催国の米国はグループD。〝帝拳セレクション〟的なマッチアップです。グループリーグ突破は間違いないでしょう。突破してくれなければ、困ります。

そして、グループGはベルギー、エジプト、イラン、ニュージーランド。突破の可能性は十分あります。

さきほど、イランサッカー連盟のメフディ・タージ会長がボイコットすると見られていたW杯について「我々がボイコットするのはアメリカ。サッカーではない」と出場する意思を示しました。


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