ドミトリー・ビボルがヒルベルト・ラミレスに何もさせずに完勝。

WBAライトヘビー級王座の10度目の防衛に成功しました。

スルド・ラミレスはその体格を生かせず、ビボルは体格にフィットしたスタイルで12ラウンド36分間を自由自在にコントロールしてみせました。

CompBoxの数字からも、ラミレスが手数で上回るものの、精度で大きな差がつきました。

PUNCHESBIVOLRAMIREZ
Total landed131107
Total thrown643878
Percent20%12%
Jabs landed6438
Jabs thrown410556
Percent16%7%
Power landed6769
Power thrown233322
Percent29%21%

高い身長、長いリーチはボクシングにおいて有利と見られがちですが、今日の試合のように有利のはずのボクサーが負けることは当たり前に起きています。

体重が同じなら、高い身長と長いリーチは肉体のか細さの裏返しです。また、長いリーチは着弾までの距離も長くなるだけでなく、パンチの回転力が低いという決定的な欠点になってしまいます。

自分の距離を易々と作ったビボルが主導権を完全に掌握した時点で、ラミレスの〝恵まれた体格〟は〝恵まれない体格〟に変換されてしまいました。

12ラウンド終了の瞬間、放送席から「PFPベストファイター」の声も漏れました。

個人的には「カネロに勝ったこと」が全てのボクサー。

ビボル本人もカネロと戦い、カネロに勝つことが何を意味するのかをよく知っていたからこそ、何年も前から「カネロと戦えるならどんな条件でも飲む」と公言してきたのです。

ライトヘビー級でビボルに勝てるとしたら、ベテルビエフだけでしょう。

無敗同士で、対照的なスタイル、どちらも高度な技術と、強烈な勝負根性を併せ持っている。

「大筋合意」が伝えられながら流れてしまった「テレンス・クロフォードvsエロール・スペンスJr.」のウェルター級最強決定戦よりも、「ビボルvsベテルビエフ」の方に魅力を感じるのは私だけではないでしょう。