IBFジュニアフライ級王者マイケル・カルバハル
vs
WBC同級王者ウンベルト・ゴンザレス
Saturday 13, March 1993
Hilton Hotel, Las Vegas, Nevada, USA  
World Boxing Council World Junior Fly Title
International Boxing Federation World Junior Fly Title 

1993年にゴングが鳴らされた「第1戦」は①ソウル五輪銀のマイケル・カルバハルと、メキシコの人気者ウンベルト・ゴンザレスの統一戦、②軽量級史上初のファイトマネー100万ドルをマーク、③試合はFight of the Year、勝者のカルバハルがFighter of the Yearに選出されるという名勝負(余談ですがこの二つの賞を同時受賞するのは非常にレアなケース)という点で歴史に爪痕を残しました。
carbajal-chavez

①25歳のManitas De Piedra(小さな石の拳)は27戦全勝15KO、26歳のChiquita(少年)は36勝27KO1敗。

カルバハルはトップランクの秘蔵っ子で、デビュー戦はロベルト・デュラン(vsアイラン・バークレー)の前座にセットされ「石の拳」がキャンペーンされます。

この、チキータ・ゴンザレスとの初戦でもジミー・レノンJr.からマイケル・バッファーにマイクをつなぐオープニングが演出されました。


②そして、試合内容以上に語り継がれているのが〝高額報酬〟。

実は二人に最低保障されていたのは各35万ドル。これに「PPV歩合が加算されて100万ドルに届く」という宣伝でしたが、HBOやShowTimeが軽量級でPPVを手がけるわけもなく、マイナーテレビによるPPVでした。

実際にはPPV歩合はほとんどなく、スポンサー収入などを含めても40万ドルにも届かなかったと見られています。

翌年2月19日にカリフォルニア州イングルウッドはグレート・ウェスタン・フォーラム(今のザ・フォーラム)で行われた第2戦でカルバハルが100万ドル、ゴンザレスが50万ドルを受け取りましたが、これがこの二人のキャリアハイです。

ファイティング原田や輪島功一はもちろん、ガッツ石松や具志堅用高よりも平均報酬が低いカルバハルが超トップの米国の軽量級はどこまで劣悪な環境なんだ?と戸惑ったものでした。


③第1戦は衝撃的なフィナーレが用意されたドラマでしたが、2戦目は「面白くない試合で申し訳ない」とチキータがファンに詫びる塩試合。

舞台をメキシコに移した第3戦もチキータが接戦をものにして2勝1敗と勝ち越しましたが、ファンの印象は「初戦こそが〝決着戦〟だった」と刻まれているのではないでしょうか。

カルバハルはチキータ初戦やホルヘ・アルセ戦で劣勢を一気に挽回するドラマティックなファイター、チキータはローランド・パスクワ、サマン・ソーチャトロンと痛烈な大番狂わせでも記憶されています。

カルバハルとチキータを巡ってはリカルド・ロペスや柳明佑との試合も見たかったものです。ユーリ・アルバチャコフなら二人とも粉砕していたでしょう。

カルバハルが兄を訴えた骨肉の争い、Brotherly Gloveのお話に続きます。