昨日、ファイターズの鈴木健矢が今季2勝目、先発としてはプロ初勝利を挙げました。
いまどき珍しい〝本格的〟なアンダースロー投手です。
彼を初めて見たのは、昨年の北海道出張のとき。
地面をこすろうかというほど低い位置からボールをリリースするサブマリンに、目を見張りました。

高校生でも150㎞を投げる時代に、鈴木は球速120㎞台のストレートに、80㎞のカーブなどの変化球を織り交ぜ打者を翻弄します。
スポーツにおける最大のアドバンテージは、フィジカルも含めた圧倒的な技術です。
大谷翔平やタイソン・フューリーがその代表格。
ただし、その〝見た目でわかる〟〝数字でわかる〟王道は、時代とともにインフレを起こすのが常です。
20年前の速球投手は、現代ではその看板を掲げることはできません。
しかし、野球が面白いのは王道だけがアドバンテージにならないということです。
このスポーツでは、異端であることもまた大きなアドバンテージとなってきました。
1980年代まで、アンダースローは珍しい投法ではありませんでした。
そして、かつてはアンダースローにも〝速球派〟が存在していたのです。
しかし、王道の進化が進む中で、アンダースローのストレートは速球とは呼ばれなくなり、大きくゆったりとしたフォーム、遅いボールは盗塁の餌食になり、ボールの握りが見やすいこと、左打者に弱いことなど、多くの欠点を曝け出しながら「絶滅危惧種」(渡辺俊介)になってしまいます。
鈴木は、地上3㎝でボールをリリースする渡辺から、より低い位置から投げることの意味と意図について薫陶を受けました。
鈴木は、絶滅危惧種の血統をつなぐ、貴重な個体です。
特にパ・リーグで繁栄したアンダースロー種族でしたが、セ・リーグに移籍した金城基泰や高橋直樹らがメッタ打ちにあい、走られ放題の姿を見たとき、子供ながらにこの美しい投球フォームが近い将来絶滅するという予感に、悲しくなった思い出があります。
私が鈴木を見たとき「いまどき…」と感心したのは、そんな絶滅危惧種を発見した!という思いからでした。
鈴木はもともとサイドスローから140㎞後半の〝速球〟を投げ込んでいましたが、新庄監督の提案でアンダースローに転向、昨年は中継ぎで2勝。
今季も中継ぎで好成績を重ね、昨日の先発のチャンスを勝ち取ったのでした。
おそらく、アンダースローが絶滅することはないでしょう。
では、その異質のアドバンテージが日本以上に発揮できそうなメジャーで通用するか?となると「〝一回り目〟は通用するが、慣れられてしまうと終わり」というのが多くの人の共通意見かもしれません。
今回のWBCを見るまでもなく、MLBの優秀な打者は2度目の対戦でアジャストしてきます。
異質であるが故に、渡辺は「想定した打撃練習はできない」と日本では他球団を嘆かせました。
しかし、短期決戦のWBCでは活躍できましたが、MLBでは爪痕を残すに至りませんでした。
牧田和久もそうでしたが、MLBには日本以上にアンダースローへの偏見がある、だから与えられるチャンスが少ないように思えてしまいます。
多様性は面白さだと信じている私にとって、王道から外れた異端が消えてしまうのは残念です。
そして、面白いのは彼らの多くが自分を異端だと思っていないことです。
ある意味、それこそが異端の異端たる所以なのですが。彼らは自分たちを本格派だと思っているフシがあります。
ほとんどのアンダースローは手首を立てて、オーバースローと同じようにストレートを投げ込みます。
速球の定義は球速ではありません。
そうだとすると、30年後には佐々木朗希ですら〝軟投派〟になっているかもしれません。
速球とは、強い気持ちで投げる一番強いボールのことです。
それ故に、杉浦忠も山田久志も永遠の速球派投手なのです。
そして、もちろん鈴木健矢の120㎞も、一軍の主力打者が振り遅れているのですから、堂々の速球なのです。
いまどき珍しい〝本格的〟なアンダースロー投手です。
彼を初めて見たのは、昨年の北海道出張のとき。
地面をこすろうかというほど低い位置からボールをリリースするサブマリンに、目を見張りました。

高校生でも150㎞を投げる時代に、鈴木は球速120㎞台のストレートに、80㎞のカーブなどの変化球を織り交ぜ打者を翻弄します。
スポーツにおける最大のアドバンテージは、フィジカルも含めた圧倒的な技術です。
大谷翔平やタイソン・フューリーがその代表格。
ただし、その〝見た目でわかる〟〝数字でわかる〟王道は、時代とともにインフレを起こすのが常です。
20年前の速球投手は、現代ではその看板を掲げることはできません。
しかし、野球が面白いのは王道だけがアドバンテージにならないということです。
このスポーツでは、異端であることもまた大きなアドバンテージとなってきました。
1980年代まで、アンダースローは珍しい投法ではありませんでした。
そして、かつてはアンダースローにも〝速球派〟が存在していたのです。
しかし、王道の進化が進む中で、アンダースローのストレートは速球とは呼ばれなくなり、大きくゆったりとしたフォーム、遅いボールは盗塁の餌食になり、ボールの握りが見やすいこと、左打者に弱いことなど、多くの欠点を曝け出しながら「絶滅危惧種」(渡辺俊介)になってしまいます。
鈴木は、地上3㎝でボールをリリースする渡辺から、より低い位置から投げることの意味と意図について薫陶を受けました。
鈴木は、絶滅危惧種の血統をつなぐ、貴重な個体です。
特にパ・リーグで繁栄したアンダースロー種族でしたが、セ・リーグに移籍した金城基泰や高橋直樹らがメッタ打ちにあい、走られ放題の姿を見たとき、子供ながらにこの美しい投球フォームが近い将来絶滅するという予感に、悲しくなった思い出があります。
私が鈴木を見たとき「いまどき…」と感心したのは、そんな絶滅危惧種を発見した!という思いからでした。
鈴木はもともとサイドスローから140㎞後半の〝速球〟を投げ込んでいましたが、新庄監督の提案でアンダースローに転向、昨年は中継ぎで2勝。
今季も中継ぎで好成績を重ね、昨日の先発のチャンスを勝ち取ったのでした。
おそらく、アンダースローが絶滅することはないでしょう。
では、その異質のアドバンテージが日本以上に発揮できそうなメジャーで通用するか?となると「〝一回り目〟は通用するが、慣れられてしまうと終わり」というのが多くの人の共通意見かもしれません。
今回のWBCを見るまでもなく、MLBの優秀な打者は2度目の対戦でアジャストしてきます。
異質であるが故に、渡辺は「想定した打撃練習はできない」と日本では他球団を嘆かせました。
しかし、短期決戦のWBCでは活躍できましたが、MLBでは爪痕を残すに至りませんでした。
牧田和久もそうでしたが、MLBには日本以上にアンダースローへの偏見がある、だから与えられるチャンスが少ないように思えてしまいます。
多様性は面白さだと信じている私にとって、王道から外れた異端が消えてしまうのは残念です。
そして、面白いのは彼らの多くが自分を異端だと思っていないことです。
ある意味、それこそが異端の異端たる所以なのですが。彼らは自分たちを本格派だと思っているフシがあります。
ほとんどのアンダースローは手首を立てて、オーバースローと同じようにストレートを投げ込みます。
速球の定義は球速ではありません。
そうだとすると、30年後には佐々木朗希ですら〝軟投派〟になっているかもしれません。
速球とは、強い気持ちで投げる一番強いボールのことです。
それ故に、杉浦忠も山田久志も永遠の速球派投手なのです。
そして、もちろん鈴木健矢の120㎞も、一軍の主力打者が振り遅れているのですから、堂々の速球なのです。
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