𝓣𝓱𝓮 𝓛𝓮𝓼𝓼𝓸𝓷 𝓪𝓫𝓸𝓾𝓽 𝓽𝓱𝓮𝓲𝓻 𝓛𝓮𝓪𝓹𝓼

翔ぶ教室、複数階級制覇です。

21世紀も4分の一が経過した現在、それは非常に安易な作業に成り下がってしまいました。

私がボクシングの世界に引き込まれた1980年代初頭、3階級制覇はボブ・フィッツモンズ(ミドル/ライトヘビー/ヘビー)、ヘンリー・アームストロング(フェザー/ライト/ウエルター)、ウィルフレド・ベニテス(ジュニアウエルター/ウエルター/ジュニアミドル)、アレクシス・アルゲリョ(フェザー/ジュニアライト/ライト)の4人だけ。

最近では「団体と意階級が無意味に膨張している時代との整合性」を理由に、当時は一般的に認められていなかったジュニアウエルター級を含めると3階級制覇となるトニー・カンゾネリ、バーニー・ロスをカウントする見方もありますが、同じ1930年代を席巻したアームストロングと数字上は同列に扱うことになります。

個人的には賛同できませんが、このスポーツには悪い意味でもタブーはありません。解釈は十人十色、自由です。

しかし、複数階級制覇が劇的に安易になった事実は否定しようがありません。

1900年起源で考えても、80年以上の歳月で4人しか誕生しなかった3階級制覇。単純計算で20年に一人生まれるかどうかの偉業でした。

ところが、アルゲリョが阻まれた4階級制覇はトーマス・ハーンズが1987年にマークしてから今年までの40年間で26人が濫造されています。

日本人という枠組みで見ても、JBC発足(1952年)からの58年間でファイティング原田と井岡弘樹の2階級制覇が最多でしたが、2010年に亀田興毅が日本史上初の3階級制覇を達成すると、2024年の中谷潤人までわずか14年で井岡一翔、八重樫東、長谷川穂積、井上尚弥、田中恒成と7人が3階級制覇の〝偉業〟に雪崩れ込みました。2年に一人誕生する計算です。

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私のボクシングファン歴というのは、この「安易な複数階級制覇の時代」にオーバーラップしてきました。

そこに渦巻いていたのは「予想とオッズをひっくり返す衝撃の大番狂せ」と「スターシステムに忠実に則った権謀術数」でした。

1981年のサルバドル・サンチェスvsウィルフレド・ゴメス、1987年のマービン・ハグラーvsシュガー・レイ・レナード、2001年のバーナードvsホプキンスvsティト・トリニダード、2008年のオスカー・デラホーヤvsマニー・パッキャオ(完全ノンタイトル=非複数階級制覇でしたが衝撃度はタイトル戦を遥かに上回る〝階級の壁の破壊〟でした)、2017年のゲンナジー・ゴロフキンvsカネロ・アルバレス、2025年のカネロvsテレンス・クロフォード…。

そして、来春の実現が期待されている井上尚弥vsバム・ロドリゲス。

バムは井上のキャリアだけではなく、日本ボクシング史上でもファイティング原田vsエデル・ジョフレ初戦に次ぐ、日本人が迎える世界評価が最も高いファイターです。

その展開と結末に世界中のボクシングファンが驚愕したビッグファイトを振り返りつつ、井上vsバムの展開も並走させていきます。

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☝︎古いお友だちとの待ち合わせ。「中トロと豚足」…ここにも何やら〝階級の壁〟がありそうだが、勇気を振り絞って壁を崩落させてやるのだ!