英国ボクシングニューズ(BN)誌は白くて薄い頼りないビニール袋に入れられて郵送されてきます。

1月31日のEU離脱と関係はないのでしょうが、1月は一度に4つのビニール袋がポストに入っていました。

記事自体はネットの速報で読めますが、プリント版が私の手元に届くのはだいたい1週間後だったのに「そういえば今月号が届いてないな」と思ってたところでした。
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世界のボクシングのメディア、専門誌といえばリング誌が真っ先に頭に浮かびますが、BN誌の充実ぶりを見るにつけこの雑誌がボクシングのリーディングマガジンだと思えてきます。

リング誌は2015年に月刊誌から年9回発行の変則発行に縮小、昨年から月刊誌に持ち直したものの、78ページまで薄くなっています。

それに対してBN誌は年51回発行の週刊誌。46ページの中綴じですが月間換算だと200ページ近いボリュームです。

価格はリング誌が1冊$6.95(約770円)、2年24冊定期購読で$64.99(約7150円=1冊あたり約300円)。日本で定期購読となると2年24冊$99.99(約1万1000円=1冊あたり458円)。

BN誌は1冊ポンド3.99(約580円)、1年51冊定期購読で£99(約14355円=1冊あたり約約281円)。
日本では£111(1万6095円=1冊あたり316円)。1年最後の51冊目は80ページに膨らむクリスマス特別号です。

※$1=110円/£1=145円で計算

どちらも美しいオールカラー。

日本の「ボクシングマガジン」や「ボクシグビート」が定期購読の割引がほとんどないのに比べてお得感は強烈です。

リング誌やBN誌の回し者みたいな前置きが長くなりました。

BN誌の2019 Review からWORLD FIGHTER OF THE YEAR 10傑です。「WORLD」が頭に付いているのは British FIGHTER OF THE YEAR も同時発表しているからです。

トップはカネロ・アルバレス。

ダニエル・ジェイコブスを判定で下して世界ミドル級タイトル、WBC/WBA/IBFの3団体のピースを集め、ライトヘビー級のWBO王者セルゲイ・コバレフを痛烈にKO。WBAスーパーミドルのストラップも合わせてヘンリー・アームストロング以来の「3階級王座を同時保持」を果たしました。
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そして2位はマニー・パッキャオ。

多くの人がパックマンは終わった選手と考えていましたが、エイドリアン・ブローナーを追いかけ回し、キース・サーマンにも完勝。2010〜2019年のWORLD FIGHTER OF THE DECADE でもフロイド・メイウェザーに次ぐ2位。

BN誌をはじめ、ほぼ全てのメディアで2000〜2009年の FIGHTER OF THE DECADEを満場一致で獲得しているパッキャオは二つのディケイドにまたがって世界最高峰に君臨し続けていることになります。

さすがに2020〜2029年でもトップ争いを繰り広げることはないでしょうが…。

いえいえわかりませんぞ、パックマンのやることですから。

そして!3位が井上尚弥!

By now a cult hero (いまやボクシングマニアのお気に入り)と紹介された26歳のモンスターは WORLD FIGHTE OF THE YEAR ではドネア戦で堂々の1位。

Modern Classic、1970年代までの恐れを知らないファイターたちによって繰り広げられた大激闘を現代に再現して見せたと評価されました。

井上vsドネアは扉の目次ページでも起用され、井上はメイウェザー、パッキャオ、カネロ、アンソニー・ジョシュアと並んで表紙も飾っています。

井上から以下のメンツは4位アーサー・ベテルビエフ、5位ジョシュ・テイラー、6位エロール・スペンスJr.、7位を飛ばして8位ワシル・ロマチェンコ、9位ファン・フランシスコ・エストラーダ、10位テオフィモ・ロペス。

さて、7位は?

FIGHTER OF THE YEAR(その年に最も輝きを放ったボクサー) はPFP(階級を考慮しなければ誰が最強か?)ではないので、テレンス・クロフォードではありません。

なんと、ジョンリール・カシメロなんです!

その理由は「1年間で世界戦3試合を含む4試合を戦い、その全てをKO決着。極めつけは不利予想が立てられたWBOバンタム級王者ゾラニ・テテを3ラウンドで仕留めて3階級制覇したこと」。

井上はもちろん、エストラーダやカシメロ、欧米で言う「超軽量級」ボクサーが正しく評価されるのは気持ちがいいものです。

とはいえ、メディアが評価しても、ファンまでなかなか降りていかないのが歯がゆいところですが。