現在のボクシング界で最も面白くない試合を提供し続けるWBCライト級王者シャクール・スティーブンソンが、マッチルームとの契約に署名しました。

10月12日にサウジアラビアの首都リヤドのキングダムアリーナで行われるライトヘビー級のUndisputed championship 「アルツール・ベテルビエフvsドミトリー・ビボル」のラインナップに加わります。

イベントはマッチルームとクイーンズベリー・プロモーションズの英国トップ2プロモーターと、米国のトップランクによる3社共催。



エディ・ハーンは「I am delighted to welcome what I believe is a pound-for-pound great to the Matchroom team(PFPの偉大な選手と契約できて光栄だ)」と、スティーブンソンを歓迎。

スティーブンソンも、プロデビューの2017年から継続しているトップランクとの契約が前戦で満了。「I am ready to start this next chapter of my career (キャリアの次の章をスタートする準びが整った」と語り、来週ロスアンゼルスで開催されるマッチルームとの契約についてのプレス発表で詳細が明らかにされるということです。

現在、ボクシング界最強のパワーハウスはサウジ。

サウジ目線では、じわじわと米国侵略を進行しているマッチルームとクイーンズベリーの接近は願ったり叶ったり。トップランクもサウジとの関係強化を図っていますが、地盤の米国市場で落ち目であること、トップがユダヤ人であることはライバルとの競争で不利に働きます。

マッチルームとスティーブンソンが結んだのは2試合契約で、10月12日のジョー・コルディナ戦。これにクリアすると無敗のメキシカン、ウィリアム・セペダとの試合が内定しています。

アンソニー・ジョシュアと〝永久契約〟を結んだようにハーンは「これ!」と目をつけたスターとはコストのかかる長期契約を厭いません。

それなのに、スティーブンソンにはわずか2試合の〝パートタイム契約〟しか提示しなかったことにはさまざまな憶測が飛び交っています。

「ボブ・アラムの睨みが効いている」という見方は、現在のトップランクを過大評価しすぎで、現実には「スティーブンソンがスターになれるかどうか、まだ見極めていない」ということでしょう。アラムの発言からも「スティーブンソンがファイトマネーに相応しい集客力がない」と、契約更新に積極的ではありませんでした。

コルディナ戦で負けることはないでしょうが、またつまらない試合に終始すると無敗だろうがPFPだろうが商品価値はダダ下がり。興行側からすると、その懸念が非常に大きいチキン性をこれまで何度も露呈してきました。

「ブーイングが吹き荒れ、シャクール本人も謝罪するほど酷い試合をしたエドウィン・デ・ロス・サントスとの再戦でスペクタクルを見せつける〝罪滅ぼし〟をするべき」という声も多く上がっていますが、それをしないのが本物のチキンです。

フロイド・メイウェザーの凄みは、リング外で時には犯罪スレスレ(というか犯罪も)の行為と品性下劣な言動を繰り返しながらボクシングファンの関心を煽り、「負けてた」というアンチの声が盛り上がったホセ・ルイス・カスティージョやマルコス・マイダナとのダイレクトリマッチに即応じて雑音をシャットアウトした勝負根性。

シャクールには根性のかけらもありません。はるかに実力差のある相手に対しては攻撃的になりますが、少しでも骨のある相手だと、手数が減り、装甲の中に閉じこもってしまうチキンです。

スティーブンソンは五輪決勝という最高最大の舞台ですら、星条旗を付けたユニフォームで逃げまくった最低ファイター。プロでも危険地帯に入らないどころか、近寄りもしないチキンっぷりで、ファンを幻滅させ続けています。

興行側の立場からすると「覚醒してくれないなら、こっちも使わない」種類の、最近ではゲイリー・ラッセルJr.のような(それ以下)の商品です。

コルディナ戦でまた〝無様な〟勝ち方をして、積極的に行くしかなくなったメキシカンのセペダ戦でノックアウト負け…。そして、2試合契約満了。それが、興行サイドが描く理想の地図かもしれません。