紆余曲折、七転八倒、壊滅寸前、疑心暗鬼、諦観幻滅が渦巻く中、とにもかくにも準決勝第1試合まで漕ぎ着けたWBSSセカンドシーズン、バンタム級トーナメント。

 ルイジアナ州ラファイアット、カジャンドームのリングにWBAスーパー王者ノニト・ドネアが上がるまであと1日となりました。

当初予定されていたWBO王者ゾラニ・テテは肩の故障で戦線離脱、リザーブ選手のステフォン・ヤング が代役をつとめます。

テテの故障は10日ほど前から噂になっており「報酬の低さに嫌気がさしているが、その理由で撤退を表明するとイヴァン・バランチェクのように契約を盾に損害賠償を求められるから、医者の診断書を添えて故障を装う」というまことしやかな憶測まで流れていました。

普通に考えれば、低報酬の舞台でドネアや井上尚弥と戦うよりも、WBSSから縁を切ってから仕切り直す方が大きな報酬を手に入れることが出来るのは火を見るよりも明らかです。

井上尚弥との決戦を英国や米国の片田舎でジュニアウェルター級決勝の前座として行うのと、横浜アリーナでやるのとでは下手しなくても報酬は一桁変わってくるでしょう。

もちろん、この事情はドネアも変わりません。

しかし、テテは31歳、軽量級としては若くはない年齢ですが、まだまだ〝坂の上の雲〟を目指す時期のファイターです。

19年に及ぶキャリアがフィナーレを迎えつつある36歳のドネアは〝死に場所〟を探しているグレートです。

「最後にもう一花咲かせてやる」という強烈な思いは、本人は否定するでしょうが〝翻訳〟すると「しかるべき相手に介錯されたい」ということです。

テテ相手には圧倒的不利のオッズが立てられていたドネアですが、底の知れたヤング相手では勝利が1/66(1.01倍)と鉄板状態。ヤングは15倍。※オッズはいずれもウィリアムヒル。 

ブッカーが叩いた数字通りにフィリピーノフラッシュが閃光してくれると、日本のボクシングファンにはたまらない決勝戦が待っています。