私は、アーニー・シェーバースをリアルタイムで知りません。

正確には、全盛期の〝Black Destroyer〟を知りません。

しかし「世界最強のパンチャー」が語られるとき、必ずその俎上に登場するハードヒッターです。

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最近でも、リング誌6月号「THE 100 BEST PUNCHERS OF THE PAST 100 YEARS(過去100年の最強パンチャー100人)」(1922年創刊のリング誌が100周年を記念して企画した特集)で、なんと6位にランク。

世界王者になれなかったにもかかわらずトップ40に入ったのは、シェーバースだけです。しかも堂々の6位。

シェーバースは飛び抜けたハードパンチャーというだけでなく、世界王者になれなかった、最も有名なファイター、いいえ、ほとんどの世界王者よりも有名だったと言い切っても間違いではありません。

網膜剥離を患ってしまったラリー・ホームズとの再戦、そのリングに上がるまでの戦績は59勝7敗1分。59の勝利のうち何と57でKOをマークしていました。



ボクシングを始めたのは22歳と遅く、短いアマチュア経験のあと25歳でプロ転向。

スタミナと顎に不安を持つシェーバースのスタイルは、天性の強打を前面に出す〝攻撃こそ防御〟。その左右の強打は、ヘビー級が最も輝いた70年代でトップ選手たちを何度も戦慄させました。

シェーバースのパンチ力は、ロン・ライルが「ジョージ・フォアマンより上」と断言。あのモハメド・アリにも「ジョー・フレイジャーとフォアマンも強打者だったが、シェーバースは別格」とまで言わしめます。

アリ、ケン・ノートン、ホームズと拳を交え、その強打を世界に轟かせた漆黒の破壊者。

He never won the heavyweight championship, but he sure as hell earned the champions’ respect.

世界のボクシングを彩ったスター選手が天国に召されました。