リング誌は1928年からFIGHTER OF THE YEARを、1980年からBEST FIGHTER POLLを毎年発表し続けてきました。

 BWAAを筆頭にESPNなど多くのメディア・団体でも「年間最高選手賞」である
FIGHTER OF THE YEARを発表、メディアによって食い違うこともありますが、その意図するところは文字通り「年間最高選手」です。

FIGHTER OF THE YEARは、BWAAなど多くのメディア・団体がノニト・ドネアを選んだ2011年にリング誌がアンドレ・ウォードを選んだことがありました。

日本人絡みでも多くのメディアがセルゲイ・コバレフを選出した2014年、ボクシグシーンは井上尚弥を
選ぶなど、ときとして食い違いもありましたが、その見立ては大筋で一致しています。

ところが、リング誌が毎年行っているBEST FIGHTER POLLの1位が同じリング誌のFIGHTER OF THE YEARとは必ずしも一致しないどころか、この10年で一致したのは2009年マニー・パッキャオだけで、残る9年間はことごとく違うボクサーだったのです。

この矛盾はどうして起きるのか?

あらためて2009年ー2018年の
FIGHTER OF THE YEAR とBEST FIGHTER POLL を比べてみたいと思います。
FIGHTER OF THE YEAR BEST FIGHTER POLL
2009年 -  マニー・パッキャオ(3度目)マニー・パッキャオ
2010年 -  セルヒオ・マルチネスマニー・パッキャオ
2011年 -  アンドレ・ウォードフロイド・メイウェザー
2012年 -  ファン・マヌエル・マルケスフロイド・メイウェザー
2013年 -  アドニス・ステベンソンフロイド・メイウェザー
2014年 -  セルゲイ・コバレフフロイド・メイウェザー
2015年 -  タイソン・フューリーローマン・ゴンザレス
2016年 -  カール・フランプトンローマン・ゴンザレス
2017年 -  ワシル・ロマチェンコテレンス・クロフォード/ゲンナディ・ゴロフキン
2018年 -  オレクサンダー・ウシク
※赤字は満票

この10年間に選ばれたメンツを見ると、この二つの選考基準に明らかな違いがあることが認められます。

FIGHTER OF THE YEAR は「その1年間で最も印象的な活躍を見せたボクサー」であり、BEST FIGHTER POLL は「現時点でPFPの考え方で最高のボクサー」ということですね。

選考基準は違えど、この二つを並立させる意味は大きくないと判断したのか、今年から
BEST FIGHTER POLL はなくなってしまいました。

さらに、今年から姿を消したもう一つのリング誌名物が「BEST FIGHTERS IN THE WORLD 100」です。

毎年1月号で30ページ以上にわたって掲載してきた
BEST FIGHTERS IN THE WORLD 100 でしたが、毎年のようにページ数減を強いられ64ページにまでやせ細った現状ではこの大特集は物理的に不可能だったのかもしれません。

昨年から実業家のステファン・フリードマンがオーナーになり、月刊体制が維持できなくなっていたリング誌を「(もっとページを減らしても)月刊誌に戻す」と振るった大鉈がBEST FIGHTER POLL とBEST FIGHTERS IN THE WORLD 100 を斬り捨てたということでしょう。

…「MMAコーナーは作ったくせに」というボクシングファンのやっかみも聞こえてきますが、廃刊しちゃうよりはマシです。

リング誌の枠を超えて専門家投票で決定していたBEST FIGHTER POLL、40年近くも続いた特集がなくなるのは残念ですが、まあしょうがないですね。