村田諒太が横浜で安上がりのイタリアンを召し上がることが決定した今、最も注目すべきファイトは井上尚弥が三階級制覇をかけて戦う世界バンタム級タイトルマッチです。
このタイトルは村田のケースと同じ「スーパー王者が存在する場合のレギュラー王者」で、ESPNでは「secondary champion」と〝準王者〟の位置付け、リング誌では「McDonnell will defend a version of the WBA bantamweight title which is unrecognized by THE RING. 」と世界王者のピースとしてすら認めていません。
5月25日、大田区総合体育館でゴングが打ち鳴らされるこの試合のオッズは、英国ウィリアムヒルでマクドネル勝利が5倍、井上勝利が1.11倍。5−1で井上絶対有利です。
現在のバンタム級はIBFとWBAスーパーの統一王者にライアン・バーネット、WBOは「11秒KO」のゾラニ・テテ、ルイス・ネリがケチを付けたWBCは空位となっています。
米国ボクシングニュース24などは「井上はジュニアバンタムから逃亡してバンタム最弱王者のマクドネルと東京で戦う」と批判していますが、最弱王者と決めつめるには他の王者も決定力を持っていませんし、この5年間にわたってバンタム級の最前線で戦っている実力は侮れません。
タブティムデーンを10ラウンドTKOして空位のWBAタイトルを獲得したマクドネルは、婚約者のホリー・クームスに歓喜のキス。
とはいえ、これまで獲得したIBF(2013年:対フリオ・セハ)、WBA(2014年:対タブティムデーン・ナラチャワット)はともに決定戦、亀田和毅とリボリオ・ソリス相手にどっこいの2連戦を見てしまうと、凡庸な王者という印象は拭えません。
ただし、勝負根性だけは本物です。
現在、大盛況を迎えている英国ボクシング界ではカール・フランプトン、スコット・クイグ、カリド・ヤファイ、バーネット、リー・ハスキンスら軽量級にも人気選手が居並びますが、エディ・ハーンが日本に差し出したように、マクドネルは華やかなスターではありません。
フランプトンやクイグ、ヤファイ、バーネットらへの対抗心は、並々ならぬものがあるはずです。それがドンカスター出身のタフガイが、評価の高い井上戦を選んだ理由の一つであることは想像に難くありません。
“This is Kameda all over again. The money’s good, but this one isn’t about the money. It’s another chance for me to prove myself. This is a chance to get some recognition. My brother (former world title challenger Gavin McDonnell) was in the gym with me when the fight was suggested and said, ‘He’s good, but it’s nothing you haven’t seen before.” 亀田和毅戦と同じで、井上側から提示された報酬が素晴らしかった。でも、それだけが理由じゃない。この試合は、自分の評価を上げるチャンスなんだ。一緒に練習してくれている双子の弟ギャビンも井上について「いい選手だけど、見たことがないような図抜けた相手じゃない」と言っているよ。
英国ボクシングニュースも「弱い相手に卓越したパフォーマンスを見せている井上は、現状では未知の強豪。井上は咬ませ犬ばかりと戦っているが、マクドネル相手にも同じことが出来るだろうか?」、リング誌も「マクドネルは強い王者ではないが、井上のキャリアでは最強の相手。井上がバンタムで何が出来るかの非常に興味深いテストになる」と、井上の実力が試されると指摘しています。
ローマン・ゴンザレスやギレルモ・リゴンドーは一敗しただけではPFPを外されることはありませんでしたが、井上がマクドネルに負けると間違いなく追い払われるでしょう。
確かに、井上の評価の大部分は「弱い相手に見せた卓越したパフォーマンス」なのです。
しかし、井上は田口良一、アドリアン・エルナンデス、オマール・ナルバエス、河野公平と世界レベルの強豪に完勝していますから「未知の強豪」ではありません。
ただ、傑出した強豪に勝ったかとなると、それはゼロです。ローマン・ゴンザレスやファン・フランシスコ・エストラーダら傑出した強豪とも戦って欲しかったのですが、そもそも傑出した強豪などなかなかいません。
今回のマクドネルは傑出した強豪とはいえません。それでもバンタム級を代表する強豪です。
井上のキャリアはまだ15戦。それでこれだけの強豪と戦っているのです。防衛回数や階級制覇数ではなく、バンタム統一の方向で進んで欲しいと願っています。
統一王者となると、全団体に承認料を支払わなければいけないので興行規模を大きくしないとジムの負担は激増、挑戦者の質も上がるだけにジムの売上・収益の点では全く美味しくないのですが、ボクシング界の本当の発展のためにはやらねばなりません。
日本だけで10人前後の世界王者を常時抱える、このわけのわからないスポーツに秩序をもたらし、社会的な地位向上を図るには、4団体統一、世界でもまだ2人しか成し遂げていない Undisputed Champion を生み出すしかないように思えてきます。
そして、そのモデルケースになれる才能は限られているのですから。
村田諒太は紅白歌合戦に審査員でゲスト出演したり、テレビCMにも出演、一般的な認知、人気を獲得していますが、彼はモデルケースにはなれません。ミドル級で五輪金、WBAレギュラーとはいえ世界王者、日本人としては完全な突然変異です。
井上尚弥しかいないのです。
このタイトルは村田のケースと同じ「スーパー王者が存在する場合のレギュラー王者」で、ESPNでは「secondary champion」と〝準王者〟の位置付け、リング誌では「McDonnell will defend a version of the WBA bantamweight title which is unrecognized by THE RING. 」と世界王者のピースとしてすら認めていません。
5月25日、大田区総合体育館でゴングが打ち鳴らされるこの試合のオッズは、英国ウィリアムヒルでマクドネル勝利が5倍、井上勝利が1.11倍。5−1で井上絶対有利です。
現在のバンタム級はIBFとWBAスーパーの統一王者にライアン・バーネット、WBOは「11秒KO」のゾラニ・テテ、ルイス・ネリがケチを付けたWBCは空位となっています。
米国ボクシングニュース24などは「井上はジュニアバンタムから逃亡してバンタム最弱王者のマクドネルと東京で戦う」と批判していますが、最弱王者と決めつめるには他の王者も決定力を持っていませんし、この5年間にわたってバンタム級の最前線で戦っている実力は侮れません。
タブティムデーンを10ラウンドTKOして空位のWBAタイトルを獲得したマクドネルは、婚約者のホリー・クームスに歓喜のキス。
とはいえ、これまで獲得したIBF(2013年:対フリオ・セハ)、WBA(2014年:対タブティムデーン・ナラチャワット)はともに決定戦、亀田和毅とリボリオ・ソリス相手にどっこいの2連戦を見てしまうと、凡庸な王者という印象は拭えません。
ただし、勝負根性だけは本物です。
現在、大盛況を迎えている英国ボクシング界ではカール・フランプトン、スコット・クイグ、カリド・ヤファイ、バーネット、リー・ハスキンスら軽量級にも人気選手が居並びますが、エディ・ハーンが日本に差し出したように、マクドネルは華やかなスターではありません。
フランプトンやクイグ、ヤファイ、バーネットらへの対抗心は、並々ならぬものがあるはずです。それがドンカスター出身のタフガイが、評価の高い井上戦を選んだ理由の一つであることは想像に難くありません。
“This is Kameda all over again. The money’s good, but this one isn’t about the money. It’s another chance for me to prove myself. This is a chance to get some recognition. My brother (former world title challenger Gavin McDonnell) was in the gym with me when the fight was suggested and said, ‘He’s good, but it’s nothing you haven’t seen before.” 亀田和毅戦と同じで、井上側から提示された報酬が素晴らしかった。でも、それだけが理由じゃない。この試合は、自分の評価を上げるチャンスなんだ。一緒に練習してくれている双子の弟ギャビンも井上について「いい選手だけど、見たことがないような図抜けた相手じゃない」と言っているよ。
英国ボクシングニュースも「弱い相手に卓越したパフォーマンスを見せている井上は、現状では未知の強豪。井上は咬ませ犬ばかりと戦っているが、マクドネル相手にも同じことが出来るだろうか?」、リング誌も「マクドネルは強い王者ではないが、井上のキャリアでは最強の相手。井上がバンタムで何が出来るかの非常に興味深いテストになる」と、井上の実力が試されると指摘しています。
ローマン・ゴンザレスやギレルモ・リゴンドーは一敗しただけではPFPを外されることはありませんでしたが、井上がマクドネルに負けると間違いなく追い払われるでしょう。
確かに、井上の評価の大部分は「弱い相手に見せた卓越したパフォーマンス」なのです。
しかし、井上は田口良一、アドリアン・エルナンデス、オマール・ナルバエス、河野公平と世界レベルの強豪に完勝していますから「未知の強豪」ではありません。
ただ、傑出した強豪に勝ったかとなると、それはゼロです。ローマン・ゴンザレスやファン・フランシスコ・エストラーダら傑出した強豪とも戦って欲しかったのですが、そもそも傑出した強豪などなかなかいません。
今回のマクドネルは傑出した強豪とはいえません。それでもバンタム級を代表する強豪です。
井上のキャリアはまだ15戦。それでこれだけの強豪と戦っているのです。防衛回数や階級制覇数ではなく、バンタム統一の方向で進んで欲しいと願っています。
統一王者となると、全団体に承認料を支払わなければいけないので興行規模を大きくしないとジムの負担は激増、挑戦者の質も上がるだけにジムの売上・収益の点では全く美味しくないのですが、ボクシング界の本当の発展のためにはやらねばなりません。
日本だけで10人前後の世界王者を常時抱える、このわけのわからないスポーツに秩序をもたらし、社会的な地位向上を図るには、4団体統一、世界でもまだ2人しか成し遂げていない Undisputed Champion を生み出すしかないように思えてきます。
そして、そのモデルケースになれる才能は限られているのですから。
村田諒太は紅白歌合戦に審査員でゲスト出演したり、テレビCMにも出演、一般的な認知、人気を獲得していますが、彼はモデルケースにはなれません。ミドル級で五輪金、WBAレギュラーとはいえ世界王者、日本人としては完全な突然変異です。
井上尚弥しかいないのです。

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