日本型カジノは2025年に3ヶ所で開業する予定ですが、地元住民を中心に反対も多く、汚職事件もこの意見を加速させています。

候補地となっている主な自治体は、北海道2ヶ所(苫小牧、留寿都)、東京、神奈川、千葉、愛知2ヶ所(名古屋、常滑)、大阪、和歌山、長崎ですが、2022年頃とされる候補地決定で間違いなく生き残っているのは大阪(夢洲)だけという厳しい予想も聞かれます。

ラスベガスで繰り広げられるメガファイトを日本でも!と夢見るボクシングファンにとっては、大都市圏でのIR開業を期待していましたが、そもそもの問題として「日本型カジノと(軽量級)ボクシング」には気になるところがあります。

ラスベガスのボクシング興行は「招致ビジネス」です。

宿泊しカジノでお金を落としてくれる「上客」を集めるための釣り針としてボクシングのビッグファイトや、イリュージョンを破格の招致フィーを支払って招致するのです。

日本のボクシングファンが高額の宿泊費とカジノ入場料まで支払ってギャンブルに興じるか?となると甚だ疑問です。

日本が雛形と見ているシンガポールのマリーナベイ・サンズ(MBS)の宿泊費はウィークデイですら最安値が1500シンガポールドル(約12万円)、自国民のカジノの入場料は今年度から50%値上げして150シンガポールドル(1万2000円)。
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4フロアを吹き抜ける広大なMBSのカジノ。これでも敷地面積は全体の3% 。上の2フロアがVIP、下2フロアが一般客向け。最上フロアでは「ハイローラー(大口の上客)を上回るホエールが集まる1回の賭け金で3000万円というVIPルームもある」(井川意高)そうです。

シンガポール同様にお金持ちの外国人を「大歓迎」、自国民は「保護」するのが日本型IRの基本路線ですから、同じような価格設定になるでしょう(入場料は6000円と言われていますが「安すぎる」と議論を呼んでいます)。

私たちボクシングファンの金銭感覚からかけ離れています。宿泊なんてとんでもない話で、カジノで少し遊ぶ程度でしょう。

つまり〝MGMグランドガーデンアリーナ夢洲〟にとって、私たちは「上客」ではありません。

「招かれざる客」の席料は間違いなく跳ね上がります。それがカジノ&リゾーツです。

後楽園ホールや横浜アリーナのシートとは桁が違う高額チケットになるかもしれません。

それどころか「外国人は日本人の軽量級ボクシングに興味がない」「観戦に来る日本人は金持ちじゃない」となると、そもそも日本人絡みの軽量級の試合をIRが招致しない可能性が大です。

村田諒太のスポンサードに真っ先に手を挙げたMGMでしたが、地元大阪の井岡一翔や日本のエース井上尚弥には全く興味を示さなかったのは、ある意味当然です。

カジノで行われるスポーツとしてはボクシングが真っ先に頭に浮かんでしまいますが、バスケやテニスも有力なコンテンツで外国人の「上客」を意識した場合、ボクシングは消去法で真っ先に落選です。

NBAの公式戦やテニスのATPファイナルズなどが最優先、ボクシングは中量級以上がターゲットになります。

期待したいのは「開放日」を設けてくれることですね。

国内経済を活性させるためのIRですから、そこで日本人がカネを使うのは本末転倒なのは当然ですが、MBSを開業し、横浜でのIR候補に名乗りを上げているラスベガス・サンズは「100億ドル(円じゃありません、ドルです)以上を投資する」(シェルドン・アデルソン最高責任者)と明言しています。

100億ドル、1兆800億円です。1兆って…そりゃ林文子市長もIRになびきますわ。莫大な法人税収入で、市の財政を劇的に立て直せますからね。

シンガポールのMBSの初期投資56億ドルを大きく上回る数字からも日本市場への期待の大きさが窺えます。

これだけの投資意欲があれば年に数回、日本人イベントのために良心的な価格でアリーナなどを「非上客」に開放することも考えられます。

そうなると招致フィーが発生しないから選手の報酬も期待できない…ことはないでしょう。招致フィーが発生しなくても、テレビ放映権料は大幅に上がるはずです。

招致ビジネスとは違う形の「日本型カジノ」でのビッグファイトについて、引き続き考えていきます。