先月のお盆、地元に帰っていました。
野球部の後輩たちに誘われたのですが、陸上部やら現役高校生、その親御さんまで参加する、なんだか大袈裟な飲み会になったのでした。
そのとき連絡先を交換した高校生たちからのメールが毎日届いて、通勤電車の中で返事するのが新たな日課になりました。
高校生の悩みやらって、失礼だけど笑ってしまうくらい面白くて。
自分を振り返ると、彼らのような純粋な高校生ではなかったと思うのですが、くだらないことで悩んでいたのは同じです。
なかなか、プライベートな飲み会の雰囲気を伝えるのは難しい作業です。
あちこち飛びまくる話をそのまま書いてしまうとワケがわからないし。
オブラートに包みながらも、輪郭や歯ごたえ、10代の甘酸っぱい香りや少しでも味覚が伝われば良いのですが…。
このブログでも取り上げる正解のないテーマ「体罰」「受験」、そしてほとんど取り上げない「高校生活」、全く取り上げない「恋愛」など、大阪の真ん中で聞させてもらった話を、少しずつ書いてゆきます。
私と陸上部の先輩がなぜか〝来賓〟的に招かれ、座席も、そんな配置でした。
酔っ払うまで居心地の悪いものでしたが…。

[登場人物]阪神バカ高校のOB・OG、現役高校生とその家族。正確な参加人数は不明。
◼️現役の高校生たち:コロナの影響で、鬱屈した高校生活を送っている。
◼️その高校生の親御さんたち:中には野球部や陸上部で私の同期や先輩、後輩だったお父さん、お母さんも。
◼️優子先輩:高校時代、学年が一つ上の陸上部主将。柔道部と兼部。才色兼備を絵に描いたような女子高生だったが、周囲がチヤホヤしてしまったことで人への思いやりが欠落した大人になってしまう。現在は大学のとても偉い先生。
得意技は掌底と送襟絞(おくりえりじめ)と袖車(そでぐるま)。
◼️わし:高校時代、不登校引きこもりだった社会不適合者。今も社会不適合者ですが、無理やり自分を殺してます。

【部活】と【体罰】
私たちの時代もスポーツ強豪高とは到底いえない学校でしたが、今はもっと酷い有様で野球部は公式戦で1勝も出来ない状況が5年近くも続いています。
陸上競技部も全国や近畿大会はもちろん、県大会にも1人の選手も出せず、地元高校を集めた駅伝大会でも最下位が定位置。
私の時代も野球部は夏の大会で一回戦負けしたこともありましたし、その駅伝大会も私が入るまで最下位かブービーでした。
しかし「俺らの頃とそんなに変わらない。楽しんでやってたらいい」というのは、彼らの気持ちが理解できないだけでした。
全国インターハイで入賞したりする優子先輩はさておき、夏は最高で3回戦止まりでも強豪高に勝ったり、駅伝大会で優勝してた私たちでも、コロナの影響からもストレスが溜まりやすい高校生にとっては眩しい遠い過去の栄光に映るのかもしれません。
もしかしたら、周りの大人からも「昔はスポーツも勉強も出来たのに、どうなってるんだ」とか言われてるのかもしれません。
「昔はスポーツも勉強も出来た」。そんなことはありません。目クソ鼻クソの世界です。
▶︎高校生:陸上部です。一生懸命、練習してるのに勝てないと自分が嫌になります。
▶︎わし:そんなに真面目に考えなくてもいいんじゃないかな。高校の部活なんて楽しくやるのが一番。
▶︎優子先輩:(私を睨んで)適当なことゆうなや。(高校生に視線を移して)一生懸命やってないから負けるんとちゃうん?
▶︎高校生①:一生懸命やってます…。
▶︎優子先輩:へぇ、そうなんや。じゃあ仕方がない。親からもらった頭と体が他の人より劣ってたってことや。
▶︎わし:(この女、女子高生相手に何言い出すねん。時と場所を考えろや…)
▶︎高校生①:そんなことありませんッ、そんなこと絶対にありませんッ!(ボロボロと涙こぼして泣き出す)
その高校生の隣に座ってたお母さんも泣き出す。
▶︎わし:(優子ッ!思ったこと全部口に出してたら世の中無茶苦茶になんねんど!どないすんねん、この空気!)
▶︎優子先輩:うん、うん。そんなこと無いよな。あなたとあなたのお母さん見たらすぐわかる。
一生懸命、練習しなさい。これだけ考えて、これだけ練習したのに結果が出なかった…ってゆうなら、いつでも電話して来なさい。まあ、そんなことないやろけど、ね。
後で、(私を見て)そっちの頼りないオッサンとみんなで連絡先交換しよ。
▶︎わし:(待て、待て、待てーい!俺を巻き込むな。みんなって、ここ何人おんねん!俺も忙しいねんから気軽に電話かけて来んなよ!)
▶︎優子先輩:キツいことゆうようやけど、あなたたちも、このオッサンの適当な慰め言葉が聞きたくて私たちを呼んでくれたんじゃないでしょ?
▶︎わし(三島)ああ、そうやった、コイツはいつ何時でもわしをディスらないと気が済まない女やった)

▶︎優子先輩:私にとって、この高校は自分の根っこだと思ってます。
きっとみんなもそうなるから、そんなみんなの青春が、こんなコロナなんかのせいで、私たちとは全く違う形にされたことが、私は悔しくてたまりません。
ただ、君たちが「コロナのせいで…」っていうのは、間違っていると思います。
言い訳すんなって話です。みっともないから。

…優子先輩が高校時代の自分の境遇をゆっくりと話し出しました。
今でいうヤングケアラーで病気の母親の面倒と家事、弟妹のお弁当作ってたこと。
1日24時間から、家族の面倒を見る最低5時間と、体力が続くための睡眠6時間を引いた、残り13時間で学校の授業と部活に集中してたこと。
家計があまりに厳しいから、制服かジャージの他はほとんど服も持っていなかったこと。
塾や予備校に行くお金などあるわけないけど、模試で好成績を上げると無料で夏期講習はもちろん、普通に授業に出ることも出来るばかりか、報奨金までもらえることに気づいて〝一生懸命〟勉強したこと。
部活でも優秀な成績を残すと、メーカーからシューズなどが無償で支給されることを知っていた彼女は、きっとなんでも同じ仕組みだと直感していたのかもしれません。
そして、そんな自分の境遇を、絶対に誰にも見せないようにしていたこと。
貧乏だから、家族の面倒見なきゃいけないから部活も勉強もダメなんて、そんな自分は許せないと思ったこと。
そして、そんな〝一生懸命〟は、絶対に誰にも見せたくなかったということ。
そんな先輩の境遇をちゃんと知ってたのは私だけで、初めて聞く仲間や高校生の親御さんの中には泣いてる人もいました。
ところが、語りかけられている高校生は泣かないんです。不思議なことに。しっかり聞き入っていました。
さすが、偉い大学の偉い先生です。私の拙い文章ではその語り口は到底伝え切ることは出来ません。
さっきまで泣いてた女の子も泣き止んで、口を真一文字に結んで真っ直ぐ優子先輩を、睨むように見つめていました。
それにしても、優子先輩がいわゆるヤングケアラーだったことをどうして私だけに家まで連れて教えたのか、ずっとわかりません。
私は誰にも言わなかったし、優子先輩も、そんなことを知られるのを嫌がっているだろうことはわかっていました。
それを、ここで話すのか。
たった一つ年上だけなのに、絶対敵わない人だと思い知らされました。
あ、もしかしたら、それが私だけに教えた目的だったのかなとも思いました。
▶︎優子先輩:1人だけ私の話聞かないで、手酌でビール飲んでる、オッサン(私のことです)も高校のときは普通じゃなかったんやで。
聞いてるかもしれへんけど。
本読んだり、部活したり、梅田でよその高校に喧嘩ふっかけたり、好きなことしてた。
でも、嫌なこともいっぱい抱えてだと思う。とにかく、学校が大嫌いだというのは、周囲から見てても分かってたけど、あるとき彼が私にこんなこと言ったんです。
「先輩は学校が用意したことは完璧にこなす人ですね」って。あからさまに軽蔑の感情が込められてるのがわかりました。
それ、聞いたとき、一瞬腹立ったけど、彼の中の学校に対する嫌悪感の大きさにすぐ気づいて、なんてゆうのかな、共感することは出来なくても、コイツはコイツで何かと戦ってるんやなあって、本当は可愛い子だと思いました。
▶︎わし:ちょ、ちょ、ちょっと待って下さいね。みんな、この女の人が巧みに嘘ついてるの真に受けないでくださいね。
まず、よその高校にケンカふっかけたことなんて天地神明に誓って、一度もありません。
「学校が用意したことは完璧にこなす」っていうのも言った記憶はありませんが、言ったとしたらそんな深い意味なんてありません。
インターハイで活躍したり、東大模試でいつもA判定とか、素直にすごい人だと思った尊敬から出た言葉だったはずです。
そして、一瞬腹立ったとか、愛おしかったとか言うのも嘘です。一瞬どころかいまだに、そのことでネチネチ絡んでくるし、当時も私が陸上の大会で優勝したのに掌底喰らわせたり、あるときは送り襟絞めをかけられたりしたこともありました。
可愛いと思った後輩に、掌底とか送り襟絞めしますか?
▶︎優子先輩:ね?可愛い子でしょう?
可愛いけど「天地神明」とか「記憶はない」とか、政治家が使うような言葉をこんな場所でも口にする人間、信じられますか?
私が掌底とか送り襟絞めとか、するわけがありません。
野球部は知りませんが、少なくとも私の所属していたときの陸上部と柔道部では暴力はもちろん、体罰も一切ありませんでした。
▶︎わし:えーーーッ!!!なんで表情一つ変えずにそんな嘘つけるんですか!
僕が気に障ること言ったかなんかで、足払って倒して袖持ってこう絞めてきたじゃないですか!
▶︎優子先輩:それな、送り襟絞めちゃうねん、お前にかけたんは袖車や。
掌底されたとか、今になって騒ぎやがって。あれも、私が直前にセコいレースするなって注意して、コイツも「わかりました」って返事したときなんです。
それなのに…。また腹立ってきました。
▶︎わし:やっぱり掌底して絞めてるじゃないですか!
▶︎優子先輩:でも、真面目な話で叩いたのも絞めたのもコイツだけです。
叩いたのは、ここはそんな走り方するステージじゃないだろうっていう、気持ちが昂ってしまいました。
絞めたのは…あれは遊んでただけやん。
▶︎わし:遊びで袖車、かけんなよ…。
▶︎高校生②:その、部活に体罰って必要ですか?体罰のラインってどこにありますか?
先輩たちの時代、優子先輩と三島先輩の間以外で体罰ってありましたか?
「中途半端なスイングするな」と、お尻をポンって叩いたら?あるいは大声で叱咤したら?体罰ですか?
良い体罰ってがあって、チームが強くなることもある気がしますが。どうなんですか?
▶︎優子先輩:タイムリーないい質問ですねー。柔道の練習なんて、体罰と区別つかないですしねぇ。
これって、お母さん、お父さん方ってどう思われます?自分の大切なお子さん、愛のある体罰なら許されますか?
…もうすぐ最寄り駅。【体罰】まで行かんかった。
まだまだ登場人物が増えるからますますワケがわからなくなるなぁ。
そして、我が野球部は秋の大会も早々に散ってしまったのであります…。
次回【体罰】に続く…。
野球部の後輩たちに誘われたのですが、陸上部やら現役高校生、その親御さんまで参加する、なんだか大袈裟な飲み会になったのでした。
そのとき連絡先を交換した高校生たちからのメールが毎日届いて、通勤電車の中で返事するのが新たな日課になりました。
高校生の悩みやらって、失礼だけど笑ってしまうくらい面白くて。
自分を振り返ると、彼らのような純粋な高校生ではなかったと思うのですが、くだらないことで悩んでいたのは同じです。
なかなか、プライベートな飲み会の雰囲気を伝えるのは難しい作業です。
あちこち飛びまくる話をそのまま書いてしまうとワケがわからないし。
オブラートに包みながらも、輪郭や歯ごたえ、10代の甘酸っぱい香りや少しでも味覚が伝われば良いのですが…。
このブログでも取り上げる正解のないテーマ「体罰」「受験」、そしてほとんど取り上げない「高校生活」、全く取り上げない「恋愛」など、大阪の真ん中で聞させてもらった話を、少しずつ書いてゆきます。
私と陸上部の先輩がなぜか〝来賓〟的に招かれ、座席も、そんな配置でした。
酔っ払うまで居心地の悪いものでしたが…。

[登場人物]阪神バカ高校のOB・OG、現役高校生とその家族。正確な参加人数は不明。
◼️現役の高校生たち:コロナの影響で、鬱屈した高校生活を送っている。
◼️その高校生の親御さんたち:中には野球部や陸上部で私の同期や先輩、後輩だったお父さん、お母さんも。
◼️優子先輩:高校時代、学年が一つ上の陸上部主将。柔道部と兼部。才色兼備を絵に描いたような女子高生だったが、周囲がチヤホヤしてしまったことで人への思いやりが欠落した大人になってしまう。現在は大学のとても偉い先生。
得意技は掌底と送襟絞(おくりえりじめ)と袖車(そでぐるま)。
◼️わし:高校時代、不登校引きこもりだった社会不適合者。今も社会不適合者ですが、無理やり自分を殺してます。

【部活】と【体罰】
私たちの時代もスポーツ強豪高とは到底いえない学校でしたが、今はもっと酷い有様で野球部は公式戦で1勝も出来ない状況が5年近くも続いています。
陸上競技部も全国や近畿大会はもちろん、県大会にも1人の選手も出せず、地元高校を集めた駅伝大会でも最下位が定位置。
私の時代も野球部は夏の大会で一回戦負けしたこともありましたし、その駅伝大会も私が入るまで最下位かブービーでした。
しかし「俺らの頃とそんなに変わらない。楽しんでやってたらいい」というのは、彼らの気持ちが理解できないだけでした。
全国インターハイで入賞したりする優子先輩はさておき、夏は最高で3回戦止まりでも強豪高に勝ったり、駅伝大会で優勝してた私たちでも、コロナの影響からもストレスが溜まりやすい高校生にとっては眩しい遠い過去の栄光に映るのかもしれません。
もしかしたら、周りの大人からも「昔はスポーツも勉強も出来たのに、どうなってるんだ」とか言われてるのかもしれません。
「昔はスポーツも勉強も出来た」。そんなことはありません。目クソ鼻クソの世界です。
▶︎高校生:陸上部です。一生懸命、練習してるのに勝てないと自分が嫌になります。
▶︎わし:そんなに真面目に考えなくてもいいんじゃないかな。高校の部活なんて楽しくやるのが一番。
▶︎優子先輩:(私を睨んで)適当なことゆうなや。(高校生に視線を移して)一生懸命やってないから負けるんとちゃうん?
▶︎高校生①:一生懸命やってます…。
▶︎優子先輩:へぇ、そうなんや。じゃあ仕方がない。親からもらった頭と体が他の人より劣ってたってことや。
▶︎わし:(この女、女子高生相手に何言い出すねん。時と場所を考えろや…)
▶︎高校生①:そんなことありませんッ、そんなこと絶対にありませんッ!(ボロボロと涙こぼして泣き出す)
その高校生の隣に座ってたお母さんも泣き出す。
▶︎わし:(優子ッ!思ったこと全部口に出してたら世の中無茶苦茶になんねんど!どないすんねん、この空気!)
▶︎優子先輩:うん、うん。そんなこと無いよな。あなたとあなたのお母さん見たらすぐわかる。
一生懸命、練習しなさい。これだけ考えて、これだけ練習したのに結果が出なかった…ってゆうなら、いつでも電話して来なさい。まあ、そんなことないやろけど、ね。
後で、(私を見て)そっちの頼りないオッサンとみんなで連絡先交換しよ。
▶︎わし:(待て、待て、待てーい!俺を巻き込むな。みんなって、ここ何人おんねん!俺も忙しいねんから気軽に電話かけて来んなよ!)
▶︎優子先輩:キツいことゆうようやけど、あなたたちも、このオッサンの適当な慰め言葉が聞きたくて私たちを呼んでくれたんじゃないでしょ?
▶︎わし(三島)ああ、そうやった、コイツはいつ何時でもわしをディスらないと気が済まない女やった)

▶︎優子先輩:私にとって、この高校は自分の根っこだと思ってます。
きっとみんなもそうなるから、そんなみんなの青春が、こんなコロナなんかのせいで、私たちとは全く違う形にされたことが、私は悔しくてたまりません。
ただ、君たちが「コロナのせいで…」っていうのは、間違っていると思います。
言い訳すんなって話です。みっともないから。

…優子先輩が高校時代の自分の境遇をゆっくりと話し出しました。
今でいうヤングケアラーで病気の母親の面倒と家事、弟妹のお弁当作ってたこと。
1日24時間から、家族の面倒を見る最低5時間と、体力が続くための睡眠6時間を引いた、残り13時間で学校の授業と部活に集中してたこと。
家計があまりに厳しいから、制服かジャージの他はほとんど服も持っていなかったこと。
塾や予備校に行くお金などあるわけないけど、模試で好成績を上げると無料で夏期講習はもちろん、普通に授業に出ることも出来るばかりか、報奨金までもらえることに気づいて〝一生懸命〟勉強したこと。
部活でも優秀な成績を残すと、メーカーからシューズなどが無償で支給されることを知っていた彼女は、きっとなんでも同じ仕組みだと直感していたのかもしれません。
そして、そんな自分の境遇を、絶対に誰にも見せないようにしていたこと。
貧乏だから、家族の面倒見なきゃいけないから部活も勉強もダメなんて、そんな自分は許せないと思ったこと。
そして、そんな〝一生懸命〟は、絶対に誰にも見せたくなかったということ。
そんな先輩の境遇をちゃんと知ってたのは私だけで、初めて聞く仲間や高校生の親御さんの中には泣いてる人もいました。
ところが、語りかけられている高校生は泣かないんです。不思議なことに。しっかり聞き入っていました。
さすが、偉い大学の偉い先生です。私の拙い文章ではその語り口は到底伝え切ることは出来ません。
さっきまで泣いてた女の子も泣き止んで、口を真一文字に結んで真っ直ぐ優子先輩を、睨むように見つめていました。
それにしても、優子先輩がいわゆるヤングケアラーだったことをどうして私だけに家まで連れて教えたのか、ずっとわかりません。
私は誰にも言わなかったし、優子先輩も、そんなことを知られるのを嫌がっているだろうことはわかっていました。
それを、ここで話すのか。
たった一つ年上だけなのに、絶対敵わない人だと思い知らされました。
あ、もしかしたら、それが私だけに教えた目的だったのかなとも思いました。
▶︎優子先輩:1人だけ私の話聞かないで、手酌でビール飲んでる、オッサン(私のことです)も高校のときは普通じゃなかったんやで。
聞いてるかもしれへんけど。
本読んだり、部活したり、梅田でよその高校に喧嘩ふっかけたり、好きなことしてた。
でも、嫌なこともいっぱい抱えてだと思う。とにかく、学校が大嫌いだというのは、周囲から見てても分かってたけど、あるとき彼が私にこんなこと言ったんです。
「先輩は学校が用意したことは完璧にこなす人ですね」って。あからさまに軽蔑の感情が込められてるのがわかりました。
それ、聞いたとき、一瞬腹立ったけど、彼の中の学校に対する嫌悪感の大きさにすぐ気づいて、なんてゆうのかな、共感することは出来なくても、コイツはコイツで何かと戦ってるんやなあって、本当は可愛い子だと思いました。
▶︎わし:ちょ、ちょ、ちょっと待って下さいね。みんな、この女の人が巧みに嘘ついてるの真に受けないでくださいね。
まず、よその高校にケンカふっかけたことなんて天地神明に誓って、一度もありません。
「学校が用意したことは完璧にこなす」っていうのも言った記憶はありませんが、言ったとしたらそんな深い意味なんてありません。
インターハイで活躍したり、東大模試でいつもA判定とか、素直にすごい人だと思った尊敬から出た言葉だったはずです。
そして、一瞬腹立ったとか、愛おしかったとか言うのも嘘です。一瞬どころかいまだに、そのことでネチネチ絡んでくるし、当時も私が陸上の大会で優勝したのに掌底喰らわせたり、あるときは送り襟絞めをかけられたりしたこともありました。
可愛いと思った後輩に、掌底とか送り襟絞めしますか?
▶︎優子先輩:ね?可愛い子でしょう?
可愛いけど「天地神明」とか「記憶はない」とか、政治家が使うような言葉をこんな場所でも口にする人間、信じられますか?
私が掌底とか送り襟絞めとか、するわけがありません。
野球部は知りませんが、少なくとも私の所属していたときの陸上部と柔道部では暴力はもちろん、体罰も一切ありませんでした。
▶︎わし:えーーーッ!!!なんで表情一つ変えずにそんな嘘つけるんですか!
僕が気に障ること言ったかなんかで、足払って倒して袖持ってこう絞めてきたじゃないですか!
▶︎優子先輩:それな、送り襟絞めちゃうねん、お前にかけたんは袖車や。
掌底されたとか、今になって騒ぎやがって。あれも、私が直前にセコいレースするなって注意して、コイツも「わかりました」って返事したときなんです。
それなのに…。また腹立ってきました。
▶︎わし:やっぱり掌底して絞めてるじゃないですか!
▶︎優子先輩:でも、真面目な話で叩いたのも絞めたのもコイツだけです。
叩いたのは、ここはそんな走り方するステージじゃないだろうっていう、気持ちが昂ってしまいました。
絞めたのは…あれは遊んでただけやん。
▶︎わし:遊びで袖車、かけんなよ…。
▶︎高校生②:その、部活に体罰って必要ですか?体罰のラインってどこにありますか?
先輩たちの時代、優子先輩と三島先輩の間以外で体罰ってありましたか?
「中途半端なスイングするな」と、お尻をポンって叩いたら?あるいは大声で叱咤したら?体罰ですか?
良い体罰ってがあって、チームが強くなることもある気がしますが。どうなんですか?
▶︎優子先輩:タイムリーないい質問ですねー。柔道の練習なんて、体罰と区別つかないですしねぇ。
これって、お母さん、お父さん方ってどう思われます?自分の大切なお子さん、愛のある体罰なら許されますか?
…もうすぐ最寄り駅。【体罰】まで行かんかった。
まだまだ登場人物が増えるからますますワケがわからなくなるなぁ。
そして、我が野球部は秋の大会も早々に散ってしまったのであります…。
次回【体罰】に続く…。
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