ナイジェル・コリンズの「軽量級が面白いのには理由がある」です。
拙訳・駄文、ご容赦ください。
🇺🇸🇺🇸🇺🇸SUPER FLY と聞いて何のことかわからないボクシングファンもいるかもしれない。115ポンド、ジュニアバンタム級の別名だ。
そもそもジュニアバンタムに関心が無いボクシングファンがほとんどだろう。
この SUPER FLYをタイトルにした興行が2月22日にイングルウッドのザ・フォーラムで開催された。
〝決勝戦〟を戦ったシーサケット・ソールンビサイとファン・フランシスコ・エストラーダは、スピードとパワー、スタミナ、高度な戦術を惜しげもなく披露、素晴らしい試合を見せてくれた。
それなのに、一般的なボクシングファンは二人の名前を聞いたことがないかもしれない。
米国のボクシングファンが「非力なパンチを交換する軽量級は面白くない」という偏見と誤解に硬直してしまうのは仕方が無いことかもしれないが、彼らは重大な過ちを犯してしまっている。そして何よりも、ボクシングファンとして、享受できる楽しみの半分を自ら放棄しているのだ。…いや、もしかしたら、それは「半分以上」と言っても良いかもしれない。
リング誌4月号〜「12月30、31日。暮れも押し迫ったこの時期、日本のリングはお祭り騒ぎになる!」。
スピードとテクニックはもちろん、パワーまで、軽量級の試合にはボクシングの面白さの全てが詰まっている!(そうではない試合もあるにはありますが…) 余談ですが、リング誌は拳四郎のことを苗字が拳で、名が四郎だと完全に勘違いしています。〝Ken Shiro〟と表記して「Shiro felt the love in the arena on his way to the ring」(四郎は大声援を楽しみながらリングへ向かった)なんて感じです。拳四郎は切り離したらあきまへん。
「軽量級の方が面白い」。この事実は、科学的、医学的にも説明ができる。軽量級のファイターは生理学的に、中重量級ボクサーよりも優れているのだ。
このことは、ボクシングライターで生物学者でもあるマシュー・スウェインがわかりやすく説明してくれている。
★★★優れたヘビー級や重量級のボクサーが急にガス欠を起こすシーンを見たことがあるだろう。飛び抜けた身体能力を持つアンソニー・ジョシュアやデオンティ・ワイルダーですら、12ラウンドの中で失速、休息する時間を作ってしまう。
しかし、優れた軽量級のボクサーはより多くのパンチを放ってもガス欠を起こすことは珍しい。ローマン・ゴンザレスは、ヘビー級の平均をはるかに凌ぐ多くのパンチを繰り出しながら12ラウンド36分間を戦い切ることができる。
この秘密は、肺(肺胞)の面積にある。大きな体の重量級ボクサーは、小さな軽量級と比較して大きな肺を持っているが、酸素を取り込む肺胞の総面積は実はほとんど変わらない。
巨体の重量級はその体を動かすのに大きなエネルギーが必要であるのに、酸素を取り込むための器官は、その大きな体に比して決して大きくないのだ。
逆に、小さな軽量級ボクサーはより小さなエネルギーで体を動かすことができる上に、酸素を取り込む肺胞の面積は、小さな体に比して広い。
重量級のボクサーが雄牛がツノを付き合わせるように停滞したボクシングに陥りやすいのに対して、軽量級のボクサーは足も手も速く躍動的な攻防を展開する。
身長2m1㎝、リーチ2m11㎝、体重は重い時で100kgを大きく超えてくるワイルダーが、その肉体を動かすエネルギー、一発のパンチを放つときに消費されるエネルギーは甚大なものがありますが、その酸素供給能力は軽量級と大きな差がないと、スウェインは分析しています。
ヘビー級のボクサーがシーサケットのように無尽蔵のスタミナで、無数のパンチを繰り出して攻め続けることは不可能だ。200ポンドを超える巨体と、研ぎ澄まされた115ポンドでは消費エネルギーが違いすぎるのだ。
軽量級の試合をまともに見たことがないのに「迫力がない」と決めつけている米国のボクシングファンでも、ロマゴンやシーサケット、エストラーダの試合を見れば、自分が大きく間違っていたことに簡単に気づくことが出来るだろう。★★★ 🇺🇸🇺🇸🇺🇸
軽量級の方が身軽で動きが速く、ダイナミックであること、短いリーチから繰り出されるパンチの回転力は長いリーチのそれを当然上回り、見た目のスピードも速い、ということはわかっていましたが、スタミナ面でも「肺胞の面積を根拠にした酸素供給能力」という点から軽量級に分があるというのは初耳でした。
ヘビー級をはじめとした重量級を擁護するわけではありませんが、彼らの試合からは軽量級では感じることのできないド迫力が体感できます。
そして何よりも、「本質的な強さ」がビリビリ伝わってきます。世界的には中量級ですが、ミドル級の村田諒太のパンチなんて、その肉を打つ音の迫力は驚きや恐怖を通り越して感動的ですらあります。これがワイルダーやジョシュアのパンチなら、リングサイドで見たらきっと興奮してその夜は寝れないでしょう。
どっちの味方やねん?って言われそうですが、テレビで見るのは軽量級、リングサイドなら重量級ですね。米国とは真逆で、日本のボクシングファンには重量級、特にスーパーミドル、ライトヘビー、クルーザーの三階級には「ウェルターやミドルの華やかさも、ヘビー級の迫力もない、地味で面白くない階級」という偏見・誤解があるように思えます。
今まさに佳境を迎えている「ワールド ボクシング スーパーシリーズ」や 、かつての「スーパー6トーナメント」は掛け値なしの素晴らしい企画で、非ヘビー級の重量級の面白さを思う存分楽しむ事ができました。
結局、どの階級でも面白い、という無難な八方美人なところに帰結してしまうのでした。
拙訳・駄文、ご容赦ください。
🇺🇸🇺🇸🇺🇸SUPER FLY と聞いて何のことかわからないボクシングファンもいるかもしれない。115ポンド、ジュニアバンタム級の別名だ。
そもそもジュニアバンタムに関心が無いボクシングファンがほとんどだろう。
この SUPER FLYをタイトルにした興行が2月22日にイングルウッドのザ・フォーラムで開催された。
〝決勝戦〟を戦ったシーサケット・ソールンビサイとファン・フランシスコ・エストラーダは、スピードとパワー、スタミナ、高度な戦術を惜しげもなく披露、素晴らしい試合を見せてくれた。
それなのに、一般的なボクシングファンは二人の名前を聞いたことがないかもしれない。
米国のボクシングファンが「非力なパンチを交換する軽量級は面白くない」という偏見と誤解に硬直してしまうのは仕方が無いことかもしれないが、彼らは重大な過ちを犯してしまっている。そして何よりも、ボクシングファンとして、享受できる楽しみの半分を自ら放棄しているのだ。…いや、もしかしたら、それは「半分以上」と言っても良いかもしれない。
リング誌4月号〜「12月30、31日。暮れも押し迫ったこの時期、日本のリングはお祭り騒ぎになる!」。
スピードとテクニックはもちろん、パワーまで、軽量級の試合にはボクシングの面白さの全てが詰まっている!(そうではない試合もあるにはありますが…) 余談ですが、リング誌は拳四郎のことを苗字が拳で、名が四郎だと完全に勘違いしています。〝Ken Shiro〟と表記して「Shiro felt the love in the arena on his way to the ring」(四郎は大声援を楽しみながらリングへ向かった)なんて感じです。拳四郎は切り離したらあきまへん。
「軽量級の方が面白い」。この事実は、科学的、医学的にも説明ができる。軽量級のファイターは生理学的に、中重量級ボクサーよりも優れているのだ。
このことは、ボクシングライターで生物学者でもあるマシュー・スウェインがわかりやすく説明してくれている。
★★★優れたヘビー級や重量級のボクサーが急にガス欠を起こすシーンを見たことがあるだろう。飛び抜けた身体能力を持つアンソニー・ジョシュアやデオンティ・ワイルダーですら、12ラウンドの中で失速、休息する時間を作ってしまう。
しかし、優れた軽量級のボクサーはより多くのパンチを放ってもガス欠を起こすことは珍しい。ローマン・ゴンザレスは、ヘビー級の平均をはるかに凌ぐ多くのパンチを繰り出しながら12ラウンド36分間を戦い切ることができる。
この秘密は、肺(肺胞)の面積にある。大きな体の重量級ボクサーは、小さな軽量級と比較して大きな肺を持っているが、酸素を取り込む肺胞の総面積は実はほとんど変わらない。
巨体の重量級はその体を動かすのに大きなエネルギーが必要であるのに、酸素を取り込むための器官は、その大きな体に比して決して大きくないのだ。
逆に、小さな軽量級ボクサーはより小さなエネルギーで体を動かすことができる上に、酸素を取り込む肺胞の面積は、小さな体に比して広い。
重量級のボクサーが雄牛がツノを付き合わせるように停滞したボクシングに陥りやすいのに対して、軽量級のボクサーは足も手も速く躍動的な攻防を展開する。
身長2m1㎝、リーチ2m11㎝、体重は重い時で100kgを大きく超えてくるワイルダーが、その肉体を動かすエネルギー、一発のパンチを放つときに消費されるエネルギーは甚大なものがありますが、その酸素供給能力は軽量級と大きな差がないと、スウェインは分析しています。
ヘビー級のボクサーがシーサケットのように無尽蔵のスタミナで、無数のパンチを繰り出して攻め続けることは不可能だ。200ポンドを超える巨体と、研ぎ澄まされた115ポンドでは消費エネルギーが違いすぎるのだ。
軽量級の試合をまともに見たことがないのに「迫力がない」と決めつけている米国のボクシングファンでも、ロマゴンやシーサケット、エストラーダの試合を見れば、自分が大きく間違っていたことに簡単に気づくことが出来るだろう。★★★ 🇺🇸🇺🇸🇺🇸
軽量級の方が身軽で動きが速く、ダイナミックであること、短いリーチから繰り出されるパンチの回転力は長いリーチのそれを当然上回り、見た目のスピードも速い、ということはわかっていましたが、スタミナ面でも「肺胞の面積を根拠にした酸素供給能力」という点から軽量級に分があるというのは初耳でした。
ヘビー級をはじめとした重量級を擁護するわけではありませんが、彼らの試合からは軽量級では感じることのできないド迫力が体感できます。
そして何よりも、「本質的な強さ」がビリビリ伝わってきます。世界的には中量級ですが、ミドル級の村田諒太のパンチなんて、その肉を打つ音の迫力は驚きや恐怖を通り越して感動的ですらあります。これがワイルダーやジョシュアのパンチなら、リングサイドで見たらきっと興奮してその夜は寝れないでしょう。
どっちの味方やねん?って言われそうですが、テレビで見るのは軽量級、リングサイドなら重量級ですね。米国とは真逆で、日本のボクシングファンには重量級、特にスーパーミドル、ライトヘビー、クルーザーの三階級には「ウェルターやミドルの華やかさも、ヘビー級の迫力もない、地味で面白くない階級」という偏見・誤解があるように思えます。
今まさに佳境を迎えている「ワールド ボクシング スーパーシリーズ」や 、かつての「スーパー6トーナメント」は掛け値なしの素晴らしい企画で、非ヘビー級の重量級の面白さを思う存分楽しむ事ができました。
結局、どの階級でも面白い、という無難な八方美人なところに帰結してしまうのでした。


コメント
コメント一覧 (3)
結局「人気(報酬)」はボクシング5大国(日米英墨&プエルトリコ)にスターがいるかどうかであって、この5国でクルーザーにとんでもない才能が現れたら、この階級も超盛り上がりでしょう。逆にウェルターやミドルが日本人と韓国人に独占されるような事態になれば欧米での人気は凋落します(フィギュアスケートと同じですね)。