カテゴリ: 軽量級のメガファイト

𝓣𝓱𝓮 𝓛𝓮𝓼𝓼𝓸𝓷 𝓪𝓫𝓸𝓾𝓽 𝓽𝓱𝓮𝓲𝓻 𝓛𝓮𝓪𝓹𝓼

翔ぶ教室、複数階級制覇です。

21世紀も4分の一が経過した現在、それは非常に安易な作業に成り下がってしまいました。

私がボクシングの世界に引き込まれた1980年代初頭、3階級制覇はボブ・フィッツモンズ(ミドル/ライトヘビー/ヘビー)、ヘンリー・アームストロング(フェザー/ライト/ウエルター)、ウィルフレド・ベニテス(ジュニアウエルター/ウエルター/ジュニアミドル)、アレクシス・アルゲリョ(フェザー/ジュニアライト/ライト)の4人だけ。

最近では「団体と意階級が無意味に膨張している時代との整合性」を理由に、当時は一般的に認められていなかったジュニアウエルター級を含めると3階級制覇となるトニー・カンゾネリ、バーニー・ロスをカウントする見方もありますが、同じ1930年代を席巻したアームストロングと数字上は同列に扱うことになります。

個人的には賛同できませんが、このスポーツには悪い意味でもタブーはありません。解釈は十人十色、自由です。

しかし、複数階級制覇が劇的に安易になった事実は否定しようがありません。

1900年起源で考えても、80年以上の歳月で4人しか誕生しなかった3階級制覇。単純計算で20年に一人生まれるかどうかの偉業でした。

ところが、アルゲリョが阻まれた4階級制覇はトーマス・ハーンズが1987年にマークしてから今年までの40年間で26人が濫造されています。

日本人という枠組みで見ても、JBC発足(1952年)からの58年間でファイティング原田と井岡弘樹の2階級制覇が最多でしたが、2010年に亀田興毅が日本史上初の3階級制覇を達成すると、2024年の中谷潤人までわずか14年で井岡一翔、八重樫東、長谷川穂積、井上尚弥、田中恒成と7人が3階級制覇の〝偉業〟に雪崩れ込みました。2年に一人誕生する計算です。

IMG_3867

私のボクシングファン歴というのは、この「安易な複数階級制覇の時代」にオーバーラップしてきました。

そこに渦巻いていたのは「予想とオッズをひっくり返す衝撃の大番狂せ」と「スターシステムに忠実に則った権謀術数」でした。

1981年のサルバドル・サンチェスvsウィルフレド・ゴメス、1987年のマービン・ハグラーvsシュガー・レイ・レナード、2001年のバーナードvsホプキンスvsティト・トリニダード、2008年のオスカー・デラホーヤvsマニー・パッキャオ(完全ノンタイトル=非複数階級制覇でしたが衝撃度はタイトル戦を遥かに上回る〝階級の壁の破壊〟でした)、2017年のゲンナジー・ゴロフキンvsカネロ・アルバレス、2025年のカネロvsテレンス・クロフォード…。

そして、来春の実現が期待されている井上尚弥vsバム・ロドリゲス。

バムは井上のキャリアだけではなく、日本ボクシング史上でもファイティング原田vsエデル・ジョフレ初戦に次ぐ、日本人が迎える世界評価が最も高いファイターです。

その展開と結末に世界中のボクシングファンが驚愕したビッグファイトを振り返りつつ、井上vsバムの展開も並走させていきます。

IMG_4507
☝︎古いお友だちとの待ち合わせ。「中トロと豚足」…ここにも何やら〝階級の壁〟がありそうだが、勇気を振り絞って壁を崩落させてやるのだ!





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

Sunday, 27 September 2026 - Toyota Arena Tokyo
Koto-Ku, Tokyo, Japan

commission:Japan Boxing Commission
promoter:Akihiko Honda (Teiken Promotions)
メディア:PRIME VIDEO BOXING 16




◾️WBCバンタム級12回戦◾️


返り討ちか雪辱か。

初戦は拓真の番狂せでの勝利。これを受けて再戦では天心が11/5(3.2倍)でアンダードッグ。拓真が4/9(1.44倍)と逆転。最新オッズは拓真の2/5(1.4倍)、天心2/1(3倍)。

天心の入場曲は忌野清志郎かと思いきや、矢沢永吉でした。天心よりもスティッチ・デュランが気になる…天心、カットしないかな?

第2ラウンド、天心が拓真からスリップダウン、タイミングは合っています。どちらもBプランにスムースに移行できないタイプだけに、どちらが主導権を握るか?

第4ラウンド、拓真のフックが天心の首に引っ掛けて天心がカンバスに手を付きますが、もちろんダウンではありません。

1−4ラウンドの公開採点は40−36/39−37/38−38で拓真。これは、挑戦者の天心にとって厳しい。天心は倒しに行くしかありません。

第7ラウンド、天心が左でダウンを奪う。けして打たれ強くはない、ピンチにも弱い拓真。ここは凌いでインタバルに逃げ込むしかありません。

第8ラウンド、重要な3分間になりましたが…。第8ラウンドまでの公開採点は77−74*2で拓真、76-75で天心の2−1。

第10ラウンドに天心を送り出すコーナーは「倒しに行け(倒すしかない)」。しかし、天心も拓真もディフェンスしか頭にない。綺麗な顔のままの両者。

別のファイターを持ち出すのが禁句なんもは承知の上で、井上尚弥のつま先重心がいかに勇気のいるスタンスかあらためて思い知らされました。

ここが、天心の限界。

UDで拓真。116−111*2/114−113。最初の4ラウンドの公開採点が、今回も天心に厳しいものになりましたが、これはもう言い訳。残り8つもラウンドがあるので、これはもう倒しに行かなければなりません。

それを遂行したのかもしれませんが、パンチが悲しいほど無さすぎました。
















このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

Sunday, 27 September 2026 - Toyota Arena Tokyo
Koto-Ku, Tokyo, Japan

commission:Japan Boxing Commission
promoter:Akihiko Honda (Teiken Promotions)
メディア:PRIME VIDEO BOXING 16


boxing-990x557


◾️IBFジュニアフェザー級暫定王者決定12回戦◾️

西田凌佑 vs サム・グッドマン

来年、この階級のUndisputed champion 井上がバム・ロドリゲスと防衛戦を行えばIBFは認定料の美味しい二重取り。それだけを考えると癪なので、井上にはフェザー級に上げてIBFに肩透かしを食わせてほしい気もします。

西田の4/7(1.57倍):グッドマン21/10(3.1倍)から8/15(1.53倍):6/4(2.5倍)。この1戦の賭け率は拮抗しています。

キャリア初の10万ドルファイトに挑む貧困ファイター、グッドマン、入場から気合い十分です。グローブはグラント、目尻だけでなく拳も弱そうです。

西田は身長173㎝でも、この階級では「長身」…。グッドマンは「技術もパワーもないが、運動量は多い」(村田諒太)。

立ち上がりは五分の展開ですが、フィジカルはグッドマン。

決定的な場面を作れないまま、第10ラウンドで西田がローブローで減点。コーナーから「厳しすぎるで」の声がマイクに拾われますが、ここまで何度もありましたから仕方がありません。

中谷潤人戦もそうでしたが、西田は世界基準では気持ちが弱い。飲まれてしまってます。

判定が勝ってたら驚きです。

オフィシャルは…やはりUDでグッドマン。完敗でした。





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

Sunday, 27 September 2026 - Toyota Arena Tokyo
Koto-Ku, Tokyo, Japan

commission:Japan Boxing Commission
promoter:Akihiko Honda (Teiken Promotions)
メディア:PRIME VIDEO BOXING 16


boxing-990x557


◾️WBCジュニアバンタム級王者決定12回戦◾️

坪井智也 vs リカルド・マラジカ

坪井が勝てば田中恒成と吉良大弥に並ぶ、プロ「5」戦目での日本最短タイトル獲得(坪井の「5」にはノーコンテストの1試合を含む)。世界的にはセンサク・ムアンスリンとワシル・ロマチェンコが持つ「3」戦目が最短。

WBAジュニアフライ級に挑戦した呂斌(ルー・ビン)や、WBCヘビー級のリコ・バーホーベンらは失敗したとはいえ2戦目でタイトルアタック。デビュー戦でタイトル獲得の〝大偉業〟はいつ達成されてもおかしくありません。

坪井の3/10(1.3倍):マラジカ5/2(3.5倍)から1/5(1.2倍):7/2(4.5倍)へ。

トヨタアリーナ、見やすそうです。プライムビデオで見てるんですが。

松岡修造に語った「ノーマスな展開で勝ちたい」。坪井智也は〝ノマスツボイ〟になれるか?

今夜は4回も国歌を聞かされるのか…JBCは「団体統一戦以外は国歌斉唱なし」で良いと思います。いや「Undisputed」だけで良いか?

オープニングで坪井がバッティングで額の中央から出血。しかし、コーナーにはMMAでも高名なスティッチ・デュラン!!!世界最高のカットマンです。

マラジカのコーナーにはブライアン・ミッチェル!アパルトヘイトの嵐の中で不自由な活動を強いられた伝説の130パウンダー。彼が黒人のマラジカのコーナーを守るのも、また素晴らしい風景です。

坪井は日本では珍しいエリートアマですが、本当に傑出したテクニシャンかというと、そうではありません。「日本では」です。

プロでもバム・ロドリゲスと比べると、その動きはわかりやすい直線的。

この南アフリカ人は、坪井にとってキャリア最強の相手です。ノーマスとはかけ離れたクロスゲーム。坪井がこれだけ被弾するのはプロで初めて。

8ラウンドまでの公開採点は坪井がリードですが…。

最終回、スコアに自信のない両者は打撃戦へ!

中立のリング、ラスベガスなら勝ててないかもしれません。

坪井の勝利と思いきや、オフィシャルはSDでマラジカ。

これは良い採点でした。

「納得できる判定」(村田諒太)。その通りでした。

公式採点は、坪井から見て112-116 / 115-113 / 113-115。




このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

Sunday, 27 September 2026 - Toyota Arena Tokyo
Koto-Ku, Tokyo, Japan

commission:Japan Boxing Commission
promoter:Akihiko Honda (Teiken Promotions)
メディア:PRIME VIDEO BOXING 16


boxing-990x557



◾️WBAストロー級暫定王者決定12回戦◾️

松本流星 vs ラッセル・アコスタ

WBA /WBO王者オスカー・コラーゾが、10月10日に2階級上のWBA /WBOフライ級王者リカルド・サンドバルとのビッグファイトのリングに上がった瞬間に、WBAは「タイトルを剥奪する」と通達していましたから、この試合の勝者が正規王者に昇格するはずでした。

ところが、コラーゾが練習中に負傷、サンドバル戦は中止。コラーゾの次戦は目処が立たず、ストロー級に戻ることも考えられないことから、松本vsアコスタのタイトルマッチから「暫定」の文字が外れるかもしれません。

最新オッズは松本の勝利が1/5(1.20倍):アコスタ9/2(5.5倍)から1/8(1.13倍):5/1(6倍)へ。

しかし、ジミー・レノンJr.って要りますか?

28歳の日本人サウスポーは8戦全勝4KO。一つ年下のメキシカンは17戦全勝6KO。無敗対決です。

序盤から忙しいパンチ交換。ストロー級らしいきびきびした攻防です。

両者ともコンディションは良さそう。特にアコスタはビデオで見た過去の試合とは全く違います。

前半6ラウンド終了、採点は松本に流れているでしょうが、主導権を握っているとはいえず、アコスタのパンチは生きています。

アコスタのコーナーも微妙なラウンドを拾ってくれているとは考えていないでしょう。攻撃を加速してくるはずです。

残り3ラウンド。後半はメキシカンが押しています。少し、難しい試合になってしまいました。

チャンピオンシップラウンド。偶然のバッティングでアコスタが左目上をカット。

松本のボディが有効ですが、ローブローも多い。敵地なら減点ものですが、コーナーはそれも織り込み済みでの「もっと下でもいい!」という指示。

「完封ではなく圧勝する」「軽量級とは思えないKOを」という理想とはかけ離れた内容で最終回のゴング。

3−0のユナニマス(118−110/116−112/115−113)。どのスコアにもに文句はありません。



このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

Sunday, 27 September 2026 - Toyota Arena Tokyo
Koto-Ku, Tokyo, Japan

commission:Japan Boxing Commission
promoter:Akihiko Honda (Teiken Promotions)
メディア:PRIME VIDEO BOXING 16


boxing-990x557



◾️WBAストロー級暫定王者決定12回戦◾️

松本流星 vs ラッセル・アコスタ

WBA /WBO王者オスカー・コラーゾが、10月10日に2階級上のWBA /WBOフライ級王者リカルド・サンドバルとのビッグファイトのリングに上がった瞬間に、WBAは「タイトルを剥奪する」と通達していましたから、この試合の勝者が正規王者に昇格するはずでした。

ところが、コラーゾが練習中に負傷、サンドバル戦は中止。コラーゾの次戦は目処が立たず、ストロー級に戻ることも考えられないことから、松本vsアコスタのタイトルマッチから「暫定」の文字が外れるかもしれません。

最新オッズは松本の勝利が1/5(1.20倍):アコスタ9/2(5.5倍)から1/8(1.13倍):5/1(6倍)へ。




◾️WBCジュニアバンタム級王者決定12回戦◾️

坪井智也 vs リカルド・マラジカ

坪井が勝てば田中恒成と吉良大弥に並ぶ、プロ「5」戦目での日本最短タイトル獲得(坪井の「5」にはノーコンテストの1試合を含む)。世界的にはセンサク・ムアンスリンとワシル・ロマチェンコが持つ「3」戦目が最短。

WBAジュニアフライ級に挑戦した呂斌(ルー・ビン)や、WBCヘビー級のリコ・バーホーベンらは失敗したとはいえ2戦目でタイトルアタック。デビュー戦でタイトル獲得の〝大偉業〟はいつ達成されてもおかしくありません。

坪井の3/10(1.3倍):マラジカ5/2(3.5倍)から1/5(1.2倍):7/2(4.5倍)へ。




◾️IBFジュニアフェザー級暫定王者決定12回戦◾️

西田凌佑 vs サム・グッドマン

来年、この階級のUndisputed champion 井上がバム・ロドリゲスと防衛戦を行えばIBFは認定料の美味しい二重取り。それだけを考えると癪なので、井上にはフェザー級に上げてIBFに肩透かしを食わせてほしい気もします。

西田の4/7(1.57倍):グッドマン21/10(3.1倍)から8/15(1.53倍):6/4(2.5倍)。この1戦の賭け率は拮抗しています。




◾️WBCバンタム級12回戦◾️


返り討ちか雪辱か。

初戦は拓真の番狂せでの勝利。これを受けて再戦では天心が11/5(3.2倍)でアンダードッグ。拓真が4/9(1.44倍)と逆転。最新オッズは拓真の2/5(1.4倍)、天心2/1(3倍)。







このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

日本では一蓮托生のイメージがまだ濃いボクサーとトレーナーの関係ですが、海外の有名選手で生涯変わらなかったのはマービン・ハグラーらほんの一握り。

トレーナーを変えるのは、多くの場合でカネか敗北、あるいはその両方がきっかけです。

父親との二人三脚でキャリアを積み重ねてきたブランドン〝The Heartbreaker〟フィゲロアのケースは、格下と見られたスティーブン・フルトンに2連敗したことが引き金になりました。

「負けるはずのない相手に2度も負けたショックは深刻だった」。

フィゲロアが父親と袂を分かち、門を叩いたのがマニー・ロブレス。

全米アマチュアチームを指導、プロでもオスカー・バルデスマイケル・コンランを指導、アンディ・ルイスJr.にアンソニー・ジョシュアを破壊させる大番狂せを起こしたことでその名を世界に轟かせた名伯楽です。

アンダードッグが大番狂せを起こすのは、並大抵のことではありません。「圧倒的有利と見られるファイターは採点でも追い風を受ける。ひっくり返すには明白な勝利が必要だ」。

「我々は奇跡やラッキーパンチを期待しない。世界にあんたたちの評価は間違っているよと教えてあげるための準備をするだけだ」。

しかし、アンディ・ルイスJr.がジョシュアとのダウン応酬の激闘を制し、メキシコ大統領府に招かれる国民的英雄になっても「一発で試合が決まるヘビー級ではよくあること」とロブレスの手腕を過小評価するメディアやファンも少なくありませんでした。

ところが、彼は2年とちょっとの時間で、わずか126ポンド「羽毛」と呼称されるフェザー級で2度、人気階級のスーパーミドル級でも1度、大番狂せをやってのけました。



最初は、現在の階級最強と目されるWBOフェザー級王者ラファエル・エスピノサ。2023年12月、キューバ人コミュニティを抱えるフロリダのリングは完全アウエー、アンダードッグでした。

相手は五輪2大会金メダルのロベイシ・ラミレス。第5ラウンド終了間際に痛烈なダウンを喫しましたが、そこから逆襲。最終回にダウンを奪い返して、2−0のクロスゲームをものにしました。1年後の12月7日の再戦でもオッズは不利でしたが、6ラウンドでエリートアマの俊才をTKOに下してその実力を認めさせます。

「精密機械のようなラミレスがゴリ押しファイターに弱いことはわかっていた。長身で手足が長いラファの重圧を全面に出すのは当たり前の解答だった」。

そして、昨年5月のラスベガス、ミケロブ・ウルトラアリーナで、WBAスーパーミドル級暫定王者のケイレブ・プラントはアルマンド・レセンディスにまさかの大苦戦、SDで大番狂せに沈みました。このとき、レセンディスのコーナーを守っていたのも、マニー・ロブレスでした。

「きれいなスタイルにこだわるプラントを泥試合に引き摺り込むのが作戦だった。プラントが嫌がり、相手コーナーが大声をあげて焦る光景は壮観だったよ」。

そして、今年2月にはやはり完全敵地のリバプールに乗り込み、WBAフェザー級王者ニック・ボールを最終回でストップしたブランドン・フィゲロアもまた完全アンダードッグ。ハートブレイカーを「この回で終わらせろ」と送り出したのが、やはりマニー・ロブレス。

初めての海外遠征、咬ませ犬扱いのフィゲロアでしたが、文句なしのKO劇に敵地は静まり返りました。

The sport’s most trusted Architects of Underdog Victories〜ボクシング界最高の番狂せ請負人。

マニー・パッキャオがリングの中の番狂せファイターなら、もう一人のマニー、ロブレスはコーナーに陣取る番狂せ請負人です。

しかし、その道のりは平坦ではありませんでした。

2007年に優秀なトレーナーだったシニアが急逝してしまい、後を継ごうと考えていたトレーナー業の道が塞がれてしまいます。

それでも「父親から教えられた貴重な知見を後世に残すのは私の義務」と、日中は大工として働き詰め、夜はボランティア同然のトレーナーに没頭します。

無名のトレーナーの元に集まるのは無名の選手だけでしたが、最も身近な存在である妻サンドラはその才能に気づきます。

「マニーが指導すると負けに慣れた選手たちの目がはっきりと輝くことに気づくのに大した時間はかからなかったわ」。

注目度の低い試合で大きな番狂わせを繰り返す中で、ロブレスの手腕は選手やトレーナーたちの間で徐々に評価を高めゆきます。



そして、ヘビー級のスーパースターで当時無敵のアンソニー・ジョシュアの米国デビュー。対戦相手ジャレル・ミラーのリザーブにアンディ・ルイスJr.が選ばれると、ロブレスは周到な準備を始めました。

テクニック、スピード、パワー、経験…あらゆる要素で劣っていたルイスでしたが、短い両手を利したパンチの回転力だけが上回っていました。「答えは極めて簡単だった。距離をつぶすしてクロスレンジの打撃戦に持ち込めばアンディが圧倒できる」。

マディソン・スクエア・ガーデンを番狂せの館に変えた夜、ロブレスの能力はもはや隠しきれないものになり、エスピノサ、レセンディス、フィゲロアと短期間で大番狂せを引き起こし、その手腕を証明しました。



⬆︎晝田瑞希のミットを持つのはマニー・ロブレス3世、ロブレスの息子です。コーナーで晝田のWBOベルトを手に見守っているのがロブレスです。



フィゲロアは「ロブレスのジムは私を歓迎してくれた。ミズキもそうだが、彼らは番狂せを狙うファイターが大好きで、それを起こすのが楽しくて仕方がないんだ」と、すっかり馴染んでいます。

10月17日、ラスベガス・コスモポリタンで初防衛戦に迎えるのは世界的には全く怖さのない〝女子ボクサーのようにパンチの軽い〟亀田和毅。

しかし、油断と戦略ミスで連敗したフルトンと亀田は「世界基準では決定力ゼロでもペチペチでペースをつかむ」点で近似しています。

さらに、舞台はホームリングで、フルトン戦以上にオッズも予想もフィゲロアに偏っています。

亀田和毅がロブレスに大番狂せを突き付けるーーーそんなシーンを可能性ゼロとは言い切れません。


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

スクリーンショット 2026-09-24 18.50.50

井上拓真vs那須川天心2。

この試合で特別気合が入っているのは、当事者の二人だけではありません。

世界ボクシング評議会、WBCです。

WBCは公式HPで「WBC SPECIAL PREVIEW: TAKUMA INOUE VS TENSHIN NASUKAWA」と、人気階級並みの大はしゃぎ。

WBCバンタム級歴代最高王者トップ10も作成して①カルロス・サラテ、②エデル・ジョフレ、③ルーベン・オリバレス、④ウィラポン・ナコンルアンプロモーション、⑤山中慎介、⑥辰吉丈一郎、⑦長谷川穂積、⑧ルペ・ピントール、⑨ラファエル・エレラ、⑩薬師寺保栄。

日本人が4人もランクイン。WBCがWBAから分離独立した「1966年以降のWBC王者」に限定したバンタム級PFPと思いきや、1965年にファイティング原田に敗れてタイトルを手放したジョフレは2位にランクイン。

ジョフレを入れないバンタム級ランキングは説得力がないと思ったのかどうかわかりませんが、だったら原田はどうした?ノニト・ドネアや井上尚弥は団体統一王者でWBC色が薄いから外したのか?それとも複数階級制覇のイメージが強いからか?

ジェフ・チャンドラーや1990年に始まったリング誌PFPで10傑入りのオルランド・カニサレス、ラファエル・マルケスらは非WBCタイトルホルダーだったので納得も、非常に評価の高かったWBC王者ミゲール〝ハッピー〟ロラは忘れちゃったか?

WBCが伝統的に日本人贔屓なのは高額の認定料が期待できるのはもちろんですが、WBCの提案にJBCもファンも従順なこともあるでしょう。

米国や英国で「試合の興味を削ぐ最悪のシステム」と酷評され、ほとんど採用されることのない公開採点が日本では当たり前に受け入れられているのはその最たる例です。

この試合の勝者に贈られるWBC記念リングも用意、こちらは拓真と天心の名前が刻まれたものを一つずつ製作したということです。そういえば、井上尚弥vs中谷潤人でも勝者へのリングが作られましたが、二人に贈られました。

今回も「勝者」だけではなく両者に贈られることになりそうです。

初戦で用意されたサムライベルトのような特別ベルトは今回は無いのでしょうか?

いずれにしても、リングもベルトもその製作費は、間違いなく認定料の中からあてがわれています。

別途買取制のダイアモンドベルトと同じなら、選手側が負担することになります。




このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

Saturday, 17 October 2026 - The Fight

Cosmopolitan of Las Vegas, Las Vegas, Nevada, USA

commission:Nevada Athletic Commission

promoter:Tom Brown (TGB Promotions)
matchmaker:Tom Brown (TGB Promotions),
Whitfield Haydon (Whitfield Haydon Boxing),
Joseph Rotonda (Main Events)

 view on DAZN  • USA TNT

◾️WBAフェザー級12回戦◾️

わすか68名の投票ですが、96−4という壊滅的大差でフィゲロアが勝つと見られています。


BET MGMのオッズは王者が1/5(1.2倍)、和毅11/4(3.75倍)。

メインにWBCジュニアミドル級王者セバスチャン・フンドラ、アンダーカードに復活途上のジャモール・チャーロと注目度の高いイベントに食い込んだフィゲロアと和毅。

相手は軽量級ではビッグネームと言える〝ハートブレイカー〟フィゲロア。

キャリア18年、47戦(42勝23KO5敗)、35歳の和毅にとって進退を賭けるにふさわしい舞台です。

ペチペチ和毅にとって、フィゲロアは明白に主導権を握ることは特に難しい相手。今回も「36分間、我慢強く戦ったけど、決定的な場面は一度も作れなかった」という今までの負けパターンが繰り返されそうです。

サンドバッグやスパーで見せる思い切り体重を乗せて打ち下ろすパンチを放って玉砕ーーーという最期が見れたら感動ものですが…。


IMG_3164

冷やし中華、終わります。秋ですね。


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

Sunday, 27 September 2026 - Toyota Arena Tokyo
Koto-Ku, Tokyo, Japan

commission:Japan Boxing Commission
promoter:Akihiko Honda (Teiken Promotions)
メディア:PRIME VIDEO BOXING 16



解説は山中慎介と村田諒太に、内山高志。強打の元チャンピオンが居並びました。

テレビ観戦において、解説は意外と重要です。好き嫌いもかなりありそうです。

米国や英国では解説者の独自採点(unofficial score)をパンチスタッツとともに、発表されることが多いのですが、日本でも定着して欲しいものです。

また「公式採点が正解」という認識が強い日本では「リングに近いジャッジの印象とテレビでは違う」という意味の言葉がよく語られています。

これは良い意味でジャッジへの信頼、公式採点へのリスペクトです。

しかし、ボクシングのジャッジは他のスポーツと違い、資格制度は甘く、その更新試験や研修もありません。一旦、取得すると永遠有効の資格です。海外でよくある「あのジャッジは明らかにおかしい」という批判は、日本ではほとんど聞かれません。

また「10−10は付けてはいけない」という誤解が解説者や専門家にまである程度広がっていることも呆れた問題です。

おかしなジャッジの多くは、ジャッジの技量不足だけではなく「無理やり10−9」の蓄積の結果からも引き起こされていることは言うまでもありません。

ルールブックはもちろん、海外メディアの記事なども読んでないのか?と疑わしくもなります。





◾️WBAストロー級暫定王者決定12回戦◾️

松本流星 vs ラッセル・アコスタ

WBA /WBO王者オスカー・コラーゾが、10月10日に2階級上のWBA /WBOフライ級王者リカルド・サンドバルとのビッグファイトのリングに上がった瞬間に、WBAは「タイトルを剥奪する」と通達していましたから、この試合の勝者が正規王者に昇格するはずでした。

ところが、コラーゾが練習中に負傷、サンドバル戦は中止。コラーゾの次戦は目処が立たず、ストロー級に戻ることも考えられないことから、松本vsアコスタのタイトルマッチから「暫定」の文字が外れるかもしれません。

オッズは松本の勝利が1/5(1.20倍)、アコスタ9/2(5.5倍)。



◾️WBCジュニアバンタム級王者決定12回戦◾️

坪井智也 vs リカルド・マラジカ

坪井が勝てば田中恒成と吉良大弥に並ぶ、プロ「5」戦目での日本最短タイトル獲得(坪井の「5」にはノーコンテストの1試合を含む)。

世界的にはセンサク・ムアンスリンとワシル・ロマチェンコが持つ「3」戦目が最短。

WBAジュニアフライ級に挑戦した呂斌(ルー・ビン)や、WBCヘビー級のリコ・バーホーベンらは失敗したとはいえ2戦目でタイトルアタック。デビュー戦でタイトル獲得の〝大偉業〟はいつ達成されてもおかしくありません。

坪井が3/10(1.3倍)、マラジカ5/2(3.5倍)。




◾️IBFジュニアフェザー級暫定王者決定12回戦◾️

西田凌佑 vs サム・グッドマン

井上尚弥のフェザー級進出を見越しての暫定王者決定戦。

IBFとしては認定料が巨額の井上にずっとベルトをキープして欲しいというのが本音ですが、井上は来年初めに予定されているバム・ロドリゲス戦を最後にこのクラスのタイトルを返上するのが決定的。

ならば、認定料取得の間隔を伸ばしたくないから少しでも早く暫定王者決定戦を実施するのは当然です。

西田が4/7(1.57倍)、グッドマン21/10(3.1倍)。




◾️WBCバンタム級12回戦◾️


返り討ちか雪辱か。

初戦は拓真の番狂せでの勝利。これを受けて再戦では天心が11/5(3.2倍)でアンダードッグ。拓真が4/9(1.44倍)と逆転。

バム・ロドリゲスが〝一次停泊〟するものの、井上尚弥によって焼け野原にされた焦土感がまだ拭えないバンタム級。単体で売れるのは天心だけというのが現実ですが、このアトラクションが連敗するようだとますます難しい階級になりそうです。






このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ